プロフィール

profile
栄村復興への歩み
2011年3月に震度6強の地震で被災した長野県栄村で暮らす松尾真のレポートを更新しています。

カテゴリー

categories

サイト内検索

Search

カレンダー

calender
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930     
<< September 2019 >>

最近の記事

selected entries

最近のトラックバック

recent trackback

月別アーカイブ

archives

栄村関連リンク

links

携帯用QRコード

mobile
qrcode

ブックマーク & RSS

Bookmark&RSS

秋山郷三山の山開きと初夏の観光客の訪れ

 6月1日、苗場山、鳥甲山、佐武流山の山開きが小赤沢・苗場神社で盛大に行われました。
 今年は山の残雪が多いのですが、この日、多くの登山愛好者が苗場山に登られました。私は山開き神事に参列していましたので、登山者の人たちを直接に目にしたわけではありませんが、神事の後、登山口に行くと、多くの県外ナンバー車が駐車していました。
秋山郷観光の柱の1つは山岳観光です。今季も多くの登山者が訪れることを願うものです。
 高い山にはまだまだ残雪があるとはいえ、10日ぶりに訪れた6月1日の秋山郷はすっかり初夏の様相に変わっていました。
 秋山林道にも少し行ってみましたが、多くの車、オートバイ、サイクリング車に出会いました。次の写真をご覧ください。恰好いいスポーツカーがミズノサワを走り抜ける姿です。

 


 べつに私はスポーツカー好きというわけではありません。このスポーツカーを操る人とちょっとしたやりとりがあったので印象に残っているのです。
 切明温泉から秋山林道に上がっていったところ、三叉路でこのスポーツカーの人が車から降りて、自分が持つ地図と案内看板とを交互に見つめられているのに出会いました。
  「何か、お困りですか?」
  「この道を行けば、志賀高原にぬけられるでしょうか?」
 私は、「たしか何日か前の村内放送で、奥志賀公園栄線は6月7日開通と言っていたな」と思い起こし、その旨をお話ししました。しかし、私は不安でした。未開通ならば「この先、志賀高原には通り抜けられません」という表示があるはずなのに、それがなかったからです。結局、たまたま志賀高原方向から走ってきた車があったので、合図して停まっていただき、「どこから走って来られましたか?」とお尋ねし、「志賀高原から走って来ましたよ」というお答えをいただき、スポーツカーの人にお伝えしました。
 後で聞いたところによれば、奥志賀公園栄線は5月24日に繰り上げ開通したとのこと。
 多くの人びとに秋山郷観光を楽しんでいただこうと思えば、「通り抜けできません」という時の告知板だけでなく、「奥志賀公園栄線開通。志賀高原方面はこちらをお進みください」というような案内板を出してほしいなあと思いました。ちょっとした気配りが大事なのだと思います。
 


野々海池と野々海水路について

 1頁に記したとおり、6月2日、野々海水路の普請が行われました。
 野々海水路の春の普請は通常、6月の第1日曜日に行われます。野々海水利組合の共同作業で、野々海水路の水を使用する白鳥、平滝、横倉、青倉、森の5つの集落から必要な人数が出ます。
 今年の普請をめぐって関係者は大きな不安を抱いていました。というのも、今春は野々海の雪消えが遅く、1週間前の段階では、十分な普請の作業ができるかどうか、なかなか確信をもてなかったからです。ちなみに5月24日の野々海池は次の写真のような状況でした。

 

 


 池のほとんどはまだ雪に覆われていました。上2枚目写真は池のそばにある水番小屋の入口の様子です。小屋の扉は上に開けるものなので、この雪の状態では開けられません。「6月2日には残雪は減って、開けられるだろう」とは思いましたが、他にも、標高が高いところの水路がまだ雪の下にあって、十分な作業ができないのではないかという不安は拭(ぬぐ)えませんでした。
 幸い、24日以降の1週間、気温の高い日が多く、随分と雪が消えてくれました。下の写真は普請当日、小屋の扉を開けた後の様子です。おかげで2日の普請は求められる作業を概(おおむ)ね終えることができましました。

 


 さて、今号と次号の2回にわたって、この野々海池と野々海水路について基本的な事柄、野々海池・水路の維持をめぐる諸問題をご紹介したいと思います。

 

● 野々海池の貯水量はオリンピック用プール545個分
 野々海の話をすると、「野々海池って、貯水量はどれくらいですか?」と尋ねられることがしばしばあります。私自身はデータを見たことはありますが、スラスラと数字を口にすることができません。数字よりも何よりも、10年以上にわたって野々海に頻繁に足を運んでいて、その水量の凄さは体感として感じとっていて、数字にはあまり関心をもたないからです。でも、野々海について人に伝えるには、やはり数字がスラスラと出てこなければいけませんね。今回、改めて文献にあたってみました。『栄村史水内篇』です。
 あくまでも計画値ですが、「有効貯水量 136万582?」とあります。しかし、こういう数字だけ見ても、どんな量なのか、実感をもって理解することができません。面積を表すのに「東京ドーム〇個分」という言い方がよくされるので、こんなことを調べてみました。「オリンピックで使用できるプールの水量って、どれくらいなんだろう?」と。
 オリンピックサイズのプールは長さ50m×幅25m×深さ2mで、2,500?の水が入るそうです。すると、1,360,582÷2,500=544.2328で、野々海池の貯水量はオリンピックプール約545個分となります。なんとなく「凄いなあ」と思えるかなと思いますが、いかがでしょうか。

