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栄村復興への歩み
2011年3月に震度6強の地震で被災した長野県栄村で暮らす松尾真のレポートを更新しています。

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松尾まことの議員活動報告第25号(3月15日付)

“正念場”突破へなんとか一歩踏み出しました
           3月定例会の報告

 

 2月21日発行の「議員活動報告」第24号では、3月定例議会を「栄村の正念場」と位置づけ、みなさんに傍聴して下さるよう、お願いしました。
 定例会は5日に開会し、13日に閉会しました。その評価を一言で言うと、どうなるか? 注目されるところですが、私は次のように考えています。

 

   “正念場”を突破することはとても大変なことであり、実際、

   本定例会は連日夕刻5時まで議論が続くなど厳しい展開が続

   きましたが、“正念場”を突破していく第一歩を踏み出すこと

   はできたのではないか。

 

 「第一歩を踏み出せた」と評価するメルクマール(指標)は3つあります。
 第1は、議案審議、とくに新年度予算の審議において、予算・施策が村民の思いを充分に反映したものとなっているか、予算は充分に精査されているか(無駄な支出を削ること等)を議員が具体的かつ徹底的に解明していったことです。
 第2は、振興公社をめぐって、職員(村民)が気持ちよく仕事に取り組め、地域住民の元気の源となる振興公社の実現にむけて、経営体制の刷新の大きな一歩を築いたことです。高橋規夫公社理事長は3月12日付で辞任しました。
 第3は、議員が本会議・委員会、さらに全員協議会で徹底論議し、村民目線での議会意思の形成へ不断に努めたことです。
 もちろん、まだ始まりにしかすぎません。少しでも気を緩めれば、後退しかねません。村民のみなさんに3月定例会の結果をしっかり報告し、みなさんのご意見を募り、それを基にさらに研鑽を深め、村の予算執行へのチェック能力、さらに政策形成能力を高めていかなければなりません。みなさんの一層の注目とご意見をお願いする次第です。

 


◎ 振興公社が新しい道を踏み出します。住民の支援・協力で支え、応援していきましょう。

 村の4施設を指定管理で栄村振興公社に託する5ヶ年契約が3月31日で期限切れとなります。そのため、3月定例会には、村と振興公社の新契約が村から提出されました。
 議会は3月5日の指定管理関係議案の審議に高橋公社理事長(当時)を参考人として招致するなどして、徹底審議を行いました。
 その結果、高橋理事長に退いていただき、新しい体制で振興公社の事業を展開していく方向性を確立することで議会全員の一致をみ、さらに村にも同意してもらい、近日中に臨時議会を開催して、村と公社の新契約を議決するとの結論に達しました。

 

● 職員がやる気を発揮できる環境の整備――公社立て直しの最重要テーマ
 「議員活動報告」前号で報告したとおり、振興公社の赤字は限りなく膨らんでおり、3月定例会に提出された今後5年の収支計画書はさらにひどい予測を示していました。
 私たちは、2月16日に行った公社理事会との懇談会、26日開催の公社職員との懇談会で聴取したことなどをベースに問題点を検討した結果、「理事長と職員の間に深い溝が出来ている。問題は理事長側にあり、そこにメスを入れて、職員が気持ちよく働ける環境を取り戻すことが公社立て直しに不可欠」という判断に達しました。
 7日の本会議終了後、議会全員協議会(議員のみでの議論)を開催し、議員が一人残らず全員自分の意見を述べて、高橋規夫氏の理事長辞任を求めることを確認し、その結論を村と公社の双方に申し入れました。
 3月12日、振興公社の評議員会(理事の任免権を有する)が開催され、高橋規夫氏が3月12日付の辞表を提出、評議員会はこれを受理しました。
 これによって、議会最終日には、新体制の公社との間での指定管理契約が議決されるはずでしたが、「辞任した理事長がなお当面の間、公社を統括する」というまったくおかしな動きがあったため、3月定例会会期中の決着とはせず、1週間ほどの期間をおいて、誰もが納得できる新契約書を整えてもらうということで、村側の新議案提出−審議・議決を臨時議会に先送りしました。

 

