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栄村復興への歩み
2011年3月に震度6強の地震で被災した長野県栄村で暮らす松尾真のレポートを更新しています。

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栄村復興への歩みNo.367

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  • 2019.11.14 Thursday

 これは10月11日付のレポートです。

 

 

 

いずれも野々海池にて10月10日午後撮影。

 

どんな工夫と努力が必要なのか
 〜観光施設が黒字になるために〜

 

◇  あるお客さまの“新しい発見”
 先日、9月末に栄村を訪れられたお客さまからお手紙をいただきました(下写真)。4人のお客さまを野々海にご案内したのですが、その中のお一人から頂いたものです。そのお手紙につぎのように記されていました。

 


 「私は何回も野々海を訪れていますが今回は新しい発見を沢山見ることが出来ました。」
 人が旅に出る時、自分が気に入っている景色などを何度も繰り返し見たいという思いでいるというケースもありますが、他方で、情報の不足や案内がないことから、その地の魅力を十分には満喫しきれないケースもあると思います。そして、後者の場合、そのことがリピーターの獲得を妨げることに繋がる可能性大だと思います。
 今回のお客さまにご案内した特徴的なポイントは3つあったと思います。ご案内した順にいうと、1つは野々海の三叉路に着く少し手前にある野々海水路の円筒分水器です。2つは野々海池そのもので、野々海池の景色を堪能できるビューポイントを3〜4ヶ所、ご紹介しました(斜樋の内部を金網越しにご覧いただくことを含む)。

 

野々海水路円筒分水器


 3つ目は、キャンプ場から東窓に入り、木道を歩く。そして小川を渡り、ブナ林の中の上り道を進んで深坂峠に出るという散策です。帰路は深坂峠口から信越トレイルにちょこっと入り、キャンプ場に向かうトレイルのショートカットコースを歩きました。
キャンプ場に戻ってからは、お客さまが車に備えておられる野外用の道具を使ってコーヒーを入れて下さり、香ばしいコーヒーを楽しみながら、30分強でしょうか、私を含む5人で談笑しました。
 お客さまにとって何が「新しい発見」であったのか、具体的にはお聞きしていませんが、案内させていただいた側から総括的に言うと、野々海池で約3時間の時間を楽しむことができるだけのコンテンツ(内容)を提供できたことが大きかったのではないかと思っています。

 


東窓の木道を歩く

 

小川の先のブナ林を進む

 

◇  毎日、お客さまに楽しんでいただける場所・内容の提供
 栄村は素晴らしいところです。村を訪れて下さる方々もそのように言ってくださいます。けっして単なる社交辞令ではないと思います。しかし、そのことに胡坐(あぐら)をかいていてはダメですよね。「栄村は素晴らしい自然と景色がいっぱい。ご自由にお周りください」なんて言っていては、観光を村の産業として育てることはできません。
 観光地にはハイシーズンというものがあります。行楽の最盛期です。栄村では秋の紅葉期と冬のスキーがそれに当たります。しかし、人はハイシーズンだけに来られるわけではありません。混雑期を避けて、“田舎らしい風情”等を求めて来られる人もかなりおられます。他方、観光施設等の経営から言えば、ハイシーズンにどれだけ多くのお客さまが来て下さっても、それだけでは年間を通じての経営は黒字化できないという問題があります。
 やはり、基本的には1年を通じて毎日、お客さまに楽しんでいただける内容を提供することが必要なのです。ところが、栄村の現状は「イベントを開催することが観光事業」という感じが強いと思います。そういう状況を乗り越えていくために必要なことは次項で詳しく書きたいと思います。


◇  絶えず新鮮な目での観察と案内人の育成

 

 

