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栄村復興への歩み
2011年3月に震度6強の地震で被災した長野県栄村で暮らす松尾真のレポートを更新しています。

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松尾まことの議員活動報告第22号(12月10日付)

12月定例会の報告

 

 今号は12月5日〜8日の4日間開催された12月定例会の報告が中心です。
 今次定例会では、村長専決処分の承認を求めるもの2件、議案7件、人事同意3件をいずれも原案通り可決(専決処分は承認、人事は同意)しました。村長提出議案を否決あるいは修正したものはありませんので、信毎などに大きな記事が出ることはありません。言いかえれば、“紛糾議会”ではなかったということです。しかし、「紛糾することがなければ、重要な議会ではない」ということではありません。村民の暮らしに直結する重要な内容が審議されました。今号では、その内容をきちんと報告したいと思います。
 今回の議会、傍聴者はきわめて少なかったです。否決案件があった1月臨時議会の時、席が足らなくなるほどに多数の傍聴があったのとは対照的です。傍聴者への資料の配布がなくて、審議の内容が分かりづらいという問題がありますが、充実した審議に努めていますので、今後の議会、是非、傍聴にお越しくださいますよう、お願いいたします。


◎ 承認した専決処分2件の内容
■ 専決処分とは
 〈ある案件が緊急を要し、議会を招集する時間的余裕がない場合に議会の権限に属する事項を村長が議会に代わって意思決定する〉ことを専決処分と言います。ただし、村長は次の議会に専決処分の内容を報告し、議会の承認を得なければなりません。抽象的に言っても分かりづらいかと思いますので、今回の専決処分の内容を具体的に紹介しましょう。
 1つ目は、9月29日に行われた専決処分で、一般会計補正予算(第4号*)1,040万4千円です。10月22日に行われた衆院選挙の経費540万4千円と、秋山路線バスのダイヤ改定への対応に関する経費500万円です。衆院選の経費は全額、国庫から委託金が支払われますので、村の財政負担は発生していません。
   *「第4号」というのは本年度4回目の補正ということを意味

    します。


● 秋山の路線バス減少への対策経費について
 この問題は、本「議員活動報告」第19号(9月18日付)で少し言及しました。南越後観光の秋山路線バスの朝の第1便と夕刻の最終便が10月1日から見玉止まりとされたことへの対策として、森宮交通にデマンドバスの運行を委託するというものです。9月19日の議会全員協議会で村長から事前説明・協議がありましたので、専決処分そのものには問題ありません。
 私はこの路線バス代替のデマンドバスの10〜11月の運用状況を尋ねました。10月は利用回数13回、乗車数20名、11月は12回、12人という答弁でした。この数字は早朝便と夕最終便の必要不可欠性を示しています。
 南越後観光は赤字バス路線を廃止する方針を強めていて、昼間の4便についても来春4月以降維持されるかどうか、不安があります。対策を真剣に検討していかなければなりません。今議会では阿部伸治議員が一般質問でこの問題を取り上げました。今後、さらに議論を深めていきたいと考えています。

 

● 台風21号被害の復旧のための補正予算9,972万4千円
 約1億円です。村の年間財政規模(本年度の一般会計年初予算は35億6千万円)からすると、台風21号の被害の大きさが分かります(なお、笹原〜長瀬間の土砂崩れは県道なので県費で復旧されます。したがって、その復旧費は村補正予算には入っていません)。
 農地災害復旧費9,313万5千円、林道関係130万円、村道関係450万円などです。
 財源としては、支出額の約半分に当たる4,308万5千円について県の災害復旧補助金を見込んでいますが、県の査定を受けて初めて補助金額と復旧工事の内容が確定します。
 私は、議会開催前に産業建設課を訪ね、復旧補正予算が付けられる箇所を尋ねました。箇所数のみ説明を受けましたが、県の査定が確定した後、具体的な被災箇所と復旧工事の内容を改めて尋ねるつもりです。
 専決処分の審議では、地元負担金との関係で復旧工事を断念したケースがあるかを尋ねました。1件あったそうです。今回の復旧予算の財源のうち1,119万円は地元負担金です。負担率は昨年度に引き下げられたとはいえ、農地で20%、農業施設、村道、林道で10%。被災した地元にとってきついものです。災害時の地元負担を軽減できるように、国の制度の改革を含めて、追求していく必要があります。

