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栄村復興への歩み
2011年3月に震度6強の地震で被災した長野県栄村で暮らす松尾真のレポートを更新しています。

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小滝レポート(18日の様子3)

 午後1時少し前、樋口利行さん(NPO法人栄村ネットワーク理事長)から電話が入った。
「これから小滝に入りま〜す」ちょうど、青倉に社協の人たちを送るところだったので、「じゃあ、後から行きます」と約束。1時半過ぎに小滝に向かいました。


小滝には写真中央に見える道を通って入る


 朝からの除雪作業で1車線が確保されていた
 

<樋口利行さんのお宅へ>

 集落に入ると、集落内の道路は各世帯の車や支援の農協関係者の車で一杯。苦労しながら、まず利行さんの家へ。


 家の前の駐車スペースに見慣れない物体の山が

 利行さんに、「あれ、何だい?」と尋ねると、「ビンから出したキノコ」との返事。電気も切れて、ダメになったエノキを培養ビンから出したもの。この時は気づかなかったが、後にエノキ工場の中に入ると、異様な臭いが。キノコが大量に腐ってしまったのですね。家の中に奥さんがおられるとのことで、閉まっている玄関を開けた瞬間、びっくり。


玄関を入ったところ


座敷の壁

 
2階への階段

 これまでに古道歩きなどで小滝を訪れ、利行さん宅でお茶のみや昼食のお世話になった人は、その時のことを思い出しながら、下の2枚の写真を見てください。



 
 

<中沢謙吾さんの牛舎>
牛たちは、13日にすでに救出されているが、この2つの牛舎は再建不可能でしょう。でも、1棟だけ使用可能な牛舎がありました。一筋の光明といえるかもしれません。

 
公民館前道路に面した牛舎


その後ろの牛舎


使用可能と思われる牛舎の内部
 

<小滝の水道は生きているようです>
 樋口武夫さんと中沢強さんが簡易水道のタンクを見に行っていると聞いたので、その後を追うことにしました。集落内の道路から雪の斜面を100mほど登ったところにあります。左の写真の奥に見える建屋がタンクのあるところです。





 こんな時に不謹慎かもしれませんが、きれいな景色でしょう。逆方向で集落を見下ろす風景も。地震がなかったら、本当に最高なんですが…。


タンクの内部を上部から覗いた
(底に溜まり始めた水が光って見える)

 タンクのある建屋に着くと、樋口武夫さんがタンクの中に下りていて、間もなく、「水がたまり始めているぞ」という声が。集落への配水のバルブを閉めたところ、水が貯まり始めたとのこと。水源とタンクをつなぐ箇所には破損は起きていないということです。
 

<小滝の被害はやはり相当深刻>
 地盤をやられて「赤」判定になっている家、基礎がかなりずれてしまった家。でも、みなさん、除雪や片付けに元気に取り組んでおられました。結束力の強い小滝集落。集落の力で復興にむかって前進してほしいものです。
 
―栄村ネットワーク関係者 現地からのメール記事

青倉集落の水道もOK。森集落は応急措置へ(18日の様子2)

 青倉集落の水道は水源に問題がなく、タンクに水も貯まっていることが確認されました。今日から、集落内の配水管の漏水調査が始まりました。
 森集落は、水源が中条川上流の山崩れによる土砂堆積で使用できない状態。配水槽(塩素殺菌をするところ)の近くに湧水があるので、その湧水と配水槽を結ぶ応急措置をとることになりました。ただし、これだけでは約100世帯があり、役場などもある森の水需要を満たすことは困難で、より根本的な対策が必要となります。

―栄村ネットワーク関係者 現地からのメール記事

社協の人たちが支援(18日の様子1)

 長野県社協の人たちが連日、炊き出し等の支援に入ってこられましたが、栄村震災復興支援機構「結い」の発足に伴い、「結い」の中軸として活動して下さることになります。
 今日の午後、状況調査の意味で「一時帰宅」実施中の青倉集落に入りました。すると、「ちょっと手伝って」という声がかかり、家の片付けなどをお手伝い。
 「結いのしょ」の支援活動がどんな感じのものになるか、イメージを掴むいい機会になりました。

―栄村ネットワーク関係者 現地からのメール記事

仮設住宅建設へ全力を ―― 住民自治の蓄積を生かして

 「半日帰宅」も始まり、村民のみなさんは、大変ではあるが、復旧・復興にむけて力強く歩みだしている。復興にむけて、いま、切実に求められているのが仮設住宅の建設について具体的な方針を明確にすることだ。

