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栄村復興への歩み
2011年3月に震度6強の地震で被災した長野県栄村で暮らす松尾真のレポートを更新しています。

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栄村復興への歩みNo.318(10月16日付)

 「栄村復興への歩み」では、前々号でJR東の「四季の美 五つ星」にまつわる話題を取り上げ、また前号では「栄村は何を打ち出すか」について少し提案をしました。
 今号では、いま紅葉が真っ盛りの野々海池を事例として取り上げ、栄村の観光を盛んにするための具体的な方策について考えてみたいと思います。

 

野々海池の紅葉を撮影した写真を見ながら、観光に活かす策を考えました

 

 

 この写真(10月12日撮影)をご覧になって、どこから、どこを撮影したものか、お分かりの方、おられるでしょうか。次の地図をご覧ください。

 


 野々海池周辺の地図です。Aと記したところが1頁掲載写真の撮影地点、Bと記したところは写真の正面に見えている野々海池の堤です。
 地図に描いた青色の太い線は信越トレイルです。関田山脈の尾根を歩くコースですね。深坂峠や野々海峠で信越トレイルを歩く人たちとよく出会います。非常に人気があります。D点は信越トレイルの野々海峠出入口です。
 また、地図に茶色で描いた線(C)は野々海池と白鳥への水路の開渠部分を結ぶ道です。
 さて、次の写真をご覧ください。

 

 

 1頁掲載写真の撮影地点を水番小屋横から撮影しました。下の小さな写真に白色のマークを入れているところが撮影地点です。

 

 

 つぎの写真は堤の上から撮影したもの。1頁掲載写真の撮影地点は下の小さな写真に白色マークを入れたところです。

 

 


 地図のA地点には、じつは道がありません。近くを通る林道(野々海峠に通じるもの)から斜面になっている林の中を歩いて、池の直前まで下りました。
 このA地点のあたりを気軽に歩ける道をつくれたら、とても素晴らしい紅葉の散策路になると思いませんか。

 

● 野々海池の周りに散策路を
 じつは、信越トレイルクラブの方で野々海池の周りをグルっと歩ける遊歩道(昔はそういう道があったそうですが)を整備しようという話があると、数年前に聞いたことがあります。なかなか現実化していないようですが、せめて今回取り上げたA地点の周辺だけでも少し歩けるようにできれば、いいなあと思います。

 

 また、野々海池だけが紅葉の綺麗なところだというわけではありません。つぎの写真をご覧ください。

 


 これは地図にCと記した道です。ブナ林の中を通り抜けるコースで、とても気持ちがよいです。
 この道、初めての人はちょっと入り方が分かりにくいかもしれません。案内人がいる方が安心でしょう。でも、歩く時に案内人が直接につかなくても、野々海池に案内所があって、そこで説明を受けることができれば、行けると思います(ただし、一人ではなく、複数人で歩くのが望ましいですが)。

 

● 戸隠を超える人気スポットにだって出来る!
 春から秋までの全シーズンとまではいかないかもしれませんが、雪消え頃の芽吹きとミズバショウの開花の季節、そして紅葉シーズン、野々海池に案内所があり、さらに案内人もいたら、野々海は素晴らしい観光スポットになります。
 案内所も案内人もない現在でも、村のみなさんが驚くほどの数の人たちが野々海を訪れています。一度、データをとってみれば、面白い結果が出るでしょう。散策路の整備や案内所の設置ができれば、本当にすごい人気スポットになります。
 今年、吉永小百合さんが戸隠を訪れる映像がJR東のコマーシャルで流れ、戸隠は入場制限が行われるほどの訪問者で溢れかえりました。それを羨んでいるだけではダメです。野々海に案内所を設けるなどのことをすれば、JR東を動かして、吉永さんを野々海に連れてくることだって夢ではありません。
 JR東の「四季の美 五つ星」に秋山郷・布岩が選ばれたということをただ喜んでいるのではなく、私たちの努力で人気の観光スポット・観光商品を生み出していくこと、もっともっとJR東を動かすことが出来るし、そうすべきなのです。

 

