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栄村復興への歩み
2011年3月に震度6強の地震で被災した長野県栄村で暮らす松尾真のレポートを更新しています。

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お米のふるさと便り

お米のふるさと便り6巻7号(通巻66号)
                       発行日:2014年4月25日

(この「便り」は、青倉米の購入者に毎月送られているものですが、今号は春を迎えたむらの様子がよくわかる内容になっていますので、本ブログでもご紹介することにしました)



 田植えへの準備が進んでいます
 上の写真は23日午前8時半すぎに撮影したものです。高橋正好さん・あき子さんご夫婦が“芽だし”した苗箱を苗代にふせておられるところです。もう一人の人は受託作業班メンバーの高橋稔さん。正好さんのお隣さんです。稔さんは24日にすじ播きの予定だとのこと。
 この写真を撮った後、私が位置を変えると、別のもう1組の作業姿が視界に入ってきました。正好さんのおむかい・高橋門平ご夫婦と手伝いの島田マツさん。今日がすじ播きだそうで、土詰めされた苗箱が積み上げられていました。
 里地も含めて田んぼの雪はまだ消えきっていませんが、いよいよ春本番、田上にむかっての作業がすべての農家で全面始動という時期になったのです。次頁以降で、作業のさまざまな段階などをご紹介します。

田植え準備のあれこれ

苗代づくり
 
 島田和栄さんが苗代づくりをされているところ。20日日曜の午後に出会いました。田んぼには水が入っています。「今日、田を?いたのですか?」とお尋ねすると、「去年の秋、田ぶちしなかったので、今日やった」とのご返事。栄村では田をおこす(耕起する)ことを「田をぶつ」「田ぶち」と言います。和栄さんの場合は自宅横の普通の田んぼを苗代として使われ、苗づくりが済んだ後は、ここにも田植えをされます。先月号で田んぼの雪消し作業されているところを紹介した島田与八さんも和栄さんと同じタイプの苗代です。
 それに対して、プール式という苗代もあります。これは田んぼを整地し、砂を入れて苗代専用のものをつくります。この場合は、そこに田植えすることはできません。下の写真がプール式の苗代です(島田重次さんの苗代)。

 
すじの浸水と干し作業
 “すじ”(種籾)は事前に水に浸けて芽が出やすいようにします(下写真1枚目)。そして、いよいよ“すじ播き”という段になると、“すじ”を干して表面の水気をなくします(下写真2枚目)。そうしないと、すじ播き機から“すじ”が苗箱の土の上にうまく落ちてくれません。




土詰め、すじ播き、芽出し
 1頁で苗代への苗箱ふせを紹介しましたが、苗代づくりと同時に、苗箱への土詰めをやっておかなければなりません。先週(14〜20日)あたり、土詰めをする人の姿が多く見られました。そして、すじ播きです。
 
すじ播き機の調整をされる高橋友太郎さん(20日午後)


すじ播きを終え、芽出し機を組み立てる島田与八さんご夫婦
(写真右がすじ播きされた苗箱、22日午後)

 すじ播きした後、1〜2日、苗箱を芽出し機というものに入れます。温度を一定以上に保ち、芽を出させるのです。

写真中央が芽出し機

“すじ”(種籾)から芽が出た様子

 このように苗を準備して、里地、集落の中にある田んぼで5月中旬すぎに田植えが始まり、その後、山の田んぼでも。田植えが終わるのは6月上旬です。
 田植えの前にもう一つ大事なことがあります。田ぶちと代掻き。田んぼにはまだ雪が残っています。田ぶちは連休後半あたりからになるでしょう。

 集落の中の田んぼの雪消えの様子です。もう田んぼが見えているところもありますが、全部消えるのにはまだ3〜4日から1週間くらいかかるでしょう(22日午後撮影)。
 

春の野菜
 冬の間(しかも5ヶ月ほどの長期)、畑をできない栄村で「春の野菜」といえば、真っ先に頭に浮かぶのは山菜ですね。山菜、最高に美味しいです。でも、他にもあるんですよ。
22日午後、高橋春江さんのお宅(ご主人が友太郎さん)をお訪ねしたとき、野沢菜漬の煮菜とともに、山葵(わさび)(さっと湯通ししたものだと思います。写真を撮っておくべきでした)、五月菜のお浸しを出してくださいました(いわゆる「お茶のみ」です)。
 五月菜は「あき子さんからいただいたもの」とのこと。23日朝、畑の様子を撮影に行きました。

