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栄村復興への歩み
2011年3月に震度6強の地震で被災した長野県栄村で暮らす松尾真のレポートを更新しています。

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ソバの花と鳥甲山

 

 26日、予想外に天気がよく、秋山の知人に電話して尋ねると、鳥甲山も晴れてきつつあるとのこと。
 相澤さんが育てているソバが開花し始めていると聞いていたので、大急ぎで上野原にむかった。

 

 鳥甲山の頂上は雲に隠れているものの、白沢はバッチリ見えて、期待したものに近い美しき眺めを写真に収めることができた。
この一帯、地元では「とっちゃ」と呼ぶ地籍だそうだ。数人に漢字を尋ねたが、不明。栃川の近くなので、「栃谷」と書くのではないかなどど勝手に推測してみたが、さて、どうか。

 

 

 

 


山では秋の気配を少ーし感じる

 

 今日8月12日、お昼前に野々海に行きました。目的は、水不足問題が深刻化している中で、水内(みのち)地区の田んぼに水を供給し続けている野々海池の水位状況を撮影記録すること。
 野々海池は平年と較べると水位が大きく下がっていますが、まだまだ大丈夫。
 そして、野々海では別の“収穫”もありました。
東窓(ひがしまど)(キャンプ場の横手に広い湿地)を訪れると、ナナカマドの葉が色づき、また、湿地の草は緑色が抜け始めていて、うっすらと草紅葉の始まりを感じ取りました。

 


 7日にもほんのわずかな時間、野々海を訪れ、濃い霧の中で半袖のシャツの腕に少しばかり肌寒さを感じました。その時と比較すると、今日は肌寒さを感じることはなかったのですが、結構歩き回ってもそんなに汗をかくことがありませんでした。
 野々海池は標高1,000m。やはり下界とは別世界ですね。

 


野々海の三叉路の池でも草の色づきを感じます。

 

 

 

 下界に下りてくると、数日ぶりに国道では31℃の気温表示。暑いです。ただ、昨夜は午後10時を過ぎると気温がぐっと下がり、窓をすべて閉めて就寝。7月末からそういう日が少なからずあります。関田山脈(標高1,000mの山々が連なる)の上では、季節の分岐点をこえているのだと思います。

 

 

野々海池の水位状況
 さて、野々海池の水位の状況です。
 7日に訪れた時は霧が広がり、斜樋の周辺しか見えませんでした。池全体の様子を見たのは7月22日が最後。
 軽トラを降りて、池への道を歩き始めてすぐに池の対岸の地面が大きく出ているのが目に入り、やはりいくらかの衝撃を受けました。その時の写真が次の写真です。

 

 

 

 あと3枚、紹介します。

 

 

 斜樋のところの様子です。斜樋を囲む鉄の網が錆びて赤茶色になっている部分が満水時あるいはそれに近い時は水に浸かっている部分。

 

 

 これは、斜樋と余水吐の間のコンクリート製の堤の部分。
 こういう姿を写真に撮った記憶は最近ではありません。

 

 

 こちらは斜樋の内部を撮ったもの。水路への水の取り込み栓が少し水に浸かっているのは14段目の栓です
野々海の水管理をされている月岡英男さんによると、「いったん17段目まで開けたが、10日〜11日の雨で水位が上がり、17段目は閉めなおした」とのこと。今日は14、15、16段目の栓が開放されて野々海水路に水が供給されているのだと思います。
なお、斜樋をめぐっては老朽化で網がボロボロ化し、水管理にも支障をきたしているという問題が今年生じています。この問題については機会を改めて詳しく紹介します。

 

 

<今日の記事の終わりに>
 ブログへの記事のアップは久々です。この前のアップが7月24日ですので、約20日ぶりということになります。こんなに長い間ブログ投稿なしというのは5年ぶりくらいのことです。
 事情を申しますと、あまりの暑さで体調の維持が非常に大変になり、動きを当面する最重要事のみに絞っていました。「これだけはやらねば」ということをめぐっては、この約20日間もかなり長距離の移動もしていたのですが、いつものように色んなところで写真を撮るという動きは極度に減っていました。意識的に減らしたというよりも、体がそのようには動かなかったというほうが正確なのではないかと思います。
 今日は、この何日かあまり暑くなかったこと、睡眠時間を長めにするなどの努力等でかなり動ける感じが回復してきて、午前8時頃から森農業改善組合のソバの種蒔きの撮影を始め、その後、スキー場から野々海にぬける道を通って野々海に行きました。この20日間ストップしていたカタクリ群生地での草刈り作業も再開できそうな感じがしています。
 今日以降も無理はしないように気をつけますが、徐々に活動量と内容を上げていきたいと思っています。

