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栄村復興への歩み
2011年3月に震度6強の地震で被災した長野県栄村で暮らす松尾真のレポートを更新しています。

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松尾まことの議員活動報告第30号(9月17日付)

 9月4日から11日まで定例議会が開かれました。いわゆる「決算議会」です。しかし、議題は決算に限られていたわけではありません。暮らしに直結する内容の補正予算の審議もありました。
 秋山の路線バス廃止をめぐる対応策、地震被害を受けた農地の復旧に関わる予算措置、地方交付税交付金の大幅減額、平成29年度決算審議の内容、今後の村政のあり方に大きく関わる指定管理者制度に関する質疑内容。これらの点を中心として、9月議会の報告を記していきます。

 

 

◎ 暮らしに直結する問題――補正予算審議から
● 秋山の足をどう確保するか
 津南〜和山間で路線バスを運行してきた南越後観光バス蠅10月1日から見玉〜和山間の路線を廃止すると通告してきました。秋山の住民の足を保証する公共交通が無くなるという大変な事態です。
 村は、この間、秋山地区内で住民説明会を開催するなどしてきたようですが、議会に対して村がこの問題を明らかにしたのは、今回の9月定例会提出の一般会計補正予算(第5号)での代替措置の予算付け、議会全員協議会(村長提出)での説明が初めてのことでした。このこと自体、問題であると考えます。村は、「代替措置をめぐる津南町との調整が8月いっぱいかかった」ことを「理由」としていますが、最終確定案に至る前に議会と協議し、議会の意見を求めるべきだったと思います。
 代替措置は、津南町がすでに運行している見玉〜大赤沢間の代替交通(デマンドバス、1日3往復便)を和山まで延長するというもので、その経費の2分の1(375万円)を支出するというのが補正予算の内容です。(デマンドの運行時刻等は村の広報をご覧ください)。

 

■ 住民の意思やアイディアの汲み上げが不十分
 私は秋山の人たちからこの問題をお聞きしていたので、一般質問で村長の考えを質(ただ)す準備をしていました。「安心して暮らせる環境の確保と村財政の見通しについて」というテーマでの質問です。
 先にも書いたように、村は秋山地区の住民を対象とする説明会等を開催しています。住民の声に耳を傾ける姿勢であるかのように見えますが、私はそうは言えないと考えます。説明会というのは、村の方針を説明するものです。その方針が覆ることは基本的にありません。
 しかし、秋山地区の公共交通機関が無くなるというのは大問題です。そういう場合は、「方針」を決める前の段階で、「こういう問題が生じているが、どのように対応すべきか。みなさんの意見、要望、アイディアをお聞かせいただきたい」というところからスタートすべきです。1世帯から1人が出席するという通常の説明会タイプの会合だけではなく、秋山に居住する若者たち(平素は仕事との関係で「下」に居住場所を有しているが、頻繁に実家に帰り、秋山の地元行事の中軸を担っている人を含む)に意見・アイディアを求める会合や、秋山の地域おこし協力隊員の意見を聴く場などを設ければ、役場だけでは思いつかない斬新(ざんしん)な提案が出てくる可能性があります。
 一般質問でのやりとりから見ると、村(長)にはそういう発想法そのものがなかったと思われます。
 秋山の公共交通問題は、津南町が運行する3便の和山への延長という今回の策だけでは解決できていません。観光客への対応策を含めて、さらに対策を考えていかなければなりません。今後は、若者をはじめとする住民、そして観光関係者等を対策検討の主役として位置づけ、みなさんの意見・アイディアを汲み上げていくように、議会サイドから十分にチェックをかけていきたいと考えています。

 

