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栄村復興への歩み
2011年3月に震度6強の地震で被災した長野県栄村で暮らす松尾真のレポートを更新しています。

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入院中のTさんへ〜森集落の道祖神祭り〜

 

 

昨年、復興住宅への子育て世帯2軒の入居で子どもがいっきに増えた森集落。子どもたちの元気な姿が印象的。

 

午後1時半開始だったが、間もなく北風と雪が…。参加者のみなさんも真っ白に(2時3分撮影)。

 

 

みかん撒きは2時20分すぎから。かなり激しい雪の中。

 

午後8時現在は止んでいますが、下の写真は午後4時の中条の国道117。

 

 

 明日もかなりの大雪になりそうです。

 

 


夜11時すぎ、空には満月が・・・


 

 雪が止んでいることは窓から確認できるが、新たな積雪はどれくらいになっているか? 明朝の段取りもあるので、外に出てみた。
パッと目に入ったのは、なんと満月が輝く姿。

 

 道路上の新雪はつぎのような様子。

 

中条地区の集落内道路。車の跡は、除雪関係の仕事で夜になってから帰ってこられた人のものだろう。


 これから朝までに新しく降るかもしれないし、早朝の除雪車が入るだろう。明朝はまた、車庫前の除雪から始まる。

 

国道は除雪されている。ただ、まだまだ大雪が続いていた昨夜よりも、今夜は車があまり通らない。日曜日の夜ということもあるのだろうか。


少し余裕が生まれて、大雪を観察

 

 昨夜0時前後だったと記憶しているが、外の様子を見ると、雪が降り止んだ様子。
 今朝、6時40分に起床すると、窓からスキー場がきれいに見えた。
 7時から約30分間、車庫前の雪の片づけが難儀だったが、8時から1時間ほどの中条道祖神の準備を終えた後、森と青倉の様子を見て廻った。上の写真は午前9時44分撮影の国道117栄大橋の様子。少し降って路面は白くなっているが、朝からきれいに除雪され、道路がやけに広く感じられた。

 

 つぎに、13日と14日にも撮影した青倉公民館前の様子を紹介する。参考に13日と14日の様子も再掲する。

 

9時41分撮影。

 

14日

 

13日

 

 14日の大雪であきらかに積雪量は増えたが、雪そのものの自重と夜間の冷え込みで雪が締まり、落ち着いた冬の栄村らしい風景になっていると言える。

 

 国道117から青倉集落に入る中条橋では雪の壁がいっきに高くなり、橋上からは川の様子は見えない。頭上にカメラをかざしてシャッターを押してみた。下の写真がその結果。

 

 

午前9時12分、森Yショップの前の国道117。
ドーザーが積雪をどんどん押し出し、道路幅がどんどん広がっていく。昨日とは別世界。

 

森宮野原駅前駐車場。
「最高積雪地点」の記念標柱と比較すれば、昨日の降り方は尋常でなかったが、積雪そのものは栄村としてはまだまだ序の口。

 

 

中条の道祖神会場から、私が暮らす家の屋根の様子がよく見える。
屋根の雪の変化を追ってみた。

 

午前8時16分撮影。
写真左手は作業所、右側2階が私の居住場所。手前は山側で、向こう側が国道に面している。居住部分の国道側は少し雪がずれ始めているが、まだほとんどが屋根の上。

 

9時5分。国道側の屋根の雪が動いている。

 

11時39分。国道側は完全に落下し、手前側もかなり落ちている。
作業所部分の屋根も手前側は落下式だが、今日はまったく落ちてくれない。

 

午後3時59分、車を車庫に入れた後に撮ったもの。再び激しい降りになってきた。
食料も十分に確保したので、明朝までは「籠城」。

 


