プロフィール

profile
栄村復興への歩み
2011年3月に震度6強の地震で被災した長野県栄村で暮らす松尾真のレポートを更新しています。

カテゴリー

categories

サイト内検索

Search

カレンダー

calender
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      
<< March 2024 >>

最近の記事

selected entries

最近のトラックバック

recent trackback

月別アーカイブ

archives

栄村関連リンク

links

携帯用QRコード

mobile
qrcode

ブックマーク & RSS

Bookmark&RSS

5/23 レポート後記

  • -
  • 2011.05.23 Monday
 今回取り上げた田んぼ被害の見方は非常にシビアで重たい問題です。この問題を打開していく1つの鍵は、単なる原状復旧ではなく復興(よりよい形)をめざすという復興ビジョンの確立にあるといえます。明確なビジョンがあれば、目の前のことだけに目を奪われずに、先を見据えた対策がとれるからです。

 14日の「栄村の復興を考える会」でのポストイットに書かれた意見には、農をめぐるビジョン、栄村の農が長く続けられるようにすることを模索しようとするものがかなり多く見られます。そして、そこには栄村を中山間地の再生モデルにしようという意気込みも感じられます。

 栄村の復旧・復興は何のための復旧・復興なのか。そこが問われるのです。
 次回はできればそのあたりを考えてみたいと思っています。
 (了)

畔の野花4点


 まるで夏のような陽気が続いています。20日夕に出会った桜沢名代子さんが「いっきに気温が上がったので、ぜんまいがもうほけてしまった」と話しておられました。

*「ぜんまいがほける」とは、ぜんまいが成長し過ぎて、先端の渦を巻いている部分が開くこと。なお、別の人によれば、「ぜんまいは山の急な崖にあたりにいいものが生えるが、今年は地震でその部分の雪が雪崩で落ち、早くから雪がなかった。そこにこの陽気なので、ほけたのだ」とのこと。

 田んぼの畔を歩いていると、可憐な野花がパッと目に入って来ます。何気なく見過ごしてしまいがちですが、なかなか素敵なものです。私には名前がわかりませんが、4点ばかりカメラに収めました。
続きを読む >>

住民意見から考える復興の課題とビジョン(1)

 5月14日の「栄村の復興を考える会」でポストイットに書き込まれた村民の意見は、これからの復興の課題とビジョンを考えるうえで、第一級の資料(データ)です。
 この意見集を、14日の参加者も非参加者も区別なく、村民みんなで共有し、これを基に色んな意見交換、復興策の検討を行なっていくことが大事だと思います。

 そこで、何回かに分けて、村民のみなさんの意見を分析し、復興にむけての課題の整理、復興ビジョンの検討を行なっていきます。


* みなさんが抱える悩み事、課題
 14日の「考える会」の第1テーマは「被災から2ヶ月を経過し、現在抱えている悩み事、困りこと、課題など」でした。そこで出されてきた問題で目立ったものは、1.住宅再建の悩み(とくに費用問題)、2.人口が減るのではないか・集落が維持できなくなるのではないか、の2つでした。
 今回は、とくにこの1の問題を考えてみます。
続きを読む >>

集落で楽しい時を過ごす機会をつくろう!


4月24日の小滝の集い

  小滝集落では4月24日、「小滝の集い」を開催されました。村外に避難している人たちも含めてみんなが公民館に集まり、お茶などを飲みながら、わいわいがやがやと懇談し合ったのです。

 また、5月に入って、「小滝通信」というものが作られ、飯山などに避難されている人たちにも届けられました。というよりも、村外に避難している人たちに小滝の様子を知らせるためにこそ、「通信」が作られたのだという方が正確かもしれません。
続きを読む >>

集落内に公営住宅をつくる要望を具体化する


山古志の復興住宅(上が2戸1棟タイプ、長屋タイプも後に掲載)

 14日の会でのみなさんの意見にもはっきりと示されているように、人口を維持し、集落を維持する決め手として最大のものは〈集落内に公営住宅を建てる〉ことです。
 これが可能になれば、地震で自分の家が住めなくなった高齢者のほとんどが集落にとどまることになり、また集落に戻って来られるでしょう。

 ところで、村は「今年10月までに、どこの集落に村営住宅を建てるかを決め、来年の冬の前(つまり1年半後)までに建設する」と言っています。村民のみなさんの思いとは随分と離れています。村民の要望は「今年末の冬が来る前に建てて欲しい」というものです。
 そこで提案です。
 公営住宅の建設案を集落で具体的に立案するのです。
続きを読む >>

