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栄村復興への歩み
2011年3月に震度6強の地震で被災した長野県栄村で暮らす松尾真のレポートを更新しています。

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栄村復興への歩みNo.336(5月20日付)

 

山村・栄村での農の営みと暮らしを考える
 5月18日午前、森宮野原駅裏手の田んぼでの撮影です。
 5月は、雪が消え、田んぼに、畑に、栄村が一年間の中で最も忙しい時期ですね。
 私は村で暮らすようになって12年目ですが、今年は「山村・栄村とは?」を改めて考えるようになっています。田んぼの田ぶち(田起こし)、田掻き(代掻き)、田植えを迎え、みなさん、「忙しい、忙しい」と言われます。でも、とても生き生きとされています。また、一緒に温泉に入ると、冬の間は出ていたお腹が急速にへこんでいきます。ごく少数の米専業農家を除けば、お米をつくったからといって、そんなに儲かるわけではありません。赤字にはならないとしても、米価が下落した昨今、忙しさの対価となるほどの儲けは出ません。
 多くの村民にとって、これは「農業」という産業というよりも、栄村という山村での暮らしのあり方そのものなのではないでしょうか。“生き方”、そして価値観とも言えます。そして、それが山村・栄村ならではの人と人のつながり、文化、そして自然景観をつくりだしているのでしょう。
 こういう暮らしなしには日本列島社会というものは成り立たないのだと思います。
 


笹原〜長瀬間の本格復旧工事が始まっています

 昨年10月の台風21号災害で土砂崩れが発生した県道秋山郷宮野原(停)線の笹原〜長瀬間の災害箇所(下写真)での本格復旧工事が始まっています。

 


 現場近くに工事内容を示す看板が設置されています。

 


 撮影は5月16日ですが、現場の掲示によれば、14、15日に支障木の伐採・搬出等、16、17日に法面掘削準備、そして18日から法面掘削というスケジュールです。
 掘削箇所は災害で斜面崩壊が起こった地点の上にあたり、今後、法面型枠工が行われ、その後、それよりも下方に雪崩予防柵が4基設置されます。
 工期は10月一杯で設定されています。なんとか来冬の積雪期までに工事が完了し、冬の通行が可能になるよう、祈りたいと思います。
 専門家は「難工事という類ではない」と言いますが、急な斜面に重機を上げての工事で、相当の危険を伴う工事だと思います。工事に従事されるみなさんの安全を祈念し、工事の進捗を見守っていきたいと思います。
 


女しょの農作業姿

 

 雪が消え、土が乾いてきた4月末から5月上旬にかけて、毎年、感心することがあります。畑に草が生え始めたかと思うと、女しょ、とくに高齢の方がすぐさま草取りの作業に励まれることです。
 上の写真はお顔を写さないようにして5月12日に撮らせていただいたものです。
 腰や足の具合はけっして良くないはずです。それでも一所懸命、そして丁寧に草取りをされていきます。
 これが「健康長寿」の秘訣の一つなのではないかと思います。栄村ならではのとても素敵な光景だと思います。

 


 もう一枚、こちらは野田沢の妹木のトマト畑で、宮川春美さんがジュース用のトマトの苗を手植えで畑に定植されている様子です。

 この日、夫の頼之さんと息子の一哉さんは菅沢の畑で雨のため遅れている機械作業をされているので、その間に少しでも定植を進めようと手植えをされているのです。宮川さん一家の勤勉さにはいつも感心するばかりですが、この手植え作業にはいつも以上に驚き、感心しました。


ミズバショウで気になること

 

 野々海のミズバショウの様子が気になり、5〜6日に1回くらいの頻度で見に行っています。野々海への往復だけで1時間近くかかってしまいますが…。
 今春は気温の変動が激しく、開花の具合はあまり順調ではありません。遠方から見に来られる人は例年と比べて少ないようですが、それでも首都圏ナンバーの人などに出会います。
 そんな中、気温変動の激しさ以外に気になっていることがもう一つあります。

 

● 生い茂る雑草を放置していていいのか?
 上に示した写真は5月16日の午後遅くに撮影したものです。撮影ポイントを探し回って撮りましたので、いい具合に咲いているように感じられると思います。しかし、別の角度から撮ると、どうも融雪しているゾーンの中でミズバショウが出ている範囲が狭くなっているように思うのです。次の写真をご覧ください。写真の左側の下半分、薄茶色の枯草が湿地を覆っていて、そこにはミズバショウがほとんど見られません。