 

(了)


栄村復興への歩みNo.342

 

涼を求めて秋山郷へ
 「そうだ! 秋山郷に行って、涼しやかなところを廻ってみよう!」。
 20日朝、家で少し仕事をした後、そんな思いで秋山に向かいました。この一枚は午後3時すぎに撮ったもの。足を滑らせれば滝に落ちてしまうという場所だったので、ちょっと冷や汗をかきましたが、滝への往復はブナ林の中(下写真)をゆっくりと。時には「おっ!冷たいな」と感じる風も受けながら。
 上写真は雑魚川の三段の滝です。

 


 三段の滝での涼しげな写真撮りには続きがあります。
 色んな角度で撮りたいと思っていろんな地点を動いていると、滝の中にチラッと人の姿が見えたのです。次の写真です。

 


 渓流釣りの人ですね。
 「どこから下りたんだろう?」と思い、「この沢から入っていったんだろう」という地点を見つけましたが、それにしても滝の中の急な流れの中を通り抜けないと写真の地点には辿り着けないように思います。
 夏のアウトドア―スポーツあるいはレジャーにはいろんなものがあるんですね。
 「大滝(おおだる)」入口に駐車されていた車のナンバーから想像するに県内の人のようですが。

 

● 「秋山、いいわね!」
 酷暑が続く中の15日夜、村内のお店の前で知り合いの人にお会いしました。
   「松尾さん、今日、秋山に行ってきたわよ!」
   「へえ、どなたと?」
   「〇〇さん!」(ご主人のお名前)
   「秋山は『暑い』と言っても、暑さが下(しも)とは違う

    わね。空気が爽やかで、気持ちよかった!」
 14〜16日の三連休の中日、15日は切明の川原の温泉につながる吊り橋の上を行き交うたくさんの人の姿が見られました。

 


 この日は、村内の知り合いの方もお子さん二人を連れて、切明で川遊びをされたようです。フェイスブックに「初めて自分の子どもと川遊びをしました。滞在してみなければわからない良さがあることに改めて気づかされました。栄村の持つ資源の素晴らしさを改めて実感しました」、「本当に楽しかったぁ〜また秋山に行こうと思います」と書いておられます。
 川原の温泉で汗を流してさっぱりもできるし、子どもは川遊びができるし…。最高です!
 また、20人くらいのグループ、早朝4時半発で佐武流山に登山されたそうです。

 さらに、こんなところで鳥の鳴き声を楽しみながら、しばらく佇むというのもいいですよ。

 


 上野原(天池)と苗場山三合目を結ぶ林道の途中です。下草刈りがしっかりやられているので、林の中の見通しもよく、「バッタリ、クマと遭遇」という心配もあまりありません。暑さとは無縁な世界。ウグイスの谷渡りの鳴き声など最高です。
この林からちょっと上野原方面に下ったところでは写真のような涼しやかな水の流れとも出会えます。

 


 楽しいスポット、コース、いくらでも見つけられます!


野々海池の様子

 

 野々海池をよく知る人でも、あまりご覧になったことがない池の姿ではないでしょうか。
 今夏は野々海池の水がどんどん減り、22日朝、干上がった土の部分をつたって池の西端まで歩いて行ってきました。上の1枚は西端にかなり近い地点で東方向を撮影したもの。野々海池が東西に長い池であることがよくわかると思います。

 

 これが野々海池の西端です。滅多に見られるものではありません。
 昔は野々海池の周りをグルっと一周できる道があったそうですが、今は雑木がいっぱい生えて、とても歩けません。信越トレイル絡みで、その道を復活させようという話を数年前に聞いたことがありますが、その後、具体的な動きはないようです。
 野々海の豊かな自然を存分に味わえるようにするためにも、野々海池周回路づくりに挑戦してみたいなあと思うのですが…。
 下写真は池の西端近くで撮ったもので、ノリウツギだと思います。

 

 

● 斜樋の囲いが壊れています。今秋に修繕が必要

 

 

 上の写真は野々海池の斜樋(しゃひ)(野々海水路への水の取り込み口)の様子を写したものですが、斜樋を囲む網がなくなっています。下の写真は、水番の月岡英男さんがボロボロになって水中に落ちた網の屑が水路に入り込まないようにすくい上げているところ。

 

 

 水の取り入れが終わる9月上旬以降に全面修復をする必要があります。作業には水利組合員が出るとして、資材費などの面では村の支援が必要だと思います。


「小さな町や村でも安心して暮らしつづけられる地域づくり」――栄村こそがモデルを発信できるようにしたい!