 2時半に森集落の道祖神の撮影を終え、「トマトの国」に直行。
 昨日3回、今朝1回、重い雪の片づけなどで体が硬直しきっている。昨日は午後4時頃に「温泉に行きたい」と思い、車を出そうとしたが、ダメ。
 温泉では中条の男性ほぼ全員が顔を揃えた。
 湯舟から見える中条川右岸の絶壁の雪景色がとても綺麗だった。「外に出たら1枚」と思っていたが、外に出た時はすでに激しい降りになっていて、何も見えない。その時の1枚を最後に紹介。

 

午後3時45分。

 

(了)


大雪の合間の道祖神祭り

 

 

 私が暮らす森集落中条地区の道祖神祭り。戸数はわずか6戸。しかし、大雪がいったんやみ、青空ものぞく中で、最高に盛り上がった。

 

 

 


準備は午前8時から5人で。約1時間の作業で出来上がり、いったん帰宅。

 

10時半集合で点火。

 

 

 


燃えた藁の熱でスルメや餅、芋を焼き、餅には蕗味噌をつけて食べる。最後にみかん撒きも。

 


近くではスズメも固まって道祖神祭りに参加。

 


この日は、森区長を務める月岡英男さんの70回目の誕生日でもあった。中条の隣組長・桑原友春さんが熱唱で歌をプレゼントした。

 

 

参加者全員の姿。


1月14日、異常な大雪

 ニュースで各地の大雪が伝えられていますが、栄村でも凄い雪になっています。最近の記憶では2014年12月14日、総選挙当日の大雪以来のものだと思います。しかも、今回は明後日16日まで続くと言われていますから、大変です。
 そんな中、悲しい事故が発生しました。
 全国ニュースでも報道されましたが、志久見集落にある林秀庵の方丈さま、石塚彰雄さんが除雪作業中に折れたかなり大きな木の直撃を受けて、お亡くなりになったのです。
 昨夏、御父上から方丈職を引き継がれたばかりでした。63歳で、非常に若々しく、エネルギッシュな方で、これからの活躍が期待していただけに、残念でたまりません。
 いまは、ご冥福をお祈りするばかりです。
 合掌。

 


 さて、ここからはあまり多くは撮れていない写真からの今日のドキュメントです。風景写真の場合のようなレイアウト等は考慮せず、淡々と写真を紹介していきます。

 

午前7時17分撮影の国道117号線。森・中条地区です。この段階では、「ようやく本格的な雪になったな」という感じだった。

 


同時刻撮影。私が住んでいる家屋の作業所部分の屋根。この部分だけ落下式ではない。昨日午前中に大家さんが雪を下ろしたばかり。その時の様子は次の写真。

 


13日午前9時撮影。

 


1、2枚目と同時刻、家の裏手の様子。後の写真との比較のために。

 

7時19分、車庫から出る所をとりあえず、雪片づけ。ただし、これでは車は出せない。今日の午前中はまず原稿書きなので、本格的な片づけは車を出す時に行う。

 

 次は午前11時4分の国道117の様子。朝とかなり様子が変わってきている。

 

 


11時21分、森宮野原駅。除雪車が停車中。今日、飯山線は戸狩野沢温泉〜越後川口間が全面運休。

 


駅前に駐車している車。これは昨日からずっと駐車し放しのものだろう。

 


正午ちょうど。青倉集落で車内から撮影。吹雪いて前方が見えづらくなることも。

 


0時2分、青倉公民館前にて。この地点の昨日の様子は次の写真。

 

13日午前9時38分撮影。

 

12時15分、横倉踏切から横倉駅方向を撮影。除雪車が通った形跡はあるが、線路はもう見えない。

 

0時22分、百合居橋。箕作側から撮影。

 


百合橋撮影時に県道の月岡方向を撮影。先がほとんど見えない。

 


0時46分、野田沢の長者林付近の県道。
 この撮影時、ドーザーの除雪で道路中央に雪が溜まっている状況で、大久保方向に進む道と妹木に進む道とが分かれていて、妹木方向路に入ってしまった。その後、苦労して県道に戻ったが、大久保方向に進む道路の先が見えない状態に。正直なところ、道路上での“遭難”の危険を感じ、引き返すことを決断。その頃に、ある電話で「除雪中に栄村の住職、死亡」の一報が入ってきた。

