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2011年3月に震度6強の地震で被災した長野県栄村で暮らす松尾真のレポートを更新しています。

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秋山国道405号線の改良整備の進展

秋山郷国道整備促進期成同盟会第41回総会に参加して

 

 6月7日、「秋山郷国道整備促進期成同盟会」の第41回通常総会(於:「萌木(もえぎ)の里」、津南町結東(けっとう))に公務として出席しました。いろいろと学ぶところがありましたので、ここにレポートすることにしました。まず、進展著しい国道405号線の改良の現況について紹介します。

 

●道路の幅を広げる工事などが進展

 

写真イ

 

 写真イは屋敷・上野原間で道幅を広げる本年度工事(380m)のうち、フクザワコーポレーションが担当する区間。写真から現在の倍の道幅になることがわかると思います。
 この写真は屋敷側から上野原方向を撮影したものですが、この工事箇所の先は昨年度に拡幅されています。

 

写真ロ

 

 写真ロはやはり屋敷・上野原間ですが、屋敷に入る村道との三叉路のすぐ近くです。こちらはマツナガ建設という会社が担当しています。
 この写真イ・ロの区間はとても狭く、とくに冬期間はアイスバーン状態になっていることが多く、私などは「ちょっと滑ると谷底へ」という恐怖を感じることがあります。
 国道405号線は国道ですが、国管理ではなく、県管理になっています。そのため、栄村の区間は長野県北信建設事務所が、津南町の区間は新潟県十日町地域振興局地域整備部が管理し、それぞれが管理区間の拡幅工事等を担当しています。したがって、写真イ・ロの工事は北信建設事務所の担当です。
 それに対して写真ハ、ニ、ホは新潟県の担当箇所。

 


写真ハ

 

写真ニ

 

写真ホ

 

 写真ハは清水川原付近。スノーカーテンというものを設置する工事です。すでに昨年度に施工された箇所もあり、写真ニがそれです。
 写真ホは、見玉の2車線区間が終わり、清水川原まで狭い1車線区間が始まるところ。ここで道幅を広げる工事が進められています。これは一昨年度からの継続工事です。


 ここまで写真を付けて紹介したもの以外にも種々の改良工事が進められています。
 直接的な背景としては、新潟県管理区間では平成18豪雪での見玉・結東間の通行止め、長野県管理区間では2011年の震災があります。これらによって国の各種交付金が交付されたのです


●期成同盟会の41年間にわたる努力の成果
 私は総会に出席し、総会資料に「第41回通常総会」と記されているのを見て、「?」と思いました。すると、総会が始まって間もなく、「41年前に期成同盟会を結成して以来…」という話がされて驚きました。なんと期成同盟会の歴史は1977年(昭和52年)にまで坂遡るのです。現在、期成同盟会の役員を務める福原和人氏などのお父さんの世代からの活動が今日まで引き継がれているのです。
 しかも、期成同盟会の運営のしかたが、道路の新設・改良をめぐって各地でつくられている「○○期成同盟会」というもの一般とは少し違うというのです。総会に提出された決算・予算を見ると、年額50〜60万円になっていますが、収入源の第1は栄村と津南町の秋山郷に暮らす各世帯が拠出する年間500円の会費なのです。第2は、秋山郷での道路工事や道路除雪に関わる地元建設業者等からの寄付金です。
 総会で議決権を有する人の多くは秋山郷の各集落の区長さん。寄付金を拠出している業者は来賓として総会に出席し、同盟会から質問等が出されれば答えますが、議決権は有していません。
 また、北信建設事務所や十日町地域振興局はトップが総会に出席し、前年度の事業実施状況、今年度の事業予定を説明し、また、地域からの質問・要望に丁寧に答えます。
 秋山郷における住民自治の実践という意味合いが非常に濃い期成同盟会なのだというのが私の感想です。と同時に、私は村議会の議員として、「平素、議会では秋山郷の道路改良等について、ここまで詳しく報告を受けたり、議論したりすることはない。議会の役割を十分に果たせていないのではないだろうか」という思いも強くしました。
 なお、この期成同盟会の結成の出発点には「未開通区間(切明〜群馬県)の開通」という願いがありますが、今日の時点で切明〜群馬県間の開通が必要かどうかという点に関しては、私自身は「貴重な自然を保全する方が望ましい」という観点を重視して検討すべきだろうと考えています。
 秋山郷国道整備促進期成同盟会については学び始めたばかりですので、今後、さらにいろんな方々からお話を聞いて勉強し、みなさんに改良工事の進展状況とともに報告していきたいと思います。


風景写真四点

 本号は12頁版。次の8〜9頁は栄村各地の写真グラフです。

 