● 公社職員と地元住民の協力が重要に
 新体制の構築に踏み出した振興公社ですが、難題が山積しています。職員の絶対的な不足、経営監理体制の不備、赤字を解消できるだけの誘客の方策をまだ編み出せていないこと、等々です。これからの1年間でいっきに再建を実現することは難しいと思われます。〈再建への礎を築く1年〉と考えるのが妥当でしょう。
 そのために取り組まなければならない課題は多々ありますが、いちばん大事なことは公社職員と住民の連携・協力関係を創り出していくことだと思います。村の宿泊温泉施設というものは、純民間企業がただ利益をあげることだけを目的に経営するものとは異なります。やはり、〈村民みんなが気持ちよく利用できる〉ことがベースにあって、職員と住民が力を合わせていくことによってこそ、外からの観光客のみなさんを温かく出迎え、よりよいサービスを提供することができます。
 そういう考えにたって振興公社を再建すべく、議会は村が関連議案を出してきた時だけ議論するという域を脱し、平素から公社の経営・運営をチェックし、よりよい運営のために知恵を絞るように努めていきたいと思います。
(なお、振興公社の再建にむけてのアイディアの一端は私が編集・発行する「栄村復興への歩み」No.329で提案したいと思います。)

 


◎ 新年度予算について

 3月定例会は別名「予算議会」。議会は村長が提出した一般会計総額37億1千万円と特別会計(10本の特別会計がある)総額12億4,542万7千円の平成30年度予算を可決しました。
この予算を執行する形で、4月1日から1年間の村の行政が展開されていきます。
(なお、一般会計と特別会計を合わせると49億5,542万7千円になりますが、この金額が栄村の年間財政規模を表すわけではありません。というのは、一般会計から特別会計に繰入れられたものがあり、その金額が一般会計と特別会計で二重にカウントされているからです。その分を差し引くと、栄村の平成30年度財政規模は約46億5,700万円程度になります。)

 

● 予算案はどのように審議されたか
 予算案は、5日の本会議で村長から提案されました。その後、8日の本会議で総務課長が補足説明をした後、議会が予算特別委員会(議員全員が委員となる)を設置し、同委員会で総務費、民生費等々の費目順に2日間にわたって審査しました。
 予算特別委員会では、議員が「質問の必要がある」と判断した予算の項目を指摘し、村長や課長の答弁を求めます。さまざまな問題点が指摘されますが、村長や課長は予算を正当化する立場から答弁します。
 予算特別委員会ではこういう質疑を一般会計、各特別会計のすべてについて行いました。そして、定例会最終日13日の本会議では予算案に対する反対、賛成の討論を行い、その後、採決が行われました。討論では反対討論はなく、保坂良徳議員が賛成討論を行いました。ただし、保坂議員の討論は「予算案に諸手(もろて)を挙(あ)げて賛成」(=無条件に賛成)ということではなく、むしろ予算案の種々の問題点を指摘し、予算執行に際してその点に留意することを村長に厳しく求めるというものでした。
 採決は起立方式で行われ、議長を除く9議員全員起立の全会一致でした。

 

● 予算案可決の意味
 「賛成討論」について「諸手を挙げての賛成ではない」と書きましたが、私を含めて多数の議員がそういう思いです。
 では、なぜ「反対」し、否決しなかったのか。新年度が間近に迫り、3月定例会で予算が成立しない場合、4月1日からの村行政がストップするからです。国レベルでは、3月31日までに新年度予算が成立しない場合、当面する行政執行に必要な経常経費のみを計上した暫定予算を編成しますが、村レベルではそういう暫定予算の編成には困難があります。
 否決を選択するのは、4月1日からの行政機能のマヒを覚悟してでも否決しなければならないほどの大問題がある場合に限られます。
 残された対応策として「一部修正」を議員が提案するという方法がありますが、削るべき費目を削るというだけでは修正案として認められません。予算の歳入・歳出の全体について整合性がつくように修正することが求められ、かなりの時間と専門知識を要する作業となります。議会開会1週間前に初めて予算書を渡された議員が議会開会中にそこまでの修正作業をすることは限りなく不可能に近いことです。
 したがって、私たちは予算の成立を認めた上で、今後の予算執行段階で無駄な支出をしないことや補正予算での実質修正を村側に求めていくという道を選択しました。

 

