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栄村復興への歩み
2011年3月に震度6強の地震で被災した長野県栄村で暮らす松尾真のレポートを更新しています。

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松尾まことの議員活動報告No.38

村政の転換が必要です
〜12月定例会の報告と私の考え〜

 

 12月3日(火)〜6日(金)、村議会の12月定例会が開催されました。
 議案では、台風19号被害対策の補正予算が最重要議題でした。その中で村財政の抱える問題も浮かび上がってきました。また、「会計年度任用職員の給与及び費用弁償に関する条例」という聞き慣れない名称ながら、とても重要な条例案もありました。
 一般質問では、「目安箱」の実態が全面的に解明されました。解散した(一財)栄村振興公社への出捐金の処理の不明点の解明も進みました。さらに、台風19号での百合居地区での浸水の原因をめぐって新たな事実が判明しました(この点は別の機会に詳報)。
 総じて、森川村政の問題点が抜き差しならない形であきらかになってきました。村政の根本的な転換が必要になっています。方向性を共にする人びとと力を合わせて村政転換へ頑張っていきたいと思います。

 

◇  目安箱をめぐる一般質問の詳報
 「目安箱」をめぐる一般質問の結果について、12月7日付の「速報」で報告しましたが、より詳しい報告記録が出来ましたので、以下に掲載します。

 

松尾 一つ目。目安箱はどういう法令上、制度上の設置根拠に基づいて置かれているのか。公約に書かれたものでも施策として実施に移すには法令的制度的根拠があるだろう。設置の目的と併せて答えを。
2点目。目安箱が村の施設設備の一環であれば何らかの部署によって管理されているだろう。どの部署か。管理規則はあるのか。新聞報道では目安箱の鍵は村長のみが持ち、役場職員は管理職も含め管理に介在していないという。事実か。事実だとすれば投書があったという事実の客観的証明は不可能なのではないか。
3点目。目安箱による村政、村行政の改善事例があれば聞かせていただきたい。各課長から答弁いただきたい。」
村長 目安箱の法令上、制度上(の根拠は)無い。調べると8代将軍吉宗、享保の改革の一環として出てくる。
公約から所信表明において、「開かれた村政」がキーポイント。村民の皆さんからのご意見ご要望を受ける窓口の新設。目安箱は開かれた村政をするため。
目安箱の鍵の管理からすべて私が管理する。私のみが現物を直接見て、私のみしか分からない取り扱い。課長等においては(行政改善の指示のうち)どれが目安箱から来たものかはわからない。
松尾 答弁が漏れている点を聞く。村長のみが見ているのだとしたら、投書があったという事実の客観的証明が不可能なのではないかと聞いているが。
村長 今の聞き方は、投書があったのは私だけしか見ていないので、それが本物か嘘物か分からないという解釈でよいか。
松尾 本物か嘘物かというよりも、本当にあったのかどうかということ。
村長 私が嘘をついている、ついていないかという回答でよいのか。
松尾 それは村長の受け止め方次第ではないか。
村長 では、証明については私以外には出来ません
松尾 為政者が施政に臨む際の姿勢として享保の改革の目安箱を思い起こすのは結構だが、享保の改革は江戸時代の話、将軍がすべての権力を持っている。近現代は行政と立法が権力が分立していて、市町村においては二元代表制がとられている。
 目安箱の法令的根拠は無いという答弁は非常に不満足。
 村長は地方自治法149条で規定された権限に基づいてのみ行政の長として職務を執行する。答弁の中に地方自治法149条への言及があってしかるべき。(目安箱は)149条の1項から8項には該当しない。おそらく9項の「前各号に定めるものを除くほか、当該普通地方公共団体の事務を執行すること」を根拠として目安箱が設置管理されているのだろう。
 目安箱の設置費用は村の行政経費で賄われているから村の行政の設備の一つとして適正に管理されて然るべきだ。
 2回目の質問になるが、目安箱に入った投書は村長宛だけでなく他の人宛のものも村長しか見ないのか。
 投書内容にしかるべき対応をする際に、その投書内容について一般民間人に相談することはあるのか。
 投書内容の真偽が定かでない段階で、村長が投書内容を巡って特定の村民を処罰してほしいということで警察に相談する事例はあるのか。
村長 私宛ではないものはその方に直接渡す。事業で「こうしていただきたい」というものは、現地が分かれば現地へ行って状況を把握。投書した方の名前が書いてあれば、「ちょっと教えていただきたい」という照会は私がします。
 警察関係の投書、「警察を呼んでください」というのはまだ入ったことはない。
松尾 村長以外の人に宛てたものは宛先になっている人に渡すという答えだが、議会では正反対の説明を受けている。村長、議会議長、議会事務局長、3人宛の投書について、議会関係者は原本を見ていないと言っている。どちらが本当なのか。
 私が議員職にある者として渡された書類に次のような趣旨の村長の発言が記録されている。
    『ある日、投書があった。その中にある集落の、ある職業歴