 

● 野々海水路はどれくらいの長さがあるのか?
 野々海池の水は先に記したとおり、水内地区の5つの集落の水田に野々海水路で送られます。野々海池は標高1,020mに位置しています。そこから標高300〜500mにある水田まで山の中を通って水を送るのですから、野々海水路は相当の長さに達するだろうと容易に想像されます。でも、数字を見てみましょう。
 「幹線水路総延長19,502m(4路線、隧道4か所)、支線水路9,209m(内隧道4ヶ所)」とあります。

 

 

 


 これは『栄村史水内篇』259頁に掲載されている計画地図です。
 「溜池」と記されているのが野々海池。「隧道(ずいどう)」はトンネルのことです。手掘りされました。
野々海池を出てすぐにある1号隧道を出た直後、1号幹線水路から3号幹線水路が分岐します(第1分水点)。3号幹線は白鳥に向かいます。次の写真が1号隧道出口の6月2日の様子です。

 


 1号幹線はその後、4号幹線水路を分岐します(第2分水点)。4号幹線は平滝と横倉に向かいます。下の写真で手前に見えるのが第2分水点、先に延びる道の下に1号隧道を出た水路が流れています(水路を木で蓋しています)。

 


 この後、1号幹線は第2隧道に入り、円筒分水点に至ります(下写真)。ここで森集落に至る水と青倉集落に至る水(2号幹線水路)が分かれます。

 

 


 この後の1号幹線と2号幹線の特徴の1つに、途中、自然河川を水路として使用していることがあります。森に至る途上での東入沢川と、青倉に至る途上での西入沢川上流です。
 冬の期間は止められていた水を以上の幹線水路に通せるようにする作業が、今年は6月2日に行われた野々海水路の普請なのです。

 

 幹線水路だけで全長約20km。その維持・管理は大変なことです。

 野々海池の築堤工事と水路掘削は国の事業として行われ、その所有権は事業を国に代行して実施した長野県にありました。その後、栄村に譲渡され、現在は通常の維持・管理は関係農民で作る野々海水利組合が行っています。水利組合が維持管理を続けていくうえでの課題は何か。それを次号で考えてみたいと思っています。

 


木の花の写真二点

 

ナナカマドが花を咲かせている姿です。
秋の真っ赤な実は有名で、写真もよく紹介されますが、春の花が取り上げられることはあまりないのではないでしょうか。私も今回初めてカメラをむけました。花のクローズアップも紹介します。

 

 

 もう1枚、5月15日に野々海に向かう途中で撮ったものです。前々から「不思議な花(木)だな」と思っていましたが、樹木図鑑を調べると「ウワミズザクラ」というそうです。似たものとして「イヌザクラ」というものがあるそうで、もう少し厳密に確認作業をしなければならないと思っています。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
栄村復興への歩みNo.359
2019年6月3日発行 編集・発行人 松尾真
連絡先:電話080−2029−0236、 mail;aokura@sakaemura.net
ゆうちょ銀行 11100−01361481 栄村復興への歩み協賛寄金 ながの農協栄出張所 普通0009390 栄村復興への歩み発行協賛金松尾眞


松尾まことの議員活動報告No.35

ふるさと納税−お米加算金をめぐる問題
〜6月定例会の質疑から〜

 

松尾:「これは一種の災害であり、財政出動してでも、今年度に限

   り、農家に昨年と同じ所得が保障されるように村が責任もっ

   て対処すべきだ」
村長:「今年度に限り、作付が終わったものについては保障。仮渡金
   の支払を農家が不安に陥らないように対応する。」

 

 

 6月17日から20日までの定例議会は、一般会計補正予算審議など多くの案件を扱いましたが、最大の関心は、直前に村のチラシで明らかになった「ふるさと納税問題」、すなわち「昨年度のような上乗せ金はできない」という問題でした。そのため、一般質問が平素以上に重要な意味をもつことになり、8名の議員中3名(保坂良徳、松尾、上倉敏夫)が一般質問で「ふるさと納税問題」を取り上げました。一般質問1日目(18日)に保坂議員の質問で村の対応方針の概要があきらかにされたことをうけて、私は2日目(19日)、村長に重要な決断を求めました。その核心部分が上に大文字で示したものです。
 今年度産米について、昨年度の「栄村概算金額16,200円(内共計概算金13,372円、ふるさと納税上乗せ2,828円)」(JA通知書より)を絶対に保障することを村に約束してもらうことが質問の狙いでした。森川村長の答弁はこの求めに真正面から答えてくれたものと評価します。金額の詰め等、具体化作業にもう少し時間を要しますが、基本方針は明確になったと思います。

 

 以下、本号では、「ふるさと納税の制度変更」と言われているものの具体的内容、今年度、稲作農家に昨年同様の支払を保障するための具体的方策などについて記していきます。


◎ そもそも「ふるさと納税」とは何か?
 「返礼品が高価すぎる」、「返礼品競争が過熱化」、あるいは「寄付する人はわずか2千円の負担で高価な商品を得られる」というようなことばかりがマスコミで伝えられていますが、そういう「報道」はふるさと納税制度の正しい理解と発展を妨げる、歪んだ「報道」だと言わねばなりません。正しくは、どういう制度なのでしょうか。