 


 また、写真右下に水面が見えますが、ここにもミズバショウが見えません。水が深すぎるのではないかと思います。そして、ここの水が深くなっていることと、写真左側下半分の枯草の存在とが関係しているのではないかとも思います。枯草の存在が融雪水の通り道を狭め、水の勢いを強め、写真右下の部分に大量に流れ込み、水深を深くしているのではないかと思うのです。
 こうした推察はまったくの素人考えですので、まったく的外れなものかもしれません。
 しかし、少なくとも、ミズバショウの生息にとって枯草が多すぎるのではないかという点は間違いないと思います。じつは、昨年の秋、この群生地を訪れて衝撃を受けたことがあったのです。下の写真をご覧ください。

 


 写真下部に草がたくさん生えています。9月30日撮影で、もう草紅葉化しつつあります。これがこの後、雪の下で約半年間ほど湿地面に倒れたままになっていたのが、前頁で示した枯草です。
 昨秋にこの草を見た時、「少し刈り取った方がいいのかな?」と思いました。でも、ミズバショウ群生地の保全のあり方について専門知識がない中で下手なことは出来ない、やってはならないと思い、手を出しませんでした。
 その頃、裏磐梯地方のミズバショウ群生地の保全活動に取り組んでおられる団体の報告レポートをインターネットで読んだことがあります。少なくともカヤの類は刈り取らなければならないと書かれていました。ただし、ミズバショウの葉が成長を続けている間に草刈りをするとミズバショウにダメージを与えることから、草刈り期を当初予定の7月から11月に延期したとも書かれていました。

 

 ミズバショウは本当に綺麗です。野々海の一帯はさまざまなところでミズバショウが見られますが、まさに群生地と言えるところは数少ない。一定の保全管理の努力をしないと群生地は守れないのではないでしょうか。私たちが「自然は美しい」と感じているものの多くは、純粋の原生自然ではなく、人の様々な営みとの関係の中で生まれ、保持されていることは間違いないと思います。
 私は、本紙「栄村復興への歩み」No.334(5月3日付)で、「自然資源、観光資源の〈調査・選定・管理・保全〉という施策を」という提起をしました。今回の「ミズバショウで気になること」は、その提起をより具体化したものです。
 村の方で長年ミズバショウを見てきた方のお話、植物学や林地保全の専門家の方の専門知識をお聞かせいただければと願う次第です。


景観ポイントを探る(その2)

 前号から引き続く企画記事です。前回は秋山林道から見る鳥甲山の素晴らしい景観を取り上げましたので、今回は水内地域の景観ポイントの1つを紹介したいと思います。

 

 


 この2枚は、スキー場内の村道を上り始めて間もなく見える眺めです。重なる部分がありますが、上写真では苗場山、千曲川、鳥甲山が見え、下写真では野沢温泉スキー場がある毛無山まで見えます。

 


 同じような景色に見えるかと思いますが、先の2枚を撮影した地点から車で3分進んでいます。100mくらいの標高差があり、眺めに変化が認められると思います。
 最後に、スキー場の頂上からの眺めです。

 


 3枚目の撮影地点からさらに200m以上の標高差があります。
 眺めが随分と変わるのがお分かりいただけるでしょうか。標高が上がるに連れて、苗場山〜毛無山の山並みがぐっと近づいてくる感じがします。これらの写真の撮影は4月30日ですが、その3日前にある方をご案内したところ、「凄い景色! 眺めがどんどん変わりますね」と絶賛をいただきました。その日はもっと空が青々とした快晴でしたので、印象はこれらの写真よりもより強烈だっただろうと思います。

 

 今回ご紹介したのは芽吹きが進行中の時期。年間で最もよい季節だと言えますが、夏は夏で素敵な見どころがあり、秋は紅葉のパノラマを眺めることができます。
 ただ、3枚目から進んで間もなく、道は舗装路から未舗装路に変わり、ものすごいデコボコ道になります。軽トラでもきつい道で、普通車で進むのは非常に困難になります。私はこの10年間ほど、何回も何回もこの道を上がりながら、「下手に舗装すると、自然保護に理解のない人が侵入しかねない」と思い、舗装することに躊躇を感じてきました。しかし、最近、きちんとした管理を前提として舗装し、より多くの人たちにこの景観を楽しんでいただく方が村の観光の発展にとって有益なのではないかと考えるように変わりました。みなさんは、どのようにお考えになりますか。是非、ご意見をお聞かせください。