 

 国道117に入り、自宅が見えてきた時、除雪車が集落内道路を除雪してきたところで、自宅前に入れないので、Yショップに買い物に。「今日はもう外には出られない」と判断し、食料などを買い込む。そこで、知人から亡くなった住職が石塚彰雄さんであることを聞いた。

 


午後1時30分。自宅前に到着。
 除雪車が脇に押し出した雪の量が今日は半端ではない。これをスノーダンプで除雪。除雪車が押し出した雪は塊で、いまだかつて経験したことがないほどに重かった。なんとか軽トラ1台通れる幅だけ開けて、車庫に入った。

 

午後4時8分。車庫のシャッターを開けた時の様子。午後1時半過ぎに車が入れるように雪を片づけたところだが。
「この程度だったら、出られるかな」と思い、車を出したが、車庫から出てすぐに左にハンドルを切り、坂を上がるという構造なので、左にハンドルを切ろうとしたところでアウト。車の下の雪をスコップで取り出し、ようやくのことで車を車庫に戻した。

 

4時26分の国道117。除雪されているので、車は走れるが、見通しは悪い。

 


我が家の落下式部分の屋根。湿った雪でくっついているのだろう、朝からこの状態が続いている。午後6時40分に凄い音がしばらく続いた。この屋根の雪の落下。さらに6時59分にもう一度、ギシギシ音をたてながら、屋根の雪が落下。6時59分は家の裏手の側。

 

午後4時28分の家の裏側。朝と比べて、そんなに変わっていないようにも見えるが、午後6時59分の屋根からの雪の落下で、この雪の山はもっと高くなったことだと思う。

 

(了)


深々と降り積もっています


午後10時18分撮影。
車庫のシャッターを開け、国道117号線の様子を撮りました。
約1時間20分前の様子は次の写真。

 


午後8時59分の撮影。

今日はほぼ一日中降っていましたが、夜になって、「いよいよ本番が来たか」という感じ。
次の写真は1枚目の写真を撮るために外へ出た時の様子。

 

8時59分の写真を撮るために出た時の私の足跡はとっくに消えている。夜になって湿雪から乾雪に変わってきた感じがする。

 

10時18分の写真を撮るために外に出た時の私の足跡。
車庫の前は夕刻5時にしっかりと除雪しておいたのですが…。

 

まあ、栄村としては普通の降雪と言う方が正しいのでしょうが、昨冬、そして今冬もつい数日前までは小雪だったので、なにか凄い雪のように思えるから、「人間って弱いものだなあ」と思います。

 

明日の朝は除雪から始まります。


県道脇にイノシシ!!

 10日午後3時20分頃、東部地区の県道を北野方向に進み、間もなく笹原集落という所で、進行方向左手の雪上に異様な物体が目に飛び込んできた。
 一瞬、「?」となったが、車のスピードを落としてみると、なんとイノシシ!
 こんな所で遭遇するなんて想像もしなかった。

 


 最初に目撃した時はカメラを構える余裕などなかった。
 通り過ぎ、配達予定の1軒に行ったうえで、車をターンさせて現場に戻ると、位置を少し変えて、まだいた。
 上の写真はその時に撮影したもので、運転台横の窓ガラス越しに撮っているので、あまり鮮明ではない。また、あまり顔をはっきり見ることはできないが、最初に見た時、意外としっかり顔を見た。「猪豚」の顔で、生粋のイノシシの顔ではないと思った。

 最初に目撃した地点、足跡からすると、北野川から上がってきた可能性がある。
 私が車をターンさせて戻った時、長岡ナンバーの軽トラが長瀬方面からやって来て、やはり「イノシシ」に気づき、停車。様子を見ているようで、イノシシが県道を横断し始めると、車で跳ね飛ばそうとしたが、イノシシはスルッと車をかわし、反対側の田んぼの雪上に逃げ、その後、山の方にゆっくりと移動していった。

 

 

 