● 村におカネが落ちる仕掛けづくり
 野々海をめぐって、役場の観光部署で「写真を撮りに来る人はカネを落とさない」と言っていると聞いたことがありますが、そんな根性では観光は盛んになりません。そもそも、野々海に写真を撮りに来た人たちが、どれくらいおカネを村に落としたか、落としていないのか、きちんと調査し、データを集めたことがあるのでしょうか。そういう調査結果を耳にしたことはありません。
 村におカネが落ちる場・機会には、どんなものがあるでしょうか。
まず、コンビニ(村で言えば、朝日屋さんのYショップ)での買い物、道の駅−直売所、それから食べ処ですね。箕作の樓蘭さんでは野々海のことを尋ねるお客さんが結構おられるようです。
 つぎに、宿泊です。
 野々海を訪れる人には写真を撮る人が多いように思われます。写真はいつ何時でも撮れるというものではありません。たとえば、真っ青な青空とのコントラストで紅葉を撮りたいという場合、やはり朝の早い時間帯がいい。しかも、お天気との関係で少なくとも2〜3日は通い続けないと、気に入ったものは撮れない。
 すると、「湯治客」のような感じで、安い価格で素泊まりができれば、2〜3日から長ければ1週間近くの連泊という可能性も出てきます。宿泊施設がそういう宿泊プランを練り、宣伝することが大事になってきます。

 

● 案内所、案内人をどうやって実現するか
 案内所は、なにか大袈裟に新たなハコモノを建てる必要などありません。テントでスタートするので充分だと思います。ただし、設置場所が重要です。平滝から上がって行って、野々海に着き、最初に出会う三叉路の湿地(いちばん早く紅葉するところでもある)、ここに案内所があることが大切です。私が野々海に行くと、この場所で、「池はどこから入れるのですか?」とか、「キャンプ場はどちらですか?」と尋ねられることがしばしばあります。
 有志で始めるのでもいいと思いますが、テント設備の貸し出しくらいは役場にお願いしたいものです。
 案内人は交替要員も含めて3〜4人確保できれば、スタートできます。1時間、2時間単位の案内(ガイド)を依頼される場合は有料でやります(1時間千円くらい)。
 でも、案内人を担う人たちがこれだけでは暮らしていけません。案内人個々人は、季節毎の様々な仕事を段取りし、月給制の給料を保障する会社に属します。そのために、有志でそういう会社を設立します。そして、たとえば、村が冬のスキー場の仕事をこの会社に少しまわしてくれると、こういう会社はうまくまわしていけます。また、野々海の観光シーズンには村か観光協会が人件費補助を出すことも望まれます(年間60万円程度で済みます)。
 案内人の育成は、「野々海を愛する会」(仮称)のような任意団体で、野々海のさまざまなことに詳しい人を講師にして学習会(座学と現地研修)をやれば、可能になるでしょう。

 以上のような話を単なる「夢物語」と馬鹿にしないことが大事です。まずは、有志で簡便な野々海の道標を作り、設置することから、こういう話を現実に移していきたいなあと思います。


栄村復興への歩みNo.317(10月3日付)

栄村を訪れる人たちは何を求めているか
栄村が何を打ち出せば、人びとは栄村にやって来てくれるか

 

 栄村にとって、多くの人たちが栄村を訪れてくることは死活的に重要です。こんなことは私が今さら言わなくても、わかりきったことだとも言えます。でも、なぜ、そうなのか? 改めて整理・確認しておきたいと思います。
 1つは、栄村(の住民)が生きていくうえで、外貨の獲得が必要だということです。
 「外貨」という言葉を聞いて、「ドル」や「元」(中国の通貨)を意味していると錯覚して、声を荒げた人を最近、議会で見かけましたが、そうではないですね。村外の人(企業)からお金を受け取るという意味です。人が栄村に来て、飲食したり、宿泊したり、買い物をしたりしてお金を落としてくれる。あるいは、栄村の農産物などを産直で購入して下さるケースもこれにあたります。
 “外貨”が入ってくれば、村民の家計の増収につながり、さらに村税の増収につながります。
 2つは、栄村の人口を一定数以上に維持するには、かなりの移住者が必要だということです。
 とくに、これから結婚する、子育てをするという世代の人たちに栄村に移り住み、暮らしていただくことがどうしても必要です。
 次の写真は9月30日に開催された保育園の運動会の一コマです。

