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栄村復興への歩み
2011年3月に震度6強の地震で被災した長野県栄村で暮らす松尾真のレポートを更新しています。

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古道は地震にも強い

 今回の震災では、村道滝見線(小滝〜志久見を結ぶ)が激しく壊れています。とくに大免沢(だいめんざわ)、奈免沢(なめざわ)の沢沿いに大きな被害が発生しています。
 ところが、古道の志久見街道はほとんど傷んでいません。「古道が災害に強い」ということはよく言われることですが、今回の栄村の震災でも実証されたわけです。おそらく、自然の地勢に合わせて道がきられているからでしょう。逆に、現代の道路は盛土をした部分がほとんどやられています。
 昔の人たちから学ぶべきことがたくさんあるということですね。
 
 志久見街道の素敵な景色をご紹介しましょう。
 四ッ廻りで千曲川が南北から東西に流れを変える地点を望む。このあたりで右手から大免沢川が流れ込む。写真左手が青倉の四ッ廻り地区。写真奥の山を越えると志久見集落だ。


小滝から千曲川沿いの志久見街道に入って間もなく。木陰ができて、昨日のような暑い日の午後でも涼しい。


応援に来てくれた駒澤大三人衆(清水、小嶋、廣田の3君)。


栄村点描


ぬけるような青空と仮設住宅(1日朝)
  


仮設住宅のアサガオ


小滝の畑へ通う仮設の二人

 写真左は中沢益夫さん、右が中沢重光さん。お二人とも70歳代だが、とても元気。二人は毎日、益夫さんの軽トラで小滝の畑や田に向かう。小滝ではまだ解体されていない元の住居をベースに丸一日、さまざまな農作業に精を出す。
 小滝まで車だと10分もかからないが、歩くと30分以上かかる坂道だ。


ラーメンが食べられるお寿司屋さん




森商店街の寿司屋「松(まつ)海(み)」さん。このお店、お昼限定で魚で出汁をとった特製ラーメンが食べられます。とても美味しく、お値段も650円とお得。もともとは日曜日限定でしたが、震災後、商店街で真っ先にお店を再開。それを契機に毎日お昼に食べられるようになりました。村外から来た人にも大好評です。                 

 (了)


栄村点描―泉平、小箕作川

 本レポートNo.54(7月13日)で泉平集落を紹介しましたが、その際、泉平の位置を説明するのに苦労しました。そこで、昨26日、泉平集落の全体を見ることができる地点に行って写真撮影してきました。まずは、その写真をご覧ください。


 写真右手の山の上に見えるのが泉平集落です。この写真は平滝から野々海に向かう道路の途中から撮影したものです。泉平集落の手前直下の谷は小箕作川です。その手前に尾根がありますが、その尾根の手前が千曲川です。泉平集落と小箕作川の谷、千曲川の関係をクローズアップした写真は次頁をご覧ください。
 写真中央下のやや左寄りに小箕作川が谷から平地部分に出てくるところが見えます。箕作集落の人がたくさんの田んぼをやっておられます。その様子も紹介します。


写真手前に千曲川と平滝の田んぼが見えます。




 上の写真の川が小箕作川。そのむこうに見えるのが小箕作川と千曲川の間の尾根。小箕作川に沿って、沢のかなり奥まで田んぼがあり、しっかり耕作されています。


栄村点描 ― 切欠、長瀬

  24日午前、原向での用事の帰り、切欠と長瀬の田・畑を見て廻ってきました。


切欠の棚田(県道横倉〜長瀬線の脇)


前方に津南、そして北野の集落が望める
 

長瀬の発電所。
現在は中部電力の発電所ですが、戦前は信越化学がつくった
専用発電所で現在の上越市にある信越化学の工場まで電気を送っていました。


発電所への導水管を上から見たところも撮影してきました。
写真のいちばん奥に長瀬橋が見えます。


長瀬集落の中尾の田んぼ。
広大で素晴らしいですね。
この田んぼの一角で出会った長瀬の人が「いいだろう。青倉のあたりの人には
申し訳なくて見せられない」と冗談まじりに話しておられました。
 

自走式の草刈り機        


素敵な田ですが、志久見川に面した斜面が崩落


斜面崩落の地点で対岸方向を見る。
県道北野線の路肩が崩れている箇所がちょうど対岸に見えます。



泉平という集落―栄村紹介

 このレポートでは栄村の状況を色々と報告・紹介していますが、基本的に私一人で知ることができる範囲内でのレポートですので、紹介できる集落が限られています。前々からそのことが気になっているのですが、震災直後に比べると少しずつながらも時間的余裕ができてきていますので、これからは行動半径を広げ、これまで紹介・報告できていない集落のことも紹介していきたいと思います。今回は泉(いずみ)平(だいら)集落です。
 今回の震災では、泉平は被害がかなり大きかった集落です。今回は被害の様相の報告ではないのですが、泉平集落がどんなところかをレポートしたいと思います。
 