ここが最初に目撃した地点。

 

イノシシの足跡。


 昨秋は青倉集落の山の田んぼでイノシシのひどい被害があった。森の開田でもあったようだ。また、飯山市の栄村に隣接する地区では、近年、イノシシ被害がひどいと聞いた。
 私が栄村に移ってきた頃、「雪国にはイノシシは生息しない」と聞いたものであったが、近年、イノシシが増えている。どうも始まりは、外部の者がイノブタをこの地域に放ったのではないかという話も聞く。
 いずれにしろ、クマ対策とともに、有害獣対策の抜本的な強化が必要である。
 なお、すぐ近くのお宅の人と役場にはイノシシを目撃した旨、お伝えしておいた。

 

 

 昨10日のイノシシ出没地点を今日11日、撮影した(午前10時58分、雪は止んでいる)。

 

 

 「北野川から上がってきた可能性がある」と書いたが、その後、見たイノシシの様子を思い返すと、いくら雪上を歩いてきたとはいえ、体毛がずぶ濡れという感じだった。やはり川を渡ってきたのではないだろうか。そこで、断崖絶壁の下を流れるこの地点の北野川の様子を1枚、撮ってみた。

 


 綺麗な雪景色だ。
 対岸は栄村地籍であるが、山を越えた向こう側は津南町の前子集落。「集落」とはいっても、一昨年に訪ねた時は住人は1名のみ。冬の間は津南の町中の町営住宅で暮らすのだと聞いた。

 


栄村の四季を楽しむ

 

 雪が降る日も、夏の太陽がギラギラと照りつける日も、村の中をくまなく歩き廻ると、いろんなものが目に飛び込んできます。「あそこでは、こんなものが見られるはずだ」と思い、山の中を分け入っていくこともあります。
 この1年でもっとも感動したものの1つはイワカガミの花の群生。上の写真がそれです。
野々海池近辺のいたるところにイワカガミの小群生地が見られます。雪消えの頃、訪れる人は少なく、誰にも気づかれることなく、花を咲かせ、そして散っていくのでしょう。でも、この花の葉っぱは積雪期でも開き続けています。岩地のようなところに咲くので“イワカガミ”なのですが、きっと強い花なのでしょうね。

 

 

 

 春はやはりミズバショウをたっぷりと見たいですね。
 透明度が高い雪融け水がミズバショウの命。よーく見ると、水中に縦横無尽に広がる根も見えます。

 

 

 ミズバショウは、月岡の山と野々海が見どころですね。ただ、野々海では容易に見られるところでは群生が減っています。ここは深坂峠の少し手前の左手を下ったところ。ここ2年は頻繁に通っています。これは2015年6月18日。雪が少なかった2016年は5月上旬が見ごろでした。

 

 

 

 春と秋、野々海池です。ブナの芽吹きと雪のコントラストがこれだけ鮮やかに見られるのはやはり野々海池ならではのことでしょう。2015年5月28日撮影です。
 “鏡に映る紅葉”は4日間通い詰めてようやく撮れたもの。2016年10月22日早朝です。

 

 

 

 

 “夏”を何にしようか、ずいぶん悩みました。
 やはり“さかえトマトジュース”ですね! 2016年はあまり収穫現場を訪れることができなかったのですが、「収穫ももう終わり」という8月28日のお昼過ぎに菅沢で撮らせていただきました。

 

 

 いまではすっかり栄村の夏の恒例となった「ぐるっと栄村サイクリング」の一場面。秋山林道沿いの不動滝にて。奥に聳えるのは鳥甲山連峰。

 

 

 

 秋の景色として、こういうものも面白いのではないでしょうか。野々海池の水中に積もる黄葉と水の青色のコントラストが素晴らしいと思うのですが。11月2日の撮影です。

 

 

 

 

 鳥甲山連峰の白沢です。上は10月21日、下は12月19日。随分と印象が異なりますね。私はやはり冬の姿が大迫力で、好きですね。

 

 

 

 

 

 