 19日に告示された県知事選挙。その第一声が栄村(森宮野原駅前)で発せられました。
 この事実に大きな衝撃を受けたのは私だけではないと思います。多くの村民が駆けつけておられましたが、「ニュースで初めて知った」という人たちも一様に驚いておられます。

 


 私は7年前の震災直後から阿部守一知事とはいろいろお話をさせていただいてきていますが、その私も「栄村は知事としての歩みの原点」という言葉には改めて強い衝撃と感銘を受けました。
 この記事のタイトルに阿部さんの演説の一節を引用しましたが、「小さな町や村でも安心して暮らしつづけられる地域づくり」――これこそ地方自治が目指すべきものです。

 

● 「村の人たちから色々学ばせていただいた」
 「小さな町や村でも…」ということ、抽象論・一般論として言うのは簡単だと思います。でも、彼は19日の演説でこんな具体的なことを話しました。
   「地震の直後、栄村を訪れ、村の人たちから『村の暮らしは

    集落があってのもの』ということをお聞きし、復興公営住

    宅は希望者が暮らしてきた集落の中につくるようにさせて

    いただいた。」
 この経緯は私も鮮明に記憶しています。
 最近の西日本豪雨災害をめぐって「住み慣れた土地を離れざるをえなくなった」というニュースをしばしば耳にしますが、行政のトップが地域に暮らす人たちにどれだけ寄り添う視点を持てるかが災害復興において非常に重要なのだと強く感じます。

 

スキー場頂上から見る小滝集落と復興公営住宅

「集落に復興公営住宅を」という話のきっかけになったのは小滝の高齢者被災世帯に住

宅を保障する話でした。写真中央に見える白壁と落下式屋根の建物が復興公営住宅。

 

● 栄村が果たすべき責務
 そういう意味で、栄村は7年前の震災においてとても恵まれた環境にあったといえます。
 だからこそ、栄村が果たさなければならない責務というものがあると私は思っています。
 阿部さんは当時、「栄村の震災復興を中山間地域再生のモデルにしたい」と言っていました。上述の集落ごとの復興公営住宅もそういう思いがあればこそのものです。
 さて、あと3年で震災10周年となりますが、栄村は果たして「中山間地域再生のモデル」と誇り得るような村づくりをこの7年間、進めて来られたと誇りをもって言えるでしょうか?
残念ながら、そうは言えない現状だと言わざるをえません。
 「小さな町、村」の中のさらに小さな集落。暮らしが成り立たなくなりつつあるものも出てきています。交通アクセス、水路の維持管理、里山の荒廃と有害獣問題の深刻化、…。課題はいっぱいあります。いきなり格好いい解決策というのではなく、まずは課題をじっくり観察し、地域の人たちの声に耳を傾け、5年後、10年後をみすえた施策を考えなければならないと思います。

 

● 観光施設の経営問題に村民の英知を総結集しよう!
 いま、栄村で大きな問題になっている観光施設の管理運営−経営の問題。これは、単に観光(業)をめぐる問題というのではなく、「小さな村でも安心して暮らしつづけられる地域づくり」の試金石だと思います。
 4つの温泉宿泊施設をめぐって、「秋山の2つは観光客用、下の2つは住民福利用で、秋山の施設と下の施設は別経営にする方がよい」という考えがあるそうです。
 そういう2種への切り分け、本当に正しいのでしょうか。私はそうは思いません。〈住民福利〉と言うと、村の人たちの共通入浴券での入浴が多い「下の2つ」(トマトと北野)を想起する人が多いかもしれませんが、秋山の2施設だって、秋山で暮らす人たちにとっては重要な福利施設です。高齢の一人暮らしの人が増えている中で、雪に閉ざされる長い冬、温泉施設の車が秋山の集落を巡り、村の人たちが温泉に浸かり、お茶のみする機会と場を提供することも重要ではないでしょうか。また、秋山の集落を温泉施設の車が巡るというのは、集落間を往き来する路線バスがない秋山における新たな交通アクセスの開拓にもなりますし、いわゆる〈見守り活動〉の充実にもつながるでしょう。
 しかも、そういうことをやることの効果は住民福利だけにとどまるものではありません。冬の雄川閣やのよさの里を訪ねたら、村のばあちゃんやじいちゃんと一緒にお茶のみが楽しめる。これは《冬の秋山観光》の大きな売りになること、間違いないです。それがさらに進めば、 「小一時間程度だったらお茶のみに寄ってもらってもいいよ」という人も出てくるでしょう。そうすれば、冬の秋山郷を訪れる人たちが秋山の集落を巡り、豪雪地の冬の暮らしというものを垣間見ることができます。これまた、《冬の秋山観光》の大きな売りになります。

