プロフィール

profile
栄村復興への歩み
2011年3月に震度6強の地震で被災した長野県栄村で暮らす松尾真のレポートを更新しています。

カテゴリー

categories

サイト内検索

Search

カレンダー

calender
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930 
<< November 2018 >>

最近の記事

selected entries

最近のトラックバック

recent trackback

月別アーカイブ

archives

栄村関連リンク

links

携帯用QRコード

mobile
qrcode

ブックマーク & RSS

Bookmark&RSS

「来年の秋、北野天満温泉で同級会をやりたいんだが、大丈夫かい?」

北野天満温泉、トマトの国、雄川閣、のよさの里を村民パワーで守り、より良くしましょう!

 

 10月3連休の時、ある村民の方から、上記のような質問(「来年の秋、…」)を受けました。
私は、「『新会社を立ち上げよう』という話を聞いているから、大丈夫でしょう。ひとまず、北野に連絡して、仮予約をしておけばいいんじゃないですか」とお答えしました。
 ところが、3連休の終わりに、「振興公社は来年3月末で指定管理者をやめる。4月1日以降の予約はお断りすることになっている」という話が飛び込んできました。10月5日に振興公社職員全員を対象とする会議が開催され、そこで理事会から「振興公社が指定管理を受けるのは今年度3月末まで。職員は3月末で失職することになる」と告げられたというのです。
 いろんな公社職員の方々の声をお聞きすると、「新しい会社が早くスタートしてほしい。厳しいと思うけれど、私は頑張りますよ」と言う人、「長い間、振興公社一筋でやって来たが、どうやら区切りをつける時が来たようだ」と言う人、さまざまです。でも、「4つの施設を守りたい。気持ちを新たにして頑張りたい。」という人が多いと感じます。

 

● 観光と住民の福利に欠かせない4つの施設
 4つの施設とは北野天満温泉、トマトの国、雄川閣、のよさの里のことです(のよさの里にはオートキャンプ場も付属します)。
 栄村の観光産業にとって欠かせないものです。村内には民間の旅館・民宿もあるとはいえ、とても民間旅館・民宿だけで栄村を訪れる観光客すべてを収容することは無理です。
 いま、村は「秋山郷宿泊者数を現状の1万人から2万人に倍増したい」という方針を掲げています。「現状1万人」の中には苗場山頂の自然体験交流センターの宿泊客約4千人を含むそうですが、「2万人に倍増する」という場合、苗場山山頂の「センター」はハイシーズン満杯の状況ですから、基本的に旅館宿泊者を1万人ほど増加させるということになります。秋山郷の2施設、そして秋山郷観光の出発拠点ともなりうる「下」の2施設を宿泊施設として維持していくことが不可欠です。

 

● 黒字経営の可能性はあるか
 村の考えは、「公社は平成29年度が5千万円超の赤字、今年度も5千万円超の赤字見通し。毎年、公社に5千万円を超える資金を投入する財政的余裕はない」ということのようです。
 それはもっともな考えだと、私も思います。
 しかし、4つの施設を管理運営すると、本当に5千万円を超える赤字が避けられないのでしょうか? 私はそうは思いません。振興公社の経営は平成28年度以降、急坂を転げ落ちるように悪化しています。「平成27年度で3億円事業が終わったからだ」と言う人がいますが、それは正しくありません。3億円事業が入っていた期間でもある平成25〜27年度の3年間の決算データを検討してみると、4つの施設の管理運営そのものは営業収入約1億5千万円、経費約1億6千万円です(3億円関係の事業は省いて計算)。平成25〜27年度は「経営が成り立たない」という状況ではなかった、いや、それをベースに的確な営業活動を展開すれば、黒字化を展望することもできる状況だったと言えます。

 

● 「お客さまが来るのを待つ」のではなく、お客さまがいる所へ営業に出て行く
 つい最近、栄村の近くのある自治体の首長さんにお話を聞く機会がありました。観光を文字通りメイン産業としている自治体です。
「昨日、今日、大阪に行っていました。JR西日本、大手の旅行会社、メディア関係を廻ってきました」、「この後、東京には2回行きます」。
 いわゆるTOP(トップ)セールスですね。でも、単に「首長が行く」というだけのことではないことが、お話の内容から分かりました。何年も、何年もの積み重ねがあって、JRや旅行社、メディアから観光客の最新動向などをしっかりと聞き出せる関係が築かれていて、その動向をふまえた自治体側の対策がさっととれる。そうなっているのです。
 私は、ここで「栄村でも首長によるTOPセールスを」と言いたいのではありません。観光に携わる事業体(これまでの栄村では振興公社が中心バッター)が、首都圏などのいろんな企業や団体と太いパイプを築き、営業を不断にかけていく。そういうふうにならなければ、観光業はないということです。
 いま、有志の人たちが立ち上げようとしている新会社は、そういう観光業をめざすものだと私は思います。厳しい地点からのスタートになるでしょうが、やはり当初から黒字経営を目指して懸命に営業活動を展開していくことによってこそ、黒字化が実現していくのだと考えます。

 

● 村民パワーの結集が大事
 冒頭で紹介した「来年秋、北野で同級会をやりたい」と話した人は、こんなことも言っておられました。
   「集まるのは25人ほどだけど、村で暮らしているのは5人くらい。村の美味い

    モノをいっぱい食べさせたい。おれらが材料をたくさん持っていって、きの

    こ汁なんかもナメコなどがどっさり入っているものを出してもらえるように

    しようと思っているんさ。」
 素敵なアイディアですね。「外からのお客さんに満足してもらえるように、北野天満温泉の運営に自分たち自身が力を出す」ということですよね。北野天満温泉では、これまでも春にカタクリが咲く土手の草刈りを年2回、地元の人たちがボランティアでやって下さっています。
 トマトの国でもそういう思い、動きが見られます。地元・森の農業改善組合がトマトの国に組合への加入を勧め、自分たちが作った美味しいお米をトマトの国に収める、また、ソバの収穫祭をトマトの国で開催してトマトの国を盛り上げようというような動きです。
 新しい会社というのはこういう村民パワーを総結集するものであってほしい。
 振興公社も出発時にはそういう思いだったのではないかと思いますが、残念ながら、いつの間にか、そうではなくなってしまった。いま、村民自らがそういう状況を突破していかなければならない時です。私たち村民一人一人の「栄村を少しでも良くしたい」という思いと力が結集していけば、素晴らしい新会社を立ち上げていくことができると思います。

 


この記事のトラックバックURL
トラックバック