 

夕陽に照らされる田植えから間もない田んぼ
 村ではごくありふれた景色かもしれませんね。でも、一瞬の間しか見られないものでもあります。
夕陽はあと数分で山の向こうに消えていくでしょう。田んぼの水面に山と夕陽が映るのを見られるのは田植えから間もない時期に限られます。
 6月9日午後6時近くに北野集落で撮影しました。

 

 

5月28日、青倉にて
 田んぼに映る雲と田んぼの脇に咲く花が気に入りました。島田輝二さん宅横。
 花が花菖蒲(ハナショウブ)なのかカキツバタなのか、区別がつきませんが…。

 

 


横倉の開田
 6月4日午後。この日の午前中は「まるで真冬」の野々海での普請。この景色、まるで別世界のように感じました。

 

 

夏まで残る残雪
 秋山林道のコミズで6月9日に撮ったものです。
 これからの気温の推移にもよりますが、この沢にはおそらく7月末近くまで雪が残るでしょう。奥に見える山は鳥甲山連峰の「小水(こみず)の頭(かしら)」です。


JRの対応に疑問と大きな憤り――飯山市桑名川の「避難指示」をめぐって

 最近、毎朝・毎夕、村内放送から「JR飯山駅からのお知らせ」が流れてきます。「避難指示のため飯山線の運行を見合わせ」というものです。
 6月5日からは代行バスが運行されているとはいえ、飯山線運休の打撃と損失はとても大きいものです。「本当に運休はやむをえないのか?」という疑問が湧き出てきます。さらに、現在のJRの対応では運行再開の見通しはまったくたたないという問題も指摘せざるをえません。

 

●避難指示世帯周辺での大型土嚢補強は進んだ
 

 

 上は6月10日撮影の桑名川地区・出川左岸の様子。右手に避難指示が出ている4世帯のうちの2軒が見えます。写真中央には県が対策工事の柱として位置づける〈大型土嚢の積み上げとその裏側にコンクリート・ブロックの設置〉が見られます。
 しかし、地元住民のお話では、「避難指示解除」の見通しはまったく出されていません。この地点よりも上流にある桑名川砂防ダムが流木等で埋め尽くされていて、これを取り除けないためのようです。技術的に相当に困難があるだろうことは推察できますが、緊急対策への踏み込みが弱いという印象を禁じえません。県等に問いかけてみたいと思います。

 

●JRは見通しと独自対策を明確にすべきだ
 下の写真は、JR飯山線の出川橋梁の様子を上流側から見たものです。橋梁そのものは川の中に流れ込んだ木の陰になって見えませんが、写真中央に見える茶色の土面が橋梁すぐ横の線路敷地の法面です。

 


 土石流が発生した場合、土石流がこの法面を直撃することは明らかですが、補強はほとんどされていません。また、橋梁直下、その前後について、今後起こりうる土石流が下流へ流下しやすくなるように、既発生の土石流によって堆積した土砂等を除去するなどの措置もされていません。
 このままでは、JRが「飯山線の出川橋梁が危険」とする状況は、出川右岸の4世帯への避難指示が解除される状況になっても変わらないのではないかと思われます。
 JRは今後、どうするつもりなのでしょうか。「運行再開の見通しはまったくたたない」ではあまりにも無責任です。

 

●飯山線は信州DCの対象から外すのか?
 7月1日にはJRが主導する信州DC(デスティネーション・キャンペーン)が始まります。秋山郷−苗場山など飯山線沿線の山岳観光地は今回の信州DCの最重要ポイントの1つです。
 しかし、飯山線運休では飯山線での秋山郷への旅は不可能となります。それでは、「おいこっと」やSL運行でこの数年間に積み上げてきた飯山線沿線の観光発展の努力はすべて水泡に帰してしまいます。
 JRには、今回の飯山市照岡での山腹崩壊・土石流災害に主体的に、そして積極的にどう対処するのか、責任ある対策方針の打ち出しが求められています。


クマの所在の確認と対策の措置

 6月7日、村は下写真に見える緊急警告看板をスキー場内の村道の一角に設置しました。

 


 「このすぐ近くでクマの巣が発見されました。ここのスキーコースに立ち入っての山菜採りは危険。ただちにこの場を離れて下さい」というものです。
 これは、5月2日に地元住民がクマの穴と思われるものに遭遇した地点付近を6月6日に私を含む2名で再調査し、クマの巣の所在が確認されたため、役場に申し入れをして設置してもらったものです。
 今年は、昨年よりも1ヶ月以上早い時期からクマの目撃情報が相次いでいます。村は6月初旬の全世帯への配布文書でクマへの警戒、目撃情報の役場への集中を呼びかけました。
 クマ対策は待ったなしの緊急課題になっています。警戒と情報の集中を心がけてください。