 

 

◎ 補正予算5件と条例改正2件の内容
 村長提出議案7件の内訳は、一般会計補正予算(第5号)、国保特別会計補正予算(事業勘定と施設勘定の2件、それぞれ第3号)、介護保険特別会計補正予算(第3号)、簡易水道特別会計補正予算(第3号)の補正予算案件5件と、福祉医療費給付金条例と村営住宅条例の改正案2件です。重要な補正内容、暮らしに直結する条例改正内容に絞って説明します。

 

● 社協への事業運営補助金3,960万円
 一般会計補正予算(第5号)の総額は5,269万1千円ですので、社協への事業運営補助金が占める割合は非常に大きいものです。
 この件については、「議員活動報告」第21号でも言及しました。11月16日の議会全員協議会での「指定管理料を年度途中で増額するのはおかしい」という指摘を村長が受け入れ、3,960万円全額を「事業運営補助金」として支出することにしたことは評価できます。
 そのうえで、私は「高齢者総合福祉センターの指定管理料と社協事業運営補助金について、十分な整理・検討が行われていないのではないか」と質問しました。担当課長から、「高齢者総合福祉センターの社協への指定管理とデイサービス委託の本年度からの実施を急いだので、十分な精査ができていない。本年度の結果を見て、十分な精査をふまえた予算編成ができるのは平成31年度からにならざるをえない」との答弁。
 高齢化がどんどん進む中、介護サービスがどうなるのか、村民にとって死活問題です。「家族が介護サービスを必要とするようになった時、最初にどこに相談に行けばよいのか、分からない」、「介護サービスの全体像が分からない」という声も多く聞きます。
 議会では、産業社会常任委員会が1月に社協との懇談会を開催し、介護サービスについて検討を深める予定です。

 

● 医療費無償化を高校生まで拡大
 「福祉医療費給付金条例」の改正です。じつは9月定例会での条例改正に続く本年2回目の改正。9月の改正では、中学生までの医療費が無償化されましたが(実施は来年8月から)、県内他市町村の動向を調べたところ、無償化の対象を高校生にまで拡大した市町村が多かったことが判明し、栄村も無償化の対象範囲を高校生まで広げることになりました。

 

 

◎ 一般質問であきらかになった重要論点
 12月議会は定例会ですので、6日、7日の2日間、一般質問が行われました。8議員が一般質問しました。中には、「平素から役場の担当部署に尋ねれば、わざわざ一般質問しなくてもすぐに分かることじゃないか」という類のものもありました。また、重要な内容の質問であるにもかかわらず、村長あるいは副村長、課長の答弁が内容空疎で、議員の質問に真剣に答えないケースも見られました。
 しかし、‖篠垢ら重要な答弁を引き出したケース、村政(行政)の問題点が浮き彫りになったもの、森川村政が目指す方向性があきらかになったものがありました。以下、それらの点について報告します。

 

● 移住促進にむけて、住宅斡旋・提供の支援制度の改善へ
 この論点は私の一般質問でのものです。
 私は、今回は―の観光の総括、改善すべき点、⊃邑対策、移住・定住政策の2点を取り上げました。,療世諒鷙陲亙未竜_颪望り、ここでは△療世帽覆辰栃鷙陲靴泙后

 

■ 移住――昨年度、今年度の実績
 2015(平成27)年度に策定された「総合戦略・人口ビジョン」では毎年「5組(18歳以上69歳以下の男女各5名)の移住者を実現」と記されています。村の将来人口1400人を確保するうえでの鍵とされているものです。
 その実現度を尋ねたところ、昨年度は3件8人で、今年度(11月末現在)は2件3人でした。また、移住の相談件数はH27年度20件、H28年度8件、今年度4件です。

 

