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栄村復興への歩み
2011年3月に震度6強の地震で被災した長野県栄村で暮らす松尾真のレポートを更新しています。

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温泉入浴券の問題と振興公社をめぐって

 9月5日から村議会9月定例会が始まります(13日まで)。
 議会の開催は村長が招集するもので、8月25日付で招集の告示が出されました。その際、同時に、「付議事件」というものの一覧が告示されます。つまり、9月定例会に村長が提出する議案案件の一覧です。これは、役場玄関横の掲示板に張り出されていますので、どなたでもご覧になれます。

 

温泉に関する議案が出ていない!
 ここで驚くべき事態になっています。7月から8月にかけて計3回にわたり、村長の要請で開催された議会全員協議会で協議された温泉入浴券問題の打開に必要な栄村温泉条例に関する議案が「付議事件」の中に入っていないのです。
 私は目を疑いました。
 でも、議案は現に出てきていません。
 9月定例会会期中に追加議案として提出することも可能ですが、あれほど時間をかけて議論してきた問題の議案を議会の開会に間に合わせられないとは、いったい、どうなっているのでしょう。

 

「公社が管理する温泉は公社が独自に年間券を発行する。価格は3万円」との案の根拠が完全に崩れました
 この間の全協での協議では、村長は、「公社が管理する温泉は村が発行する共通入浴券の対象から外す。公社管理の温泉の入浴券は公社が独自に発行する。価格は年3万円、高齢者は2万8千円」と提案してきました。
 8月21日の全員協議会ではNo.314でも速報したように、「年間入浴券単価の試算」というものが提示されました(商工観光課長の説明では振興公社が作成したものだそうです)。詳しく紹介します。


・「トマトの国と北野天満温泉の入浴に係る経費」
    光熱水費 15,182,764円
    消耗品ほか 1,946,661円
    清掃人件費 990,000円
       計 18,119,425円
    *上記の光熱水費は施設全体の額であり、

     入浴経費としては過剰計上です。(松尾

     注記)
・村指定管理料 12,358,000円 (トマトの国と北野天満温泉に係る指定管理料)
・差引額(振興公社負担額) 5,761,425円
・入浴者1人当たり振興公社負担額 110円
   これは、上記の「振興公社負担額」5,761,425円を入浴者数52,439人

   で割ったものだそうです。
・共通入浴券利用者への振興公社負担額 3,504,934円
   これは、上記の110円に共通入浴券で入浴する人の利用回数31,901を

   掛けたものだそうです。
・共通入浴券利用者一人当たりの振興公社負担額 24,172円
   これは、上記の3,504,934円を、「共通入浴券利用実人数」を145人

   として、その145で割って出てくる数字だそうです。
   そして、この24,172円に消費税と入湯税の4,351円を加えて、年間3

   万円という数字が出てくるそうです。

 

■収入はいっさい勘定に入れない?!
 上で紹介した計算、「経費」と「指定管理料」は出てきますが、「営業収入」がいっさい出てきません。「振興公社は温泉に入る人から一銭の入浴料も受け取っていないのか?」という疑問が出てきます。そんなことがあるわけがありません。
 「試算」の中には、「浴場利用数」というものが出ています。紹介しましょう。
     宿泊 5,166人
     1回券 12,380人
     回数券 2,992人
     共通券 31,901人
 「1回券」とは、1回につき500円を支払って入浴することです。ですから、
     500円×12,380人=6,190,000円(619万円)
の収入です。
 また、回数券は5千円で13回入浴できるというものです。回数券を買った人が13回入ったとして、「回数券 2,9992人」を13で割ると、少なくとも230枚の回数券が販売されていることになります。
     5,000円×230枚=115,000円
 さらに、「共通入浴券」での振興公社の収入は共通入浴券利用者145人と仮定して、1,084,785円だとする資料が8月9日の議会全員協議会に出されています。
 以上を合計すると、6,190,000円+115,000円+1,084,785円=7,389,785円です。ここまでの計算では宿泊者が支払う宿泊代金に含まれる入浴料は入れていません。ですから、少なくとも740万円以上の入浴に係る収入があるということになります。

 

■公社理事会が言う「赤字額」を超える収入があり、本当は黒字
 振興公社理事会が主張する「振興公社負担額(=赤字)」約576万円を超える740万円以上の収入があるのです。つまり、「温泉入浴に係る経費」は赤字どころか黒字なのです。
 それはそのはずです。振興公社への指定管理料1,850万円を決定した際、その算出根拠として温泉に係る経費を多め過ぎると思われるくらいに見積もったのですから。
 こうなると、「公社管理の温泉を村の共通入浴券の対象外とし、公社独自の3万円の年間入浴券を発行」し、約450万円の増収を見込むとしていた(8月9日の全協での説明)、その450万円はいったいどこに行くのか? という疑問すら湧いてきます。

 

村民が誰もが意見を言える環境で振興公社の運営・経営を議論する必要があります
振興公社が行ったという「3万円」の「試算」の説明を役場商工観光課長が行うというのも変な話です。振興公社理事長が議会全員協議会に参考人としての出席を自ら願い出て、自分自身の口で説明するのが当然です。
べつに会議が苦手だというわけでもないでしょう。公社の理事会は頻繁に開催され、役員報酬も出されているのですから。ちなみに、公社の「役員報酬」支払額は平成23年度26万4千円(平成26年度は20万8千円、平成25年度8万4千円)に対して、平成28年度(現理事長体制になった初年度)は229万2千円。約10倍化しています。巷(ちまた)の声は、「民間企業なら、経営が赤字なったら、真っ先に役員報酬返上でしょう」というものです。
振興公社が管理する村の施設は、なによりも住民の福祉増進のために設けられたものです。また、振興公社は、なによりも地域の振興をめざして設立されたものです。
振興公社の経営には今年、6,850万円もの村のおカネが入っています。理事長や理事会だけで運営・経営してよいものではありません。
村民誰もが自由にモノが言える環境をつくって、振興公社のこれからを議論していかなければならないと思います。


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