● 村民の暮らしに直結する事項
 新年度予算で村民の暮らしに直結する事項を紹介します。
 1つは、介護保険料の値上げです。
 予算と同時に3月定例会に提案された「栄村介護保険条例の一部を改正する条例」が賛成多数で可決されました。この結果、65歳以上の1号被保険者の支払額は基準額で月300円(年間3,600円)引き上げとなりました。年金のみで生計をたてている人にとっては非常に大きな打撃となります。
 2つは、保育園の保育料の引き下げです。
 少子化対策の重要性が叫ばれる中、子育て家庭の負担が軽減されること自体はいいことだと思いますが、今回の予算での保育関係施策は、保育園父母のみなさんが村に要望されている最優先事項(保育士体制の充実など保育環境の整備・充実)に充分に応えるものにはなっていないと思います。
 3つは、秋山の交通対策です。
 朝と夕の秋山・和山行きの路線バスが無くなったことに代替するデマンド交通を津南町と共同で運行する予算(総額1千万円、津南町と折半)が一般会計に計上されました。

 

● 無駄な支出、疑問のある支出・経費算出について
 先に書いたように、新年度予算は全面賛成できるものではありません。とくに問題があるものについて(紙幅が許す範囲ということで)4点に限って指摘します。
 第1は、村民の思いが予算に反映されていないものがあることです。典型が消防団の待遇改善をめぐる問題です。3月定例会には消防団の待遇に関する条例の改定案が出され、予算もそれに合わせる形になっています。ところが、総務省基準では消防団員への報酬が3万6,500円であるのに対して、村ではわずか1万4千円(月額ではなく年額です)。背景には村の財政事情もありますが、いちばんの問題は消防団の活動に対する思い(評価)が村側から伝わってこないことです。
 第2は、無駄な支出、練られていない支出があることです。前者の典型は「食の高付加価値化プロジェクト」(約128万円)。予算の77%が村外アドバイザーへの謝金や委託料に充てられ、村民はタダ働き同然の扱いになっています。また、物産館食堂・厨房改修費として4,950万円も計上されていますが、「道の駅」と物産館をどんな施設にしていくかの全体像がまったく練られていません。
 第3は、この1年間の議会での村長答弁が守られていないことです。たとえば、12月定例会で村長は私の質問に答えて、「若者定住マイホーム支援事業」と「住宅リフォーム支援事業」を抜本的に見直すとしたにもかかわらず、新予算に前年とまったく同じ予算をつけてきました。しかも、3月補正予算でこれらの費目のほとんどが使い切れないで減額する修正をしているにもかかわらずです。
 第4は、不明瞭な金額があることです。簡易水道の水源地・配水池の買収が予算計上されていますが、計12か所で総額は約127万円。1崚たり283〜319円になります。ところが昨年、切明の水道源泉地の買収は1崚たり1,500円。まったく納得し難いことです。

 

 以上、新年度予算に関する報告です。今後の予算執行状況をしっかりチェックしていきたいと思います。

 


◎ 森川村長の不適切発言について

 すでにご存じの方も多いことと思いますが、3月6日の一般質問への答弁において、村長森川浩市氏が、私・松尾眞の名を挙げて、まったく根拠なき誹謗中傷を延々と行うという前代未聞の事態が起こりました。私の名誉を毀損(きそん)するものであり、議会の秩序と規律を破壊する暴挙です。
 議会は8日に議会全員協議会を開催し、この事態について協議し、全会一致で森川氏に撤回と謝罪を求めることを決めました。そして、翌9日、森川氏に〈撤回・謝罪〉をするように申し入れました。しかし、森川氏は拒否。事態は暗礁に乗り上げました。
 12日、私は公式的なルートで、村長が発言を撤回すること、それに対して私が冷静に対処することを求める打診を受け、了解しました。しかし、議会最終日の13日になると、森川氏は「撤回を撤回」、すなわち撤回も謝罪もしないというのです。これにはもう呆れ果てるしかありません。

 

● 刑法230条違反が明々白々な誹謗中傷
 森川氏の発言は、刑法230条が犯罪と規定する「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀し、損した」ものです。森川氏は、私が議員という公職の地位にあることから、同条の例外規定に該当し、森川氏は罰せられないと強弁しているようです。しかし、その例外規定は、「真実であることの証明があったとき」に適用されるものです。いま現に松尾が「中核派と関係がある」とか、「村民を脅している」というような荒唐無稽なでっち上げ話が「真実である証明」など出来ません。森川氏の発言が刑法230条に違反するものであることは誰の目にもあきらかです。