古民家などを修復し、交流や民泊を実現してみては

 先日紹介した小千谷市の若栃集落は古民家を活用し、民泊(農村泊)を始められました。
 栄村にも、今回の震災で修復に多額の費用がかかり、住人の高齢者の手では修復できないので空き家になる、あるいはこのままでは解体されるという古民家がかなりあります。


若栃の農家民宿「おっこの木」(築150年)

 ところが、専門家の調査によれば非常に立派なお家ばかりです。解体するのはもったいないものです。じつは、所有者自身も「壊したい」と思っておられるわけではありません。「直す費用がない。ならば、村が無料で解体してくれると言っているから、壊すしかないか」ということなのです。
続きを読む >>

いろんな助成金を活用しませんか

 復旧・復興へ、「やらなければならないことは多いが、資金がない」ということで困っている人、集落は多いと思います。

 最近、民間の各種財団や企業から震災復興支援の助成金の応募募集がいろいろと出されてきています。建物の建造などに直接使える資金というのはありませんが、企画の立て方次第では集落施設の修復や田んぼの復旧の資金を確保することも不可能ではないと思います。

 「こんなことに使える資金を探しているんだが」というようなお話があれば、是非、ご相談ください。5月末締め切りのもの、6月末締め切りのものなどがありますので、お早めにご一報ください。連絡先は080−2029−0236です。

5/21 レポートの後記

  • -
  • 2011.05.21 Saturday
  20日、村議団が旧山古志村と旧川口町に復興事業の視察に行かれました。案内役を務めたのが、震災直後から支援に入っていただいている中越防災安全推進機構の阿部巧さん。

 阿部さんによると、山古志の復興住宅を見て、村議のみなさんはたいへん感心しておられたそうです。集落内での公営住宅の実現に村議のみなさんにも大いに頑張っていただきたいと思います。

 また、旧山古志村の助役だった青木さんという方のお話は非常に迫力があり、阿部さんによれば、「是非、栄村のみなさんにもお聞きいただきたい」とのこと。青木さんに村に来ていただく機会をつくりたいと考えています。

 今年は震災のため、短い期間で田起こし‐代掻き‐田植えをしなければならず、当面、忙しい時期が続きますが、その中でも、ちょっとした座談会などはどんどんやって、復興へのアイディアを編み出していきたいものです。
 (了)

田んぼの亀裂の深さを小滝で調査

 5月になって雪が消え、田んぼの被害があきらかになってきましたが、今度はその復旧をいかに進めていくかが課題になっています。以前にも説明しましたとおり、1ヶ所40万円以上の費用がかかる復旧工事は国の災害復旧事業の対象となり、7月の国による査定を経て、早くとも7月下旬からの工事着手となります。他方、比較的軽いと思われる被害については、村単独事業で早く修復し、今年の作付に間に合わそうということになっています。

 しかし、比較的軽いと思われる被害についても、亀裂がいったいどの深さまで入っているのか、それによって復旧の仕方も変わってくるのではないかと思われます。

 その点、本レポートNo.28で報告したとおり、15日の小滝復興プロジェクトチームの寄合で議論となりました。

 そこで、小滝集落では、村単事業での復旧事業を予定している田んぼについて、18日、担当の役場職員と一緒に掘削を行ない、亀裂がどの深さまで達しているかを調査しました。
 結果は深刻なものでした。表土どころか、その下の耕盤まで亀裂が入っているのです。

 役場の担当者は急遽、中越大震災からの復旧を行なった小千谷市での聞き取り調査などを行なうことになったそうです。
 本当に作付ができる復旧を実現するために、大変な作業になると思いますが、全力をあげて取り組まなければなりません。
 以下、18日に掘削が行なわれた箇所のうち3ヶ所について写真で報告をします。
続きを読む >>

中条川の現在の様子

  久しぶりに「トマトの国」横の中条川土砂堆積現場に行ってきました。
 工事が行なわれていて、これまで撮影していた地点に下りるのを遠慮しましたので、以前との比較が難しいかと思いますが、ご覧ください。

 以前よりも流れの幅があきらかに広くなっています。
 写真中央に見える丸太の木橋は作業員が渡河するためのものです。


上流方向を見る

 
下流方向を見る


 「トマトの国」裏手から川にむかう道がつくられ、その脇に送水用のパイプの敷設作業が行なわれています。中条川の「トマトの国」近くの地点に水路のかけ口を設けていた森集落の農業水路(中条地区や森の平地地区への水路)の代替となるもののようです。