 この1年間、四季折々の姿を撮り続けてきた切欠集落の姿です。

 

 

 

 雑魚川の三段の滝。この撮影は命懸けでした。10月21日です。


栄村復興への歩みNo.300

栄村の近未来図を描いてみる

 

 みなさま。
 新年おめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
 2017年冒頭、「栄村復興への歩み」は第300号を迎えるにいたりました。6年前の震災当日から発行した「栄村の状況」を引き継いで2011年4月13日に第1号を発行して以来、早や5年9か月の歳月が経ちましたが、発行当初にはこれが6年近くも続き、300号を迎えるなどということは想像もしませんでした。これも、みなさまにご愛読いただいているからこそのことと感謝しております。これからも、よろしくお付き合いお願い申し上げます。


 さて、今年の「3月12日」は満6年目。メディアなどの関心も薄らぎ、「栄村」が語られることも少なくなるかと思われます。「栄村の地震」が次にそれなりに大きく取り上げられるのは「10周年」の時になるのではないでしょうか。
 それまでの4〜5年間、「10周年」の日に「栄村はこんなふうに復興し、元気にやっています」と胸をはって誇れるような村づくりを進めていけるといいなあ、と思います。
 そんなわけで、300号で新年第1号の今回は、タイトルに掲げたように「栄村の近未来図」を私なりに思い描いてみたいと考えました。文章が多いですが、写真は別冊でお楽しみください。

 


(元旦にいただいた年賀状)


ある若者から聞いた1つの話
 年末のある日、私は栄村の観光に携わる一人の若者(以下、「Aさん」とします)を訪ねました。

 

   「リピーターが多いんです、モニターツアーのお客さんの。でも、

    宿泊施設に直接連絡されても対応できないんで…。だから、オ

    レ、頑張ろうと思うんです。」

 

 この2〜3年の間、振興公社の幹部らに何度問いかけてもいっこうに回答を得られなかったことへの答えが思わぬところで返ってきたのです。
 「モニターツアー」とは、あの「3億円事業」(「生涯現役事業」)の一環として、栄村を旅する企画をつくり、JTBなどを仲介役としてお客さまを募ったものです(旅行費は無料)。2014年始めあたりから数度にわたって開催されたと記憶しています。「モニターツアー」はそれ自体が目的(目標)ではなく、栄村の新しい観光プランと新しいお客さまを開拓することが狙いでした。
 私だけではありません。多くの人が、「生涯現役事業報告会」や「復興推進委員会」、さらには議会で、「モニターツアーの実施からどういう成果が生まれているのか?」と質問し続けてきました。それに対して、公社理事長(当時の副村長)や事務局長(現・役場商工観光課長)からは、「すぐに成果が出るものではない」という類の答弁しか返ってきませんでした。
しかし、じつは“成果”はささやかなものかもしれないが、確実に生まれていたのですね。そのことを教えてくれるのが上に紹介したAさんの言葉です。

 

● “リピーター1万人計画”をスタート!
 Aさんの心の中に熱い想いが宿っているのですから、栄村にリピーターをどんどん受け入れる動きがスタートしたんだと言ってもよいと思います。
 みなさん、Aさんの想いに是非ご賛同ください。次のような想いを持つ人が名乗り出てくれることが必要でしょう。
“賛同”の波が広がるのには、3つの要素があると思われます。
    イ) リピーターになってくれる可能性がある人を一人、