今泉の里から

 

 今泉で農家民宿「ふるさとの家」をやっておられる杉浦恵子さんと出会ったら、「ヒマワリの畑に菜の花を植えたの。場所によって開花時期がずれたけれど、ようやく出揃ったの」というお話をいただきました。16日午前、その様子を撮影してきました。綺麗ですね。
 もう一枚は、昔、今泉と青倉を結ぶ道があった地点に咲くイワカガミです。ここにイワカガミがあること、初めて知りました。

 


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栄村復興への歩みNo.336
2018年5月20日発行 編集・発行人 松尾真
連絡先:電話080−2029−0236、mail;aokura@sakaemura.net
ゆうちょ銀行 11100−1361481 栄村復興への歩み協賛寄金 ながの農協栄出張所 普通0009390 栄村復興への歩み発行協賛金松尾眞


松尾まことの議員活動報告第27号(5月18日付)

◎ 「北野天満温泉・温泉棟改修工事」1,023万5千円の補正予算可決について
〜いかなる「不具合」が発生したのか? どのような改修をするのか? なぜ、改修方針決定に2ヶ月半も要したのか?

 

 5月15日午前、平成30年第3回臨時会が開催され、村から北野天満温泉浴室改修に関わる一般会計の補正予算案(第一号)が提出され、質疑を経て、議会は本案を可決しました。
 改修工事は約1ヶ月を要し、6月中に完了する予定です。「営業再開は7月13日から」と告知されていますが、工事が順調に進めば、営業再開が若干早まる可能性もあります。

 

● 「不具合」は浴室天井の垂れ下がり・落下の危険
 北野天満温泉は、2月下旬から「浴室不具合により温泉入浴営業中止」とされてきました。「不具合」の具体的内容については、村民のみなさんも伝聞情報でいろいろとお聞きになっていると思いますが、これまで正式発表はありませんでした。
 北野温泉の男性用浴室の天井は、かなり以前から水が落ちてくる事態が続き、雨漏りではないかと思われていました。が、2月後半に至って、天井が膨らみ(垂れ下がり)、見るからに落下の危険が生じました。このため、2月下旬、男性用浴室の使用中止が決められました。

 

● 鉄骨の腐食がひどく、本格修理が必要に
 村は当初、問題の天井を撤去し、新しい天井を設置する方針で、修理工事を発注しました(費用は平成29年度予算枠内で確保)。ところが、3月中旬、施工業者が天井板を撤去したところ、天井板を吊り下げている鉄骨が激しく腐食していること*が発見・確認され、新しい天井板を吊り下げることは不可能と判断されました。また、温泉棟を支える支柱の一部の腐食も確認されました。
   *厚さ3mmの鉄骨の上下各1mmが腐食し、実質的厚みは

    1mmしかない。
 ここで、村は、どのような修理が必要かつ可能かを検討するため、温泉棟建設時の設計業者と施工業者を呼び、調査を依頼しました。
 その調査結果をうけて、村は4月13日に会議を開催し、対策方針が協議されました。浴室棟の全面改築と、当面の温泉営業を可能にする仮設工事の2本立てが検討されたようです。そのうちの仮設工事について具体的な詰めの検討・協議が4月24日に行われ、今改修工事=仮設工事の方針が決められ、今回の補正予算案に提出に至りました。
 仮設工事の主内容は、‥薫罎鮟祥茲茲蠅盞變未里發里箸垢襪海函瞥畆偲錣隆靄楾格を形成しているH鋼から直接に吊り下げる)、腐食の激しい支柱2本を改修すること、女性用浴室の天井にも歪みがあるため、女性用浴室の天井も取り替えること、げ虻に雨漏り箇所が数ヶ所あるが、部分修復で対応する、ことです。

 