 箕作(みつくり)集落の公民館、お宮の前をぬけて県道をさらに走り続けると、道が2つに分かれます。まっすぐに行くと間もなく行き止まりになるのですが、表示板の「志賀高原」方面の方へむかう(進行方向左斜め)と、ずっと曲がりくねった山道が続きます。

上ってしばらくは箕作の人たちの田んぼが道沿いに見えますが、間もなくすると、ただ山の中を走るという感じになります。「うーん、これからは志賀高原までずっと山の中か」と思っても不思議ではありません。しかし、それにしては時々、むらの人のものと思われる車に出会うので「何だろう?」と思うかもしれません。じつは、この山道の先に泉平集落があるのです。
 
 私は栄村に住んで5年目ですが、泉平には知り合いはほんの数人しかおられません。でも、震災前は泉平に足を運ぶことが比較的よくありました。村を訪ねて来る人に、「広い村内に集落が分散している」という状況を理解してもらううえで格好の場所だからです。


<集落入り口の素敵な林>
 箕作から山を上っていって、泉平の集落に近づいたとき、真っ先に目に入るのがお宮の手前の林です。ブナの木も多く、私が好きなポイントの1つです。






<驚くほど広い田んぼ>
 いまでもそうなのですが、初めて泉平を訪れたとき、田んぼの広さにたいへん驚きました。山の中を走ってきて、こんなに広い田んぼに出会うとはまったく想像できません。ご覧ください。


 田んぼの先に林と山が見えますが、林の下はじつは千曲川の近くです(もう少し厳密にいうと、林の下には小箕作川があり、その先の小さな尾根の向こう側に千曲川が流れています)。そして奥に見える山は千曲川の対岸の関田山脈です。泉平は千曲川の河岸段丘で、千曲川からかなり高いところにある台地なのですね。
 いま手元にはないのですが、数年前、むらのある集落のお宅から出てきた古文書を拝見したことがあります。それは大正12(1923)年の関東大震災の直後に中津川発電所工事のために朝鮮半島から動員された朝鮮人労務者の行動記録でした。私の記憶によれば、桑名川まで鉄道(飯山線)で来た朝鮮人労務者が千曲川を渡し船で渡り、泉平に上陸し、その後、陸路(志久見街道です)を通って志久見−宮野原まで出たと書かれていました。
 11日朝、泉平を訪れた私は、畑で作業していた集落の人に、「昔は千曲川から上がって来る道があったそうですが、今でもありますか?」と尋ねてみました。「おお、あったよ。今は人も通らないから、もう道じゃないけどな」と言って、その「道」があった方を指さして下さいました。


上の写真で林の手前に田んぼの畦道がかすかに見え、それが写真左手で林の切れ目に入っていっています。その先に千曲川の方へ下りる道があったようです。


 田んぼの中を進み、千曲川上沿いの林の方から逆に眺めると、集落の様子がよく見えます。


<集落の奥は深い>
 集落の中に入ると、山の方向にむかって道がずっと続きます。家並みのあるところをこえてさらに進むと、「こんなところまで畑があるの?!」と思うようなところにアスパラの畑があります。
 泉平はもともとは専業農家の多いむらでした。いまでも、稲作以外にアスパラを栽培する人が多いようです。


<庚(かのえ)さま>

 このアスパラ畑のところに行く前に、集落のはずれに近いところで、写真のような石像がたくさん並んでいるのに出会いました。
 この前の家のおばあさんが畑に出ておられたので、声をかけて、「この石像は何ですか?」と尋ねたところ、「庚さまだよ」と答えて下さいました。
 「庚さま」とは「庚申塚(こうしんづか)」のことです。庚申は十干の「庚(かのえ)」、十二支の「申(さる)」が組み合わさった干支で、庚申の年というものがあり、60年に一度巡ってきます。最近は1980年がそうでした。青倉集落にも庚申塚あり、「庚申の年にお酒などを土中に埋めて、60年後に取り出して飲むんだ」と聞いたことがあります。
 おばあさんによると、「庚申講というのがあって、それが世話をしていたが、最近はどうなったかな? 私も歳なので出なくなったので、よくわからない」とのことでした。
 
 栄村は広いです。まだまだ未紹介のところがたくさんあります。おいおい、紹介していきます。