 

■ 納税者が納税先を自由に選べるシステム
 国民には納税義務があり、所得税、住民税を納めることが求められます。しかし、「同じ税金を納めるのならば、自分が育った故郷に納めたい。あるいは、お世話になった自治体に納めたい」と思う人もいます。その思いを叶えるのがふるさと納税制度なのです。
 たとえば、都会で暮らす給与収入が500万円のサラリーマンで「夫婦+子2人」の場合、3万円のふるさと納税をすると、「所得控除による軽減5,600円」、「住民税の税額控除で2,800円」、「住民税の税額控除(特例分)で19,600円」の計28,000円を税控除されます。
 これは、その人の税金納入額が28,000円少なくなったということではありません。28,000円を自分が現に暮らす場所で納めるのではなく、自分の故郷ないし世話になった自治体に納めるという納税先の変更なのです。ふるさと納税者は、28,000円を現に暮らす自治体ではなく、ふるさと等に納税しているのです。受け取る側の「ふるさと」の方では「寄付金をいただいた」と言いますが、その本当の内容は都会などで暮らす人たちから税金を納めていただいたということなのです。
 国民が納める税金が国や大都市に集まりやすく、地方の自治体は慢性的に財源不足に困っているという現実を変えていく第一歩としてふるさと納税制度は考案されたのです。ここが肝(きも)です。
 その後、返礼品がクローズアップされるようになり、テレビ番組などで「ふるさと納税を活用すると、たった2千円(上記の税額控除方法で、「ふるさと納税3万円−控除額計2万8千円=2千円」)で高級品を手に入れられる」と喧伝(けんでん)されたため、ふるさと納税制度の趣旨が大きく誤解される事態が生まれました。
 しかし、「財政格差を縮めるためのふるさと納税」という本来の趣旨は何も変わっていません。
 以上のことをしっかり押さえたうえで、今回、国・総務省が打ち出した「ふるさと納税の制度変更」の内容をみていきます。


◎ 総務省による制度変更の4つのポイント
 6月1日からふるさと納税制度が大きく変わりました。

 

■ 指定団体
 制度変更の第1のポイントは「指定団体」制の導入です。
 国・総務省に認められた自治体でなければふるさと納税制度を活用できないのです。この変更点はテレビのニュース等では「泉佐野市(大阪府)など4自治体は指定外」ということで伝えられています。「指定外」になると、そこにふるさと納税しても、前頁で説明した「税額控除」が認められないのです。
 わが栄村は本年5月15日付の総務省告示で「指定団体」として認められましたが、本年6月1日から令和2年9月30日までの間について認められたということで、令和2年10月1日以降については改めて申出書を提出して総務省の「審査」を受けなければなりません。本年6月以降来年9月までの期間に、この後に紹介する3つの「基準」に栄村が違反すると「指定団体」となれない事態が発生する危険があるのです。
 20世紀末の地方制度改革を経て、「国と自治体は対等」という原則が確立されていますから、国が一方的に基準を設け、それに基づいて自治体を選別する「指定団体」制度にはじつに大きな問題があります。

 

■ 3つの基準:「募集経費5割以下基準」、「返礼品3割以下基準」、「地場産品基準」
 「指定団体」制以外の制度変更点は、上のタイトルに記した3つの「基準」です。ニュースでは「返礼品3割以下基準」のみがクローズアップされていますが、より深刻なのは「募集経費5割以下基準」というものです。
 まず、「返礼品3割以下基準」を簡潔に説明したうえで、「募集経費5割以下基準」を説明します。
 「返礼品3割以下」というのは、栄村が特A米を返礼する場合、栄村がその特A米を手に入れるために現に支払った金額(消費税を含む)が「3割以下に収まっている」ことが求められるということです。もっと具体的に言うと、JAが精米し、「こころづかい」の名称が入った袋にお米を入れ、何処ででも売り出せる状態にしたものを栄村が手に入れるのにいくらのお金を支払わなければならないかということです。村がJAに求めた見積額から判断すると、昨年度までのように「寄付金1万円に対して特A米15kg」は「3割」を大きく超える、「特A米5圈廚ギリギリだというのが村の見解です。(私は工夫をすれば9〜10圓諒嵶蕕可能だと試算していますが)
 さて、「募集経費5割以下」という基準です。「募集経費」というのは、「返礼品に要する経費」も含め、「栄村はふるさと納税を募集しています」という告知、ふるさと納税して下さった人への領収書や証明書の発行・郵送、返礼品の箱詰作業、宅急便で送るための送料などの経費すべてを合計したものです。
 寄付金1万円の場合、返礼品で約3千円、送料で千円強、もうこの2つの費目だけで4割を超えます。「5割以下は無理だ」という悲鳴が多くの自治体からあがっています。場合によっては返礼品率を2割レベルに下げることで「経費5割以下基準」をクリアするという苦渋の選択をせざるをえない場合もあります。
 また、寄付金の多少にかかわらず要する経費(たとえば、ふるさと納税の情報入手と手続きが簡単にできるインターネット上のポータルサイトへの委託料)が寄付金に占める割合は、寄付金総額が少ないと高くなります。私の一般質問への答弁では「少なくとも寄付が1千万円集まると、経費率を5割に抑えられる」とのことでした。
 「地場産基準」については、栄村は栄村産特A米を返礼品にしていますので、クリアしています。そのため、ここでは詳しく記しません。