■ 移住を促進するうえで最重要のポイントの1つは住宅の確保
 いま、村に空き家は数多くありますが(現在126軒)、村営住宅に空きはなく、移住希望者(とくに若者)が入居できる住宅がありません。栄村に就職したにもかかわらず、住宅を確保できないため、村外から通勤している若者もいるのが現状です。
 全国各地の事例を見ると、「空き家・古民家を住居とするのに最小限修理しなければならない箇所(たとえばトイレと台所)のみ修理し、あとは暮らしながら何年もかけて徐々にリフォームしていく」という若者が数多く見られます。
 栄村の住宅支援政策は、こういう動向に対応できるものになっていないのでは?というのが、私が提起した問題。
 村の支援策は、(イ)マイホーム新築あるいは中古住宅購入には200万円補助、(ロ)村内業者の手で50万円以上のリフォームした場合に10万円補助の2つのメニューのみ。(イ)は住宅購入資金がある定年退職者には対応できるが、若者には不向き、(ロ)は震災復旧対応メニューで、自分の手で家を直しながら移住する若者は利用できません。
 村長は私の問題点指摘を受けとめ、住宅確保のための村の支援制度の全面見直しを明言しました。これは移住者確保政策の強化への重要な一歩であり、私は今後、具体的な方策の提案を進めていきます。
 村は今年、国の方針に従う形で「空き家バンク制度」を発足させましたが、全国の先行事例を見ると、あまり効果がないことがであきらかになっています。移住希望の若者の声を受けとめ、全国各地で有効性を発揮している民間の知恵・手法を栄村でも活かせるようにしていきたいと思います。
 村長はまた、役場の移住相談受付の窓口が一本化されていない現状を見直すと明言しました。

 

● 行政サービスの一部の民間移行(委託)をめぐる問題
 これは相澤博文議員の一般質問で出てきた論点です。
 私が注目したのは、行政サービスについて、森川村長が「民間に委ねられるものは民間に委ねる」と明言し、具体的事例として、今年春から実施されているデイサービスの社協への移行を挙げ、さらに観光協会の一般法人化−観光課業務の移行、診療所の個人開業院化の可能性に言及したことです。
 村長の発言の背景には、栄村の財政力の弱体性、役場職員の現行定員の維持が困難化する可能性があります。
 私は、「民間に委ねられるものは民間に委ねる」という考えそのものは一概に否定すべきものだとは思いません。「行政サービス」という言葉が当たり前のように使われる昨今ですが、行政は「なんでもサービス機関」ではありません。しかし同時に、住民福祉の増進は行政の責任であり、サービス事業の民間運営化で行政の責任が曖昧になることがあってはなりません
 また、財政の観点だけからの検討には、国レベルの先行事例に見られるように、「公務員は人件費が高い。人件費圧縮のために民営化」という発想法に流れる傾向があります。しかし、これは現場で働く人たちの給与を含む労働条件の悪化を引き起こす危険があります。
 村の行政の適正規模・あり方について、慎重かつ十分な検討・議論が必要です。

 

● 集落懇談会等で出された意見・要望の取り扱い方
  ―― 全面公開がスジなのに、内容を答えない役場の姿勢は問題
 集落懇談会、女性の会など、村民が村長や役場にむかって種々の意見や要望を話す機会があります。最近もかなりの頻度で、村内各所で開催されています。
 そういう場で出された声を行政はどう扱っていくのか? 村民のみなさんが知りたいところですね。12月定例会の一般質問では、保坂良徳議員が質問しました。
 私は、懇談会等で出された村民の声を箇条書き的に整理した一覧表のようなものが村から発表されれば、村や議員が解決にむけて取り組むべき課題が明確になっていいなと思って、村側の答弁に注目しました。
 ところが、村長や課長から返ってきた答弁は非常に残念なものでした。
 「出された要望・意見を担当課に振り、そこで検討させる」という答弁です。
 たしかに、村民の要望に応えられるかどうかについて、担当課での検討は必要ですが、それ以前に村長・役場としてやるべきことがあると思います。上に書いたように、懇談会で出た村民の意見や要望を公開することです。この公開を行えば、「あっ、私と同じようなことを考えている人がいるんだ。私一人だけがそんなことを考えているのかなと孤立感を感じていたが、同じようなことを考えている人がいるんだということで元気が出てきた」、「ほう、他所の集落でもうちの集落と同じような課題を抱えているんだ」という反応が出てきます。
 情報公開は村民の思いの共有を生み出します。これが村の元気、活性化を生み出していくのです。
 また、懇談会で出された意見・要望の全面公開がされないと、どういう意見・要望は村に受け入れられて実現されたのか、どういう意見・要望は斥(しりぞ)けられたのかがわかりません。そういう事態は行政の公平性を保っていくうえでも好ましくありません。

