プロフィール

profile
栄村復興への歩み
2011年3月に震度6強の地震で被災した長野県栄村で暮らす松尾真のレポートを更新しています。

カテゴリー

categories

サイト内検索

Search

カレンダー

calender
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930 
<< November 2018 >>

最近の記事

selected entries

最近のトラックバック

recent trackback

月別アーカイブ

archives

栄村関連リンク

links

携帯用QRコード

mobile
qrcode

ブックマーク & RSS

Bookmark&RSS

紅葉真っ盛りゾーンを行く

 

 朝から晴れた昨日8日、紅葉本番を迎えているだろうと思われる奥志賀公園栄線にむかった。
 上の1枚は、野沢温泉スキー場を通過し、再び栄村地籍に入るところ。撮影時刻は10:55。

 

 この日は箕作・泉平から進むのではなく、国道117で野沢温泉村にむかい、野沢温泉から上ノ平に上がるコースをとった。紅葉は予想以上に進んでいた。奥志賀公園栄線の沿道に立てられている距離表示でいうと、「箕作から24km」あたりから「箕作から35km」あたりまでは、「いちばんのピークをやや過ぎたのかな」という感じもした。このゾーンでは霧がかなり立ち込めていた。「霧が出るところは紅葉が早く進む」と聞いた。
 「奥志賀が見ごろ」とのことだが、今日は時間がなくて、行けなかった。秋山林道〜秋山郷の紅葉はあと1週間くらい後が見ごろになるのかなあという感じ。

 


 野沢温泉村に入って間もなく、これから向かう山並みを撮影したものから、撮影順に紹介していく。

 

9:54

 

10:14。アクティビティ Д好ー選手の秋期練習。毎年、この時期に見る光景。

 

10:51。野沢温泉スキー場を通り抜けて間もなく、毛無山から栄村方向にのびる尾根を撮影。

 

11:10 霧に包まれ、幻想的な雰囲気。

 

11:17。栄村・津南町が望める。写真中央に見えるのは津南町の田んぼ。写真左手に中条川1号崩壊地斜面
が見える。

 

11:20。五宝木方向を望む。写真上方に見える開けた台地は鳥甲牧場。

 

11:25。アクティビティ◆Д汽ぅリングで野沢温泉村方向に下る人。

 

11:35。アクティビティ:ツーリング。この日はツーリングする人が多かった。

 

11:45。この6分後、栄村地籍が終わり、木島平村になった。

 

 来週は秋山郷の紅葉を撮ってみたいと思っている。

 


野々海三叉路は見ごろ

 

 台風25号の影響で30℃近くまで気温が上がった今日(10月6日)でしたが、午前中、野々海の紅葉状況のチェックに行ってきました。
 野々海三叉路(平滝から上がる道と青倉・スキー場から上がる道が交わるところ)の小さな池(池塘)の紅葉はちょうど見ごろです。後方のブナなどが黄葉するともっといいですが、手前の赤が入る低木や湿地の水草の黄葉はピークを過ぎつつあるようですから、この場所はここ数日が見ごろだと思います。
 湿地の東窓(キャンプ場の横)も、草紅葉が素敵なところですので、やはりいまがピークではないかと思います。
野々海池そのものは「三分(さんぶ)」という感じで、今後の気温状況にもよりますが、20日頃が見ごろになるのではないかと思われます。
(以下、2〜3枚目は三叉路、4〜6枚目は東窓にて、7〜10枚目は野々海池での撮影です。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


栄村復興への歩みNo.346(10月1日付)

 

中条川はいま、どうなっているか

 9月18日、「治山工事に関する説明会」という県北信地域振興局林務課治山林道係主催の会合が夜7時半から役場2階大会議室でありました。中条川での災害復旧工事に関するものです。私は中条川下流に住む地元住民の一人として参加しました。そして、そこでの説明をうけて、9月26日午後、No.5谷止工(治山ダムの一種類で、大雨時などの土砂の急激な移動を抑えるもの)の建設現場を施工業者(川中島建設)現場代理人・片野道男さんに案内していただき、見てきました。上写真はその時に撮影したものです。
 みなさん、あまりご覧になったことがない眺めだと思います。
 写真左手前にわずかに見える水の流れが当日の中条川の流れです。写真の両側には高い崖がそそり立ち、その奥に礫状の堆積物や赤い色の斜面が見えます。これが1号崩壊地の埋塞土(まいそくど)です。国道117からも見える1号崩壊地の崩壊斜面とこの写真の地点位置関係は次の写真イをご覧ください。

 

写真イ


 写真イの真ん中やや下のが1頁の写真を撮った地点です。
 No.5谷止工がどんなに大変な場所で実施されているか、お分かりいただけたと思います。
 現場の様子をもう少しご覧ください。

 

写真ロ

 

写真ハ

 

 写真ロは建設途中のNo.5谷止工を上流側から撮影したものです。写真左手に見える黒色の太いパイプは川の水を流す仮設工です。
 写真ハは写真ロの右下に見える作業員の様子をクローズアップして撮影したもの。
 このNo.5谷止工の完成時の高さは、写真ロの左側に見える部分の現在の高さの3倍になります。
 また、写真ハに見える3人の作業員が行っている作業はソイルセメントというもので谷止工の本体を築造するものです。生コンを遠くから運んでくるのではなく、現地で発生する砂利とセメント等を撹拌混合したもので、ソイルセメント工法と呼ばれます。No.5谷止工の場合、少し下流の減勢工(セルダム)のところの砂利を採取しています。長距離運搬の必要がないですし、中条川に堆積する土砂を減らすことにも役立ちます。
 このNo.5谷止工建設現場の2015年夏の写真が私の手許にありました。次の写真ニをご覧ください。

 

写真ニ

 

 写真ニの撮影日時は2015年7月19日です。1頁の写真と比較すると、随分と様子が変わっています。2011年3月の地震に伴う山腹崩壊と、2013年9月16日の台風18号豪雨に伴う土石流発生に対する復旧治山事業(林務課所管のもので、1号・2号崩壊地と、トマトの国横までの渓流部が対象。トマトの国横より下流は建設事務所所管の別の砂防事業)は昨年度までに総額20億1千万円を投入して、治山ダムの築造等が行われてきました。様子も変わるはずです。

 