 

◎ 栄村は何を考え、何を工夫しなければならないか
 国・総務省による制度変更の結果、全国的に見て、ふるさと納税が大きく後退するのか、これまでの水準を維持できるのか。これはまだ見通せません。しかし、栄村が使っている「ふるさとチョイス」というサイトを含むふるさと納税ポータルサイトを見ると、多くの自治体は総務省の規制をなんとかクリアしながら、6月1日以降、積極的なキャンペーンを展開しています。率直に言って、栄村の対応は立ち遅れていると思います。
 では、栄村は、何を考え、何を工夫しなければならないか。そこを考えたいと思います。
 第1は、ここ数年のふるさと納税額=1億2千万円〜1億5千万円という水準を簡単に諦めず、本年度もその水準の実現をめざす姿勢を明確にすることです。「戦う前から戦意喪失」では話になりません。
 第2は、,佞襪気版疾任鬚靴堂爾気訖佑咾箸紡个垢訛爾隆脅佞竜せちのお伝えの仕方・内容、また、頂いたふるさと納税が栄村の農業の振興にどのように活用されているのかのお知らせ、これらにおいて根本的な改善を図ることです。
 私はふるさと納税で頂いたお金の農業振興への活用のしかたが、「返礼品に特A米を使い、その特A米の元となる玄米をJAに出荷した農家への支払金に上乗せ金する」という方法が最適の活用法だとは思いません。もっと良い方法があると思います。しかし、そのことをおさえたうえで、現在の「米価上乗せ金」方式で稲作農家の耕作継続にとって、どれほどに大きな意味を有しているか、したがって、ふるさと納税が栄村の農家にとってどんなに有難いものであるかを、ふるさと納税して下さった人たちに具体的にお伝えすることが必要です。
 都市で暮らす人たちは、お米を作るのに、どれほどの多額の経費がかかるか、基本的にご存じありません。だから、ふるさと納税のおかげで、なんとか赤字に陥らずに、農業を続け、栄村の田んぼと豊かな自然環境を守ることができていることを、もっと具体的にお伝えする必要、いや義務があります。
 でも、栄村のHP(ホームページ)等を見ても、そういうお知らせ(記事)は見当たりません。ちなみに、お隣の津南町では、米作りの様子や津南の暮らし・食文化などをわかりやすく、しかもかなり良いデザインでお伝えする冊子を作成し、ふるさと納税をして下さった人たちに送っています。
 第3は、ふるさと納税の恩恵を受けている村民一人ひとりが、ふるさと納税を維持する仕組みに積極的に関わるようにすることです。
 現状では、農家はお米を栽培し、刈り取り、ライスセンターに運び入れるところまでの関わりです。《乾燥したお米の調整(籾摺り)、玄米の保管、精米、袋詰め→箱詰→発送》――これらのプロセスはすべてJAへの委託です。ありていに言えば、JAへの丸投げです。
 これではダメですね。
 返礼品のお米は農家自身が自ら精米し、袋詰めし、宅急便に出すまでを自らやるようにするのが本来ではないでしょうか。このことを実際に実現するには、仕組みの制度設計等、議論を重ねなければなりませんが、不可能なことではありません。現に、集落営農団体からそういう取り組みをしようという声があがっています。
 とにかく、もっと工夫と努力が必要です。栄村の明日を考えて、みんなでズクを出し合いましょう!

 

◎ 「財政出動で農家への保障を」とは
 さて、以上のことをふまえて、農家のみなさんの関心がいちばん高いと思われる、1頁の冒頭に記した「財政出動を」、「農家に昨年度と同じ所得の保障を」ということをもう少し具体的に説明します。
 6月初め、村からの通知文書だけでなく、米出荷者にはJAからも通知文書が送られてきました。JAの通知は、端的にいえば、昨年の「栄村概算金額16,200円(内共計概算金13,372円、ふるさと納税上乗せ2,828円)」のうち、「2,828円の上乗せ」はほとんど出来ないということですね。さらには、ふるさと納税返礼品量が減った場合の、栄村産米の販売先の確保が大変だということも言っています。
 こんなことを通知されたら、誰しも不安になります。生産意欲が萎(な)えてしまいます。

 

 そこで、私は一般質問の最後に村長に提案したのです。
 「財政出動」とは、村が非常の際の資金として積み立てている財政調整基金を取り崩してでも資金を確保し、農家の米所得が昨年度並みに確保されるように村が支援するということです。今年度に限ってのことです。課長答弁では、寄付金で賄えるのは最大500万円ということなので、昨年並みの支援規模(2千万円を超える)を確保するために村の財政資金を使うということです。
 村長の答弁の冒頭の言葉は、「応援の言葉を頂いて有難うございます」というものでした。その言葉を聞いた時、私は「?」と思いましたが、村長の答弁はつぎのように続きました。「令和元年度に限ってですが」(これは当然の限定だと思います)、「作付が終わったものについては保障。仮渡金の支払を農家が不安に陥(おちい)らないように対応する」。村民が望む回答を得ることができたと思いました。
 財政出動の規模は質問の中でも言いましたが、かなり大きな規模になります。もちろん、ふるさと納税による寄付金が増えれば、財政出動必要額は少なくなります。ですから、どういう規模の補正予算を組むかの最終調整には今少し時間を要しますが、大事なのは、村の農家のみなさんに対するメッセージです。村長の答弁はそのメッセージだと私は信じます。
 みなさんも、リピート放送で私と村長のやりとりを聴いてみてください。私の質問時間は約1時間に及びましたが(質問順番は6番目)、この重要なやりとりは、私の質問開始から40分30秒後から44分30秒頃までの約4分間です。是非、お聴き取りいただき、これを全村民が共有する栄村の政策にしていければと願うものです。