 1つは、1ヶ所集中型ではなく、各集落に仮設住宅を建てることだ。むらの力の根源は集落(の絆)にある。
 2つ は、建設場所を早急に決め、整地作業などに一刻も早く着手することだ。被害状況から、かなりの数の仮設住宅が必要な集落がどこかは誰の目にもあきらか。役場だけで対処しようとせず、集落の意向を聴き、住民と一体で進めていけば、事をスムーズかつ迅速に進めることができると思われる。役場の中堅・若手職員は いろんな分野で凄い力を発揮している。集落‐住民とそういう役場職員が力を合わせれば、打開できない困難はないと言っても過言ではない。
 「道直し」や「田直し」の経験を思い起こすことが有益だと思う。住民がどんどん考え、議論し、役場はその意見を吸い上げて、事を進めていくことだ。

―栄村ネットワーク関係者 現地からのメール記事

県による住宅についての説明、意向調査、相談(17日の様子5)


森・青倉集落対象の説明会

  今日17日午前、県による住宅についての説明会がありました。
  「応急危険度判定」で「赤」と判定された世帯を対象とするものです。
  説明会は、「赤」「黄」の判定理由を、事例写真を示しながら説明するものでした。この後、個別の相談会が開かれています。

  説明会では質問も受け付けられましたので、一つ、質問しました。「一時帰宅で建物に入ってみると、余震の影響でどんどん様子が変わっている。実際に家の修復などをやろうとする場合、本当に修復可能なのかどうかをどう判断すればよいのか」と。回答は、「建築士などの専門家に診てもらうことが必要でしょう。今日、県の建築士の団体が会議をやっています」というものでした。
  建築士の方などがボランティアで協力・支援して下さるだろうという推察はつきますが、やはり公的な支援が必要だと思います。

  「応急判定」とは異なり、1〜2週間くらいかかってもいいので、県が責任をもって専門家の知見を生かしながら、個々の世帯の診断を行い、再建の方策について指導・アドバイスする仕組みが必要だと思うのです。
  実際、相談会の後、TVのインタビューに答えて、「『責任をもてない』と言われたが、直して住みたい」と言う高齢者がおられました。こういう思いを大事にしながら、住宅の再建に取り組む姿勢が大事だと思います。

  不幸中の幸いというべきか、激甚被害は長野県内で栄村だけ。しかも、深刻な状況の世帯数はどんなに多く見積もっても数百世帯程度ではないでしょうか。だとすれば、県が各世帯毎に診断・相談に応じ、親身の再建指導に当たることは十分に可能だと思うのですが…。


<個別相談の内容>
  個別の相談会は、県営住宅への仮入居を希望するか、仮設住宅への入居を希望するか、という2点の意向調査でした。
  県営住宅への仮入居は1年間限定。たしかに、仮設住宅入居までの一時的住まいの確保としては有効です。ただし、県営住宅があるのは近いところで飯山市、遠くは長野市なので、村から車で40分〜2時間の距離です。せいぜい利用できるのは飯山市、中野市が限度ではないかと思います。

*夜9時前のNHK県内ニュースで、「県営住宅への引っ越し(移転)」と表現していましたが、これは不適切だと思います。これでは、一時的なものではなく、「離村・移転」という感じに聞こえてしまいます。こういうニュアンスは、とても大事なことだと思います。メディア関係者はよく注意してほしいと思います。

  仮設住宅については、「入居まで1ヶ月」とのこと。急ピッチでやれば半月くらいでも可能なのではないでしょうか。人口の少ない村ですから、抽選方式などではなく、希望者全員入居を実現してもらいたいと思います。

―栄村ネットワーク関係者 現地からのメール記事

明日は「半日帰宅」(17日の様子4)


夜8時、役場前に駐車中の車


仮設トイレの屋根にも積雪

 今日も雪が続き、平時のようなスムーズな除雪ができないため、「一時帰宅」はなし。明日は午後1時から「半日帰宅」になります(午前中は集落内道路の除雪)。時間は4時間。

  かなりじっくり落ち着いて、片付けに手をつけることができるのではないかと思います。
  また、19日(土)以降も「半日帰宅」が予定されていますが、19〜21日は三連休。親戚の人たちもたくさんやって来るようです。
  いよいよ、避難から復旧・復興へ、歩を進める段階に入っていきます。

―栄村ネットワーク関係者 現地からのメール記事

県が監視モニターを設置ー中条川上流の山崩れ(17日の様子3)

 
中条川上流の山崩れによる土砂堆積の現場のパノラマ写真(津南新聞社提供)