     知っている。私が声をかけてみましょう。
    ロ) リピーターを増やすには、「栄村に行ってみたいな」

     と思ってもらう旅企画が必要でしょう。私は旅企画を

     作ってみますよ。
    ハ) いい旅をしていただくには、やっぱりガイドが必要

     だよね。私、年に2〜3回程度だったら、ガイドします

     よ。車も用意してね。
 一人一人がこの3つのことをすべてやらなければならないわけではありません。どれか1つをやってみようというだけで充分。「この指、とまれ!」でどんどんAさんと行動を共にしましょう。もちろん私も参加します。
 こういう想いを共有する人が二人、三人と出てくれば、1つの運動になります。そう、“リピーター1万人計画”運動のスタートです。
 おカネの話をして恐縮ですが、リピーターお一人が宿泊代を含めて1万円を村で使って下されば、1万×1万=1億円です。いま、課題となっている振興公社の再建も、こういう“夢”の中で考えていくことが必要ですね。
 ところで、1万人という数字、雲をつかむような数字でしょうか? 私はそんなことはないのではないかと思います。1組で2〜30人というグループもおられますし、子どものキャンプや大学生の合宿であれば、参加者個々のメンバーは入れ替わったとしても、その団体・企画のリピートを実現すればよいのです。「リピーター1万人」というのは、現実に照らせば、ひょっとすると小さすぎる“夢”なのかもしれません。
 大事なことは、「リピーターの人が栄村に来てくれた」という情報が1ケ所に集中され、「只今、本年のリピーター〇人です」という情報が村全体でたえず共有されているようにすることです。

 

● 岸幸一さんの画期的な仕事を引き継ごう
 ところで、昨秋以来、「『復興への歩み』で紹介しなければ」とずっと思いながら、果たせずにいたことが一つあります。昨秋11月に栄村を去った地域おこし協力隊の岸幸一さんが昨年の9月から11月初旬にかけて苗場山と鳥甲山の登山客を対象に実施された「無料の送迎サービス」です。下写真が鳥甲山ムジナ平登山口に掲示された案内。

 


 岸さんの報告によれば、82組・156名の人が利用されたとのこと(「広報さかえ」12月号掲載の岸さんの手記より)。
秋山林道の屋敷登山口で一人の登山客と出会ったときのことが思い出されます。その人はちょうど鳥甲山から下りてこられたところ。「これからムジナ平まで歩かれるのですか?」とお尋ねすると、「ええ、そのつもりだったんですが、ほら、これ。無料送迎してくれるというんで、たった今、電話したところです。迎えに来て下さるそうです」と満面の笑みを浮かべながら答えてくださいました。
 屋敷〜ムジナ平間、林道を歩いたら優に1時間以上かかります。上に紹介した人の喜びの大きさは容易に想像できます。
また、苗場山の場合、このサービスによって、湯沢側から登った人の小赤沢への下山率が大きく伸び、秋山郷の温泉に浸かるなどの観光需要が増えます。

 

 

 先に掲載の写真を見ると、実施日は計45日。おそらく申込みが殺到する日と1件の申込も無い日とがあったことでしょう。忍耐とズクを要する仕事です。秋山郷の観光について知る人であれば、「こんなサービスがあるといいんだが…」と思いながら、これまで実現できてこなかった重要な仕事だということがすぐに理解できるでしょう。協力隊という立場にあったからこそ出来た仕事という側面もありますが、今年の秋、この事業を私たちが引き継ぐことができるかどうか、問われています。
 新協力隊員が担ってくれるのもいいですが、秋山在住の人が数名協力しあえば45日分の半分くらいは出来るのではないでしょうか。私だって、10月は3〜4日に1回くらいの割りで秋山に行きますから、数日分の協力参加は不可能ではありません。
 (この項の最後に一言。「岸さんという人はどうして途中で去ったの?」なんて、「責任追及」的なことを言う人がいますが、「わかっていないなあ」というのが私の感想です。岸さんの偉業に言及することもなく、「途中で去った」なんてことだけを追及する、そんな歪んだ感性が岸さんを追いやったと考えるべきではないかと、私は思っています。)

 

“攻め”の企画が溢れる栄村にはお客さまがどんどんやって来る!