 

 

6月定例会、あと3つの重要論点
 6月定例会には、専決処分の承認を求める案件6件、補正予算6件(最終日の追加1件を含む)、条例改正案4件など、計14件の議案が提出されました(うち、2件は請願・陳情をうけての議員提出の意見書案)。
 これらの議案審議で浮かび上がった重要な論点が3つあります。

 

■ 専決処分が許されるのは、どういう場合か
 今回は専決処分の承認を求める案件が6つもありました。通常はあまり見られない多さです。
 問題になったのは、専決処分第3号=「平成31年度一般会計補正予算(第2号)」です。
 内容は、のよさの里への692万円、雄川閣への756万円の投入、災害復旧費550万円などです。
 専決処分とは、本来、議会での審議と採決を要することを、議会を開かないで村長が決めることです。地方自治法第179条第1項で認められているのですが、その179条1項には専決処分を許す条件が書かれています。すなわち、「特に緊急を要するため議会を招集する時間的余裕がないことが明らかであると認めるとき」です。専決処分3号はこの要件に合致していません。というのも、専決処分がなされた4月26日の前日=4月25日に議会全員協議会(村長の要請によるもの)が開催されていて、「議会を招集する時間的余裕がない」とは正反対の状況だったからです。
 採決の結果、専決処分第3号は「賛成多数」で承認されましたが、私はこの専決処分は許されるものではないと今でも確信しています。

 

■ のよさの里をどうするのか
 補正予算審議で、そして一般質問で最も盛んに議論された問題です。
 上に記した4月26日村長専決の補正で、のよさの里を村直営するのに必要な人件費、物件費などで692万2千円、さらに6月定例会提出の「令和元年度一般会計補正予算(第3号)」でのよさの里の修繕費等に294万5千円、計986万7千円です。
 こんなことをしていたら、「振興公社への指定管理料が不要になり5千万円が浮いた」(3月議会での村長発言の趣旨)という5千万円はあっという間に消えてなくなります。
 補正予算審議、一般質問を通して明らかになったことが2つあります。
 第1は、「村の直営」と言いながら、本年度の「のよさの里事業計画」というものが無いということです。本年度、のよさの里の管理を担当するという秋山振興課の福原洋一課長がそのように答弁しました。信じられないことです。予算を使う前提はしっかりした事業計画の策定です。「お金だけ使う」は許されません。
 第2は、村による観光施設管理の杜撰(ずさん)さです。
 6月定例会提出の「のよさ」関係の補正予算では「源泉配管」や「給湯設備修繕」が目立ちます。担当課長は、「施設開設から30年、配管の中をまったく点検していなかった」という趣旨の答弁をしています。とんでもないことです。
 同様のことは昨年の北野天満温泉の天井・屋根の破損でも問題となっていますし、トマトの国の浴槽をめぐる問題も同様の性格を有する問題だと思います。指定管理者にしっかり管理してもらうと同時に、施設所有者として村が定期的に施設の状況をしっかり点検・把握することが求められます。
 のよさの里の今後のあり方について、村長は「まず秋山郷の旅館や民宿の経営者の意見を聴くことから始める」と答弁していますが、ちょっと違うと思います。のよさの里は秋山郷観光にとって戦略的なポイントとなる施設です。
 村は秋山郷観光をどういう方向にもっていくのか、のよさの里でどういう事業を柱にすえ、どういう施策を展開するのか。村の方針の明確化こそが、いま、求められているのです。
 私は、のよさの里の活用方法・運営方針、さらには秋山郷観光の方向性について議会主導の議論に踏み出す必要があると考えます。

 

 

村民が希望を持てる村政へ
 「2020年4月」を意識した話がいろんなところから聞こえてきます。
 私は、ふるさと納税問題−米農家所得保障の問題での積極的政策提案、専決処分第3号やのよさの里補正予算をめぐる現村政への厳しいチェック・批判、その両方を同時に進めながら、村政をめぐる議論を村民総ぐるみで深め、村民が納得のいく選択をできる環境づくりに努めていきたいと考えています。村民のみなさんの議論がさらに活発になることを期待して、今号の筆をおきます。 (了)

 


野々海のミズバショウは次の土日、見ごろになるでしょう

 

 

 

 

5月24日午後3時頃の野々海ミズバショウ群生地の様子の紹介です。おそらく6月1日、2日の土日のあたりが見ごろになるでしょう。ただし、今年はその時点で深坂峠への道が開いていないと思われます。キャンプ場横の東窓から歩いていくのが基本になるでしょう。ただ、初めての方の独行はリスクがあります。電話080−2029−0236にてご説明します。
 