●「温泉棟改築」は未定
 ところで、5月16日の信濃毎日新聞では、「栄村は入浴棟を2020年度内に建て替える方針を示した」と報道されています。
 たしかに、質疑の過程で、商工観光課長が「今回の工事は仮設で、いずれ改築が必要。約1億8千〜9千万円を要する。過疎債発行で賄うにもすぐは無理。2〜2年半くらいのうちに出来るようにしたい」と答弁しましたが、これはあくまで「見通し」の類の発言で、村の方針として改築が決定されたものとは言えません。
 約2億円という巨額の投資になりますから、総合振興計画並びに事業実施計画との関係、また過疎地域自立促進計画(過疎債発行の前提となるもの)との関係で、村側での検討が必要です。また、議会としても、村側の考えを尋ね、議会としての意思形成を行っていかなければなりません。

 

●「地盤の傾き」について
 また、信毎記事では、「地盤の傾きで浴室棟全体が傾いている」、「浴室棟は耐震基準を満たしていない」とも報道されています。
 たしかに、3月下旬からの調査によって、浴室棟の地盤が北野川の方にむかって、120分の1傾いていることが判明しました。「120m進むと、地盤が1m下がっている」ということです。そして、この傾きは耐震基準を満たさないものです。
 これは当然にも7年前の地震の影響だと考えられますが、断定的なことは言えません。たしかに地震直後、浴室の洗い場の水が浴槽方向に流れる異変が生じ、洗い場の水が浴槽に入らないようにする対応措置がとられた経緯があります。その際に詳しく調査していれば、地盤の傾きが明らかになっていた可能性があります。
 しかし、地震当時、国の震災被災判定・復旧支援においては、建物の傾きは被災判定・復旧支援の対象になっていましたが、地盤については調査や支援の対象とされていませんでした。個人の家でも、「建物は基本的に大丈夫だが、地盤が傾斜し、家に住めない」という事態をめぐって、地盤の傾きは被災判定において考慮されなかったという事例がありました。
 この点、国の地震対策のあり方の問題として被災地である栄村から声をあげていく必要があると考えます。

 

 今回の北野天満温泉浴室をめぐる問題は、経緯等が複雑であり、説明するには難しさがあります。私は15日の本会議で、「村が責任をもって村民への説明を行うように」求め、村長が「6月の広報で経緯を含め、説明する」と約束しました。私は当初、詳細な説明は村の広報に委ねたいと考えていましたが、上記の信毎の報道もあり、「広報」を待たずにある程度の報告説明をしなければならないと判断し、ここまでの報告を書きました。
今回の事態、村は「浴室不具合」としか発表せず、対策方針の決定までに2ヶ月以上を要するなど、対応の遅さ、不明瞭さが目立ちました。村がこの点を反省し、もっと透明性のある行政にしていくことが求められていることを最後に指摘しておきたいと思います。

 


◎ 振興公社への村の資金支援について ―― 5月15日全協での村との協議内容の報告
 5月15日は午前の臨時会本会議に続き午後1時半から、議会全員協議会(村長提出)が開催されました。協議内容は、「栄村振興公社の経営状況について」。3月定例会の際に、振興公社のH30年度収支見通しが約5,800万円の赤字であること、村としては6月定例会に振興公社への追加資金の投入を考えていることが表明されていましたが、その「追加資金投入」にむけての村側の基本的考えが示されたわけです。

 

● 村の方針概要
 村の方針概要は、振興公社のH30年度収支見通しをベースに形成されています。その収支見通しでは、
   事業収入 1億0,397万2千円
   事業費用 1億4,020万6千円
   管理費 1,532万4千円
   全体収支 ▽5,155万8千円
となっています。3月29日の臨時議会で示された収支見通しの赤字額は5,800万円と比べると、赤字額が約644万円減となっています。
 これに対して、村は、
   ・ H30年度予算ですでに投入済みの指定管理料1,850万円

    に加えて、新たに4,305万8千円を投入する。
     うち、3,305万8千円はH30年度の赤字の補填
        1,000万円は次年度4月の運転資金の確保
   ・ この資金投入は、指定管理料の追加として行う
という方針を表明しました。

 

● 議会側が問題視した論点
 村側のこの方針表明をうけて、約2時間半強、協議しました。
 議会は、3月29日の臨時議会で村と振興公社の間での指定管理契約(1年間)を認める議決をした時点で、振興公社を破綻させないためには今年度、追加資金の投入が必要となることを認識していました。したがって、追加資金を投入すること自体への反対意見はありません。しかし、だからと言って、「何でもあり」は許されません。5名の議員(相澤博文、上倉敏夫、松尾眞、保坂良徳、阿部伸治)が複数回にわたって、質問と意見表明をしました。その主な論点を紹介・報告します。