  山崩れによる土砂で埋まった中条川上流ですが、今後の雪融けに伴い、雪土石流が発生する危険、その雪土石流が下流の青倉集落に流れ込む危険があるとして、県が監視モニターを設置することになりました。
  常時監視態勢ができたことで一安心です。

 撮影日は14日。右手がトマトの国。左端の山を左に進むと「さかえ倶楽部スキー場」。堆積した土砂の上に「川」が出来ているのがわかります。

―栄村ネットワーク関係者 現地からのメール記事

北野温泉が復旧(17日の様子2)

  北野温泉の休憩・宿泊施設は地震当日から避難所として利用されていますが、温泉は配管の損傷で使えませんでした。
  しかし、復旧工事が終わり、昨日から利用可能になっています。役場の避難所の人たちの入浴は昨日からバスで北野温泉に行っています。

―栄村ネットワーク関係者 現地からのメール記事

近隣の消防団が応援(17日の様子1)

 地震発生以来、いちばんきつい任務についているのが消防団です。
 各集落の入り口での警戒に24時間ついているのに加え、16、17日の一時帰宅では安全のための付き添いをやっています。この負担を少しでも軽くしようと、近隣(飯山市、山ノ内町、津南町など)の消防団が応援に駆けつけてくれています。
  地元消防団が一時帰宅に付き添っている昼間は、近隣の消防団が集落入り口の警戒の任に就いています。

  ここで、消防団について一言。
  「消防団」――大都市ではいまや死語に等しい存在です。しかし、栄村や近隣の市町村では若者(4〜50歳代まで)は基本的に全員、消防団の団員になっています。
  日常的に訓練や、ポンプ操法の技を競う大会などが実施されています。
  たしかに若者の不足が深刻化していますが、まだまだ健在。住民自治の重要な担い手組織だといえます。大学を今春卒業し、村に帰ってきた若者、村の女性と結婚して村に住むようになった若者が、今回の地震を契機に新たに消防団員になっています。

―栄村ネットワーク関係者 現地からのメール記事

栄村復興支援機構「結い」がスタートへ


 明日18日、栄村復興支援機構「結い」が発足します。
 これまでの各種災害の被災地では「ボランティア・センター」(通称「ボラセン」)と呼ばれているものです。
  今回の栄村では、あえて「ボランティア・センター」という名称を使わず、こういう名称にしました。支援に駆けつけて下さる人たちのことも「ボランティア」とは呼ばず、「結いのしょ」と呼ぶことにします(「しょ」というのは「人」という意味です)。
  これは、直接には、被災者に高齢者が多く、「ボランティア」という言葉に馴染みがない(馴染みにくい)ということへの配慮がありますが、より本質的な認識に基づく措置でもあります。

<復興はむら=集落の結いの力を軸にして>
  栄村は、“むらの良さ”を保っている村です。その基軸となっているのが集落であり、その集落に脈々と流れる“結いの心”です。
  今回の震災からの復興は、この集落の力なくしてはあり得ません。また、逆にいえば、集落の絆を守り、どんな小さな集落をも震災から復興させるということがあってこそ、村の復興は可能となるのです。

<ボランティアは結いの心で、集落の結いをお手伝いするもの>
  ボランティアは連帯や友愛の精神に基づくものだといえますが、その連帯や友愛の大先輩が〈むらの結い〉なのです。
  したがって、支援に駆けつける人は、結いを大事にする人=「結いのしょ」でなければ、本当の支援にならないのです。
  むらの人たちがどんな手伝いを求めているか。それも集落の区長さんを通して把握してもらいます。そして、復興支援機構「結い」の集落支援チームが区長さんの要請をうけて、「結いのしょ」を各集落に派遣するという方法をとります。
  支援に来て下さる方は、以上の点を十分にご理解くださいますよう、お願いします。

<支援受入は19日から>
  19日の午後からの「半日帰宅」に合わせて、支援者には19日から村‐集落に入っていただきます。
  ただし、19日の段階では、集落からの支援要請はそんなに多く出てこないと予想されます。
  折角来ていただいたのに仕事があまりないというのでは支援者の方々にも失礼になりますので、まずは近隣の方から入っていただこうと考えています。
  19日に入っていただきたい方には、明日18日、事務局から連絡させていただきます。
  「19〜21日に可能」と申し出ていただいた方で、明日18日に要請が行かない人は、親戚の手伝いも減る22日以降の平日や、4月上旬までの間で、支援可能な日を新たにご連絡ください。
 
  以上、趣旨をご理解いただけますよう、お願いいたします。
  (18日朝に各区長さんに配布される説明文書を公開します)

―栄村ネットワーク関係者 現地からのメール記事