● 5・25地震被災田んぼ復旧工事の自己負担率をめぐる問題
 今次補正予算には、農地に関わる「平成30年5月25日発生地震災害復旧事業」3,021万円が計上されました(国庫補助事業2,565万円、村単事業456万円)。
 復旧工事を求める農地はカバーされているようですが、問題は地権者・耕作者の負担率です。7年前の大震災時とは異なり、通常災害復旧工事の負担率20%が適用されています。負担額は305万円にのぼります。
 5・25地震で被災した農地の多くは7年前にも被災しています。「7年を経て再び同じ田んぼが被災」となれば、耕作継続意欲が削がれることも充分にありえます。ましてや、今回は20%の自己負担金が求められるとなれば、なおさらです。
 複数の議員が負担率の軽減を求めましたが、村は「この件の負担率を下げると、今後のさまざまな被害復旧工事の自己負担率に影響を及ぼす」として、軽減措置を拒否しました。
 私は納得できず、採決前の総括審議において、「7年前の震災の際、中越の被災経験者から言われたのは『農地の地震被害は1回の復旧工事だけでは治らないケースがよくある』ということだった。今回の農地被害について、7年前の被災との関係等をよく調査・検討すべきだ。そして、自己負担率は20%としたうえで、震災復興特別基金を活用するなどして、自己負担率を実質的に軽減する措置を検討すべきだ」と食い下がりました。
 これに対して、森川村長は、7年前の震災時に役場職員として農地復旧を担当した経験もふまえて、7年前の震災で被災した農地の現況等について調査する考えがあることを初めて意思表明しました。これが単なるリップサービスに終わらないように、私は他の議員とも連携して、今後も働きかけ・議論を続けていきます。

 

 

◎ 地方交付税交付金の大幅削減について
 7月24日、総務省が本年度の地方交付税交付金のうち普通交付税の決定額を発表しました(特別交付金は未確定)。栄村は13億6,540万円で、前年比13.3%の大幅減少です(平成29年度は15億7,452万5千円)。全国的にも前年度よりも減額されていますが、全国の市町村平均では2.7%の減少で、栄村の13.3%という減少率は突出しています。
 地方交付税の算出方法は「よほどの財政専門家でなければ分からない」と言われるほどに難しいものです。本年度、全国的に減額になっている原因の1つは、リーマンショックへの対応措置として続けられてきた特別枠が廃止されたことにあります。また、栄村の減額が突出して大きいのは震災から7年を経たことも関係しているのではないかと思われます。
 しかし、それにしても、13.3%という大幅減少は大ショック、きわめて大変な事態です。地方交付税交付金は栄村の年間予算の財源の45%近くを占めるものだからです。

 

■ 危機感にズレ
 9月定例会の一般質問において、相澤博文、保坂良徳、そして私の3議員がこの問題を取り上げました。いずれも村財政の今後に対する危機感を抱いての質問です。
 しかし、村当局の答弁は、「前年比では13.3%減だが、村の本年度当初予算での普通交付税見込額は14億8千万円なので、見込額比では8%減。特別交付税の交付額はこれから決まるので、その結果も見て、12月をメドに再算定を行い、12月議会ないし来年3月議会で補正予算を提出する」というものでした。
 村長及び村当局の答弁からは私たちと同様の危機感が共有されているとは到底思えません。財政に詳しい人からは、「そもそも本年度予算策定段階での交付税のヨミが甘い」という声も聞こえてきています。
 どう対応すべきでしょうか。
 第1には、地方交付税交付金というものが、石原慎太郎氏などが言う「地方への仕送り」などではなく、「税収は国7割地方3割、歳出は国3割地方7割」という現実をふまえて税収の適切な再配分を行うものだということをしっかり確認し、他の自治体と共同して地方交付税交付金の回復・増額を求めていくことです。
 第2には、村財政の見直しを徹底的に行うことです。
 栄村の財政規模は震災との関係で大きく膨らみ、いま、そこから平時の財政規模に戻るプロセスにありますが、森川村政においてはそのことが十二分に自覚されていないのではないかという危惧を多くの議員が抱いています。9月定例会の一般質問の質疑でもあったことですが、リップサービスのつもりなのか、億単位のお金を要する施設の改築などを村長が簡単に口にすることがあります。「村民の要望に耳を傾ける」というのは、必ずしも「予算付け」ということを意味するわけではありません。「“受け”が悪い」ということがあっても、財政の徹底見直しをきちんと行うことこそ、行政の長の責任・責務であることを肝に銘じてもらわねばなりません。

 

 