     のある方のことが書いてある。この方を村長は仮にBさんと

     いう方だと思った。ところが自分がBさんを訪ねて行って人

     違いだということになれば、これは困ったことになるので、

     Cさんという方をたてて、Cさんに間を取り持ってもらい、

     Bさんに村長室に来ていただいた。仮に村長がBさんと見当

     をつけた人が間違いだったとすれば、それはCが間違ったと

     いうことでCの責任にしてしまえばいい、自分は関係ないと

     扱うつもりだった。』
 こういう発言を村長がしたという記録が残っている。
 「警察に相談したか」という点でも、「そういうことは今まで無い」との答弁だが、村長発言の公的記録に、「警察にいってもみなグレーと言うんです。だから別の形で処置してください」とはっきり残っている。しかも、投書内容が本当なのかどうかの事実確認をしている当日のその現場でこういう発言をしている。つまり、村長自身が投書内容の真偽を確かめていない段階で警察に相談している。私は不思議でならない。
村長 3者(村長、議会議長、議会事務局長のこと)において、私しか鍵はもっていない。その中で「匿名にしていただきたい、この分については消して渡していただきたい」と書いてあったので、消してある。それを私が打ち直す。
 私は警察に行ったのではなく、あくまで弁護士さんと通じた。直接私が警察に行って「よろしくお願いします」というのは、私はまだやったことはありません。
松尾 一つ答弁が抜けている。民間人に相談しているのか。
村長 有る。どこの自宅の水路どうのこうの…
松尾 いやいや…、先ほど言ったではないか。ある投書の人物、それがBさんだと村長は推測してが、間違っていたら困るからCさんという人に間を取り持ってもらった、間違っていたらCさんの責任にするという発言が記録されているが、そういうことはあるのかと聞いている。
村長 その記憶は私はありません。以上です。
松尾 (私が取り上げた文書は)議会で「あなたが読まないとこれ以上議論が進まない」ということで10月16日に渡された文書。その文書が「私に読ませれば副作用がありますよ」と私が言ったところ、村長が傍聴席から「警察介入お願いします」と発言した時の文書です。
(村長から正規の答弁ではない「警察と言っていない。ボディーガードだ」という発言)
松尾 ボディーガードでしたら、ボディーガードで結構。警察という言葉が出たことは事実です。

 

● 「村長だけが知る」というのは民主主義に反する。「開かれた村政」の実現は森川氏では出来ない
 「目安箱」を以上のめぐる質疑であきらかになったのは、「目安箱」について知っているのは森川氏ただ一人だということ。これでは村民は議員を含めて誰一人、本当のことを知ることができません。
 森川氏は「開かれた村政をめざす」と言ってきましたが、「目安箱」の扱いを見れば、森川氏の手では「開かれた村政」は実現不可能だということがはっきりしました。
 栄村は、森川村政下で、じつに深刻な状態になっています。独裁国家のようなあり方を容認することはできません。
 村政の根本的な転換が必要です。