● 今後、中条川はどうなるのか?
 では、「中条川の安全はほぼ確保された」と言えるのでしょうか。残念ながら、「Yes(イエス)」とは言えません。
 さらに2枚の写真をご覧ください。

 

写真ホ

 

写真へ


 写真ホはNo.5谷止工築造現場の上部の中条川の流れを撮影したものです。また、写真へは1号崩壊地に向かう道路上から撮影したものですが、写真下方の青色マークの所がNo.5谷止工現場上の土嚢が積まれているところ、そして赤色マークの所が写真ホの箇所です。
 これに加えて、次の写真トもご覧ください。写真トは写真へに見られる1号崩壊地直下の中条川の流れを上流側から撮ったものです。

 

写真ト

 

 写真ホ〜トの3枚から分かることは1号崩壊地の脚部(1号崩壊地崩壊斜面の下に当たる部分で、中条川が流れている部分)には、7年前の地震による山腹深層崩壊で川の流れを堰き止めた埋塞土がまだたくさん残っていて、それがかなり不安定な状態にあることです。雨が降れば、写真ホに見える流れのすぐそばの岩や礫、土砂が流れ出ることはあきらかです。大雨となれば、土石流被害を引き起こしかねないです。その被害を食い止めるために谷止工等が施工されているわけで、一定の被害防止効果があると思います。
しかし、いちばん望ましいことは1号崩壊地脚部の堆積土を取り除くことです。昨年度は排土工という工事が行われ、一定量の堆積土(約1万9千㎥)が搬出され、今年度も写真トの地点よりもさらに上流のところで排土工(約1万5千㎥)が実施されますが、1号崩壊地脚部にある堆積土全体の半分に満たない量にとどまります。
 そして、写真トの周辺は、昨年10月の台風時の大雨で右岸の堆積土(写真トの右側に見える茶色の土の部分)で崩壊が起こり、それ以降、この辺りは重機も入れられない不安定な状態になっているとのことです。
 そんな中で、中条川の災害復旧工事が来年度(平成31年度)に予定されている工事をもって打ち止めになることが、9月18日の説明会で判明しました。東日本大震災復旧・復興期間の終了との関係だそうです。そのため、昨年度の段階で工事計画に入っていた対策工事の一定部分が「将来計画」に変更されました。「将来計画」とは平成32年度以降に実施するということではなく、「現段階では予算的裏付けはなく、将来、災害の危険が高まった場合などに施工を検討する」という位置づけです。
 率直に言って、非常に不安です。1号崩壊地内には森集落の水道と森開田用水の送水管が通っています。1号崩壊地の安定化が実現しきれないまま、県の対策工事が終了となれば、豪雨時の土石流発生が心配ですし、森の水道・用水の送水管の保守・安全が危うくなりかねません。
 中条川の安全をどう確保するか。状況を十分に把握し、県・国との協議を詰めることが必要です。今回のレポートに続き、県林務課への聞き取りなどを行い、地元住民の話し合い、村への要望等にむけて、さらに問題提起を行っていきたいと考えています。


ゲンノショウコ

 

 上の写真は8月30日に撮ったものですが、写っている花はゲンノショウコ。
 みなさんも畦や法面でよく見ることがあると思います。でも、意外と名前をご存じないのではないでしょうか。私は8月半ば頃に秋山郷・上野原とっちゃのソバ畑で見かけて以来、「きれいだなあ」と気に入り、名前を知りたいと思っていました。が、調べないまま9月末になってしまい、ある人に「これは名前は何と言うんだい?」と尋ねられ、ようやく調べるに至った次第です。漢字では「現の証拠」と書くそうです。古くから茎や葉が民間で薬草として下痢止めなどに用いられ、「現に良く効く証拠」という言い回しから、この名が付いたそうです。
 「ゲンノショウコ」という名前を知った時、「どこかで聞いたことがある名前だな」と思ったのですが、漢方薬の名前として記憶していたのだと思います。
 花をクローズアップしたものが次の写真です。

 


 ゲンノショウコの花には白色のものの他に、紅紫色のものがあるそうですが、紅紫色は主に西日本で見られるそうです。栄村では白色に限られるのではないかと思いますが、「紅紫色のものを見たことがある」という人がおられましたら、是非、お教えください。
 葉は草紅葉になるそうで、その様子を是非撮りたいと思っています。
 


コウメバチソウとウメバチソウ

 コウメバチソウとウメバチソウ、とても似ています。

 


 上の写真はコウメバチソウ。9月後半、野々海池の堤付近に群生しています。先端に黄色の丸い粒状のものがついている仮雄しべがありますが、これが7〜11裂のものがコウメバチソウ。それに対して12〜22裂だとウメバチソウ。
 ウメバチソウは北海道から九州まで山地帯から亜高山帯下部の日当たりの良い湿った草地に生え、コウメバチソウは北海道から中部地方以北の高山帯に分布するそうです。
 先日、程久保の方から「きれいな花が咲いている」とご連絡をいただき、写真を撮って調べました。仮雄しべの裂数を確認するのが相当に難しかったのですが、どうやら12裂。ウメバチソウだと思います(下写真は程久保集落入口付近で群生するウメバチソウ)。

 


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
栄村復興への歩みNo.346
2018年10月1日発行 編集・発行人 松尾真 連絡先:電話080−2029−0236
mail;aokura@sakaemura.net ゆうちょ銀行 11100−01361481 栄村復興への歩み協賛寄金 ながの農協栄出張所 普通0009390 栄村復興への歩み発行協賛金松尾眞


夢灯にて思う

 9月22日、夢灯(ゆめほ)に行ってきました。

 


 今年で6回目の夢灯、私が訪れるのは4回目だと思います。その数2千を超えるロウソクの灯の配置が昨年とは異なり、今年、「いちばんいいなあ」と感じたのは天池と第二天池の間の白樺などの林の中の灯りでした(上写真)。撮影したのは完全に日没する前の午後6時くらいなので、いまひとつ雰囲気が出ていないのですが…。
 私はこの場所に1時間近く佇んでいました。
 今回、非常に嬉しく思ったのは第二天池の周囲をぐるっと巡り、林の中を抜けて天池に出られる散策路が拓かれていたことです(下写真。写真右手真ん中に第二天池が見えています)。

 