● 直売所「かたくり」の好成績が教えてくれること
 この1年半、お客さまが基本的に右肩上がりで増えているところがありますね。
 そうです、栄村農産物直売所「かたくり」です。
 右肩上がりをもたらしている要因は何でしょうか。
 接客サービスの良さ*など、好評の理由はたくさんありますが、最大の要因は品物の種類・数が増えていることです。
    * 「ここの直売所は他所(よそ)と違うね。他所は『売っ

     てあげる』という感じがするけれど、ここは『ありが

     とうございます!』という感じ」というお客さまから

     の声が数多く届いています。

 

「あっ! わらびだ」と声をあげるお客さんも(1月2日撮影)

 

この季節はお餅が大人気。とくに2種類を味わえる「ミックス」が好評


 “買うもの”があまりなければお客さまが少ししか来ないのは当然です。お客さまの多くは、「ドライブの途中に立ち寄る。いいものがあれば買ってみよう」、「他所では手に入りにくいものがあれば買っていこう」ということで、店の中に入り、ぐるっと一(ひと)回りされます。品物の種類が多ければ、当然、お買い上げ点数と金額が上がります。
 店長さん、出荷運営組合が最も力を入れていることは、切れ目なく、いい品物が入ってくるように農家さんに働きかけることです*。
    *「津南の農家の出荷物が多い」と難癖をつける村幹部が

     いますが、わかっていないですね。出荷者の多くは暮ら

     しの面でも栄村と一体感をもつ地域の人たち。そして、

     生産規模が大きい津南の農家さんが出荷してくれること

     で、栄村のかあちゃんたちが小規模生産で出荷するもの

     も売れるチャンスが創り出されているのです。

 

● 観光企画をふんだんにつくる
 振興公社は大赤字で苦戦していますが、その公社の過去3年間の「営業報告」を見ると、プラスの要因も発見することができます。総体としては入込客数が減っていても、「お客さまが増えた」という月がわずかながらあるのです。
 その客数増加の原因を見ると、ほぼ必ず、そこには“企画”があるのです。ただ、残念なことは、その“企画”のほとんどが栄村側で企画したものではなく、他所で企画されたものだということです。
 「“企画”のないところにお客さまはやって来ない」と言い切っても間違いではありません。
 飯山市に「森の家」というのがありますね。信越トレイルの拠点にもなっているところです。ご存知の方も多いかと思いますが、「森の家」は1年365日毎日、必ず何かの〈遊び企画〉を用意しています。冬であれば、「森の家」近くのブナ林にスノーシューを履いて出かけるというような遊びを企画しています。地元の人では考えつきもしなかったような企画ですが、TVでも紹介されるようになり、人気うなぎ登りのようです。

 

● 「鶏が先か、卵が先か」のジレンマをどう乗り越える?
 ここで、一つのジレンマにぶつかります。
 「人手がないから、いくら企画を考えても、実行できないよ」という意見。「いや、いや、企画がないからお客が来ない。お客が来ないから、観光が人手を確保できる産業にならないんだよ」という意見。
 「鶏(にわとり)が先か、卵が先か」という有名なジレンマと同じ問題です。
 このジレンマに対して、「こうすれば問題は解決できる」というものはありません。
 まず一人から始め、とにかく企画を打ち出す、その企画の実施に必要な人手をなんとか確保する。その小さな成功を踏み台として、また次の一歩に踏み出す。もちろん、「お客さまを一人も確保できなかった」というケースも出てくるでしょう。でも、そこでへこたれはしない。
 そういう地道なことの繰り返しが道を拓いていくのだと思います。

 

● 驚いたSOUPの冬企画
 SOUP(スープ)(信州アウトドアプロジェクト、事務所は「トマトの国」のそば)の新年メッセージを見て、驚きました。
 冬の企画が山盛りなのです。並べてみましょう。
    ♬冬のやんどもキャンプ?
     スキーキャンプ 2月10日〜12日 定員15名
     雪あそびキャンプ 3月21日〜23日 定員15名
   〈冬のイベント〉
     どうろく神 1月14日〜15日 定員10名
     冬の手前味噌づくり×雪のフットパス

     2月4日〜5日 定員8名
     雪あそび楽宿 2月8日〜10日 定員15名
     雪塊〜Yukidama〜 2月17日〜19日 定員8名
     雪板〜Yuki Ita〜