 

雪に埋もれる秋山の民家と屋根の雪下ろし

秋山郷の雪は都会人の想像を超えるもの。手間がかかる企画ではなく、

雪下ろしの様子を見る、お茶のみするという企画が人を呼びます。


 観光は観光、福祉は福祉、とバラバラに考えるのではなく、「小さな村でも安心して暮らしつづけられる地域づくり」という太い一本の線を貫いて考えることが大事でしょう。
 今回は秋山の2施設のことを主に考えましたが、同様のことは「下」の地域でも言えます。栄村の5年後、10年後を左右する問題として観光施設の経営問題を村民一人ひとりの英知を総結集して考えていきましょう。


……………………………………………………………………………………………
栄村復興への歩みNo.342 2018年7月22日発行 編集・発行人 松尾真
連絡先:電話080−2029−0236、mail;aokura@sakaemura.net


知事選の第一声が栄村・森宮野原駅前〜歴史的な出来事!〜

  • -
  • 2018.07.19 Thursday


 今日19日、長野県知事選挙が告示されましたが、阿部守一候補が第一声の場所として選んだのが、なんと栄村!
 平成18豪雪の時に当時の田中知事が訪れるまで、「冬は知事が北信に来ても栄村の手前でUターンしていく」と言われていた豪雪の地・栄村。その栄村で知事選の第一声の地に選ばれるなんで、栄村始まって以来の歴史的な出来事、大事件ですね。
 上の一枚は、「積雪7m85cm」の記念標柱のすぐそばでの第一声の様子です。

 

 第一声は午前10時半から。
 9時すぎには会場にやって来ていた選挙カーのスタッフは、候補と共に到着した腕章を身につけて選挙活動スタート。

 

 

 

 候補の到着は10時26分。乗用車から降りて駅前まで走って登場。

 

 

 

 

 

 

 

 阿部氏が第一声の地として栄村を選んだのは、「知事就任1年目に栄村の大震災があり、何度となく栄村を訪れ、村の人たちの声を聴き、それを県政の原点に据えてきた」ことからということでした。
演説の中で、「県庁を訪れる人の話を聞くだけでは不十分。小さな村や町の人の声に直接耳を傾けなければならない」と話しておられました。こういう思いこそ地方自治の原点だと思いますね。

 

 

 

 連日、「危険な暑さ」が続く中での選挙。照り返しがきつい助手席に乗り込んでの遊説は大変だと思います。

 

 現在のところ、立候補者は2名。

 

 

 

 選挙戦は酷暑の中で16日間続きます。候補者の健康第一を祈ります。

 


栄村復興への歩みNo.341(7月11日付)

 

 秋山林道、ミズノサワの残雪の雪洞の内部を撮ったものです。日時は7月9日正午前。
 雪洞の前に立つと、まるで天然クーラー。午後2時頃、秋山から下におりてくると、まるで蒸し風呂のような暑さでしたが、ミズノサワや秋山郷の林の中は涼しくて別世界でした。
 ミズノサワの残雪は平年よりも圧倒的に少なく、今年は7月中旬にも消えるかもしれません。下写真がミズノサワの全景で、奥に見えているのは鳥甲山のムジナ平登山口から白瑤瞭に向かう途中の尾根です。

 


 「ミズノサワに行ってきたよ」と私が言うと、「それ、何処?」と言われる村民も多いですね。この季節に雪が見られて、ひんやりした空気を満喫できるなんて、栄村が自慢できる最高のスポットの1つだと思います。秋は紅葉の絶景ポイントです。
 村民のみなさんも是非、お出かけください。


屋敷の秋山林道に土砂流出(10日午後)――西日本豪雨災害と栄村での対策・対応

 西日本豪雨で「平成最悪の被害」が発生しました。犠牲となられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災されたみなさまにお見舞い申し上げます。
 豪雨災害、土砂災害。他人事(ひとごと)ではありません。栄村でも7月9日夜、大雨警報が発令されるとともに土砂災害警戒情報が出されました。さらに10日も、午後に大雨警報が出ました。多くの村民は「雨も降っていないのに、なぜ警報なの?」と思われたのではないでしょうか。じつは、秋山郷方面で短時間ですが、かなり強い雨が降ったのです。