直売所かたくり、さらに多くの村民の参加を

「入会金1万円」の回収はけっして大変ではありません
 直売所かたくりは、5月〜6月も快調で、「売上額1日30万円超え」はもはや珍しいことではなくなっています。
 お客さまの来店数だけでいえば「売上年間6〜7千万円」も夢ではないと言っても過言ではないでしょう。
 問題は、お客さまの来店数・需要に対応できるだけの品物の量・種類を確保できるかどうかです。すでに組合員となっている人が出荷量を増やして下さることと、さらにもう1つ、新たに組合に入って下さる村民が一人でも二人でも増えることが重要です。
 そこで問題となるのが「入会金1万円」。「その元手の1万円を回収するのは大変じゃないか」と思われる人が多いようなのですが、そんなことはありません。比較的最近に入会されたおかあさんは、乾燥ワラビなどを少量ずつ出店されているのですが、5月の売上げは4万円を超えたようです。
 「入会金1万円」はけっして高くありません。新入会へ、是非、一歩踏み出してください。

 

 今号は12頁版。次号発行は、議会6月定例会出席の関係で、7月1日付発行(12頁版)となります。よろしくお願いします。


飯山市照岡の山腹崩壊・土石流の6月5日段階の状況と、JRの対応への大きな疑問

 飯山市照岡の山腹崩壊・土石流で4世帯への避難指示がだされたままになっている桑名川地区には2〜3日に1回程度の頻度で様子を見に行っています。
   (私が居住しているところからは車で15〜20分くらいを要しま

    すが、栄村のいちばん西の地区・白鳥集落からは車で5分強で

    出川橋に至ります。)

 

避難指示地区での大型土嚢補強の作業が進み始めていました

 

写真0605−1

 

 この写真は5日午前9時15分に出川橋から撮影したものです。
 これまでになかった黒い袋の大型土嚢が積まれ、「仮側堤」は嵩上げされています。また、「土嚢の裏側にコンクリートブロックを設置する」という工事のためでしょうか、鉄板を敷き詰めた工事用仮設道路ができています。(対照写真として5月29日のものを掲載しておきます。下写真です)

 

 

 3日の記録は手許に残っていないのですが、2日朝にはこういう状況は見られなかったので、ここ1〜2日の新たな動きだと思います。避難指示の解除のために必要不可欠な措置ですので、「一歩動き出したもの」として評価・歓迎したいと思います。
 6月1日のレポートで写真27−12−1〜4で示した出川橋周辺よりもやや上流の部分でも同様の作業が進められていました。

 


写真0605−2

 

 この他、出川橋より下流の状況、コンクリートブロックの設置について書いておきたいことがありますが、いま、ある意味で最も深刻な問題とも言えるJR東(長野支社)の対応の問題を先に取り上げたいと思います。

 

JRには主体的な対応が見られない
――代行バスの運行では事態は打開できません

 

 5日のTV,6日の新聞では、JR飯山線戸狩野沢温泉駅〜森宮野原駅間の運休に伴う代行バスの運行開始が大きなニュースとして取り上げられていますが、JR飯山線運休の深刻さと問題の根本を把握していないニュース報道と言わざるをえません。
 そもそも、土石流による6月22日の運休からすでに2週間を経てからの対応。あまりにも遅すぎます。(この間、地元の通学生のための「救済バス」というのは出ていましたが)

 さて、最大の問題は、JRの飯山線運休が妥当な措置なのかどうかということです。

 

1.「 避難指示が出ているから」は妥当な理由か?
 JR東(長野支社)は、飯山線戸狩野沢温泉駅〜森宮野原駅間の運転見合わせ(運休)の「理由」として、同線が通過する桑名川地区の一部に避難指示が出ていることを挙げています。
 これはおかしいと思います。避難指示はあくまでも住民に対して出されているもので、屋内にいて外の様子がわからない時に土石流が発生する、あるいは夜間就寝時に土石流が発生し、逃げる余裕がないケースなどを想定しているものと思われます。
 けっして交通機関に対して避難指示が出されているわけではありません。現に県道408号線の出川橋(通称「だんご橋」)は5月29日から通行止めが解除されています。もちろん「100%安全」ということではなく、常時、警備員が配置され、上流の土石流センサーが作動した場合にはすぐに通行止めの措置がとれるようにされています。また、降雨量が多くなった場合などは、予防的に通行止め措置がとられることもあると思われます。
 出川に架かる飯山線の橋梁は出川橋のすぐ近くにあります。置かれている環境・条件等に大きな違いはないと思います。
 私は現場に幾度となく足を運んでいますが、橋梁付近でJR関係者(JRが委託する警備員を含めて)の姿を見たことがありません。
 「避難指示」を理由として「運転見合わせ(運休)」を説明することは困難だと考えます。

