久しぶりに山古志を訪ねました
- 山古志
- 2019.07.13 Saturday
上の写真をご覧になって、「懐かしいなあ」と思われる村民の方もおられるのではないでしょうか。山古志の農家民宿三太夫(さんだゆう)さんです。
栄村の震災から間もない頃、復興住宅を見学するために山古志を訪れ、昼食の場として世話されたのが三太夫さんでした。
今回は、「山古志の肉と野菜のおはなしvol.5〜ランチプレートの上の山古志の暮らし“夏編”〜」という企画に参加するために訪れました。三太夫さんでは農家民宿だけでなく、手作り野菜の料理をメインとする「農cafe三太夫」をやっておられます。
農cafe三太夫の長島さんご夫妻の「野菜のプレート」。プレート右から時計回りで、かぐらなんばんとズッキーニと豚肉のいためもの、ぜんまいの五目煮、夏野菜のラタトゥイユ、きゅうりとディルのサラダ、関牧場さんのお肉のカレーです。
ラタトゥイユとは、野菜をトマトとオリーブオイルで炒め煮にした料理のこと。また、かぐらなんばんは山古志の伝統野菜として有名ですが、ディルというのはハーブの一種です。
上写真が長島さんご夫妻。この日の催しのタイトルに「山古志の肉と野菜のおはなし」とあるように、野菜づくりの様子や小学生と保育園年中さんの二人のお子さんたちの姿などを写真で示しながら、たっぷりお話くださいました。
つぎは、関さんご夫妻の「肉のプレート」。
「山古志産にいがた和牛 サーロインステーキ」と「山古志産にいがた和牛 外モモのサイコロステーキ」、そして「インゲンとジャガイモとペンネ、ジェノベーゼソース」、「グリーンサラダ」です。ステーキにはかぐら南蛮で作られたソースも添えられています。
関さんは中越地震の後、山古志肉用牛生産組合の一員として肉牛生産の復興に取り組んでこられました。「山古志産黒毛和牛」の生産に励み、農林水産大臣賞などを受賞し、「にいがた和牛肥育名人」に選ばれています(現在新潟県内8名)。この日の参加者には「黒毛和牛子牛登記書」が配られ、「鼻紋」というものを初めて見ました。
関さんご夫妻
(長島、関両ご夫妻の写真は山古志住民会議Facebookから引用)
● 山古志で感じたこと
食事が美味しいとともに、会話がとても充実した企画でした。
長島さんも関さんも小さなお子さんを子育て中の若いご夫婦。そういう若い人たちが主役でこういう企画(イベント)が開催されていること、中越地震から15年を経てなお、たえずフレッシュな復興への取り組みが展開されていることに大きな感銘をうけました。「栄村と山古志で何が違うのか?」、じっくり考えてみたいと思います。
もう1点。山古志のみなさんは口々に「人口減少が止まらない。若い人が長岡の市内へ出て行く」という問題を話されました。それは厳然たる事実のようです。しかし、そのことを口に出して語られること自体が山古志の底力を示しているとも言えるのではないでしょうか。関さんの牛舎を訪ねさせていただきましたが、山古志の地形・環境にピッタリ合った産業だなあと感じました。山古志はたしかに「人口減少」していますが、現代、そして未来の山古志らしい暮らしの営みの姿を創造されつつあるように感じました。