5月18日昼の野々海池

 

今日は、6月2日に予定されている野々海水路の普請にむけて、野々海池の現状を把握する目的で、11時すぎに平滝から上がりました。
当初は明日19日に行く予定でしたが、どうも明日の空模様が怪しいように思えたので、1日早めて今日にしました。
上の写真に見られるとおり、まだほとんど一面、雪ですが、8日に見た景色からすれば、雪融けが随分と進んだ感じがします。6月2日まであと2週間。天気の良い日が多ければ、なんとかなるのでは、と思います。

 

堤入口までの道は14日頃に開けられ、道はもう乾いていて、堤入口までは車で行けます。
ただし、下の写真に示した箇所は「軽」でギリギリの幅しかありません。これは堤入口から三叉路方法に戻る時の撮影ですが、道路左側は土が見える部分の端はもう斜面です。下手に左に寄ると、落ちます。右側の雪は硬く、普通車が通れる道幅になるには相当の日数を要するでしょう。

 


この4日間での雪の減り方を確認するために、三叉路で撮った写真2枚を示します。

 


5月15日午前9時30分頃

 

5月18日午前11時50分頃

 

3日間で結構減っているように思います。

 

さて、大事なのは斜樋と水番小屋の様子です。

 


小屋はこんな感じですが、扉は開けられるのか? 次の写真をご覧ください。

 

扉の前の様子です。
まだかなりありますね。現状では開けられません。
小屋の裏側(朝陽が当たる)だけは雪が消えていますが、小屋の(扉側から見て)右側はまだ雪に埋もれていると言ってよいような状況です(下写真)。

 


つぎに、斜樋です。
小屋付近から肉眼で見た分には斜樋は雪に覆われていましたが、写真をよく見ると、少しだけ金網が見え始めているようです。

 

 

 

堤に通じる橋の上は雪が消えつつありますが、堤の上はまだ30〜50cmほどの雪があるように思います。
昨年までは、こういう状況でも堤のところまで行きましたが、今回は止めておきました。上の写真の雪の斜面を滑らないように下らないと、いっきに余水吐のところに転落します。今年の脚・腰の状態から考えて、踏ん張りが効かないおそれがあるので、下るのを止めた次第です。
写真撮影などで訪れる人は、下らないようにご注意ください。

 

今日は時間がなかったので、ミズバショウ群生地には行きませんでした。5月15日にミズバショウ群生地にむかって歩いた東窓の様子は右のとおりです。

 


東窓→沢のコースで群生地に向かうことはまだ可能のようです。
ちなみに、深坂峠に向かう道路の道開けは当面予定されていないようなので、このコースで接近するしかないでしょう。
ただし、沢を進むのはそろそろ危険になるので、東窓を通って、信越トレイルの東窓と深坂峠を結ぶルートを辿るのがよいでしょう。

 

 今日は、野々海で4グループ・個人に出会いました。
 1グループは信越トレイルの関係者でした。現況確認に来られたようです。
 三叉路に軽自動車を停めていた人は写真撮影のようで、三叉路〜キャンプ場間で撮影されている姿を見ました。
キャンプ場付近にスノーモービルを運ぶトレーラーを繋いだ車が停車していました。モービルのエンジン音が聞こえました。
 最後に三叉路でお会いした方(お二人)はやはりモービル関係者でした。「今日はもう無理。モービルはやらずに帰る」とのことでした。今年で4回目だそうで、お話すると、非常に素敵なお二人でした。スノーモービル、野々海−栄村の観光について意義ある意見交換ができました。

 


最後に、第2分水点と円筒分水器の付近の様子を紹介します。

 

第2分水点付近です。

 

第2分水点から平滝・横倉にむかう水路が通るのはこのあたりだと思われますが、6月2日に水路が見える状態になっているか、ちょっと不安。

 

円筒分水器付近です。

 


 以上、5月18日の野々海の報告です。


5月15日の野々海

15日朝9時35分の撮影。
撮影地点は、三叉路から堤入口に至る道路の中間点辺りから。
野々海池の水面が出ている面積は1週間前の5月8日からそんなに大きく増えていません。ただ、池の上の雪の厚みは少し減ってきているなあという感じ。
8日からの最大の変化はブナが一斉に芽吹いていること。


道路除雪ですが、三叉路〜キャンプ場まで開きました。15日は野々海峠に通じる林道の除雪が行われていました。
堤への道はすでに割られていますが、砂利道ですので、路面に雪が残っています。途中までは車で進めましたが、やはり途中でスタックしました。もう2〜3日もすれば堤の入口まで進めるのではないでしょうか。

 

 

野々海池の東窓に近い部分。雪融けが最も進んでいるあたりの様子。

 

除雪車が見えます。
この日はブル3台、ロータリー1台が出動していました。

 

東窓の様子。ここもまだ一面雪。
この写真の左側を向かいのブナ林にむかって進み、ミズバショウ群生地へ。

 

沢の最も低い部分がわずかに雪融けし、ミズバショウが開花し始めている。

 

 

 

 

この季節らしい気温の日が多ければ、5月下旬〜6月初めが見ごろになるかと思われます。
ただし、雪融けが進めば、今日の沢を進むコースでの接近ではなく、深坂峠への道から群生地に入るコースが安全になります。