 

2. 県による土嚢設置補強に合わせてJRも橋梁の安全確保策の独自検討の必要がある
 県が避難指示を解除できるよう、大型土嚢の補強等にのりだしていることは上述のとおりです。
 この県の措置の結果、桑名川地区の4世帯に対して出されている避難指示が解除された場合、JR飯山線は運行を再開するのでしょうか。あるいは、もっと正確に言えば、運行を再開できるのでしょうか。
 私は「否」だと考えます。
 次の写真0605−3をご覧ください。

 

写真0605−3


 この写真では、飯山線橋梁と、非難指示対象世帯家屋及び設置されつつある大型土嚢との位置関係がわかります。大型土嚢の設置が完了すれば、土石流が出川左岸を越えて民家の方に出ることはなくなり、基本的に河道に沿う形で流下することになります。その結果、JR飯山線橋梁に到達する土石流の高さは、土嚢未設置時に比べて高くなる可能性が出てくるでしょう。
 そうした場合にJRはどう対応するつもりなのでしょうか。

 そして、次の写真0605−4をご覧ください。

 

写真0605−4

 

 こちらは橋梁のすぐ上流を撮影したものです。写真右真ん中隅に写真0605−3の土嚢が少し見えますので、位置関係がわかると思います。
 出川は橋梁のすぐ手前で湾曲しています。勢いのある土石流は河道にしっかり沿って流れるのではなく、まっすぐ進もうとして橋梁の十日町方面側の盛土線路部分を直撃するのではないでしょうか。
 そうした事態による線路及び橋梁の被害を防ぐには、まず、この盛土部分を土石流の直撃から守る何らかの補強が必要ではないかと思います。これはおそらくJR敷地内のことになるでしょうから、JRが独自に対応しなければならないことだと考えます。(土嚢を少し積んでいるようですが。)
 また、次のことは県との協議、県の対応を求めることでしょうが、写真0605−4の川の湾曲部分の右岸側にかなりの量の土石流で運ばれてきた土砂の堆積が確認できます。この土砂を浚渫・除去し、河道のスムーズな流れを確保することは当然とるべき措置だと考えます。

 

3. 中条川の際に見られた迅速な対応がなぜとれないのか
 ただただ「避難指示のため、運転見合わせ」ということだけを繰り返すJRに私が苛立つのは、2011年3月12日の栄村を襲った大地震と中条川での山腹崩壊・土石流、さらに2013年9月の中条川での再度の土石流に際しては、JRが今回とはまったく異なる迅速かつ的確な対応をしたことを知っているからです。
 まず、2011年3月12日の大地震と山腹崩壊・土石流。
JRは、中条川に架かる飯山線の橋梁のすぐ横手で線路が宙づりになった事態をうけて、3月14日か15日の時点で、「4月下旬には運行再開できるようにする」と宣言し、すぐに被災現場に通じる工事用仮設道路の建設に着手しました。この段階では、国や県による中条川対策はまだ実相把握と対策の基本方針の検討段階です。そして、4月29日には列車運行を再開しました。
 また、中条川に沿って存在する森集落中条地区では7月頃まで避難指示が解除されませんでしたが、JRは独自の安全確認手段と基準を設け、列車の運行にあたりました。
 2013年の土石流は、飯山線の中条川橋梁を直撃し、橋梁の基礎部分に危険が生じました。JRは国・県の中条川土石流対策とは別に、自らの予算で橋梁と橋梁周辺河床の補強工事を行い、飯山線の運行に支障がないようにしました。
それだけのことがJRにはできるのです。
 なのに、今回はどうして無策なままなのでしょうか。
 「栄村地震−中条川土石流に対する迅速かつ的確な対応はやはり宮中ダム対策(+寺石踏切人身事故)だったのか」という思いが出てきてしまいます。
   (注)JRは、首都圏の電車を走らせる電力を発電する小千谷