◎ 決算審議について
 9月定例会は“決算議会”です。今回は平成29年度の一般会計決算書と10の特別会計決算書が村長から提出されました。
 決算は、_餬彜浜者が村長に提出した決算を、村長が検討した上で監査委員に提出し、4萄紺儖の審査を受けたものです。監査委員は証拠書類や帳簿等もチェックし、決算の適正性を判断し、審査意見書を村長に提出します。ぢ篠垢牢萄紺儖の意見書を受けとめたうえで、その意見書と共に決算書を議会に提出し、認定を受けなければなりません。その際、「主要施策の成果説明書」等の必要書類を提出することも義務づけられています。
 議会は、9月7日の本会議で村からの決算書の提出をうけて、決算特別委員会を設置し(構成メンバーは全議員)、7日と10日の2日間、決算審査を行いまいした。決算特別委員会の委員長は慣例で2つの常任委員会の委員長が交互に務めることになっており、今回は産業社会常任委員会が当番ということで、私が委員長を務めました。そのため、私は今回の決算審査ではいっさい質疑を行わず、議事進行役に徹するところとなりました。

 

● 議会に求められる決算審査とは
 議会は、決算の審査において、決算の数字に誤りがないかについてもチェックする必要がありますが、それは監査委員が専門的な立場から精査されています。ですから、議会には、予算の執行によってなされた施策がどういう成果を出しているか、それらの施策の効果はどういうものなのかを吟味することこそが求められます。

 

● 浮かび上がった問題点
 2日間にわたって審査を行いましたので、質疑内容は多岐にわたります。そのすべてを紹介することは紙幅との関係で出来ませんので、とくに目立った論点を3つ、紹介・報告します。

 

■ 総額1億7千万円にのぼる「不用額」はなぜ発生するのか
 一般会計で見ると、歳出予算額38億9,846万円に対して、支出済額35億9,695万円、翌年度繰越額1億2,761万円で、じつに1億7,389万円が不用額になっています。「不用額」とは言いかえれば「執行されなかった予算」ということです。
 無駄遣いをすることは許されませんから、予算をただひたすらに使い切ればよいということではありません。しかし、「必要な予算」ということで決めていたものが使われずに残るというのは、やはり「何故?」という疑問が出てきます。
 審査は款(かん)(総務費、民生費等に区分されています)ごとに行われますが、保坂良徳議員が各款毎にくりかえし質問しました。村側の答弁の基本は「予算は執行率90%を目安にたてている」というものです。この答弁には一定の納得はできます。というのは、行政の通常業務の遂行や施策の実施にあたって予算不足が生じると困るからです。
 しかし、じつは3月議会に提出された補正予算において、年度内執行の見込みがない予算を減額する補正がすでに行われています。そういう減額修正があったうえでなお、1億7千万円余の「不用額」が発生するということにはやはり疑問が残ります。
 やはり予算編成に甘さがあるのではないかということです。
 私は今回で3回目の決算審査ですが、過去2回の審査では「不用額」の問題が問われることは基本的にありませんでした。今回は保坂議員の重要な問題提起が行われたと私は受けとめています。来年度の予算審議においては、そういう点にも留意して審議に臨むようにしたいと思います。

 

■ 特命対策課はどういう仕事で成果を上げているのか?
 第2款総務費の審査において、特命対策課の決算が1つの焦点となりました。
 特命対策課の予算支出済額は2,781万円でした。そのうち人件費関係が2,371万円です。人件費が占める割合が非常に高いのが特徴です。しかし、このことはある意味では当然です。というのは、特命対策課の設置にあたって村長は「特命課は事業予算を持たない課とする。事業予算が付く段階になれば、その施策の予算はその施策事業の執行に適した課につける」としていたからです。
 ところが、「予算執行の成果を示す」文書である「決算説明書」で特命対策課について言及があったのは、「食の高付加価値化プロジェクト」19万円と「利雪推進プロジェクト」50万円の2件のみ。「2,300万円余の人件費を使って、いったいどういう仕事をやっているのか」という疑問が生まれてきます。今回の決算審査では十分な説明は得られず、12月定例議会でより詳しい説明を求めることになりました。
 村長の肝いりで設置された特命対策課、設置から満3年まで残るところ半年余となりました。多くの村民の疑問に答えられる審議をしっかり進めていきたいと思います。

 