冷え込んだ5月8日の野々海

 

異例の冷え込みとなった5月8日朝、午前7時18分に標高約900mの地点から野々海池をめざして雪の山道を歩き始めました。1枚目は8時47分、野々海三叉路の池塘の辺りで撮影したもの。

 

 

野々海池の今朝の様子。8時28分撮影。
池はまだほとんどが雪でおおわれている。

 

水番小屋の様子

 

余水吐の手前、雪が融けた箇所の様子。

 

 


池の到着する直前、ギクッとした場面。
ブナの枯れ木がまるで人が立っているように見えました。8時16分。

 

以前、よく見かけた面白い形のブナの木に久しぶりに出会った。
7時46分。

 

上った道の様子。かなり勾配があるところ。7時42分。

 

 

 

今日の圧巻は野々海への道から見えた北アルプス方向の眺め。
これは帰路に撮影したもので、9時28分撮影。右に見えるのが妙高山。
次の2枚は、上の写真の左側に続く山並み。

 

 

 

 

次の1枚は、上り時に撮影したもので、妙高山の右手に火打山が見えています。7時8分。

 

 

 

 

 

今朝は5月としては異例の冷え込み。標高約650mの田んぼでは、田んぼの融雪の水が凍っていました。


すべての写真で雲が見えません。一点の曇りもない青空の朝でした。


栄村復興への歩みNo.356(5月1日付)

 

GWは25年間欠かさず、のよさでキャンプ!

 のよさの里オートキャンプ場で4月29日午前9時半すぎに撮影させていただいたものです。
 午前9時頃に天池の様子を撮影に行ったのですが、その時、キャンプ場に2組のキャンプ者がおられることを目にしていました。天池での撮影後、オートキャンプ場にお邪魔しました。2組いずれも快くお話を聞かせて下さいました。ここでは、2番目にインタビューさせていただいた千葉県からお越しのご家族(ご夫婦と息子さん・娘さんの4人)のお話を紹介します。
 私の目にまず飛び込んできたのは左写真のフレンチトースト。娘さんがフランスパンをミルクに浸しておられるところでした。素敵ですね!

 


 前日(28日)からお泊りで、この日も連泊のご予定。
   「昨夜は寒かったでしょう?」
   「寒かったですね。でも、暖をとれるように準備していたので大丈夫

    でしたよ。」
 ふと見ると、薪ストーブがあるじゃないですか!(写真参照)

 

 

 さらに会話の紹介を続けます。
   「もう25年、毎年GWは欠かさず、ここに来ています。この息子は

    4歳の時から来ていますよ。」
   「ここは素敵な場所ですが、何も売っていないですから、焚き木か

    ら食材まですべて用意してきます。
    いい場所だから、もっと販売するとか、工夫すればいいと思いま

    すが。」
   「カメラを持っておられますが、写真を撮っておられるんですか?」
   「いえ、そういうわけでもなく、・・・」
   「ブログをやっておられる?」
   「はい。 ちょっと待ってください。」

     (私の車へ「復興への歩み」を取りに行く)
   「こんなものを作っています。」
   「ひょっとして、松尾さん? いつも読んでますよ、ネットでね。」
   「のよさの里はどうなるんですか? ここにおられた阿部さんともよく

    お話しました。外国人のツアーも続けるといいと思うんですがね。」

 

 会話の内容は以上で尽きるものではありません。少なくとも15分間ほど、いろいろ会話させていただきました。

 

● この人たちは栄村民だ!
 25年間も毎年欠かさず来てくださっておられる。このご家族はもはや“栄村民”だと言うべきです。
 「地域活性化」の施策として「交流人口の増大」ということがよく言われますが、このご家族はもはや「交流人口」の域を超えていますね。「25年間欠かさず」という点だけではありません。秋山郷−のよさの里の素晴らしさを熟知されていること、このゾーンの観光をよりよいものにする方策についても色々と考えを持っておられること。ご主人は、「自分でここの経営をやろうかと思って時もあったんですよ」と言っておられました。
 こういう方と積極的に交流し、さまざまな意見交換を進めることが栄村の今後にとってとても大事だと思います。
キャンプ場での出会いということで名刺交換のようなことはしませんでしたが、この記事も読んでくださると思いますので、メールでご連絡をとり、意見交換を進められればと願っています。

 

 

4月29日朝の天池の様子

 

「第二天池」と紹介されているところでの眺めです。(地元の人のお話では、これこそが本来の天池です)

 

 池の水面に鳥甲山に姿が映り、とても素敵です。ちょっとさざ波が生じ、水面に映る姿が揺れていますが。

驚いたのは、融雪でこの天池が平時の2倍近くに広がっていたことです。次頁の写真をご覧ください。

 


写真は、天池の駐車スペースから「第二天池」を撮影したものです。
平素の天池をご存じの方には、池の現在の広がりがすぐにわかると思います。下1枚目は歩行路用のウッドチップが水に浸かっている様子です。また下2枚目は、平素は草地のところの様子です。

 

 


中山間地域等直接支払制度の現在の狙いは?――山村が抱える課題の解決をめざすチャレンジへの支援

 前々号(No.354)で「中山間地域直接支払制度は来年度以降も続く」という記事を掲載し、多くの人たちから「いい企画だった」とご評価をいただきました。それに続いて、今回は、現在の第4期(H27年度〜H31年度)に続く第5期にむかって、国レベルでどういうことが課題だと考えられ、議論されているかを紹介したいと思います。