 

● 議会の秩序と規律を破壊する暴挙
 森川氏の暴言は私・松尾を誹謗中傷するにとどまらず、議会の秩序と規律を破壊するものであり、議会への攻撃でもあります。
 地方自治法や議会会議規則は、議員が他の議員を個人攻撃することを固く禁じ、そのような行為は懲罰の対象とすることを規定しています。最も厳しい懲罰処分は議会からの除名、すなわち議員資格のはく奪です。しかし、行政の首長がそのような行為を行うことは想定しておらず、議会の懲罰権は首長には及びません。
 そこで、議会は全員協議会を開催し、徹底議論の結論として、森川氏に発言の撤回と謝罪を求めたのです。森川氏がこれを拒否したことは、議会の意思をまったく無視することを意味します。

 

● 法的手段を用意しつつ、事態に冷静に対処していきます
 議会には森川氏に〈発言撤回・謝罪〉を強制する権限がありません。同時に、〈撤回・謝罪〉を求める姿勢を堅持しています。9日の全員協議会でそのことが確認されました。
 私・松尾は誹謗中傷を受けた被害者本人です。
 村民の方々から、また近隣市町村の方々から「攻撃に負けないで」という励ましの声をたくさんいただいています。有難うございます。
 私は、栄村議会の議員(議会の一員)として、議会の意思に基づいて行動します。すなわち、森川氏に〈撤回・謝罪〉を求めるということです。
 同時に、被害者当人として、身を守るために必要なことはせねばなりません。すなわち、法的手段に訴えることです。私はすでにその用意を整えていますが、究極の目的は議会の秩序と規律の回復にあります。そのことを肝に銘じ、議会のみなさんと緊密に連携しながら、冷静かつ慎重に対応していく考えです。
 村民のみなさまのご理解とご支援をお願い申し上げる次第です。

 

 

◎ 議会と議員の役割について思うこと

 今回の3月定例会を終えて、私は予算議会を2回経験したことになり、早いもので議員になって満2年を迎えようとしています。
 昨年の村議選で初当選された議員の方々からは、「1年生議員だが、今度の議会では1期4年分くらいの勉強をさせてもらった」という感想をお聞きしています。私自身もたいへん学ぶことの多い議会でした。3点ほど、思うところを記したいと思います。

 

 第1点は、時間をかけた調査・勉強・話し合いが大事だということです。
 予算議会に臨むにあたっては議員仲間で勉強する機会もありましたし、また、議会全員協議会で時間をかけて議論し、議会の意思を形成することも多くありました。今後、審議すべき内容が量的にも質的にも膨大なものとなる予算議会などでは会期以前の段階で議会全員協議会をフルに活用し、役場の説明を求め、議会としての意思形成を進めていくことが望ましいと思います。
 第2点は、〈チェック機能〉の発揮が新しい政策・政治をきりひらいていくということです。
 「この予算はどういうことを実現しようとしているのか」――ここをしっかりと把握すると、村民の願いを反映する施策の実現にむけて、役場と詰めた議論をすることができます。平素から行政担当者に実務的なことをしっかり聞き取ることを不断に行っていけば、自(おの)ずと〈チェック能力〉が高まり、より良い施策に実現にむけて提案することもできるようになります。
 第3点は、報告活動を中心として日常活動をいっそう強めていかなければならないということです。
 3月議会には多くの村民の方々が傍聴に来てくださいました。が、「傍聴者への資料配布がないため、議場の質疑が理解しづらい」という声をたくさんいただきました。議員が平素から村の施策等についての報告をしっかりやっていけば、議会の質疑を理解する土台が形成されるのではないかと思います。それには、私自身がもっともっと勉強しないと充分な報告ができません。改めて、議員としての責務の大きさをしっかりと受け止め直し、日常活動のいっそうの強化に愚直に取り組んで参りたいと思います。
 今後とも、様々なご意見、ご指導をいただけますよう、よろしくお願い申し上げます。

 


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