 


 ここには親御さんが6名写っていますが、純粋の村生まれ・村育ちの人はお一人のみ。5名は栄村生まれ・育ちの人と結婚されて栄村で暮らすようになられた人、仕事の関係で栄村に来られている人です。たしかに栄村生まれ・育ち同士のカップルのご結婚が最近も1組ありましたが、村外の女性が栄村育ち・暮らしの男性と結婚されるケースが増えています。

 

● 「平成28年生まれのお子さんを育てておられるご夫婦、是非、栄村へお越しください」
  ――こんな移住者募集も必要だし、いいんじゃないでしょうか

 保育園運動会会場での会話の一コマを紹介します。
   「あら、こんにちは。」
   「二人はたった二人の同級生になるのよね。しかも、男の子同士

    だわ。」
   「じゃあ、もっと同級生を増やせばいいじゃない。」
   「今さら無理よ。」
   「いや、そんなことないでしょう。いま、一歳児を育てているご

    夫婦の移住を実現すれば、同級生が増えますよ。」
   「そうか、そんな方法もあるか。」
 こういうピンポイントでの移住者確保はそう容易ではないでしょうが、まったく可能性がないというわけでもないと思います。

 


育真くん(1歳)


● 栄村を訪れる人は何を求めているか
 さて、1頁の見出しに戻ります。「栄村を訪れる人たちは何を求めているか」です。
 いま、いちばん多くの人が訪れてくれている場所は「道の駅」−「直売所」です。紅葉期の10月は、5月連休と8月お盆と並んで、お客さま数がグッと伸び、売上も増える時期です。訪れる人が求めるのは、「新鮮で品質が良くて、しかも安い野菜」です。一昨年度にゼロからスタートし、1年目の2015年度(実質期間は10ヶ月程度)に3千万円、2年目の昨年度は約4千万円の売上を実現しました。この事実はとてつもなく大きな意味をもっています。
 「安い」というのが気になるかもしれませんが、「ダンピング」(不当に安い価格で売ること)をしているわけではないです。これまでは自家消費しかしなかったもの、あるいは、収穫せず、放置していたものが商品になり、消費者から歓迎されているのです。いまの季節でいえば、ヤマグリやクルミはその典型ですね。
 観光という面では、どうでしょうか。
 「このあたりは、いいところですねえ!」。 これは9月9日、最初はミズノサワで、そして2度目は切明・雄川閣でお会いした人の言葉です。この人は、都会から長野市に移住され、この日は「高原シャトル便」で訪ねて来られました。9月9日はまだ紅葉からはほど遠く、「目玉観光商品」に当たるようなものはない時期でしたが、この言葉を出されたのです。迫る高い山並み、川底が透けて見える渓谷の清流、人を圧倒する勢いで迫ってくる巨大な沢、騒音がいっさい無い静寂さ…。こういうものが素敵なのでしょうね。私自身も配達活動で村のいろんなところを走っていて、「なんと贅沢な空間なのか!」と思うこと、度々です。そこは、言いかえれば、村の人たちが、「ここには何もないよ」と言われるようなところです。
 もちろん、「何もない」わけではありません。

 


 上の写真は9月9日、「高原シャトル便」の人とミズノサワで出会った時のものです。上記の人と、木島平村のガイドさんのお二人が写っていますが、お二人ともカメラを構えておられます。たしかに撮るだけの価値がある景観なのです。この場所の7月17日と10月1日の様子をご覧ください。夏になっても雪渓が残る様子と紅葉が始まっている姿です。

 

 

 

 栄村を訪れる人が何を求めているかの一端をご理解いただけるのではないかと思います。

 