 これは野沢菜を秋に全部収穫してしまわないで、少し畑に残しておいたものです。雪が消えて、また新しい葉を出します。それを摘んで食するのです。他に「五月菜」として、秋の終わりに種を播いておくものもあります。


雪の中で冬を越した白菜
 上の写真は青倉のあるお宅の畑で見かけたもの。白菜です。秋にとらないで畑に残していたもののようです。外側の葉をむくと、中は十分に食べられ、しかも雪中にあったので甘みを増しています。他の集落の人の畑ではサニーレタスも見ました。下の山葵の写真は東部地区の山の沢で撮影したものです。

沢の雪融け水の中で自生する山葵

ふきのとう
 山菜は、いまは雪が消えたところのいたるところに“ふきのとう”が出ています。“コゴミ”はもう出始めたところも少しあるようですが、どんどん出るのは来週あたりでしょう。
 私はこれまで自らふきのとうを摘んで、天ぷらなどにして食していましたが、ふきのとうについて詳しく知ることはありませんでした。ちょっと調べたり、人に話をお聞きしたりして撮影したのですが、いやいや、面白いったらありゃしない。ご覧ください。

 ふきのとうの花を撮影するとき、黄色っぽいものがきれいに感じられます。ふきのとうは雌雄異株で、この黄色っぽいのは雄株なのです。雌株は白っぽいものです。

 雄株は頭花を咲かせた後、枯れてしまいます。それに対して、雌株は伸びて結実します。私たちが「ふき」として見るのがそれです。
 下に雌株をクローズアップしました。雌株の頭花は多数の糸状の雌花と少数の両性の筒状花からなるそうです。

 雌株はどんどん伸びていき、次第に苞からふきの葉ができてきます。腎円形の葉です。その様子が次の写真で見られます。

 ふきが出てきた当初は柔らかく、茎を油炒めなどにすると美味しく、“きゃらぶき”をつくるのは、茎が硬くなってからとのこと(高橋春江さんのご教示による)。栄村では6月に入ってからのことになります。


棚田のいまの様子と早春の花々 

 西山田の棚田のさらに上方、城ヶ館(じょうごだて)から雪の残る山道を下りながら撮影した1枚です(22日午前11時半撮影)。いつもご覧にいれる西山田の写真とはちょっと違った感じでしょう。いつものアングルで撮ったものは次のものです。

 
 田んぼにはまだまだ雪が残り、山道(農道)も日陰やカーブには雪が残ります。でも、木々は芽を出し、すでに花を咲かせているものもあります。栄村では里地の桜が20日頃からようやく開花し始めたばかりですが、城ヶ館や西山田の山桜も花を咲かせています。満開のソメイヨシノもいいですが、山桜にはなんとも言えないよさがあります。
   山に咲く花々をご覧ください。
                       タムシバ。「花はコブシに似るが、コブシが花の下に葉が一枚ついているのに対し、タムシバは花の下に葉がないので見分けは容易である」と言われますが、崖に咲いていて、確認ができません。しかし、このあたりで多いのはタムシバなので、タムシバだと思われます。
 下は山桜。西山田の私がお米をつくる田んぼの横の小山にて。


 山桜数輪をクローズアップしたものもどうぞ


 次の“マンサク”は春、真っ先に花をつける木です。城ヶ館と西山田の間、いたるところに見られました。多くが崖面に斜めに木をのばしています。

 クローズアップすると、こんな花です。


ユキツバキ。この一輪だけ、いまにも花を開かんばかりに真っ赤なつぼみになっていました。


 花ではありませんが、タラの芽も出ていました。早く天ぷらで食したいものです。



青倉米は、雪融け水でお米をつくる棚田を守り、耕作放棄地の発生を防ぐために、青倉集落の若者が結成した青倉作業受託班など青倉の人たちがつくるコシヒカリ100%のお米。
宅急便による直送で販売しています。
精米で5kg(2500円)から取り扱っています。玄米も可能です。
                         
取扱者:NPO法人栄村ネットワーク
    〒389−2702 長野県下水内郡栄村大字北信3950-5
    電話080-2029-0236 FAX0269-87-2131
     mail:aokura@sakaemura.net
振込口座 ゆうちょ銀行 普通口座 11120−12957551
     口座名義 特定非営利活動法人栄村ネットワーク
     電子振込の場合は、トクヒ)サカエムラネットワーク と書き込んでください。




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  • 2015/02/21 12:27 PM