     水力発電所に送る水を取水する宮中ダム(栄村の隣、新

     潟県十日町市)で違法取水していたことが発覚し、水利

     権をはく奪された。
     JRは地元新潟県・関係市町に謝罪金を支払う、全国紙に謝

     罪広告を出す等の対応をし、水利権回復にこぎつけた。
     また、寺石踏切は栄村・森宮野原駅と新潟県津南町・足滝

     駅間の踏切で、2011年の地震の約1ヶ月前、JR職員の誘導

     ミスで乗用車が列車にはねられ、1名が死亡する事故があった。


 今回の桑名川地区は栄村のすぐ隣ですが、新潟県の新聞・テレビでは長野県のようには今回の山腹崩壊・土石流のニュースは流れず、また、飯山線の森宮野原駅〜十日町駅間は列車が運行されているので、新潟県から批判される心配があまりないのかもしれません。
 こういうことはあまり言いたくありませんが、あまりの無策ぶりを見ていると、こういうことも言わざるをえなくなります。

ましてや、7月1日からはJR自身が主導する「信州DCキャンペーン」が始まります。山岳観光を1つの主テーマとしていると聞いていますが、山岳観光のポイント・秋山郷の最寄り駅は飯山線森宮野原駅です。
 その森宮野原駅までの運行を見合わせたままで「信州DCキャンペーン」は成り立たないと思うのですが、JRはどのように考えているのでしょうか。
 長野支社だけでなく、JR東本社がどのように考えているのか、尋ねてみたいと思います。


 冒頭に書いた出川橋よりも下流の状況は機会を改めてレポートしたいと思います。


わずか2日でこんなにも景色が変わるのか!

 

 今日6月6日午前10時すぎに野々海に行ってきました。
 目にしたのはこの景色。そして気温は15℃を越えている感じでした。
 2日前の4日(日)の野々海普請の時のまるで冬としか言いようがなかった寒さと景色は何処に行ったのか?
 昨日、今日と気温が上がったのは事実ですが、あまりの違いに戸惑いました。4日、一瞬、霧が晴れて対岸が見えた時の写真を対照用に示します。

 

 

 

堤の野々海大明神近くからの眺め。

 

斜樋の様子。下は4日。

 

 


深坂峠にて

 

 

 

 

深坂峠近くのミズバショウ群生地

 

 

 

 この場所の見頃について「6月10日頃か」と以前に書きましたが、ほぼ当たっているでしょう。
 緑の葉っぱも出てきて、見栄えがするようになってきたと思いますが、この場所で今春初めて開花を確認してからすでに半月以上が経過しています。融雪のテンポが遅いので、昨年や一昨年のように一斉開花の美しさは今年は見られないかもしれません。野々海峠に向かう林道脇の群生地の方が今年はきれいかもしれないなと思ったりしています。

 

 

 

 キャンプ場横の湿地・東窓。
 まだまだ雪に覆われている部分が多いですが、写真真ん中に木道の部分の雪の様子が微妙に異なり、道筋を確認できます。


 キャンプ場の炊事場から東窓に入って行く道はまだ雪に覆われていて、この道を何度も歩いたことがある人でなければ、道がよく分からないだろうと思います。
 その道の脇で次頁のような木の幹にのる雪を見ました。

 

 

 これはブナの木の幹に雪が降り積もったというのではなく、雪に埋もれていたブナの木が起き上がってきたものですね。別角度からの写真を見ると、そのことがよくわかります。

 

 

 

 以上、6月6日の野々海の様子の紹介でした。


「グワーン」というクマの警戒音で撤収

 

 

  1枚目の写真では残雪がきれいな苗場山の姿が正面に見えます。2枚目はスキー場のゲレンデの上方を望んだもの。
 好天ということもあって、いずれも素敵な景色です。さかえ倶楽部スキー場のDコースからの今日6月6日午後の撮影です。


 いまの季節は、山菜採りの人が数多く入ってきます。4日の日曜日もこのあたりでワラビを採る人をたくさん見かけたと地元の人から聞きました。山菜採りに入って来ている人たちは地元の人ではなく、村外から来た人たちです。
 この場所近辺でワラビやゼンマイのいいものが採れる場所を知っている地元の人は、最近、この場所には入りません。なぜなら、5月2日にゼンマイ採りに出かけた青倉集落の女性Bさんがクマの穴と思われるものに遭遇し、クマの唸り声らしきものを聞いて、逃げてきたという経験があるからです。

 

「対策を強化するには実地調査から」ということで現場へ
 今日6月6日午後、私は、有害獣対策に取り組んでいるA氏に同行していただいて、5月2日の事件があった場所付近に調査に出かけました。下の写真のようなところです。

 

 

 手前に池が見えます。その先は、もう木の葉が繁り、鬱蒼とした森になっています。
 この池の近くでBさんが遭遇した5月2日の事件はありました。

 A氏と私は慎重に森の中に進みました。
 足場も悪くて、いい写真が撮れませんでしたが、この森の中の木々の間から「トマトの国」の建物が真正面に見えました。下の写真は「トマトの国」の一部が見えているものです。

 