 

● 中山間地域等直接支払制度の現在の状況
 H29年度に中山間地域等直接支払制度の〈第4期中間年評価〉というものが実施されました。制度に取り組む全協定に中間年評価の提出が求められましたので、「たしかに、そういうものが実施されたなあ」とご記憶がある方もおられるかと思います。
 その中間年評価の結果が昨年6月にまとめられ、農林水産省から発表されています。それによれば、
    ・996市町村25,868協定(集落協定25,320、個別協定548)で

     直接支払制度が実施され、その対象面積は66.3万ha

      ←全国津々浦々で実施されていて、凄い数字ですね!
    ・協定、市町村へのアンケート結果によれば、本制度の効果を評

     価する声が多数。
                     (協定) (市町村)
       耕作放棄の防止に効果があった  82%   95%
       協働意識が高まった       81%   94%
       集落の話合いが維持・増加した  98%   ――
    ・効率的な農業生産体制の整備や所得向上など構造改革にも寄与
       ただし、この点は「担い手への農地集積等が増加した」38%、

      「生産組合や法人を設立又はその機運が高まった」19%、「新

       規就農者やオペレーターを確保又は目処が立った」13%とい

       うアンケート結果であり、全協定の3割強ないし2割未満にと

       どまっている。
という結果が出ています。
 「本制度の効果を評価する」という点は栄村の各協定においても同じと言えるでしょう。しかし、3点目の「効率的な農業生産体制の整備や所得向上などの構造改革にも寄与」という点では、栄村の場合、上記の全国データを下回るのではないかと思われます。
 その背景にあるのは、直接支払制度において、「’清叛源些萋暗を継続するための活動:基礎単価(単価の8割を交付)とともにある「体制整備のための前向きな活動:体制整備単価( 椨△粒萋阿砲茲蠱渦舛10割を交付)」を受けられる要件として設定された3つの選択肢(A要件、B要件、C要件の中から1つを選択)のうち、C要件(=協定参加者が活動等の継続が困難となった場合に備え、活動を継続できる体制を構築)を選択している協定がほとんどだということではないかと思われます。
 因みに、A要件は「農業生産性の向上(ゝヽ・農作業の共同化、高付加価値型農業、生産条件の改良、っ瓦ぜ蠅悗稜醒禄言僉↓ッ瓦ぜ蠅悗稜精邏箸琉兮、の5つの中から2つ以上を選択して実施)」、B要件は「女性・若者等の参画を得た取組(協定参加者に、女性、若者、NPO等を1名以上新たに加え、以下の項目から1つ以上選択して実施。/卦就農者による営農、農産物の加工・販売、消費・出資の呼び込み)」です。

 

● 第三者委員会での議論と第5期にむけての課題
 「直接支払制度」では、中間年評価、最終評価(本年度実施)、第5期の制度設計のいずれについても、農林水産省の担当部署(=農村振興局農村政策部地域振興課)だけで行うのではなく、研究者等による「第三者委員会」(正式名称:中山間地域等直接支払制度に関する第三者委員会)での議論が重視されています。
 では、第三者委員会では、どんな議論がされているのでしょうか。そして、第5期(来年度からの5年間)にむけてどういうことが「直接支払制度」の課題とされているのでしょうか。
高齢化・協定参加者の減少、農業の担い手不足、活動の核となる人材不足 ―― これを超えていく取組の強化
 「中間年評価」では、約4割の協定が今後「荒廃化を危惧する農用地を除外して取り組む可能性がある」と回答しています。高齢化・協定参加者の減少、農業の担い手不足が原因です。したがって、これらの問題を解決する取組が第5期には求められます。
そこで、第三者委員会では、「産業政策(農業政策)だけでは対応できない時代になっているのではないか。地域政策、そこの地域の人々の暮らしそのものにどう対応していくのかということまで踏み込んでいかないと」という意見が出ています。また、そういうことへの対応において、「現場の相談に乗るとか、サポート役の機能をもう少し高めることができないか」ということが議論されています。
 そして、〈情報〉の重要性が指摘されています。直接支払制度の活用で〈効率的な農業生産体制の整備〉や〈所得向上〉を実現している地域(協定)の事例が各地から農水省に集まり、農水省のHPで紹介されています。しかし、農水省の担当者自身、「HPに掲載しているだけでは伝わらない」と反省していて、第三者委員から「人が間に入り、対話形式で情報を伝える」ことが必要だ、「中間支援組織、NPO、地域の組織、中山間の直払いの事務をサポートするような動きが出てきている」、「今まで行政ベースでやるところも、そういう中間支援組織が地域振興の部分も担えればよい」などの意見が出ています。
・ 第5期にむけて、各協定で、また協定間連携で研究と議論を深めよう!
第5期では、第4期までの取組を超える新次元の取組が求められることになってきていることはご理解いただけると思います。集落営農の法人化や若い担い手の確保など、栄村の村づくりの全体像と絡めながら、さまざまな地域での議論を進めてほしいと思います。

 

早くも田起こし(28日、青倉・西山田にて)

 

29日午前中晴れた秋山・小赤沢でも色んな作業が行われていた