 散策路は草刈りされた後にウッドチップが敷き詰められ、歩きやすくされていました(ただし、ウッドチップの量が足らず、第二天池裏側と天池裏側を結ぶ辺りが草刈りのみにとどまり、その部分はちょっと歩きづらかったですが)。
 こういう整備作業を夢灯時だけに限らず、春〜秋の間に三度くらい実施できれば、観光客を多く招致できる素敵なスポットにできるなあと思いました。
 


箕作から約30區覆爐函ΑΑ

 

 上の写真は昨年のものではありません。9月28日午前11時半頃に撮影したものです。すっかり黄葉(こうよう)しています(紅色が少ないので「黄葉」と書きますが、近くでは紅葉も見られます)。この黄葉が進む尾根は北野川上流の右岸だと思います。写真の上方に平な土地が見えますが、これがじつは鳥甲牧場。箕作から奧志賀公園栄線を進むこと約30kmの地点での撮影です。
 この地点よりも少し手前で撮ったものも紹介します。

 

 

 毛無山から栄村に下る尾根の向こうにさかえ倶楽部スキー場、中条川上流1号崩壊地斜面などが見えます。


松尾まことの議員活動報告第30号(9月17日付)

 9月4日から11日まで定例議会が開かれました。いわゆる「決算議会」です。しかし、議題は決算に限られていたわけではありません。暮らしに直結する内容の補正予算の審議もありました。
 秋山の路線バス廃止をめぐる対応策、地震被害を受けた農地の復旧に関わる予算措置、地方交付税交付金の大幅減額、平成29年度決算審議の内容、今後の村政のあり方に大きく関わる指定管理者制度に関する質疑内容。これらの点を中心として、9月議会の報告を記していきます。

 

 

◎ 暮らしに直結する問題――補正予算審議から
● 秋山の足をどう確保するか
 津南〜和山間で路線バスを運行してきた南越後観光バス蠅10月1日から見玉〜和山間の路線を廃止すると通告してきました。秋山の住民の足を保証する公共交通が無くなるという大変な事態です。
 村は、この間、秋山地区内で住民説明会を開催するなどしてきたようですが、議会に対して村がこの問題を明らかにしたのは、今回の9月定例会提出の一般会計補正予算(第5号)での代替措置の予算付け、議会全員協議会(村長提出)での説明が初めてのことでした。このこと自体、問題であると考えます。村は、「代替措置をめぐる津南町との調整が8月いっぱいかかった」ことを「理由」としていますが、最終確定案に至る前に議会と協議し、議会の意見を求めるべきだったと思います。
 代替措置は、津南町がすでに運行している見玉〜大赤沢間の代替交通(デマンドバス、1日3往復便)を和山まで延長するというもので、その経費の2分の1(375万円)を支出するというのが補正予算の内容です。(デマンドの運行時刻等は村の広報をご覧ください)。

 

■ 住民の意思やアイディアの汲み上げが不十分
 私は秋山の人たちからこの問題をお聞きしていたので、一般質問で村長の考えを質(ただ)す準備をしていました。「安心して暮らせる環境の確保と村財政の見通しについて」というテーマでの質問です。
 先にも書いたように、村は秋山地区の住民を対象とする説明会等を開催しています。住民の声に耳を傾ける姿勢であるかのように見えますが、私はそうは言えないと考えます。説明会というのは、村の方針を説明するものです。その方針が覆ることは基本的にありません。
 しかし、秋山地区の公共交通機関が無くなるというのは大問題です。そういう場合は、「方針」を決める前の段階で、「こういう問題が生じているが、どのように対応すべきか。みなさんの意見、要望、アイディアをお聞かせいただきたい」というところからスタートすべきです。1世帯から1人が出席するという通常の説明会タイプの会合だけではなく、秋山に居住する若者たち(平素は仕事との関係で「下」に居住場所を有しているが、頻繁に実家に帰り、秋山の地元行事の中軸を担っている人を含む)に意見・アイディアを求める会合や、秋山の地域おこし協力隊員の意見を聴く場などを設ければ、役場だけでは思いつかない斬新(ざんしん)な提案が出てくる可能性があります。
 一般質問でのやりとりから見ると、村(長)にはそういう発想法そのものがなかったと思われます。
 秋山の公共交通問題は、津南町が運行する3便の和山への延長という今回の策だけでは解決できていません。観光客への対応策を含めて、さらに対策を考えていかなければなりません。今後は、若者をはじめとする住民、そして観光関係者等を対策検討の主役として位置づけ、みなさんの意見・アイディアを汲み上げていくように、議会サイドから十分にチェックをかけていきたいと考えています。

 

● 5・25地震被災田んぼ復旧工事の自己負担率をめぐる問題
 今次補正予算には、農地に関わる「平成30年5月25日発生地震災害復旧事業」3,021万円が計上されました(国庫補助事業2,565万円、村単事業456万円)。
 復旧工事を求める農地はカバーされているようですが、問題は地権者・耕作者の負担率です。7年前の大震災時とは異なり、通常災害復旧工事の負担率20%が適用されています。負担額は305万円にのぼります。
 5・25地震で被災した農地の多くは7年前にも被災しています。「7年を経て再び同じ田んぼが被災」となれば、耕作継続意欲が削がれることも充分にありえます。ましてや、今回は20%の自己負担金が求められるとなれば、なおさらです。
 複数の議員が負担率の軽減を求めましたが、村は「この件の負担率を下げると、今後のさまざまな被害復旧工事の自己負担率に影響を及ぼす」として、軽減措置を拒否しました。
 私は納得できず、採決前の総括審議において、「7年前の震災の際、中越の被災経験者から言われたのは『農地の地震被害は1回の復旧工事だけでは治らないケースがよくある』ということだった。今回の農地被害について、7年前の被災との関係等をよく調査・検討すべきだ。そして、自己負担率は20%としたうえで、震災復興特別基金を活用するなどして、自己負担率を実質的に軽減する措置を検討すべきだ」と食い下がりました。
 これに対して、森川村長は、7年前の震災時に役場職員として農地復旧を担当した経験もふまえて、7年前の震災で被災した農地の現況等について調査する考えがあることを初めて意思表明しました。これが単なるリップサービスに終わらないように、私は他の議員とも連携して、今後も働きかけ・議論を続けていきます。

 

 

