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栄村復興への歩み
2011年3月に震度6強の地震で被災した長野県栄村で暮らす松尾真のレポートを更新しています。

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今秋の観光の動きから、次の展望はどのように生まれているか(続編)

 前号の続きです。
 〈次の展望〉を話題にしたいと思います。

 

● “人”が鍵
 前号で雄川閣と苗場荘のことを紹介しましたが、お客さまと接する“人”が鍵を握っていると言えますね。
 かつての「秘境ブーム」の時に秋山郷を訪れる人びとをおもてなししてくださった方たちの多くは高齢になられ、民宿業を引退されています。それに代わって、徐々にですが新しい担い手が出てきています。この人たちを大事にして、頑張ってもらうことが「次の展望」を確かなものにしていくうえで第1に重要でしょう。

 

「郷の市」。10月13〜22日、切明温泉雄川閣前で開催。カレーとナメコ汁で

地域おこし協力隊・杉森さんと観光協会・白濱さんがおもてなし。

 

 「人と接することが大好き」という人こそ栄村(観光)の宝・財産です。前頁に写真を紹介した10月の「郷の市」はそういう意味でとても意義ある企画だったと思います。私が訪れた10月17日の時の印象ですが、カレーが美味しかったのと同時に、杉森さん、白濱さんのお客さまとの会話がとても豊かで、これぞ〈おもてなし〉と感じました。こういう場・機会がもっと増えるといいなあと思います。

 

● 滞在時間を増やす工夫を
 「秋山郷の宿泊客が減っている」、「宿泊客を増やさなければ」という声をよく耳にします。たしかに宿泊客を一人でも、二人でも多く増やしたいですね。
 ただ、「志賀高原にぬけられる道路が出来て以降、お客が秋山郷に泊らなくなった」ということを言う人がおられますが、それはちょっと違うと思います。たしかに秋山郷を観光して、その日のうちに志賀高原まで進み、そこで宿泊という人がかなりおられるのは事実です。しかし、志賀高原から進んできて切明温泉に至り、さらには秋山郷全体を見るというお客さまが多い(405号線で秋山郷へ上がってくる人よりも多いとすら言えます)のも事実です。
 問題は、「秋山郷を観光して、その日のうちに志賀高原まで進む」ということが、なぜ、起こるかです。
 現在の秋山郷の観光の仕掛けでは、秋山郷を観光して巡るのに最大限で2〜3時間で足りてしまうことが最大の原因だと考えられます。これを半日、さらには6〜7時間に伸ばすことができれば、必然的に秋山郷に宿泊する必要が出てくるのです。その典型的な事例は登山をする人のかなりの多くが秋山郷で前泊ないし後泊をするということです。

 

秋山郷の中で巡るポイントを5〜10ヶ所提案する
 滞在時間を6〜7時間に伸ばしてもらうには、秋山郷に来られた方に、ただ405号線と和山・切明線、そして志賀方面への秋山林道を走って終わりというのではなく(これが滞在2〜3時間を結果する)、むらの中の道や林道に入ってもらい、5〜10ヶ所を巡ってもらうことです。
 それには、初めて来た人でもその5〜10ヶ所を自分で廻れるように案内する〈ガイドマップ〉を作成し、観光の人たちが車を停めるポイントに置いて、取れるようにするのがよいでしょう。〈ガイドマップ〉はおカネをかけず、手作りでよいと思います。
 置いておく場所ですが、たとえば奥志賀公園栄線の清水小屋(遊歩道コース)入口。ここは春〜秋の間、かなり多くの車が停まっています。その中の多くの人が「ここからさらに先に進めば秋山郷がある」ことをご存じありません。雨が降ってもガイドマップが濡れない木のボックスのようなものを設置して、誰でもガイドマップを手に入れられるようにすればいいですね。このボックスももちろん手作りです。

 

清水小屋入口の駐車スペース

 

 そして、このガイドマップに沿って秋山郷を巡る人が、訪ねた場所ごとにスタンプを押し、スタンプが5個を超えたら、その数にしたがって、なんらかの特典を得られるようにするのです。
 こういう形で巡っていただくスポットの事例をもう一つ挙げると、集落の関係者のみなさんのご了解が必要ですが、屋敷集落の中を歩いて巡るというのも素敵だと思います。布岩などが、よく知られているものとはまた違った姿で見えます。人びとの暮らしの様子(たとえば、春には揉んだゼンマイが干してある等)が垣間見えるのも観光に来た人たちにと
っては興味深いことだと思います。(下写真は11月初め、小赤沢にて)

 

 

● 補助金頼りのイベントでは成果は生まれない
 栄村だけに限った話ではありませんが、〈観光振興・活性化〉というと、すぐに補助金を当てにするイベントをやるというスタイルがあります。でも、そういうのが成果を生んだという事例はほとんど見ません。「一攫千金」の夢を追いかけてもダメと言いかえてもいいかもしれません。
 上の文章で、ガイドマップをめぐって〈手作り〉を強調しました。補助金頼りとは真逆の発想です。もちろん、わずかでも補助が出るというのであれば、それを拒む理由はないと思いますが、まずは〈やる気〉の人が数人でも集まって、〈小さなこと〉から始めるのがじつは大きな成果への着実かつ大きな第一歩となるのではないでしょうか。


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