 


◎ 議会全員協議会 ―― 笹原〜長瀬間の災害対応を協議
 定例会の際には必ず、議会全員協議会(議長提出)が行われます。村長ら理事者側は出席せず、議員だけで協議する場です(以下では、「全協」と略します)。
 「議員活動報告」前号でも少し書きましたが、従来、議論らしい議論があまりできていませんでした。12月定例会での全協は、11月28日の議会運営委員会で議題調整を行った段階では、1月の全協の日程調整以外の議題がないようでしたので、私は11月16日の全協に続いて、県道笹原〜長瀬間の災害・通行止めの問題について、議会としての検討、県・村への要望等について議論するように提案しました。私の提案は採用され、12月定例会の初日5日の午後、議員間での議論が行われました。地元議員として桑原武幸氏が報告を行い、さらに産社委員長として11月28日の地元説明会を傍聴した私も報告しました。
 その後、議論が行われ、冬期間の雪崩への対応等について、議会の考え・要望をまとめ、議会終了後、村長に申し入れを行うことになりました。
 以上、経過の報告のみですが、少しずつ、全協のあり方が変わりつつあるかなあと思います。

 ところで、議員が議会閉会中に、議員としてどんな活動をどのように行うのかをめぐって、私は議長や事務局から注意を受けることがよくあります。議員としての活動を議会が開催される時だけに限れば、何の摩擦も生じませんが、それはいいことではないと思います。法律・規則等に定められたルールに従ってですが、私はもっともっと「暗黙の慣例」のようなものには縛られず、積極的に活動していきたいと思っています。

 


◎ 観光レクリエーション施設等管理運営に関する調査研究特別委員会
 6日午後、全協の終了後、特別委員会の初会議が開催されました。議論の主テーマは特別委員会での検討の進め方。
 12月定例会開催前に相澤委員長の発案で、「観光レクリエーション施設」の運営実績に関する資料の提供を役場に求めましたが、各施設の年度別収支や客室稼働率などが記されたペーパーが2枚提出されたにとどまり、特別委での議論の材料に足るものではありませんでした。
 そこで、「施設の現場で働く人たちの声を聴くことから始めよう」ということになりました。ただし、議員が10名もずらっと顔を揃えた状態で、「みなさん、率直な声をお聞かせください」と求めても、現場の人たちはモノを言いにくいだろうという判断で、議員数名で現場施設を訪れ、ざっくばらんに現場の声を聴くという方式を採用することにしました。また、村が観光レクリエーション施設に指定している施設をご利用のみなさんの声をお聴きする機会も設けようという話になっています。
 特別委委員長・副委員長でスケジュール案を作り、かなりピッチを上げて、この現場意見聴き取り活動を進めていきたいと考えています。現場のみなさん、どうぞ、率直な思いをお聞かせください。

 


◎ 来年度の予算は、どういうスケジュールで編成されていくか
 1年が過ぎ去るのが早いですねえ。もう師走です。
 年末を迎えて、新聞・TVのニュースで頻繁に報道されるのが国の来年度予算です。村も来年度予算の編成期に入っています。
 「平成30年度予算案」が村議会で審議されるのは来年3月上旬の定例会です。しっかり審議し、村民の声が反映される予算にしたいと思いますが、審議対象となる予算の編成権は村長のみが有しています。その予算編成の段取りはどうなっているのでしょうか。
今月12月は、各部署から出された予算要求に基づく予算原案の課長クラスによる査定が行われます。そして、それをふまえて、1月に理事者査定が行われます。理事者査定−村長の査定によって予算案が最終的に固まっていくわけです。
 したがって、「こういう予算は是非とも確保してもらわなければ」というものがある場合、12月〜1月上旬にもう一度声を大にして訴えることが大事だと言えます。
 とは言っても、村民のみなさんが一人で役場に行って申し入れをするというのは気が重いですよね。ご要望がありましたら、是非、議員に声をおかけください。大事な要望の実現のためには積極的に動いていきます。

 


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