クマの生息が確認できるものが多数
 4月27日に「トマトの国」の対岸の崖に出た大きなクマが逃げて行った先にあたるところには、クマの通り道と思われるものがありました。下の写真です。

 

 

 この通り道には、クマが爪で引っ掻いた痕、足跡、さらに大きな糞が見られました。
 私はA氏に教えられて分かるというレベルで、しかも足場が悪いので、いい写真は撮れていませんが、爪の痕、糞は撮れています。

 

 

 うまくピントが合っていませんが、木の幹に白っぽく見えるのが爪の痕です。

 

 

 これはクマの糞です。少し崩れていますが、かなり大量のもの。大人のクマのものでしょう。
 このすぐ近くで小さな糞がいくつかあるのも見ました。子クマのものかもしれません。


 このすぐ下はいっきに崖になっています。「トマトの国」から見える崖です。

 

「グワーン」という音を耳にして撤収
 そして、A氏が「こういう緑色の濃い木の下なんかにもクマはいるんですよ」という話をしてくれて、私が次に示す写真を撮った直後だったでしょうか、「グワーン」という音を耳にして、ちょっと気になりました。すると、A氏も「いま、音がしましたよね」と言います。私の空耳ではなく、あきらかにクマが警戒音を発したのです。

 

 

 「間違いないですね。クマがいますね。警戒音を出したのだから撤収しましょう」と話し、すぐに撤収しました。


 現場から下り、貝立橋の近くで車から降りてA氏と話している時に、5月2日の事件を私に教えてくれたBさんのご主人と出会いました。6月4日にもこの現場近くのゲレンデでワラビ採りをする人が多くいたという冒頭に書いた話を彼から聞きました。


現場地図と、ただちにとるべき緊急措置

 

 

 現場を示す地図です。
 水色はスキー場Dコース。赤丸が私が今日行き、クマの警戒音を聞いたところ。緑色は4月27日に大きなクマが崖を登って逃げたところです。
 水色で示したスキー場Dコースと村道が交差していますね。2ヶ所で交差していますが、より上の方、ここにはワラビ採りのためと思われますが、人が登った足跡がはっきり見られました。Dコースの中には今日はカヤがかなり伸びている箇所もありましたが、まだまだ採り頃のいいワラビも多数見られました。

 そこで、ただちにとるべき緊急措置は、この村道とDコースの交差する場所付近に、かなり大きな警告看板をただちに設置することです。
 この看板にはただ「クマ出没注意」と書くのではなく、
     「ここはスキー場のDコースで、いいワラビが出ていますが、

     このすぐ近くでクマの巣があることが確認されました。ここ

     からコース内に入ること、この近辺で山菜採りをすることは

     非常に危険です。この場付近で山菜を採ろうと思って来た人

     はただちにこの場を離れて下さい」
という具体的かつ緊迫したメッセージを書くことが必要です。
 私は村役場に緊急措置をとるように申し入れます。

 

今後、とるべき措置
 今回、クマの警戒音を聞いた場所は、昔は田んぼがあったところです。また、さらに昔は炭焼き窯もあったところのようです。その意味では「人間エリア」だと言えます。
 しかし、炭焼きが行われなくなり、田んぼもやられなくなって、いまは「クマのエリア」になっていると考えるべきゾーンです。
 この場所を「人間のエリア」に戻すのか、それとも「クマのエリア」として認知し、人は近づかないようにするのか、これから検討し、決定しなければなりません。
 「人間のエリア」に戻すという場合は、ただ観念的に「ここは人間のエリアだぞ」と思い、「クマを見つけたら撃って駆除する」というのではダメです。草刈り、森(林)の手入れ、そして人間が日常的に活動するエリアとすることが必要です。現在およびこれからの地元住民がそこまでやる気があって初めて、「人間のエリア」に戻すことができるでしょう。
 生半可なことでは出来ないことです。ただ、いい山菜は出るし、景色もいい(冬はスキー場のコース)。放っておき、「クマのエリア」とするのは残念だというのも事実です。

 当面は絶対に近づかない、上述のように緊急告知の看板を立てる。
 そのうえで、ひとまず、地元の古老たちから、昔、人びとがこのゾーンでどういう暮らしの営みをしていたのかを聞き取り、たとえば炭焼き窯の所在地(かなりの数があるはず)を地図上に落とし込んでいくというような作業をしたいと思います。
 そして、「人間のエリア」として回復する場合に必要な措置、エリアの活用方法などの検討に進んでいきたいと思います。
 冬の狩猟期間になれば、狩猟許可を所持している人にこの現場近くの様子を見ていただくこともありうるかと思います。