◎ 地方交付税交付金の大幅削減について
 7月24日、総務省が本年度の地方交付税交付金のうち普通交付税の決定額を発表しました(特別交付金は未確定)。栄村は13億6,540万円で、前年比13.3%の大幅減少です(平成29年度は15億7,452万5千円)。全国的にも前年度よりも減額されていますが、全国の市町村平均では2.7%の減少で、栄村の13.3%という減少率は突出しています。
 地方交付税の算出方法は「よほどの財政専門家でなければ分からない」と言われるほどに難しいものです。本年度、全国的に減額になっている原因の1つは、リーマンショックへの対応措置として続けられてきた特別枠が廃止されたことにあります。また、栄村の減額が突出して大きいのは震災から7年を経たことも関係しているのではないかと思われます。
 しかし、それにしても、13.3%という大幅減少は大ショック、きわめて大変な事態です。地方交付税交付金は栄村の年間予算の財源の45%近くを占めるものだからです。

 

■ 危機感にズレ
 9月定例会の一般質問において、相澤博文、保坂良徳、そして私の3議員がこの問題を取り上げました。いずれも村財政の今後に対する危機感を抱いての質問です。
 しかし、村当局の答弁は、「前年比では13.3%減だが、村の本年度当初予算での普通交付税見込額は14億8千万円なので、見込額比では8%減。特別交付税の交付額はこれから決まるので、その結果も見て、12月をメドに再算定を行い、12月議会ないし来年3月議会で補正予算を提出する」というものでした。
 村長及び村当局の答弁からは私たちと同様の危機感が共有されているとは到底思えません。財政に詳しい人からは、「そもそも本年度予算策定段階での交付税のヨミが甘い」という声も聞こえてきています。
 どう対応すべきでしょうか。
 第1には、地方交付税交付金というものが、石原慎太郎氏などが言う「地方への仕送り」などではなく、「税収は国7割地方3割、歳出は国3割地方7割」という現実をふまえて税収の適切な再配分を行うものだということをしっかり確認し、他の自治体と共同して地方交付税交付金の回復・増額を求めていくことです。
 第2には、村財政の見直しを徹底的に行うことです。
 栄村の財政規模は震災との関係で大きく膨らみ、いま、そこから平時の財政規模に戻るプロセスにありますが、森川村政においてはそのことが十二分に自覚されていないのではないかという危惧を多くの議員が抱いています。9月定例会の一般質問の質疑でもあったことですが、リップサービスのつもりなのか、億単位のお金を要する施設の改築などを村長が簡単に口にすることがあります。「村民の要望に耳を傾ける」というのは、必ずしも「予算付け」ということを意味するわけではありません。「“受け”が悪い」ということがあっても、財政の徹底見直しをきちんと行うことこそ、行政の長の責任・責務であることを肝に銘じてもらわねばなりません。

 

 

◎ 決算審議について
 9月定例会は“決算議会”です。今回は平成29年度の一般会計決算書と10の特別会計決算書が村長から提出されました。
 決算は、_餬彜浜者が村長に提出した決算を、村長が検討した上で監査委員に提出し、4萄紺儖の審査を受けたものです。監査委員は証拠書類や帳簿等もチェックし、決算の適正性を判断し、審査意見書を村長に提出します。ぢ篠垢牢萄紺儖の意見書を受けとめたうえで、その意見書と共に決算書を議会に提出し、認定を受けなければなりません。その際、「主要施策の成果説明書」等の必要書類を提出することも義務づけられています。
 議会は、9月7日の本会議で村からの決算書の提出をうけて、決算特別委員会を設置し(構成メンバーは全議員)、7日と10日の2日間、決算審査を行いまいした。決算特別委員会の委員長は慣例で2つの常任委員会の委員長が交互に務めることになっており、今回は産業社会常任委員会が当番ということで、私が委員長を務めました。そのため、私は今回の決算審査ではいっさい質疑を行わず、議事進行役に徹するところとなりました。

 

● 議会に求められる決算審査とは
 議会は、決算の審査において、決算の数字に誤りがないかについてもチェックする必要がありますが、それは監査委員が専門的な立場から精査されています。ですから、議会には、予算の執行によってなされた施策がどういう成果を出しているか、それらの施策の効果はどういうものなのかを吟味することこそが求められます。

 

● 浮かび上がった問題点
 2日間にわたって審査を行いましたので、質疑内容は多岐にわたります。そのすべてを紹介することは紙幅との関係で出来ませんので、とくに目立った論点を3つ、紹介・報告します。

 

■ 総額1億7千万円にのぼる「不用額」はなぜ発生するのか
 一般会計で見ると、歳出予算額38億9,846万円に対して、支出済額35億9,695万円、翌年度繰越額1億2,761万円で、じつに1億7,389万円が不用額になっています。「不用額」とは言いかえれば「執行されなかった予算」ということです。
 無駄遣いをすることは許されませんから、予算をただひたすらに使い切ればよいということではありません。しかし、「必要な予算」ということで決めていたものが使われずに残るというのは、やはり「何故?」という疑問が出てきます。
 審査は款(かん)(総務費、民生費等に区分されています)ごとに行われますが、保坂良徳議員が各款毎にくりかえし質問しました。村側の答弁の基本は「予算は執行率90%を目安にたてている」というものです。この答弁には一定の納得はできます。というのは、行政の通常業務の遂行や施策の実施にあたって予算不足が生じると困るからです。
 しかし、じつは3月議会に提出された補正予算において、年度内執行の見込みがない予算を減額する補正がすでに行われています。そういう減額修正があったうえでなお、1億7千万円余の「不用額」が発生するということにはやはり疑問が残ります。
 やはり予算編成に甘さがあるのではないかということです。
 私は今回で3回目の決算審査ですが、過去2回の審査では「不用額」の問題が問われることは基本的にありませんでした。今回は保坂議員の重要な問題提起が行われたと私は受けとめています。来年度の予算審議においては、そういう点にも留意して審議に臨むようにしたいと思います。

 