◇  台風19号被害対策の事業費は約11億6千万円
 12月定例会には台風19号被害対策に関する専決処分の承認案件と補正予算案が提出されました。
 台風19号被害対策の専決処分は10月25日付のもので、主たる内容は国庫補助の対象となる公共土木施設災害復旧事業で、国への補助事業申請期限との関係で10月25日までに予算を決定する必要があったものです。総額は5億3,126万円。激甚災害の指定を受けたので国庫補助率が83%に引き上げられています。
 国庫補助事業となったのは、村道天代坪野線(天代地区、坪野地区の2ヶ所)、村道野口坪野線(2ヶ所)、村道鳥甲線(極野)、村道極野線(2ヶ所)で、事業規模は計3億7,922万円。村単での公共土木災害復旧は計4,550万円です。
 もう一方、12月定例会に一般会計補正予算第8号が提出され、ここには農地・農業施設の台風19号被害復旧事業として、国庫補助事業6億4,500万円と村単事業750万円が計上されています。また、林道3ヶ所の国庫補助による災害復旧事業1,220万円も計上されています。

 

● 工事着手の見通しについて
 これらの災害復旧事業の予算額は急を要するために概算額で算出されています。そして、工事の着工はすでに応急復旧が行われているもの(たとえば村道天代坪野線)もありますが、農地の場合などは多くが「来春作付前」とされています。
 この「議員活動報告」のスペースの関係で、個々の被災箇所について細かに記すことができませんので、「私の地区の被災箇所はどうなっているの?」という点については役場担当課にお問い合わせください。それでも不明な点があり、さらに詳しく知りたいという場合は私にご連絡ください。不明点の解明に努めます。

 

● 村の財政調整基金が7億円を切りました。財政再建の課題に取り組む必要があります
 タイトルに書いたとおり台風19号被害復旧事業の総額は11億6千万円という巨額にのぼりました。村の今年度当初予算総額が32億1,900万円であることを考えると、その大きさは一目瞭然です。
 ここで注目しなければならないのが村の財政調整基金(一般家庭での貯金に当たるもの)です。10月25日専決処分と12月定例会提出の補正予算で約1億7,700万円の財調基金が取り崩されています。復旧事業総額11億6千万円からすると少ない財調基金取り崩しで済んでいます。今回の災害が激甚災害の指定を受け、国庫補助率が大きく引き上げられたからです。激甚指定がなければ復旧事業費のほぼ半分を村で出費しなければならないことになります。ですから、大規模災害等の非常時に備えて、村は一定額以上の財政調整基金を確保しておかなければなりません。
 ところが、村の財政調整基金がここ2年の間に急激に減少しています。
 H29年度末の財調残高は約13億4,400万円であったのに対して、H30年度末は約9億8,300万円で、H30年度の取崩し額は約4億600万円。また、今年度の取崩し額もすでに2億6,400万円を越えていて、残高は6億7,100万円しかありません。2年前の半額に落ち込んでいるのです。
 これでは何かあった時に対応できません。気候変動によって大規模災害が続く昨今、財政面でも災害への備えが必要です。
栄村の財政は大きな危機に直面しています。行政に精通する人たちからは「これでは数年しかもたない」という声が聞こえてきています。村の財政再建は待ったなしの状況です。
 財政の面からも村政の転換が必要になっています。


◇ 出捐金問題で真相が見えてきました
 私は一般質問で、9月定例会に続き、(一財)栄村振興公社への出捐金の処理に関して質しました。
 「出捐金の処理について、村と一般財団法人栄村振興公社の間でどのような協議の経過があったのか」という質問に対して、商工観光課長から次のような答弁がありました。
   「公社より平成31年1月25日付で「法人解散に伴う課題、懸念

    事項についての対応依頼」という文書で「出捐金8千万円につ

    いて、運営費に充てて残額が無いため免除願いたい」という文

    書をいただいております。対して村長からは、平成31年2月15

    日付で、「出捐金の残額があれば清算に伴う経費不足に充当す

    るよう」通知してございます。」
 出捐金8千万円の扱いについて、やはり公社と村長の間でやりとりがあったのです。公社側が「出捐金(の返還を)免除してほしい」と村長にお願いし、それに対して村長は出捐金8千万円のうち約6,800万円について「清算に伴う経費不足に充当=公社の累積赤字の処理に使ってよい」という指示をしていたのです。この6,800万円は村の財産であり、これを公社の累積赤字処理に使うことを認めるのは村の財産権利を放棄するということです。
 地方自治法で自治体の権利放棄は議会の承認が必要だと規定されています。ところが、森川村長は議会に諮ることなく、村長の一存で村の財産を処分してしまったのです。これは明白な地方自治法違反です。
 村の財産は森川村長の私物ではありません。村民の財産です。それを勝手に処分することは絶対に許されることではありません。私はさらに追及していきたいと思います。