 ここに記したことは、この場所だけに限られた課題ではありません。この間、クマが出没している地点をめぐって、同様のことを追求していく必要があると考えます。

 

(了)


6月4日、野々海の普請

 

 

 上の写真は、午前10時32分、野々海池の斜樋の第1段の弁が開けられた瞬間。
 今日6月4日は野々海普請の日。午前8時半にそれぞれが持ち場に現地集合で、普請を開始。


 天気は最悪で雨。
 野々海池そのものは水利組合長の月岡英男さんをはじめ5名。
 手がかじかむほどの寒さ。おそらく2〜3℃くらいだったのだろう。

 

 

 軽トラを降り、装備を整えて、水番小屋へ。8時32分。

 

 

 

 入口を雪から守った扉を上げた。

 

 

 

 

 小屋に入って真っ先の作業は薪ストーブの煙突の設置、そして点火。
 8時43分には着火し、小屋の中が徐々に暖まり始めた。

 

 

 水番小屋の中から外を見た景色

 

 

 

 

 9時10分すぎ、月岡英男さんが斜樋を囲むフェンスの鍵を開けて、中の様子を確認

 

 

 自然の神への礼拝を忘れない。

 

 

 

 斜樋を囲むフェンスの全体像。

 

 

 余水吐の様子。

 

 

 

 

 堤に通じる橋の両脇の柵の設置作業が始められた。9時23分。
 霧が濃い。

 

 

 2分後、ほんの束の間だけ、霧が晴れた。

 

 

 9時28分の野々海池。対岸がまったく見えない。

 

 

 私はこの後、深坂峠方面、野々海峠方面の様子を見に出かけた。
 深坂峠までは道が開いたが、野々海峠方面は栄村と上越市の境界にあたる信越トレイルの野々海峠口のところまで。
 野々海峠口付近の雪はまだ多い。

 

 

 野々海峠口の深坂峠方向の様子。10時2分撮影。

 

 

 10時半近くに水番小屋に戻ると、2号分水点〜1号分水点の普請を終えた青倉、横倉、平滝の人たちが到着していた。
 その後、冒頭の写真で紹介した斜樋の弁が開けられる様子を撮影。

 

 

 しばらく、水番小屋でのみなさんの談論を聞かせていただいていたが、11時半すぎ、私はひと足先に里に下りた。
 その頃、霧が晴れて、対岸も芽吹きがくっきりと見えた。

 

 

 

 

 帰路、2号分水点に立ち寄り、道に戻る時、青空が見えた。

 

 

 

 里に下りると、12時半頃、役場横の気温表示は19℃。まるで別世界だ。
 今日も、野々海および野々海への道で多くの車に出会った。村外からの車。雪がなくなっているあたりは山菜採り。野々海池周辺は景色やミズバショウを見に来た人か。
 私も今日、ミズバショウの写真なども撮っているが、その紹介は別の機会に。

 

 今日、最後に強調しておきたいことは、天気が悪いときは、この時期の野々海はまだ冬だということ。下で天気が良くても、野々海方向の空を見て、曇っているようだったら、安易に野々海へ上らないようにしてもらいたい。霧に巻き込まれて遭難する危険があります。

 

(了)


栄村復興への歩みNo.308(6月1日付)

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  • 2017.06.04 Sunday

 山・自然資源の管理・保護・活用へ新しい取り組みが必要

 

●5月28日の天地での行方不明騒動と山菜無断採取
 村民の方々は村内放送でご存知のことと思いますが、5月28日、天地(てっち)の奥の山で山菜採り中の人が行方不明になる事件がありました。

 

天地集落入口に集合する消防団(5月28日午後2時54分撮影)


 幸い、出動した警察ヘリが発見し、救出されましたが、村の消防団が出動という事態になりました。行方不明者は須坂市の人で83歳の高齢。4人グループの中の1名でした。このグループは昨年秋にもほぼ同じ場所にキノコ採りに来て、やはり行方不明騒動を起こしていました。
 今の季節、村内の至るところで無断で山菜採りに入って来る村外車を見かけます。これは一言でいえば、山菜の窃盗です。スキー場のゲレンデで自分たちが食べる分だけのワラビなどを採って嬉しそうにしている人たちの姿などは微笑ましくも思いますが、「どちらから来られたんですか?」という問いかけに対して、「市内からです」なんて返答をされると、少々カチンときます。「市内って?」とさらに問うと、「飯山市です」と。「栄村は栄村であって、飯山市の山じゃないよ」と私は言いたいのですが、私の心が偏狭(へんきょう)なのでしょうか。
 間もなく野々海の雪が消えると、商売目的でのタケノコ採りが連日のように入ってきます。このケースはたまたま出逢っても下手に声をかけるのは怖いです。
 野々海だけでなく、月岡集落の山などでも山菜採り目的の無断侵入が相次いでいるようです。