■ 社会福祉協議会への3千万円の補助金はどう執行されたのか
 昨年12月臨時議会で、村が高齢者総合福祉センターの指定管理者としている栄村社会福祉協議会に3千万円の補助金を追加支出する補正予算が決まりました。
 今回の決算審査では、上倉敏夫議員がこの3千万円の補助金の予算執行について繰り返し質問されました。答弁で3千万円が村から社協に支出されたことは確認されました。しかし、上倉議員は完全には納得されていないと私は受けとめました。
 この3千万円はじつは、運転資金の不足に直面した社協が村に「3千万円貸し付けてほしい」と申し出たことから始まっています。社協はデイサービスの実施に対して介護保険から支払いを得ることを重要な収入源としていますが、この支払いは2カ月遅れになるため、運転資金が不足するというわけです。これに対して、村は貸付ではなく、補助金として3千万円を社協に交付しました。補助金制度の本来から言えば、ある年度の補助金はその年度内に補助対象となった事業に使われ、所定の成果を出して、その結果を村に報告しなければなりません。しかし、社協では運転資金として使い、事業が軌道にのった段階で3千万円を村に返済するという態度を堅持していますので、平成29年度中に3千万円の補助金事業が実施されたわけではないということになります。上倉議員は財政の運用のあり方として、こうした事態は適正ではないということを言っておられるのだと思います。そして、一理あるご意見だと思います。
 私は、この問題の根底には、十分な財政計画なしで社協への指定管理をスタートさせたことがあると考えています。9月定例会期間中に担当課及び社協事務局から平成29年度の指定管理業務の報告書についてご説明いただきました。議員全員にも資料が配布されました。議会会期中に十分な検討をする余裕はありませんでしたが、今後、報告書の精査、さらなる聞き取り等を行い、村の介護保険行政の現状と将来展望についての検討を深めたいと思います。

 

● 特別委委員長としての審査報告
 決算特別委委員長は定例会最終日の本会議において特別委での審査結果について報告します。「審査の結果」として、「慎重に審査しました」とのみ発言することがこれまで慣例となってきたようですが、今回、私は次のように報告しました。

 

「決算特別委員会では、歳入歳出予算執行の結果を総合的に確認し、検証して予算効果と行政効果を客観的に判断すべく、多岐の論点にわたって質疑を行いました。その過程で、予算の執行をめぐって反省すべき事項や改善すべき事項の指摘も行いました。村長におかれては、今回の決算審査で指摘された事項を今後の予算編成や財政運営に活かされることを求めます。また、議会においては、今後の予算審議、財政運営に対するチェックに活かすことが求められます。
なお、審査の過程において、「主要施策の成果」等を記す「決算説明書」は、予算執行の単なる実績、データではなく、施策の実現を目指して措置された予算の執行によって成し遂げられた効果を明らかにすべきものであるところ、その効果についての説明が十分にはあきらかにされていないものがあるとの指摘があったことを明記しておきます。平成30年度以降の決算書における改善を求めるものであります。」

 

 これが平成29年度決算についての私の判断を言い尽くしています。これをもって、決算審査に関する報告のまとめとします。

 

 

◎ 指定管理者制度について
 私は9月定例会の一般質問で、「観光は村の基幹産業」という認識について森川村長の確認を求めるとともに、指定管理者制度についての森川村長の考えについて尋ねました。
 森川村長は、「観光は栄村の基幹産業である」という認識を改めて表明するとともに、「村の公の施設の管理運営のために指定管理者制度は必要だ」という考えを示しました。そして、「指定管理者の公募にあたって、村側が示すべき募集要項はいかなるものか。施設の管理運営に要する経費、利用料収入、そして指定管理料はいくらになるのかを算出し、それを示す第一次的責務は募集者、応募者のいずれにあるのか」と私が問うたのに対して、「提示する責任は募集者側(村)にある」旨を答弁しました。
 私は、観光4施設の(一財)栄村振興公社への指定管理の実態に鑑みて、「実際はそのようになっていないのではないか」と再質問しました。それに対して森川村長は「確かにそうだ。相手側となれ合いになっていたところもある」旨の答弁をしました。
 私は、この質疑は非常に重要なものだと考えています。
 指定管理者制度の運用は観光施設の振興公社による指定管理だけでなく多岐の施設において行われていますが、とくに4つの観光施設の管理運営が大きな問題となっている現在、平成31年度にむけての指定管理者の募集にあたって、今回の答弁に則った措置がきちんと行われるかどうか、しっかり見守っていきたいと思います。

 


 以上、9月定例会についての私の報告とします。


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