■ 特命対策課はどういう仕事で成果を上げているのか?
 第2款総務費の審査において、特命対策課の決算が1つの焦点となりました。
 特命対策課の予算支出済額は2,781万円でした。そのうち人件費関係が2,371万円です。人件費が占める割合が非常に高いのが特徴です。しかし、このことはある意味では当然です。というのは、特命対策課の設置にあたって村長は「特命課は事業予算を持たない課とする。事業予算が付く段階になれば、その施策の予算はその施策事業の執行に適した課につける」としていたからです。
 ところが、「予算執行の成果を示す」文書である「決算説明書」で特命対策課について言及があったのは、「食の高付加価値化プロジェクト」19万円と「利雪推進プロジェクト」50万円の2件のみ。「2,300万円余の人件費を使って、いったいどういう仕事をやっているのか」という疑問が生まれてきます。今回の決算審査では十分な説明は得られず、12月定例議会でより詳しい説明を求めることになりました。
 村長の肝いりで設置された特命対策課、設置から満3年まで残るところ半年余となりました。多くの村民の疑問に答えられる審議をしっかり進めていきたいと思います。

 

■ 社会福祉協議会への3千万円の補助金はどう執行されたのか
 昨年12月臨時議会で、村が高齢者総合福祉センターの指定管理者としている栄村社会福祉協議会に3千万円の補助金を追加支出する補正予算が決まりました。
 今回の決算審査では、上倉敏夫議員がこの3千万円の補助金の予算執行について繰り返し質問されました。答弁で3千万円が村から社協に支出されたことは確認されました。しかし、上倉議員は完全には納得されていないと私は受けとめました。
 この3千万円はじつは、運転資金の不足に直面した社協が村に「3千万円貸し付けてほしい」と申し出たことから始まっています。社協はデイサービスの実施に対して介護保険から支払いを得ることを重要な収入源としていますが、この支払いは2カ月遅れになるため、運転資金が不足するというわけです。これに対して、村は貸付ではなく、補助金として3千万円を社協に交付しました。補助金制度の本来から言えば、ある年度の補助金はその年度内に補助対象となった事業に使われ、所定の成果を出して、その結果を村に報告しなければなりません。しかし、社協では運転資金として使い、事業が軌道にのった段階で3千万円を村に返済するという態度を堅持していますので、平成29年度中に3千万円の補助金事業が実施されたわけではないということになります。上倉議員は財政の運用のあり方として、こうした事態は適正ではないということを言っておられるのだと思います。そして、一理あるご意見だと思います。
 私は、この問題の根底には、十分な財政計画なしで社協への指定管理をスタートさせたことがあると考えています。9月定例会期間中に担当課及び社協事務局から平成29年度の指定管理業務の報告書についてご説明いただきました。議員全員にも資料が配布されました。議会会期中に十分な検討をする余裕はありませんでしたが、今後、報告書の精査、さらなる聞き取り等を行い、村の介護保険行政の現状と将来展望についての検討を深めたいと思います。

 

● 特別委委員長としての審査報告
 決算特別委委員長は定例会最終日の本会議において特別委での審査結果について報告します。「審査の結果」として、「慎重に審査しました」とのみ発言することがこれまで慣例となってきたようですが、今回、私は次のように報告しました。

 

「決算特別委員会では、歳入歳出予算執行の結果を総合的に確認し、検証して予算効果と行政効果を客観的に判断すべく、多岐の論点にわたって質疑を行いました。その過程で、予算の執行をめぐって反省すべき事項や改善すべき事項の指摘も行いました。村長におかれては、今回の決算審査で指摘された事項を今後の予算編成や財政運営に活かされることを求めます。また、議会においては、今後の予算審議、財政運営に対するチェックに活かすことが求められます。
なお、審査の過程において、「主要施策の成果」等を記す「決算説明書」は、予算執行の単なる実績、データではなく、施策の実現を目指して措置された予算の執行によって成し遂げられた効果を明らかにすべきものであるところ、その効果についての説明が十分にはあきらかにされていないものがあるとの指摘があったことを明記しておきます。平成30年度以降の決算書における改善を求めるものであります。」

 

 これが平成29年度決算についての私の判断を言い尽くしています。これをもって、決算審査に関する報告のまとめとします。

 

 

◎ 指定管理者制度について
 私は9月定例会の一般質問で、「観光は村の基幹産業」という認識について森川村長の確認を求めるとともに、指定管理者制度についての森川村長の考えについて尋ねました。
 森川村長は、「観光は栄村の基幹産業である」という認識を改めて表明するとともに、「村の公の施設の管理運営のために指定管理者制度は必要だ」という考えを示しました。そして、「指定管理者の公募にあたって、村側が示すべき募集要項はいかなるものか。施設の管理運営に要する経費、利用料収入、そして指定管理料はいくらになるのかを算出し、それを示す第一次的責務は募集者、応募者のいずれにあるのか」と私が問うたのに対して、「提示する責任は募集者側(村)にある」旨を答弁しました。
 私は、観光4施設の(一財)栄村振興公社への指定管理の実態に鑑みて、「実際はそのようになっていないのではないか」と再質問しました。それに対して森川村長は「確かにそうだ。相手側となれ合いになっていたところもある」旨の答弁をしました。
 私は、この質疑は非常に重要なものだと考えています。
 指定管理者制度の運用は観光施設の振興公社による指定管理だけでなく多岐の施設において行われていますが、とくに4つの観光施設の管理運営が大きな問題となっている現在、平成31年度にむけての指定管理者の募集にあたって、今回の答弁に則った措置がきちんと行われるかどうか、しっかり見守っていきたいと思います。

 


 以上、9月定例会についての私の報告とします。


松尾まことの議員活動報告第29号(7月31日付)

 7月も、各種の会議への出席(村外への出張3件を含む)など、議員としての仕事はかなり多くありました。しかし、議会(本会議)の開催はなく、みなさんにご報告しなければならない議会の新たな決定事項はありません。
 そういう時期ですので、今号では、「議会・議員がなすべきことは何か」という根本的な問題にたちかえっての議論を少ししてみたいと思います。

 

受け身から課題・政策の積極的提案・実現へ

 

◎ 議員は政策実現の活動をできているか
 議員は4年に一度の選挙の際に、さまざまな“公約”を掲げます。しかし、実際のところ、“公約”に掲げられた政策は実現されているでしょうか? お世辞にも「実現されている」とは言えませんね。それには原因があります。議会・議員の仕事が基本的に、行政が議会に提出してくる議案の審議・採決にとどまっているからです。自らが実現したいことを政策として具体化し、その実現のために必要な条例案や予算案を議員(議会)自ら立案するような活動を基本的にはやっていないのです。
 私は選挙における公約の基本に〈情報の徹底公開〉を掲げてきました。その点ではそれなりのことをやってきていると自負していますが、〈情報の徹底公開〉というのは、議会・議員の使命として大きく言えば2つのものがあるうちの一方だけに関わるものです。