 

●蝶の無断採集や、無謀なトレッキング、雪遊び等々
 5月中下旬以降、平滝から野々海への道路の近辺で、捕虫網を持った人の姿が見られます。これは過去10年以上にわたって見られるものであり、希少種ギフチョウが絶滅寸前になっています。あきらかに密猟業者と思われるケースも多いです。5月26日には、「福岡」ナンバーを見かけ、「何を捕るのですか?」と問うと、博多弁で「言わんといかんとか」と逆にすごまれました。
 また、26日午前には、平滝のブッポウソウの観察場所としてよく知られている地点の近くに大きな観光バスが停車していて驚きました(下写真)。「バードウォッチングツアー」専門旅行会社の主催によるツアーで、客数は20名以上。もちろん、ブッポウソウの保護に取り組む地元の人たちへの連絡など無しです。保護に取り組んでいる人のお話では、「ブッポウソウがペアリングする時期で、非常にナーバスになっている」とのことでした。

 


 下の写真は5月31日朝、トレッキングのため、野々海キャンプ場から深坂峠の方向へ、雪上を進むグループの姿。普段ならば私など喜びそうな光景ですが、このケースはとても推奨できるものではありませんでした。信越トレイルの天水山(あまみずやま)コースに行くというのです。天水山コースはまだ雪も多く、信越トレイル事務局でも「コース整備は6月14日」としています。遭難を引き起こしかねない無謀な行動です。斑尾(まだらお)から来た案内人が自身のことを「地元の人間です」と言ったことにもカチンときました。

 


 さらに、残雪の多い野々海に雪遊びに来た若者たちが野々海池の存在を知らなかったのにも驚きました。この若者たちは私の注意を受け入れて安全な場所に移動しましたが…。

 

●村の総面積の約93%を占める山の管理の問題
 ここまでに紹介してきた諸問題はすべて“山”をめぐって起きていることです。
 「山林原野」は栄村の総面積約275.5?の93%近くを占めます。
 昔は、材木の確保、薪炭づくり、田畑の肥料となるものの確保、ウサギやクマなどの狩猟等々で、山は村人の暮らしを支える重要な資源の宝庫として、しっかり手入れされ、活用されてきました。いまは、そういう山での活動は大きく後退し、森林組合による間伐等を除けば、ほとんど管理されないままになっています。これは、近代化・現代化による産業や暮らし方の変化による事態であるとともに、高齢化の結果でもあります(山菜採りに入っていた村人が高齢のため山に入れなくなった)。

 

芽吹きがきれいですが、灌木が無秩序に生え、体力がある人でないと入

りづらいところ。だが、ここの素晴らしい資源がある(次の記事参照)


 しかし、いろんな意味で資源の宝庫であることに変わりはありません。だからこそ、1つには、よそ者が勝手に入り込み、山菜を無断採取したり(=“窃盗”)、自然資源を傷める行為や遭難騒ぎが発生 したりするわけです。
 もう1つ、山の管理ができていない結果として、クマなどの有害獣の増加、農業への被害の拡大、さらに人身への危険の増大という事態になっています。こちらも、この間の3つの号で訴えてきたように“待ったなし”の危機的な状況になっています。

 

●山の管理・資源活用は村おこし・産業づくりにつながる
 美味しい山菜は栄村の自慢の一つですが、山に自生する山菜は適度に採取しないと、山が荒れ、いいものが育たなくなります。あるいは、無断で立ち入った村外者が壊滅的な採り方をして、山菜資源を枯渇させてしまいます。集落毎や個々の地主が「入山禁止」や「無断山菜採りは罰金」等の看板を立てていますが、ほとんど有効性を発揮していません。
 そんな中で、山を管理するというのは至難のことと言わざるをえません。
 しかし、〈山を管理する〉、すなわち山菜期やキノコ期のパトロール、山主が山菜採りに入れなくなった山での山菜採りの代行と山菜の直売所での販売、里山歩きをしたい人たちのガイド、さらに有害獣対策のための電気柵の設置とその周囲の草刈り(山と畑・里の境界線の明確化)、こうしたことを仕事として進められるようにすることは、数年計画で事業化していけば、村おこし・産業づくりにつながり、発展していく可能性があると思います。
 もちろん、〈言うは易く、行うは難し〉ことです。しかし、だからと言って、手をこまねいているわけにはいきません。試行錯誤をくりかえしながらでも、なんとかして実現していかなければならないと思います。みんなの知恵と努力を結集して、課題に取り組んでいきましょう。