 企画内容の詳しい紹介は省きますが、数年前のSOUPの冬企画は、上の〈冬のイベント〉の△鉢イ世韻世辰燭茲Δ傍憶しています。また、「やんども」の2つの新企画の背景には昨夏、スキー場をキャンプ地として実施された「やんどもキャンプ」の成功があると思われます。
 こういう言い方をすると失礼になるかと思いますが、SOUPはそんなに経営体力が大きくはなく、人手も多くはない事業体だと思います。
 まさに「鶏が先か、卵が先か」のジレンマを抱えながら、積極姿勢を最大の武器として、こういう成長を実現されているのではないでしょうか。

 

貝立山への雪山トレッキング

 

芽は出てきている。相互に手をつないで、複合作用を起こし、夢を広げていこう!
 こうして見てくると、やる気満々の若者、登山客のニーズ(求め)に応じる企画の成功、人気スポットになりつつある直売所、企画力が溢れ、着実に発展する若者の事業体というように、〈芽〉は確実に出てきています。
 これらが相互に手をつないでいけば、そこに複合作用が生じ、1の力が2にも3にもなっていくでしょう。
 世の中にはいろんなヒット商品(モノだけでなく、音楽やアニメなども含めて)がありますが、そこではモノやスターの存在が不可欠であると同時に、なによりも優れたプロデューサーが決定的な役割を果たしています。栄村にいま必要なのはこのプロデューサーなのではないでしょうか。そして、それを担う人材は若者の中にいると思うのです。私のような歳が高くなった者の役割は、そういう若者が気持ちよく活躍できる環境を整えていくことなのだと思います。
 栄村が「震災10周年」を迎える4年後、村の様相は大きく変わっているでしょう。いまの若者が村の中心にドーンと位置し、そして、高齢者、壮年者も若者と一体となって楽しい栄村を実現している。
 今年2017年をそういう栄村のスタートの年にしたいなあ、と思います。

 

<後記>
 今年の正月はゆっくりさせていただきました。
 今号は記念すべき第300号(「栄村の状況」からの通算では334号)ですので、別冊として写真アルバム「栄村の四季を楽しむ」と編集しました。ネットのブログでは紹介したものの、「復興への歩み」では未紹介の写真を15点選びました。お楽しみいただければ幸いです。
 お気に入りのものがありましたら、壁掛け用写真の頒布などもさせていただきます。


2017年新春2日、晴れ上がった栄村

 

「トマトの国」の展望台から。11:49撮影。

 

横倉集落。11:56。飯山線の線路も白い。

 

月岡小滝線からの眺め。12:01。

 

手前、月岡集落大巻の田んぼの姿が美しい。12:01。

 

ソリ遊び。12:03。

 

貝廻坂から。12:07。

 

野田沢集落から関田山脈を望む。12:14。

 

貝廻坂の大曲がりのカーブから。12:18。

 

貝廻坂を下る途中、戦国の世の山城・仙当城の址がある山。その先
も険峻な山々が連なる。12:22。

 

大巻で千曲川が大きく湾曲する。12:28。

 

西南の陽をうけて光り輝く千曲川の水面。百合居橋上から。12:31。

 

同じく百合居橋上から上流方向を眺める。清水河原スノーシェッドの赤色がきれい。12:32。

 

横倉駅にて。12:36。ここで別の日の写真を1枚加えたい。

 

昨秋11月1日、試運転のSL。今度は是非とも雪の中を走らせたい。

 

帰省した人を見送る。

 

四季折々の景色を撮り続けた切欠集落。13:15。

 

原向に上る坂の途中にて。見えている集落は加用と百の木(共に津南町)。13:18。

 

左は苗場山。右の真っ白な山は奥志賀の山並みか。

 

原向の田原。正面に毛無山。野沢温泉スキー場のゲレンデが見える。13:23。

 

時は大きく進んで、17:05。中条から、宵の明星と三日月。

 

最後に再び、「トマトの国」の展望台から。17:18。