 

■ 議会・議員の2つの役割
 議会・議員の2つの大きな使命とは、行政に対するチェック機能政策立案・提言の二つです。〈情報の徹底公開〉は、この2つの使命のうち、基本的には,亡悗錣襪發里任后「議員活動報告」を発行することなどによって、議会で何が議論・決定されているかを村民のみなさんが以前よりは知ることができるようになったということは言えるのではないかと思います。このことがひいては〈行政に対するチェック〉につながっていると思います。
 しかし、これだけでは村が抱えている様々な課題の解決、また、村民のみなさんが願っておられることの実現には至りません。やはり、議員自らが政策を立案し、それを行政に提案して協働して実現していく、あるいは、議員自らが政策を立案すると同時にその実現のプロセスを主導していくという活動が必要です。
 一昨年4月の補選で議員になって以降の2年余の議員活動を振り返ってみて、やはりこの政策立案・提言・実現の活動が圧倒的に弱いと痛感し、厳しく自省しているというのが正直なところです。

 

◎ 村(村民)が直面している課題をずらっと並べてみる
 今回の「議員活動報告」では、政策立案・提言・実現活動への第一歩として、〈いま、栄村にはどういう課題があるのか〉をずらっと並べてみるという作業から始めたいと思いました。以下、その作業をざっくりとやってみますので、ちょっとお付き合いください。

 


 上に掲載したのは、この1〜2カ月の間に私がみなさんからお聞きした意見、要望、不安などを付箋(ふせん)に書き込んで、とりあえずアトランダム(順不同、無作為)に貼り付けたものです。
 いま、村民のみなさんが思っていることをすべて網羅できているとはけっして思っていません。また、言葉足らずで、私に話してくれた人の思いを十二分に表現できていないケースもあるかと思います。

 

■ ジーッと見つめて、問題の共通群を見つける
 さらに、問題群の間のつながり(関連性)を見つける

 つぎに、上の小タイトルに書いたように、この意見・要望・不安の中から、〈問題の共通群〉、さらに〈問題群間の関連性〉を見つけます。
 そうすると、1、2、8、12、13、14は〈交通〉、〈移動の足の確保〉という点で共通する点がありますね。
 4、16、17はいわゆる〈高齢化にともなう問題〉、あるいは〈介護〉をめぐる問題という括(くく)りができるかと思います。さらに、1や3、10、18も〈高齢化〉に関わる問題だと捉えることができます。
 他方、5はズバリ〈子育て環境〉の問題です。と同時に、12と共に、〈秋山郷の暮らしの環境〉という問題として括ることもできます。また、6は〈子育て環境〉の問題であると同時に、働く人(とくに若者)を取り巻く環境の問題という面もあり、次の〈若者が栄村で暮らす環境〉の問題でもあると思います。
 11、20は〈若者が栄村で暮らす環境〉と言い換えてもいいですね。さらに、9もこれに関連していますね。あるいは、20と19は15と共に〈働く場・雇用〉と括ることができます。また、15と3(+10)の間には密接なつながりがありますね。18も〈働く場・雇用〉と関係しています。
 視点を変えて、〈農業をめぐる問題〉という問題群を設定すると、3、10、15、さらに20を1つの問題群として括ることができます。
 あと、7と21が残っています。これは〈観光〉と括るのがいちばん分かりやすいでしょうが、じつは〈働く場・雇用〉の問題であり、〈若者が栄村で暮らす環境〉の問題でもあるといえるでしょう。観光客やスキー客を増やし、観光施設やスキー場を発展させていくことができなければ、若者が仕事を確保し、栄村で暮らしていくことはできませんから。


◎ 発想法を大きく転換する
 図表をながめ、さらにその後に示した〈問題の共通群〉や〈問題群間のつながり〉=関連性を少し時間をかけながら、じーっと見つめていると、これまではあまり見えていなかったことが何か、少しずつですが、浮かび上がってくる、見えてくるのではないでしょうか。
 ただちに、それぞれの問題(課題)の解決策が浮かんでくるというのではありません。でも、さまざまな問題は相互に様々な形で結びついている、だから個々の問題に直対応する個別の対応策では不充分になる、ムダが出てくる、このことが見えてくると思います。これに対して、「総合的な施策を」と言えば解決案のように思えるかもしれませんが、「総合的」とは言っても、いくつかの大項目を並べ、その下にいくつもの小項目を並べて、「総合計画です」とか言うが、実際の施策となると、結局、個々の問題に対する施策が個々バラバラに実施されるということになってしまっているのではないでしょうか。
 なにか、もう一歩、踏み込んで考えることが必要だと思います。

 

■ 《働く場を創り出す》を中心軸に据える大挑戦が鍵を握るのでは
 そこで、大きな軸を1本立てることが大事なのではないかと、私は考えました。
 それが《働く場を創り出す》です。これは言い換えると、《会社を創る》とも言えると思います。
 《働く場》が確保されたら、若者の定住も増えます。栄村に明るい陽が射(さ)し込んできます。

 でも、きっと、「えっ! 何の会社?」って、尋ねられますね。
 「これまで無かったような、栄村発の新しいことをやる会社」とお答えするのがよいかなあと思います。
 会社というのは、お客さまの需要(ニーズ)がある商品やサービスを提供するもの、そしてそのニーズを満たすのに必要な経費を賄うと共に、利益も生み出すものですね。
 栄村には、新しい会社を必要とするようなニーズはあるでしょうか?
 あります! 先に見たさまざまな問題(課題)です。あのさまざまな問題(課題)、すべて行政が対応する行政課題だと思っていませんか? そこから考えを変える(脱け出る)ことが鍵だと思うのです。この考え方の転換は、けっして行政の責任を曖昧にしたり、軽くしたりということを考えているのではありません。でも、一方でいろんな人が働く場を求め、他方でいろんな人が種々のサービスや利便さを求めているのです。それをマッチングさせていけば、〈商品・サービスの提供(会社側)〉と〈求めているものが満たされる(お客側)〉がうまく出会って、新しい会社ができ、働く場を創り出すことができますよね。
 ただ、難しい問題があります。先に見たさまざまな問題(課題)=ニーズ、栄村の人口規模では1つ、1つのニーズの量が少なくて、1種類ないし2種類程度のニーズに対応するというのでは会社として成り立たないのです。
 この難題の打開方法は?