● 問題は〈栄村が何を打ち出しているか〉です
 ところで、栄村関係の観光パンフレット等を開いてみて、たとえば前頁で紹介したミズノサワの素敵な景色を大きく紹介しているものがあるでしょうか。
 「無い」のです。
 率直に言うと、私が栄村を知るようになった10数年前から栄村のパンフレットに出てくる写真はほとんど変わっていません。10年ほど前に栄村が「にほんの里100選」というものに選ばれました。今でも時々思い出したように、「栄村は〈にほんの里〉に選ばれています」というセリフが村から出されることがありますが、〈にほんの里〉らしい写真の1枚でも発信しているかとなると、かなり心許(もと)ない状況が続いているように思います。最近、青倉集落が「ふるさと復興支援金」を活用して、『青倉百景』というリーフレット(下写真)を発刊したのが〈にほんの里〉らしい景色をまとまった内容で紹介している数少ない事例だと思います。
栄村には昨年度1億8千万円のふるさと納税が寄せられました。震災時には栄村単独に10億円を超える義援金が寄せられました。東北の被災地でも類例をみないすごい出来事です。栄村を応援して下さる人がたくさんおられるのです。
しかし、たとえば〈ふるさと納税〉、返礼に美味しい栄村のお米を贈るのはいいのですが、せっかくの機会、さらに栄村を売り込むべきでしょう。隣の津南町ではふるさと納税返礼品発送時に一緒に入れるパンフレット「雪国つなんだより」を制作しています。
以上は、栄村の宣伝、とくに観光の宣伝に限定した話です。

 


 以上のことに加えて、村外から訪れて下さる人たちにおカネを落としていただく機会、商品・場をつくり、売り出していくことが必要です。
 先に書いた〈直売所〉はそういう意味で自慢できるものです。前号で紹介した切明・雄川閣の予約昼弁当もそうです。さらに、10月の紅葉まっさかりの時期には雄川閣の前で、地域おこし協力隊のメンバーがカレー店のテントを出されると1日に聞きました。
 これらの事例に繋がる形で、どんどんやっていかなければならないことがあります。たとえば、1日夕、「トマトの国」で雄川閣の板前さんに出会いました。キノコを求めて来られたそうです。「キノコはよくわかるよ」という村の人がちょっと半日・一日、山に入ってキノコを採る。その一部は自分が食べるが、残りはたとえば雄川閣の弁当の食材として有償でお分けする。そんなことから、栄村を訪れる人たちに満足していただき、おカネを落としていただく〈プラスの連鎖〉が始まるのだと思います。

 

 今回はここまでとしますが、栄村を元気にする策をみんなで考え、そして実行していきましょう。


賑わう道の駅、森宮野原駅では「おいこっと」お出迎え

 最長の場合は4月29日(土)から5月7日(日)までの9連休という今年のGW、栄村も賑わいましたね。帰省してくる人も多く、村の人口が2倍くらいに増えた感じでした。
 観光の面では、「道の駅」がとても賑わいましたね。
 駐車場は車が溢れ、栄中への「学びの坂」にも観光客の車が並びました。下写真は「みそ汁のお店」。私も何度か足を運び、山菜の天ぷら(1皿300円)などをいただきました。大人気です。
 直売所「かたくり」ではたとえば3日は売上げが30万円超え。「30万円くらいではもう驚かなくなった」と関係者が言うほど、大盛況。売るモノがもっともっと必要です。

 

お客が相次ぐ「みそ汁」のお店(4日)

 

●交通整理員の配置を
 道の駅で考えなければならないことが1つあります。交通整理員の配置が必要だということです。

 


 上の写真は5日昼前の撮影ですが、駐車スペースがすでに埋まっている中でさらに多くの車が入って来ています。駐車場内で事故が起こっても不思議ではない状況です。また、国道117との出入りも非常に危険な状況が繰り返し生じていました。
 GWのような混雑時には数名の整理員を配置することが不可欠です。事故が起こってから騒いでも手遅れです。「道の駅」の関係団体で協議して対策することを提案します。

 

●森の駅の賑わい創出も可能
 一方、森宮野原駅ですが、駅前に「道の駅」のような車の波、人の波は残念ながら見られませんでした。
 しかし、希望がないというわけではありません。
 下写真は5日(子どもの日)の午前11時すぎの森宮野原駅ホーム上での撮影。「おいこっと」下り列車(11:02着、11:12発)は満席で、ホームに記念撮影する人などが溢れました。

 