 

■ 指定管理料の支払は年1回と定められており、指定管理料の追加増額は認められない
 第1の問題点は、指定管理料の支払は、従来、「指定管理に関する協定書」第20条で「毎年度1回支払う」と定められています。議員は、この条項を基に「指定管理料の追加増額はありえない。認められない」としました。
 村はこれに対して、「協定書の改定を行い、指定管理料の追加増額をしたい」と答えました。
 私は、この「議員活動報告」を書くにあたって、改めて「協定書」を精査しました。すると、3月29日の臨時議会に提出された議案34号では、「協定書」第20条から「毎年度1回」の文言が削られていたことが判明しました。3月定例会に提出された議案22号の「協定書」第20条に手が加えられていたのです。議案22号と議案34号の変更点は、協定締結の一方の当事者・栄村振興公社理事長の変更と、指定管理期間の5年間から1年間への変更の2点と了解されていたので、気がつかなかったものです。私たち議員のミスとして反省しなければなりません。ただし、この「変更」について役場担当部署に問い合わせたところ、契約期間が1年間になったため、いわば機械的に「毎年度…」という表記を削ったもので、特別な意味はないとのことです。
 指定管理制度は、村の観光レクリエーション施設の振興公社への指定管理だけでなく、村の他の諸施設をめぐっても運用されています。「指定管理料の支払は毎年度1回」の規定をご都合主義的に変えると、さまざまな分野で村の指定管理料支出が際限なく増える危険が生じます。

 

■ 指定管理料の追加増額を認めない場合、追加資金の投入はどのような形になるのか。
 追加資金をどのような形で投入するか。ありうる方法は、出捐金、補助金、貸付の3つです。
 村長は昨年1月の「出捐金5千万円の投入」提案時に、「私の任期中、出捐金や補助金の投入はこれっきりで、二度目はない」旨の発言をしています。その発言との兼ね合いという問題があるとは思いますが、訂正しなければならない事態に直面した場合、前言を訂正するのが筋でしょう。もちろん、「5千万円の出捐金で充分」という見通しになぜ狂いが生じたのかをきちんと説明する必要があります。それが行政の長の責任というものだと思います。きちんとした説明がされれば、出捐金という選択肢もありえないわけではありません。
 貸付については、村側は「金融機関のようなことはできない」という考えのようですが、それはおかしいです。地方自治法制度上、出捐金の根拠となっている「投資及び出資金」と並んで、「貸付金」という財政支出項目があります。
 ところで、振興公社に約4,300万円の追加資金を投入する場合、そのかなりの部分が人件費の不足分の補填に充てられます。人件費の補填というのは、指定管理料の趣旨に馴染みませんし、「出資」とほぼ同義の出捐金にも馴染みません。補助金ないし貸付で考えるのが妥当と思われます。

 

■ 北野天満温泉の営業停止等への補償、のよさの里の特殊事情にどう対応するのか
 第2の問題点は、北野天満温泉とのよさの里をめぐる問題です。
 北野天満温泉は、H30年度1,043万9千円の赤字見通しとされています。しかし、北野天満温泉は従来、4施設の中で経営状況が比較的よいところで、黒字決算の年度もあります。
   *ただし、H29年度は約898万円の赤字決算。最大要因は

    宿泊費の値上げによる宿泊利用客の減少。昨秋、料金再

    改訂(値下げ)が行われ、宿泊客数が回復し始めていた。
 北野天満温泉のH29年度第3・第4四半期とH30年度第1四半期の大幅赤字には、東部地区の県道の通行止めによる日帰り入浴・食堂利用客の減少と、浴室不具合による日帰り入浴中止、さらに約2ヶ月間の宿泊営業の停止が大きく影響しています。
 振興公社の営業努力では対応しようのない自然災害による損失、村施設の不具合により営業停止による営業損失については、村等から損失補償が行われるべきものです。
 村は15日の協議の中で、「それは指定管理料の追加で対処する」と答えましたが、それはおかしいです。振興公社の営業努力の不足の結果としての赤字と、自然災害や村の施設不具合による営業損失とを区別しないというのでは、経営・営業の実態が分からなくなります。
 公社にとって不可抗力の営業損失額の明確化、そして公社赤字の補填とは区別した補償を求めていきます。