 

■ 「栄村の基幹産業は農業と観光」と言うけれど…
 ここでちょっと、別の視点から考えてみます。普段から、「栄村の基幹産業は農業と観光です」と言われていることです。
 「基幹産業、基幹産業と言うけれど、基幹産業を守り、発展させていくようなことはちっともやっていないんじゃないか」――かなり人がこう思っているのじゃありませんか。
 私もそう思っています。
 「だったら、ここに踏み込めばいいのではないか」というのが私の発想法です。
 私はこの間、さまざまな機会に観光について問題提起をしてきましたので、観光を主軸に《働く場を創り出す》というのはいいと考えます。
 でも、それは、ただ観光施設を管理するだけというような貧困な発想ではモノに成らないです。

 

■ 村民多くの参加でワイワイガヤガヤ
 村民の多くの人がワイワイガヤガヤ、いろんな形・方法で参加するので、外から来るお客さまにとって面白いし、村民も楽しくなる、さらに、先に見てきた様々な問題(課題)の解決にもつながる――そういう発想法での新しいタイプの事業です。
 たとえば、「私は足(車)がないので、買い物が不便、行きたい温泉にも行けない」と言う人、しかし、その一方で、「おらはまだまだ元気だぜ。出来上がった料理をお客さんの席まで運んで、ただ置いてくるだけじゃなくて、気の利いた声かけの一つもやって、お客さんを喜ばせる自信はあるよ」と言う人、5本、10本の指では収まりきらないほどにおられると思います。そういう人を送迎してでも、短時間でよいので観光施設で働いていただく。若い人が軸の会社が、こういう発想法をもってやっていけば、観光の発展になるし、栄村の深刻な課題である〈交通(足)〉の問題の打開や〈高齢者の楽しみの機会の不足〉という問題の打開にもつながります。
 さらに、「観光施設は外からのお客さまが利用するところ」という固定観念を、施設運営の会社も村民自身も打ち破っていけば、先に挙げた「飲める処、食べる処がない」という問題の打開にもつながります。さらに、どうしても季節的な要因で観光客が少なくなる時期に観光施設をただ遊ばせておくのではなく、村民の楽しみを増やす場として活用し、そして施設運営会社もそれなりに稼げますよね。よく言われる「ウィン?ウィンの関係」ということになるでしょうか。

 

◎ 行政や議会が果たすべき役割は?
 ここまで書いてきたことは、あくまでも一つの試論です。
 みなさんそれぞれが、いろいろ考えて、アイディアを出して下さることが大事だと思います。
 ところで、ここまでに書いてきたことは、いわば《民間主導》の話です。となると、行政(役場)は何をするのでしょうか? また、議会・議員の役割は何なのでしょうか?
 結論から先に言うと、民間がやろうとすることを邪魔しない、後押しすることだと思います。村民からよく聞く言葉ですが、「役場の上層部は何かにつけて、『前例がない』、『何かあった時、責任をとれるのか』と言って、若手職員の提案を潰してしまう」と言われます。いや、若手職員の提案だけではなく、村民の斬新なアイディア・提案に対しても同じではないでしょうか。
 行政(役場)にやってもらいたいことは、新しいチャレンジへの補助金(制度)の検討ではありません。村民側も何かといえば「補助金頼り」という考えはやめるべきでしょうね。欲しいのは補助金よりも、なによりも、「おー、そのアイディア、いいね。やって下さい。何か困ったことあったら、一緒に考えますから」という積極的な応援の姿勢を示してくれることだと思います。もちろん、素敵な補助制度がある場合は、その紹介も有難いですが。
 議会・議員も同じです。村民の声に耳を傾け、村民のチャレンジを応援する、行政がそういうものを応援する方向に向いているかをチェックする。そういう姿勢が求められていると思います。
 私は今回の「議員活動報告」を「議員は政策立案・提言の活動をできているか?」といわば自問自答することから始めました。そのことからすると、ここまでの記述は《民間主導》の動きについての提起で、議員の政策立案とは言えないかもしれません。しかし、「何でも行政施策で解決する」という発想法の政策ではダメだと考え、ここまでの提起をおこなってきました。みなさまの感想、ご意見をいただければ有難いです。

 

◎ 情報を繋げる−思いを繋げる!
 最後に、一つ、ある意味で最重要のことを提起させていただきたいと思います。
 見出しに書いたとおり、《情報を繋げる》ことです。
 十年ひと昔、村には有線電話がありました。いま、70歳以上の世代の人はこの〈有線〉でずいぶんと色んな人と繋がり、お喋りし、情報を交換し合いましたね。いまも、NTTの固定電話があると言っても、料金もかさむし、〈有線〉のようには使いませんね。
世の中はネット時代、SNS時代になりました。パソコンを使わない人でも、「家族の間ではLINE(ライン)を使っている」という人も結構おられるようです。比較的若い世代だとFacebook(フェイスブック)をやっている人もそこそこおられます。でも、村内の情報が縦横無尽に繋がるという状態にはなっていません。
 私自身はネットでの情報発信を行う一方、村内では紙媒体での情報伝達もしていきますが、この《情報を繋ぐ》ことが栄村のこれからにとって最重要のテーマであることを指摘しておきたいと思います。《情報》は単なる《情報》ではありません。《情報》にはみんなそれぞれの《思い》が詰まっています。それを繋げていきたいのです。

 

<後記>
 みなさん、同じ思いだと思いますが、猛暑に参っています。
 外での仕事に携わっておられる方はそうも言っておれないでしょうが、午後の1時〜3時の頃はあまり外で騒がない方が賢明ですね。
 暑さも厄介ですが、私は太陽光線の激しさに気をつけるようになりました。TVで言っていましたが、「目から強い光線の刺激が入ると、それが脳に伝わって、めまい症状などを引き起こす」そうです。そんな次第で、7月末から昼間の外出時にはサングラスをかけるようにしています。みなさんのお宅に配達に廻った際、「えっ?」と驚かれるかもしれませんが、よろしくお願いします。