 私は30日、3日〜6日の計5日、「栄村のご紹介」という手作りパンフレットを持ってお出迎えをしました。5日は自腹をきってトマトジュース60本を用意して振る舞い、栄村の魅力をアピールしました(観光協会職員の藤木文徳さんにお手伝いいただきました)。観光協会も3日から、ホームから見えるところに歓迎横断幕を掲げました。
 ささやかな努力ですが、これを停車時間の延長→森駅前での物販や、SLの定期運行につなげていきたいと思っています。土日の午前11時、15分間程度の活動ですが、一人でも二人でも、そして1回だけでも結構ですから、“お出迎え”にご参加ください。

 

●観光発展の鍵は200円、300円の稼ぎの積み重ね
 栄村で「観光に力を入れる」、「観光で産業づくり」ということが言われるようになってもうかなりの歳月が経(た)ちますね。そして、「観光、観光と言い、おカネもたくさん投入しているのにいっこうに効果が出ていない」と思われている方も多いと思います。たしかにそうですね。「3億円」事業がその額にふさわしい効果を出したとはとても言えません。また、振興公社に今年の1〜3月で計5千万円の出捐金を投入しましたが、その効果のほども見えてこないという感がありますね。
 では、観光はダメなのでしょうか?
 いえ、私はそうは思いません。
 たとえば、前頁で写真紹介した「みそ汁」のちっちゃなお店。キノコ汁やタケノコ汁一杯200円。山菜天ぷらは一皿300円。けっして大きな商売、稼ぎではありません。でも、このお店は有名で、ドライブ計画に「栄村の道の駅のみそ汁で朝食」と決めていて、朝9時の開店と同時に訪れるお客さんが多くおられます。お店は人手が足らなくなり、かあちゃんのアルバイトを募っている状況です。
 直売所「かたくり」にしても、1日の売上げが30万円を超える場合でも、一品一品は200円、300円のものがほとんどです。それでいて、「わたしゃ、直売所から10万円の入金があったよ」と言うばあちゃんがおられます。
 さらに、秋山郷・切明温泉の雄川閣では、近くの集落のおとうさんにお願いしていい山菜をご提供いただき、山菜料理がお客さんの好評を得ています。
 私は、こういうことの積み重ねが観光であり、村の人たちの暮らしを潤していくのだと思います。
 行政が「着地型観光商品開発補助金」などとして補助金を出すことが必要な場合もありますが、率直に言えば、そういうものがあまり大きな効果をあげているという感じはありません。行政(商工観光課)は、ここまでに紹介した村の人たちの取り組み状況に学び、それを後押しすることにもっと努力を傾注(けいちゅう)すべきだと思います。たとえば、村のホームページで、私がここに書いているようなことを紹介するというような取り組みです。「村のホームページは公(おおやけ)のものだから、特定の店を紹介できない」なんてことばかり言っていると、栄村(の観光)の元気は湧いてこないと思います。
 みなさん、それぞれの創意工夫を発揮して、頑張っていきましょう!


秋の景色と、そこから思うこと

 秋本番を迎え、村内のいろんなところで写真を撮っています。何枚か、紹介します。

 

15日朝の野々海池(午前7時44分)

 快晴で無風(さざ波も立たない)という条件で、朝方の1時間ほどの間だけに見られる景色です。今年の野々海池の紅葉は20日〜23日頃がピークになるのではないでしょうか。
 この日は、「松本」ナンバーなど、3人の方が午前7時頃着で写真を撮りに来ておられました。もっともっと多くの人を誘客できるスポットです。同時に、野々海環境保全計画のようなことに村として取り組む必要があると思います。

 


雑魚川と満水川が出逢う「廻り逢いの滝」(10日昼撮影)

 ここは地籍としては山ノ内町に属しますが、栄村の「大滝」入口から雑魚川沿いの遊歩道(「奥志賀渓谷コース」と名づけられている)を進むと、この地点に出会います。この写真をめぐって、2つの話題を紹介したいなあと思います。

 