 

● 警戒ゾーンで土砂流出
 9日夜は生活ゾーンに関わる被害はありませんでしたが、10日午後は屋敷で土砂流出被害が発生しました。

 


 上写真は屋敷橋から布岩方向を見たものですが、赤丸の箇所に土砂撤去作業を行っている重機が小さく写っています。そして、白線を入れたところに沢があり、大雨の時は大量の水と土砂が流れ出し、冬期は雪崩が発生します。10日午後も、この沢を大量の水が下り、秋山林道に土砂が流出・堆積し、通行不能になりました。
 下写真1枚目は沢を下ってきた水が秋山林道の下をトンネル(写真に赤線を入れた箇所がトンネル入口)に入るところ。ここが土砂で塞がれ、林道上に水と土砂が溢れ出ました。下写真2枚目は林道上などから撤去された土砂です。

 

 


 今回は、水量・土砂量とも限られていたので、被害はこの箇所にとどまりましたが、量が増えると、沢をさらに下り、下写真の白丸で囲った地点に達し、坂を下って屋敷集落の中に流れ込みます。
 屋敷集落の人たちはこの沢の怖さをよく承知されています。

 

 

● 大雨土砂災害にどう対応するか
 10日の屋敷・秋山林道での土砂流出は、第1に、西日本豪雨災害が栄村にとっても他人事ではないことを示しています。短時間で大量の雨が降る最近の気象状況がありますから、大雨警報、そして土砂災害警戒情報が出された場合、「どこで降るのか」、「どの程度の雨なのか」をすぐに調べる必要があります。
 最近は多くの村民のみなさんはスマホを持っておられますね。気象庁のホームページを開き、「雨雲の動き」、「今後の雨」、「警報の危険度分布(土砂災害、浸水害、洪水)」を見てください。下写真のような画面が見られます。「今後の雨」では5時間後までの雨の量が見られます。また、「土砂災害」では降雨の累積量等との関係で土砂災害発生の危険が高いゾーンがわかります。

 

 

● 役場の対応
 9日夜、土砂災害警戒情報が発令された時点で、役場では防災担当者が、警戒態勢をとりました。役場は4月から宿直体制が変わり、委託業者による宿直になっているため、防災警戒が必要になった場合は防災担当者が役場に詰め、関係機関と連絡を取るなどの対応をしているのです。役場のこうした対応について、10日に担当者から話を聞き、ひとまずの危機対応がなされていることに安堵しましたが、さらなる改善も必要だと思います。
 改善のポイントは、役場から、「大雨警報、土砂災害警戒情報が発令されましたが、強い雨が降っているのは秋山の山ノ内町との境界付近の山地帯です。雑魚川の水位上昇、雑魚川が合流する中津川の推移上昇、秋山林道の通行にご注意ください」というような村内告知放送をすることです。こういう放送をするには、気象庁の発表している情報の分析が必要ですが、役場の防災担当ならば、この程度の分析は十分に可能なはずです。
 西日本豪雨大災害を教訓として、栄村も豪雨災害への対応策を早急に強化していきたいものです。

 

千曲川と志久見川の合流点、6日午後3時半の様子

志久見川の水が澄んでいるのに対して、千曲川は濁流になっている。

 


野々海祭り

 7月1日、恒例の野々海大明神祭が開催されました。昨年の土砂降りとは対照的な快晴。日曜日とも重なり、大勢の人たちが参加されました。その様子を写真で紹介します。

 


神官とお供えを持つ役員の人たちの入場

 

神事の後、堤の上で栄太鼓の披露

 

大勢の人たちがテントの中でタケノコ汁に舌鼓をうちました。

 


キャンプ場炊事場で山菜などの天ぷら調理。

 

野々海祭り参加者へのタケノコ汁の振る舞い。今年の当番は平滝区でした。平滝のみなさん、美味しいタケノコ汁、有難うございました。


雄川閣、トマトの国などの村観光・温泉宿泊施設の再生・発展は可能です!