● 「何をお見(魅)せするか」という思いを抱きながら、毎日のように現地を歩く
 上掲の景色は9月25日朝、午前7時頃に深坂峠にて撮影したものです。
 この日は午前6時頃に家を出て、スキー場を通って野々海に上がりました。スキー場では日の出と雲海を同時に見ることができたのですが、深坂峠から見えた松之山〜旧大島村の一帯にかかる雲海はスキー場から見える雲海とは様相が異なるもので、私自身にとってもとても新鮮なものでした。この写真をご覧いただいた方々からも「素晴らしい」と言っていただきました。
 なぜ、午前7時の深坂峠から見える雲海を撮影できたのか?
 じつは、トマトの国の紅葉シーズンの誘客のために、野々海を中心とするさまざまな写真の提供を9月1日からボランティアで行っています。そのためにほぼ連日のごとく野々海に行っていています。「お客さまに素敵なものに出会っていただきたい」という思いから、「自分の知らないものや例年以上に素晴らしいものがありうる」と考え、頻繁に通っているわけです。正直に言えば、楽なことではありません。でも、「お客さまに良いものをお見せしたい」という思いが優っています。
 だからこそ、本号の冒頭で紹介したお客さまから「新しい発見が沢山あった」というお葉書をいただいたことは本当に嬉しかったのです。

 

●どうすれば案内人を務められるか
 観光に来られる人びとにご満足をいただけるようにするには、連日の需要に応えられる人数の案内人を確保する必要があります。私は喜んで案内人を務めさせていただくつもりですが、もちろん一人では足りません。多くの村民の方々に案内人をお願いしなければなりません。「やってみよう!」と言って、案内コース候補地の1つを一緒に歩いて下さった人もおられます。でも、「案内なんて難しいだろう?」と反応される方もおられます。
 案内人というのは難しいものでしょうか?「難しい」かと言えばたしかに「容易でない」ことはたしかです。お客さまの安全の確保等に万全を期さなければならないこと等、クリアしなければならないことがあるからです。
 しかし、いちばん大事なことは、自分自身が景色等に対して「いいなあ!」と感動し、「お客さまにも見せたい」という思いを抱くことだと思います。
 1頁で紹介した野々海池の2枚の写真はそういう思いで、撮影ポイントを確保するために知人の協力を得て草刈りをして撮れたものです。また、このページの2枚と次頁の1枚は深坂峠近くの信越トレイル内で撮ったものです。2枚は10月1日撮影ですが、このブナの古木の魅力をさらにアピールできるように、10月7日にもう一度現場に行きました。その時の1枚が3枚目のものです。

 

 

 


◇  人を惹きつける料理をどんどん出していきたい
 観光にとって、いま一つ欠かせないものがあります。料理です。
 お客さまは、他所では見られない景色などと共に、「そこでしか食べられないもの」を楽しみにしておられます。そして、その楽しみにお応えするのに大事な要素の1つは“華”があることだと思います。この点でも、村民の力と知恵の総結集が求められていると思います。みなさんの知恵、情報提供を是非、お願いします。
 本紙No.364で「上越、妻有、飯水の大きなゾーンの中で栄村を捉え直してみよう」と提案しました。ここ1〜2ヶ月、このゾーンを繰り返し周っています。その際の写真です。

 


野々海峠付近から日本海を望む。
写真中央の青い部分が上越市沖の日本海です。10月10日午後撮影。

 

 

菖蒲高原と東頚城(くびき)丘陵
菖蒲高原から雪だるま高原に通じる林道から菖蒲高原方向を望む。9月29日朝撮影。

 

狐塚の棚田 国道405号線沿いの山村集落
松之山の天水越にあり、大巌寺キャンプ場と国道405号線を結ぶ ここで言う405号線は津南町と上越市を結ぶ区間。写真は松
道から入っていきます。9月11日撮影。 之山の「中立山」という処だと思います。9月17日撮影。

 

11段のはぜ掛け
国道405号線を挟む形ではぜ掛けが行われていました。上越市安塚区切越というところです。9月20日撮影。

 


菱ヶ岳の紅葉の始まり
国道403号線を雪だるま高原から伏野峠に上がる途中で眼前に広がる様子です。9月29日撮影。

 


苗場山〜鳥甲山〜毛無山を一望に
これだけの範囲を1枚の写真に収められる場所はこれまでのところ、この場所以外にありません。撮影は津南町越手集落〜山伏山キャンプ場を結ぶ道路から。10月9日夕刻。

 

〈後記〉 7頁の写真は9月のものが中心になってしまいました。というのも、10月に入ってからは野々海そのものの観察・撮影にかける時間が増えているためです。
 発行間隔が長くなり、かつ、今号は観光の問題のみとなりましたが、これも栄村の復興の鍵の1つが観光にあり、村民自身の力で観光施設の運営を成功させることができるかどうかがとても重要な課題になっていると考えるためです。ご理解・ご支援をお願いします。


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