 

 のよさの里をめぐっては、次のような問題があります。
 H30年度は、事業収入269万7千円、事業費用1,613万3千円で、1,343万6千円の赤字見通し。
 H29年度実績は、事業収入1,377万6千円、事業費用1,730万9千円で、393万3千円の赤字。
 事業費用はほぼ同じなのに、事業収入は1桁違います。約1,600万円の経費を投入して、事業収入はわずか270万円というのはありえない話です。
 この異常事態の直接の原因は、H30年度、のよさの里では宿泊営業はせず、営業内容をオートキャンプ場と分家の1棟貸しのみに限定したことにあります。さらに、その背景には、/橋集社側が「のよさの里の指定管理は受けられない」としたのに対して、村が「どうしても指定管理を受けてほしい」としたこと、⊃橋集社はH30年度、秋山には4名の職員しか配置していなくて、とても雄川閣とのよさの里の2施設を同時営業できない、という問題があります。
 この,療世鮃佑┐譴弌△里茲気領い砲弔い討蓮◆崟峪の補填」ではなく、「営業がほとんど出来ず、施設の保守管理を委託する」という意味で、指定管理料とは区別した「施設保守管理費」のようなものを別途交付することを考えるべきでしょう。
 また、△療世鬚瓩阿辰討蓮⊃Π配置(増加)の問題を振興公社との間で真剣に協議すべきでしょう。
のよさの里の経営については従来から困難があることが認識されていますが、H30年度の「約1340万円の赤字」については本来の営業赤字とは性格が異なるものとして捉える必要があります。

 

■ 実務的レベルの詰め作業が必要
 以上、振興公社への追加資金投入をめぐる主な論点を紹介・報告してきましたが、まだまだ「大きな数字」の議論にとどまっていて、振興公社の再建の展望を明らかにすることはできていません。
 全協に提出された文書には、「平成30年度 栄村振興公社収支計画(案)」というものがあり、たとえば、トマトの国について次のような記述があります。

 

    事業収入 35,607(千円) 4・5月は予約をもとに予測値にて

                算出。7〜9月は宿泊人数を1割増に

                て算出。10月からは前宿泊人数実

                績を反映。6月から宴会2割増にて

                算出。宿泊・食事費等は過去二年

                の平均単価にて算出
    事業費用 43,662(千円) 人員は前年+1名(4月〜)+調理

                人(5月〜)+宿直1名(6月〜)

                にて算出。法事用器代追加。
    差引利益 ▽8,055(千円)

 

 事業収入はH29年度よりも約300万円の増。他方、事業費用が約760万円の増で、収支赤字が約470万円増となっています。人員の増加についてはまともな営業を行ううえで必要なものと理解されますが、事業収入については、前年度の宿泊実績や宴会実績等の数字がまったく示されていないので、H30年度の事業収入見通し額について、その是非を判断する術(すべ)がありません。
 私は、15日の全協で、「議会、村、公社の三者でワーキンググループのようなものを作り、事業収入見通し等について具体的な詰めをしてはどうか」と提案しました。村側はこの提案に乗るようです。
 誤解のないように言いますが、この「ワーキンググループ的なもの」はあくまで実務的レベルの作業を行い、議会での審議の前提となる具体的な事項、たとえば「トマトの国の10月からは前年宿泊人数実績」とは何名であり、それによる事業収入はいくらなのか等を明らかにしようとするものです。そういう作業を通じて、追加投入額の妥当性、公社経営再建の見通し等がもう少し具体的に検討できる材料が出てくると思います。したがって、「ワーキンググループ的なもの」は、議会での審議にとってかわるようなものではありません。

 

 議会では、「今回の全協のみで、あとはいきなり6月定例会というのでは審議できない」という見解が多数です。6月定例会は6月15日からの予定ですが、そこにむかって、村民のみなさんのご意見をお聞きしながら、議会全員協議会等で議論をさらに詰めていきたいと思います。

 