どういう観光情報が求められているか?
 1つは、撮影日の10日にこの遊歩道を歩かれた人たちとの会話です。
 ご夫婦3組、アマのカメラマン、松本ナンバーの人たちと出会いました。横浜から来られたご夫婦は9時頃に「清水小屋入口」から入られて、大滝まで行き、もう一度、清水小屋入口まで戻って来られた方でした。往復2時間半以上かけられたのだと思います。「素晴らしいところです」。「この先にも、いいところあったら、教えてください」。志賀高原方面から来られ、ここから先の秋山郷はご存じありませんでした。「今回は帰宅日程が決まっていますが、来年はご紹介いただいたこの先へ必ず行きます」。
 私自身も含めて、栄村の(観光)関係者は、「志賀高原が観光客の多くをおさえていて、志賀高原のホテルが客を秋山郷に連れてきて、秋山の観光資源を利用している」と思い込んでいる面があります。そういう面ももちろんありますが、首都圏方面の人たちが北信濃に来る場合、草津温泉や軽井沢→渋峠→志賀高原というルート、あるいは、新幹線(長野か飯山)→野沢温泉村というルートで来る人が多いのです。そこで、いちばん大事なことは、そのルートで来る人に栄村の秋山郷の見どころを案内・アピールする仕掛けがほとんど存在していない、そのことを打開しなければならないということです。たとえば、上で紹介した雑魚川沿いの「奥志賀渓谷コース」、栄村の観光案内ではまったく紹介されていません。志賀高原の人たちが遊歩道の整備をして下さっていて、その関係もあってか、名前が「奥志賀渓谷」となっていますが、まさに秋山郷の超魅力スポットです。
 また、屋敷〜奥志賀公園栄線間の秋山林道、ミズノサワも白沢も案内図にはちょろっと出てくるだけで、現地に行っても、目印も案内板も何もありません。さらに、志賀高原や野沢温泉村、カヤの平という観光地に栄村の宣伝パンフ等(それらの観光地から栄村への進み方の案内)を目立つように置くことが必要です。

 

嬉しかった出会いの人からのメール
 10月16日、パソコンで新着メール一覧を見ると、これまでメールをいただいたことがない人の名前が出てきました。しかし、特徴のあるお名前だったので、さっと記憶が蘇りました。9月27日に秋山で出会った人です。ちょっと紹介します。
   「あの後、ずっと遊歩道を歩いて滝を見て、そのまま川

    沿いに進んで森を満喫しました。あそこは大滝しか知

    らなかったので、本当にいい場所を教えていただけて

    ラッキーでした。……
    他にも私たちの知らない場所があるのだろうと思います。

    ……栄村の山々はどんな様子かと想像しながら、また訪

    ねる日を楽しみにしています。」
 「滝」というのは三段の滝のこと。「森を満喫した」という言葉には、逆に私が感心しました。そう、「森を満喫」というのが人を惹きつける魅力なのです。
 先に示した野々海池の写真では、東京の人から、「思わず深呼吸をしました。空気の澄み渡っているのまで写しとられている」とコメントいただきました。
 「森を満喫」、「空気が澄み渡っている」、栄村で暮らしていると、“当たり前”になってしまっていること。言われなければ、気がつかない面があります。
 出会った人たちとの会話(コミュニケーション)が村の魅力を引き出します。振興公社の宿泊施設のスタッフの一人がそういう思いをフェイスブックで書いておられます。大事なことです。
 もう1組の写真を紹介します。

 

 


 栄村の隣、藤沢あるいは桑名川から国道403号線を上がり、伏野峠(ぶせのとうげ)を越えたところで撮影したものです。山の名前は菱ケ岳。山のむこうに見えるのは安塚(上越市)。
 5人グループの人たちが16日、栄村に宿泊され、翌17日、信越トレイルに天水山松之山入口から入って伏野峠まで歩かれました。所要時間8時間強です。最高齢者75歳のグループでしたが、冬山装備を整えて入山され、疲れも見せず、元気に伏野峠に下りて来られました。その後は「トマトの国」の温泉に浸かり、18日朝は直売所かたくりで買い物をされてお帰りになりました。
 信越トレイルを歩く人は多いです。野々海でもよく出会います。しかし、栄村が信越トレイルに熱心に取り組んでいるという雰囲気は感じられません。ある人が、「森の駅前で靴を脱いで休んでいる人の姿をよく見かける」と話しておられましたが、「信越トレイルを歩かれる人へ」というような歓迎・挨拶の掲示物などは見られません。
 「栄村の人たちが大歓迎してくれたよ」という話がトレイル愛好者の間に口コミで広がれば素敵なんだがなあと思います。


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