 

 

9月議会の予定のご案内

 

 9月は定例議会開会の月です。
 今年は9月4日(火)に開会し、11日(火)まで続く予定です。

 9月議会は〈決算議会〉とも呼ばれます。平成29年度の村の一般会計・特別会計の決算書が提出され、審議されるからです。
決算書は決算特別委員会という議員全員参加の委員会で審議されます。決算特別委員会は9月7日(金)と10日(月)の2日間の予定です。午前10時から(正午〜午後1時半の昼休憩を挟んで)午後5時近くまで、ぶっ通しで行われます。
 4日は決算以外の議案の提案とその審議です。理事者側からどういう議案が出されてくるかはまだ分かりません。5日(水)と6日(木)は一般質問です。
 私は補選で議員になって2年半近く、昨年の選挙で初当選された議員も1年半近くになり、これまでの一般質問のやりとりを総括し、より深みのある質疑を実現していかなければならにと考えています。
 11日(火)は総括審議と議案採決です。

 多くの方々の傍聴をお願いします。
 私自身の傍聴経験からも、傍聴者には議案書などが配られない中での傍聴は結構キツイものです。傍聴予定をあらかじめご連絡いただければ、議案書を提供することはできませんが、関連資料などをご提供できるようにしたいなあと思っています。傍聴をご希望の方は是非、ご一報ください。
 よろしくお願いいたします。


栄村復興への歩みNo.345(9月17日付)

 

 これは9月13日午前10時頃に撮影したものです。何処なのか、お分かりになるでしょうか。水面が見えるので、察しのいい方は「野々海池かな?」と見当をつけられたかもしれません。正解です。
 でも、写真手前に見える、まるで遺跡発掘地の跡であるかのような地形を見たことがある人は少ないのではないでしょうか。本紙No.342(7月22日付)で水位が下がった野々海池で西端の方まで岸辺を歩いた時の写真を紹介しました。9月13日はその時からさらに水位が下がり、7月時点では見えなかった地形がこのように見えるようになっていました。
 9月13日はじつは私一人ではなく、昭和20年代後半に野々海築堤工事の現場に行っておられた大先輩と一緒に行きました。白鳥集落出身で現在は津南町羽倉集落にお住まいの久保田晋介さんです。私が9月2日に堤の対岸を歩いた時の写真をお見せしたところ、「行ってみたい」と言われ、13日、ご一緒しました。上の写真の地形を目にして、「築堤前の地形がそのまま残っている」と言っておられました。今号では、少しページ数を割いて、今回見た地形や遺構を紹介したいと思います。


野々海池を探検する

 

 

 野々海池は水位がすっかり下がり、上写真のように水かけ口を覆う金網の一番下の部分が見える状態になっています(下写真は、金網の中の様子)。

 

 

 

 上の写真は、そのかけ口から対岸正面方向を撮影したものです。対岸近くの湖底地面が見えています。でも、平素見る野々海池の形と基本的には変わりません。そこで、次の1枚をご覧ください。

 

 

 対岸から洲が大きく伸びていて、堤から見ている時には想像できない姿を見せます(下地図のっ賄澄法

 

 

 

 「対岸から洲が大きくのびていて」と説明した写真を撮った地点の近くから、野々海池の西方を眺めたものです。ずいぶんと広い地面が広がっていることに驚かれることでしょう。平素はここがすべて水面下になっているのです。
 写真に見える樹林ゾーンとの境目の写真左手から4分の1あたりに池が切り込んでいるところがあります。野々海池の最西端です。そして、そこの様子が次の写真です。

 


 上写真は地図の△らJ向を眺めたものです。の北西に「西窓」という湿地がありますが、その近くから沢が野々海池に流れ込んでいることがわかります。

 

 

 これは地図の|賄世ら地点に進む途中で見つけたもの。
 写真に姿が見える久保田晋介さんから「炭焼き窯の跡だよ」と教えていただきました。
 他に2ヶ所でも窯跡が見られました。
 この一帯がまだ野々海池に水没する以前、野々海一帯で広く炭焼きが行われていたことを示す遺構ですね。

 

 堤近くの|賄世ら地点にむかって歩き始めて間もなく、岸辺の様子が他とはちょっと異なる箇所があって気になりました。岸辺から少し離れたところが盛り上がっているのです。

 


 盛り上がっているところをクローズアップしたものが下写真です。

 


 これは倒木がずっと水中にあったためにあまり腐敗せず、原形がほぼ保たれたまま炭化したものではないかと思われます。
 なかなか興味深いものです。専門家による鑑定をしていただけるといいなと思っています。

 

 この日は、野々海池の探検はこれだけでは終わらず、滅多に見られないものにもう一つ出会いました。
 早めのお昼をたべるためにキャンプ場に移動したのですが、そこで何やらボーリング機械を打ち込むような音が聞こえてきました。近くには「新潟大学」のネームが入った車も駐車しています。

 

 

 湿地「東窓」の木道のすぐそばで地下深くの土壌をボーリングで採取する作業が行われていました。

 


 上写真の真ん中に見える茶色っぽい円筒状のもの。地表からの深さ3m〜4mの間の土壌です。
 新潟大学、千葉大学、国学院大学、国立歴史民俗博物館(千葉県佐倉市)の研究者が共同で進められている環境史研究の調査だそうです。私が作業の様子を垣間見せていただいた地下3〜4mあたりは3万年前くらいに出来た地層と考えられるそうです。この土壌サンプルを研究室に持ち帰り、詳しく調査されます。仮に姶良カルデラ(鹿児島県)の火山灰が検出されたとすると、姶良カルデラの爆発は約2万9千年前〜2万6千年前のことですから、その頃に形成された地層であることがわかるという次第です。
 私たちが暮らす大地の歴史がわかるというのもなかなか興味深く、面白いことですね。

 

 野々海池は、水取り込み口の修理の関係で、9月13日よりも水位が上がらないように水が抜かれますので、しばらくの間、野々海池の底の地形を見ることができます。機会をみつけて、是非、ご覧ください。その際は、長靴が不可欠です。また、一人での行動は危険で、複数名で行かれるのがよいと思います。