クマ対策はこんなふうに進めよう!
- クマ・有害獣問題
- 2017.05.26 Friday
次頁に1枚の地図を掲載しました。
4月27日〜5月16日の間にクマが目撃された地点を地図に落とし込んだものです。
A点は、4月27日夕、トマトの国の対岸に大きなクマが現れた(本紙No.305で既報)地点です。B点は、5月初め、青倉の人がクマの巣と思われるものを見、その直後に「ウー」というクマが発したと思われるうなり声を聞いたところです。
C点は、5月3日と5日に木に登っているクマなど複数のクマが目撃された地点(本紙No.306既報)。そして、D点は5月16日午後10時頃にクマが目撃された地点(横倉教員住宅前)です。
A点とB点は、A点で目撃されたクマが崖を登っていきましたが、その崖の上がB点という関係にあります。
他方、C点とD点とは離れているように見えますが、同じ山の標高が高い所と麓(ふもと)という関係にあり、直線距離では約2kmしか離れていません。しかも、C点とD点の間のゾーンでは昨秋、クマ1頭が罠にかかり(放獣)、また例年、クマがクリの木に登った形跡が確認されている場所もあります。C点のクマとD点のクマが共通している可能性を排除できません。
目撃地点を地図に落とすことの大事さ
このように目撃地点を地図上に落とし込む作業が、クマ対策の基礎的作業として重要です。この作業を重ねていくことによって、クマの生態と動態がよくわかるようになり、罠の設置や電気柵の設置設計がより有効なものとなります。
「自分の家の周りの柿の木には毎年、クマが出る。いちいち役場に通報しない」という人もおられることと思います。そういう場合、目撃情報の告知放送は必要がないこともありえますが、栄村域内のクマの生態・動態の解明・分析、そして対策にとって、その情報は重要な意味を持ちますので、是非、役場に通報していただきたいと思います。
クマ問題を〈役場が即座に最大級の対応をとるべき危機管理課題〉として明確にすることが必要
ところで、5月16日夜の横倉教員住宅前でのクマ出没については、出没地点が栄小のすぐそば、子どもたちの通学路に面しているにもかかわらず、役場から小学校への連絡が翌17日の午後3時半頃、子どもたちの下校が終わってからだったという問題が生じています。
詳しい経緯は略しますが(ブログ「栄村復興への歩み」5月21日記事で詳述)、クマの目撃通報についての扱いが緊張感の薄いものになっていることが問題であると私は考えます。
クマの目撃通報があった場合、それをクマ目撃地点一覧地図に即座に落とし込み、過去の履歴を重ね合わせて検討する、近くに小学校及び通学路など保護すべき対象があれば即座に最大限の対応措置をとることが必要です。
現在の村(役場)の対応措置はあきらかに不十分であり、緊張に欠けていると言わざるを得ません。
中見出しに表記したとおり、〈役場が即座に最大級の対応をとるべき危機管理課題〉として明確にし、態勢を抜本的に求めます。
<追記>
飯山市照岡での山腹崩壊、大変な事態です。21日、現場を見てきました。ブログ「栄村復興への歩み」のレポートを是非、ご覧ください。