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栄村復興への歩み
2011年3月に震度6強の地震で被災した長野県栄村で暮らす松尾真のレポートを更新しています。

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飯山市照岡山腹崩壊とJR飯山線――6月30日と7月1日の現場取材から

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  • 2017.07.03 Monday

 5月19日に発生した飯山市照岡の井出川上流の山腹崩壊と土石流から1ヶ月強。新聞等で報道されているとおり、6月23日に出川下流域4世帯に飯山市から出されていた避難指示が避難勧告に引き下げられました。そして、JR飯山線は25日の始発列車から運転を再開しました。
 私は避難勧告への引き下げの根拠の1つとなった出川下流域での土嚢・ブロック等の設置状況等を見るために6月30日に現場を訪れました。現場訪問は6月10日以来のことです。

 

出川の鉄橋を通過する飯山線上り列車(6月30日0時57分)


 さらに、大雨が降り、栄村を流れる千曲川も真っ茶色の濁流になった7月1日の昼すぎ、同じ現場を訪れました。1日は飯山線が運休になりましたので、出川に架かる飯山線鉄橋付近の様子を見ることが一つの目的でした。

 


 上写真は7月1日午後1時すぎに市川橋上から撮影した千曲川の様子です。
 雨の中の撮影で少しわかりにくいかもしれませんが、写真手前右側に茶色の濁りが見えます。それよりも上流は濁っていません。ここが出川が千曲川に合流する地点です。
 やはり井出川−出川には大量の土砂が堆積していて、大雨が降ると堆積土砂がかなりの量、流れ出るのです。

 

JRは「なぜ運休し、なぜ復旧した」のか?
 さて、JR飯山線が運転再開した後、首都圏に住む鉄道にはかなり詳しい知人から、「まずは交通が回復してよかった」という祝意を述べたうえで、「なぜ運休し、なぜ復旧したのか、いまひとつよくわからないところです」と指摘するメールをいただきました。
 私は「復興への歩み」No.309(6月11日付)で、鉄橋すぐ横の法面を土石流が直撃する危険があることを指摘し、JRの対策を促しました。ここで、2枚の写真をご覧ください。

 

 


JR飯山線の出川鉄橋付近

 

 1枚目は6月10日、2枚目は6月30日の撮影で、ほぼ同じ箇所を撮影していることはおわかりいただけると思います。
 30日の写真では、大型土嚢が新たに追加設置されています。6月20日に現地を視察した信州大学の研究者らから県と飯山市が「JR飯山線の鉄橋上流に積んだ土のうの追加設置の助言を受けた」(6月21日付信毎)ことの結果です。私は30日にこの現場を見て、研究者らの助言の背景には、「鉄橋横の法面を土石流が直撃の危険」と私が指摘したことと同じ認識があると確信しました。たしかにこの追加の土嚢で土石流の飯山線直撃を防止することができるのです。そして、そのことは大雨の7月1日に実証されました。次の写真をご覧ください。

 


 赤線で囲ったところが出川の流れです。
 この日の出川は濁流になるとともに、かなり水位が上がっていました。
 追加の土嚢がなければ、濁流が飯山線の鉄橋横の法面下部を洗う危険があったと思われます。
 7月1日は幸い、土石流という事態までには至らなかったですが、JRは安全運行を保障すべき立場にあるものとして、県・市や研究者グループの指摘や措置の前に、こういう措置の必要性を自ら考え、県や市と協力して積極的な安全措置をとり、さらにJRの土砂災害の現状についての現状認識と対策措置を飯山線利用者をはじめとして広く住民にお知らせすべきだったと思います。

 

 「栄村復興への歩み」の原点は地震、そして中条川上流での山腹崩壊と土石流の災害を直視し、指摘すべき問題点はきちんと指摘し、完全な復旧と復興を実現していくことです。その原点に立ち続けるならば、すぐお隣の飯山市で今回のような災害が発生し、JR飯山線が運休して、栄村村民の足にも多大な影響が出ていることに対して、現場取材を重ね、指摘すべきを指摘するスタンスを貫いていこうと思い、この問題を取り上げてきました。今後、飯山市の現場に出かけての取材をどの程度できるか、自信はありませんが、可能なかぎり、取材と発信を続けていきたいと思っています。


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