 「栄村復興への歩み」では、この間、〈栄村の素敵な観光スポット〉を随時紹介しています。他方、雄川閣など4つの村所有の観光・温泉宿泊施設のあり方についても提言を重ねてきています。議会では、4つの施設について、「公社解散・新会社設立」の方向性が提起されています。また、7月第1週末には村からの配布物で「栄村の観光施設経営診断結果」という「お知らせ」が各世帯に配られました。「診断結果」はスキー場について閉鎖を示唆するなど、栄村の観光(施設)の将来像について随分と消極的・否定的な印象を与えるものだと感じます。
 私は、素晴らしい観光スポットを活かすことと、村の観光施設を観光施設らしく運営することを結びつければ、経営状況の大幅な改善は可能だと考えています。以下、その考えの一端を紹介します。

 

● 適した器がなければ、せっかくの美味しい料理もアピールできない
 本紙No.339(6月17日付)で、国道405号線整備促進期成同盟会の総会が雄川閣で開催されたこと、総会後の祝宴に出された料理が好評であったことを紹介しました。
 そのお料理をめぐって、その後、こんな話を聞きました。「雄川閣には料理に合う器(うつわ)がない。あの日に使われた器のかなりの部分はトマトの国から借り出したものだ」。余ほどに珍しい器ならともかく、ごくごく普通の器でも、雄川閣には同じような色合い・模様の器しかないというのです。
 最近、雄川閣で食事をする機会が複数回ありましたが、「ちょっと器に工夫をすれば、美味しい料理がもっと引き立つのになあ」と思いました。どうやら、振興公社では料理にふさわしい器を用意するということにお金をかけていないようです。
 最近、トマトの国が「ご法要プラン」のチラシを新聞折り込みで出しました。「こんな料理だったら、トマトで法事をやってもいいなあ」という声を多く聞き ます。

 

チラシの料理写真をスキャンして再現しました


 議会に提出された「収支計画書」を見ると、トマトの平成30年度計画に「法事用器代の追加」と書かれています。
新しい専門職の板前さんが赴任されたこと、専用の器を購入し、板前さんが腕をふるった料理を一段と引き立たせる器が揃えられたこと、さらに言えば、料理の写真の撮り方がプロ級の腕であること、こうした要因が折り込みチラシの評判を呼んだのだと思います。

 

● 必要なおもてなしスタッフを揃える→経費増大→経費を上回る収入の確保へ勉強・工夫・サービス内容の充実
 雄川閣に1時間も滞在していると、かなりのお客さまが来られているのがわかります。
 でも、率直に言わせていただくと、スタッフの対応・おもてなしは不十分です。
 まず、フロントにスタッフがいない場合がかなりあります。訪ねてくるお客さまは必ずしも雄川閣の利用者とは限りません。「川原の温泉」のことを尋ねるだけ、さらには道路についてのお尋ねだけという場合も結構あるようです。
 でも、現在の秋山郷の状況からすると、雄川閣こそ“秋山の顔”であり、“観光案内センター”なのではないでしょうか。だから、フロントにはつねにスタッフがいなければなりません。お尋ねのお客さまに対応したからといって、ただちに収入増に結び付かないかもしれません。しかし、そこでの丁寧な対応がお客さまを雄川閣に引きつけ、遠くない将来の収入増につながります。
 こういうこと、現在の振興公社の中で十分に議論されてきたでしょうか。おそらく、NO(ノー)でしょう。したがってまた、スタッフへの教育もほとんどできていないでしょう。

 

● 「秋山郷の事だったら、何でも知っている」というスタッフの存在がお客さまを引きつける
 フロントに必ずスタッフがいる。それには人件費がかかります。経費増です。
 フロントに立つスタッフには、「秋山郷のことだったら何でもわかる」という案内能力が求められます。秋山にはいま、こういう情報がゲットできる場所が基本的にないですね。だから、こういうスタッフがいたら、雄川閣に立ち寄るお客さまが必ず増えます。
現在の雄川閣にも、元スタッフ手書きの秋山郷の道案内図が貼りだされています。たしかに既成のパンフレットよりも分かりやすい点がありますが、私からすると不満です。秋山の道をある程度知っていないと理解できないのです。
 フロントに立つスタッフをはじめとして、雄川閣のスタッフが秋山郷を何度も巡り、お客さまが実際に車で走った時に迷いそうな箇所とか、綺麗な景色を楽しむために車をちょっと停めることができるのは何処か…、こういうことを調べ、案内図を分かりやすく手作りで作成し、貼りだすだけでなく、お客さまにサッと渡せるようにする。このことだけで、雄川閣の評価は高まり、来客数−売上げが増大するでしょう。
 いま、そういう積極経営が求められています。栄村の観光施設の再生・発展にむかって頑張りましょう!