◇ 「会計年度任用職員」という聞き慣れない用語と村の臨時職員への対応について
 12月定例会には「栄村会計年度任用職員の給与及び費用弁償に関する条例の制定について」という議案が提出されました。
 「会計年度任用職員」という用語、議員も初めて耳にするものです。私は定例会前に調べてみました。「会計年度任用職員」とは臨時職員のことです。今春、国において地方公務員法の改正があり、それに対応して各自治体において法改正に対応する条例の制定が求められたのです。
 この地方公務員法改正は、非正規雇用である臨時職員制度を改善するよりも、むしろその非正規雇用を固定する面の方が強いと私は見ています。ただし、この「会計年度任用職員」という制度そのものは国政レベルのことですから、村レベルで対応できることではありません。
 問題は、栄村がこの「会計年度任用職員」制度の中で、どういう対応をするのか、です。
 「会計年度任用職員」には、「フルタイム会計年度任用職員」と「パートタイム会計年度任用職員」の2種があります。栄村役場には正職員と同一時間働いている臨時職員が24名おられますが、この24名については「フルタイム会計年度任用職員」として雇用されるものだと私は思っていました。
 ところが、村の答弁は、「24名はパートタイム会計年度任用職員とする」と言うのです。私が「どうしてフルタイムではなく、パートタイムなのか?」と問うと、「勤務時間をフルタイムよりも15分短くする」という答弁。これには驚きました。「フルタイム」にすると正職員と同じ諸手当の支払いが求められることから、こんな姑息な方便を考え出したのでしょうが、許されるものではありません。
 私はこの条例案の採決では反対しました。諸方面と協力して、この臨時職員への不当な扱いをやめさせるためにさらに頑張りたいと思います。


◇ 「商工観光業者経営資金貸付基金」は疑問が大きい
 災害で経営が苦しくなった個人自営業者への支援制度として「商工観光業者経営資金貸付基金」を設けるという条例案が提出されました。
 1事業者あたり最大300万円を貸し付け、返済は1年据え置きで、2年目に全額返済というものです。事業者であれば、「2年目に全額返済」が極めて困難であることは明白です。質疑でその点を徹底的に議論しましたが、村は提案を変えませんでした。そのため、私は本議案には反対しました。

 

◇  消費税増税に伴う水道料等の値上げについて
 消費税増税に伴い、村の簡易水道、浄化槽使用料、農集使用料、ケーブルTV使用料を値上げする条例案が提出されました。
 10月の全協(村長提出)で協議があった時、消費税増額分=2%アップを計算する際に10円未満の端数を切上げて料金設定するという村の案に反対しました。12月定例会での村の提案はその点が改まっていなかったので、改めて質問しました。村は「国の指導で数年後に簡易水道等について公営企業会計に変更しなければならない。それに対応して少しでも赤字額を減らすために、10円未満の端数を切り上げさせていただきたい」という答弁でした。
 公営企業会計への移行とは、一言でいえば、民間企業会計と同じ扱いをするということです。住民の暮らしに不可欠な水道事業等でこういう制度変更を行うことに私は疑問を抱いています。さらに研究を深めたいと思います。
 ただ、今回の値上げに関して、村の簡易水道特別会計等が苦しい状況にあることを鑑みて、私は採決で賛成の立場をとりました。苦渋の判断です。みんなの暮らしを守るために村政においてどのような工夫をしていくか。考えなければならない課題が山積しています。

 

 12月定例会の報告は以上ですが、村政が重大な局面を迎えていることは明白です。森川村政からの転換が必要です。そのために全力で頑張っていきたいと思います。