<最後に>
 村民の暮らしに直結する村政に遅滞は許されません。よって、北野天満温泉浴室改修の審議、振興公社への追加資金投入に関する協議を粛々と行い、その内容をここまで報告してきました。
 同時に、村の政治のあり方をめぐって、もっともっと議論し、明確にしなければならないことがあることも明白です。村民のみなさまからの様々なご意見をお聞きしています。議会においては村民のみなさまのご意見をふまえて、さらに議論を深めていくことになります。今号ではもう紙数が尽きましたので、その点は次号以降でご報告したいと思います。
 なお、3〜4月、私の「議員活動報告」を配達しきれていない地域があります。今後の議論にとって不可欠な資料としての意味がありますので、未配達地域では今号と共に第24〜26号を配達させていただきます。私の活動量不足でご迷惑をおかけし、申し訳ございません。なにとぞ、ご理解を賜れますよう、お願い申し上げます。


栄村復興への歩みNo.335(5月11日付)

 

ゼンマイを干す人が多いですね

 4月下旬から5月上旬にかけて村内を駆け巡っていて、今春の特徴として目立つことがあります。家の前でゼンマイを干している人がとても多いことです。
 ゼンマイ揉み・干しは栄村の春の風物詩ですが、昨春はその光景を見られる家がとても少なくなりました。「体力が落ちて、揉むのがきつい」と言う高齢者の方もおられて、「もう栄村の春の風物詩ではなくなるのかなあ」と心配したものでした。しかし、今春は一転、非常に多くのお家の前にゼンマイが干されています。ある人に伺うと、「去年はこわかったが、今年のゼンマイはいいね」と。そういうことも背景にあるのかもしれません。また、ゼンマイ揉み・干し作業に挑戦する若い人も出てきています。
 「最近の栄村は元気がない」なんて言う人もいますが、そんなことはありません。村にはズクがある人がたくさんおられます。その象徴の1つが多くのお家でのゼンマイ干しだと思います。

 

(写真は天代集落で撮影しました。)


鳥甲線を走る

 配達で秋山に向かった5月6日、極野から鳥甲線(とりこうせん)に入りました。法面枠工の工事(7年前の地震災害の復旧対策工事)で昨年はずっと通行止めになっていた路線です。

 


 法面枠工は見事に完了していました。昨年、工事現場で「予算不足で困っている」という話を聞いていましたが、法面枠工の下部に土砂止めの堰堤も造られていて、ほぼ完了のようでした(上写真)。
 降積雪期まで工事が行われたようで、撤去しきれなかった工事資材が道路脇に残っていました。

 

● 景観が素晴らしい鳥甲線
 この鳥甲線、じつは景観が素晴らしいのです。とくに融雪が進む初春期と紅葉期。中でも極野から五宝木にむかって進む際に正面に見える景観が素晴らしいと思います。
 今春は、雪消えが早く、融雪水が流れ落ちる“幻の滝”は残念ながら見ることができませんでしたが、次のような素敵な山の景色を真正面に見ることができました。

 


 鳥甲山連峰の北側にある西ノ岩菅やフクベノ頭が見えているのだと思います。手前は釜川の峡谷です。
 この地点から進み、7月にヒメボタルが飛ぶところを経て、直線状の道路を走ると、道路右脇にカタクリが咲く箇所があります。
 そんなに大きな群生地ではありませんが、綺麗に開花していました。イチリンソウもありました。
 驚いたのは、ここのカタクリがよそで見るものよりも大ぶりなこと。典型的なものを示します。

 

 

 五宝木に到着すると、「もう森の住宅から五宝木に戻られたかな?」と思っていた山田政治さんが畑に出て、枯枝を掻く姿がパッと視界に入ってきました。もう90歳代後半ですが、お元気です。

 


 政治さんのお家でお茶のみをさせていただいた後、今季初の畑耕耘作業を始められた阿部文夫さんともちょこっとお話して、私は屋敷集落へと向かいました。
 その途上で見た「シロモジの花かな」と思われるものは「草花のアルバム」の項でご紹介します。


明石大橋建設予定地から

 

 写真は県道箕作飯山線の明石大橋橋脚建設地の5月10日の様子。
 雨で増水した千曲川に中州のようなものが見えますが、これ、じつは橋脚建設ヤード。真ん中に地中に沈め込まれた橋脚下部部分の突端が見えます。
 本紙No.329(3月16日付)で報じたように3月上旬の大雨で今期の工事中断となりましたが、来期(今年11月頃から)に備えて、3月後半に橋脚基礎部分の地中沈下作業が遂行されました。