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栄村復興への歩み
2011年3月に震度6強の地震で被災した長野県栄村で暮らす松尾真のレポートを更新しています。

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賑わう道の駅、森宮野原駅では「おいこっと」お出迎え

 最長の場合は4月29日(土)から5月7日(日)までの9連休という今年のGW、栄村も賑わいましたね。帰省してくる人も多く、村の人口が2倍くらいに増えた感じでした。
 観光の面では、「道の駅」がとても賑わいましたね。
 駐車場は車が溢れ、栄中への「学びの坂」にも観光客の車が並びました。下写真は「みそ汁のお店」。私も何度か足を運び、山菜の天ぷら(1皿300円)などをいただきました。大人気です。
 直売所「かたくり」ではたとえば3日は売上げが30万円超え。「30万円くらいではもう驚かなくなった」と関係者が言うほど、大盛況。売るモノがもっともっと必要です。

 

お客が相次ぐ「みそ汁」のお店(4日)

 

●交通整理員の配置を
 道の駅で考えなければならないことが1つあります。交通整理員の配置が必要だということです。

 


 上の写真は5日昼前の撮影ですが、駐車スペースがすでに埋まっている中でさらに多くの車が入って来ています。駐車場内で事故が起こっても不思議ではない状況です。また、国道117との出入りも非常に危険な状況が繰り返し生じていました。
 GWのような混雑時には数名の整理員を配置することが不可欠です。事故が起こってから騒いでも手遅れです。「道の駅」の関係団体で協議して対策することを提案します。

 

●森の駅の賑わい創出も可能
 一方、森宮野原駅ですが、駅前に「道の駅」のような車の波、人の波は残念ながら見られませんでした。
 しかし、希望がないというわけではありません。
 下写真は5日(子どもの日)の午前11時すぎの森宮野原駅ホーム上での撮影。「おいこっと」下り列車(11:02着、11:12発)は満席で、ホームに記念撮影する人などが溢れました。

 


 私は30日、3日〜6日の計5日、「栄村のご紹介」という手作りパンフレットを持ってお出迎えをしました。5日は自腹をきってトマトジュース60本を用意して振る舞い、栄村の魅力をアピールしました(観光協会職員の藤木文徳さんにお手伝いいただきました)。観光協会も3日から、ホームから見えるところに歓迎横断幕を掲げました。
 ささやかな努力ですが、これを停車時間の延長→森駅前での物販や、SLの定期運行につなげていきたいと思っています。土日の午前11時、15分間程度の活動ですが、一人でも二人でも、そして1回だけでも結構ですから、“お出迎え”にご参加ください。

 

●観光発展の鍵は200円、300円の稼ぎの積み重ね
 栄村で「観光に力を入れる」、「観光で産業づくり」ということが言われるようになってもうかなりの歳月が経(た)ちますね。そして、「観光、観光と言い、おカネもたくさん投入しているのにいっこうに効果が出ていない」と思われている方も多いと思います。たしかにそうですね。「3億円」事業がその額にふさわしい効果を出したとはとても言えません。また、振興公社に今年の1〜3月で計5千万円の出捐金を投入しましたが、その効果のほども見えてこないという感がありますね。
 では、観光はダメなのでしょうか?
 いえ、私はそうは思いません。
 たとえば、前頁で写真紹介した「みそ汁」のちっちゃなお店。キノコ汁やタケノコ汁一杯200円。山菜天ぷらは一皿300円。けっして大きな商売、稼ぎではありません。でも、このお店は有名で、ドライブ計画に「栄村の道の駅のみそ汁で朝食」と決めていて、朝9時の開店と同時に訪れるお客さんが多くおられます。お店は人手が足らなくなり、かあちゃんのアルバイトを募っている状況です。
 直売所「かたくり」にしても、1日の売上げが30万円を超える場合でも、一品一品は200円、300円のものがほとんどです。それでいて、「わたしゃ、直売所から10万円の入金があったよ」と言うばあちゃんがおられます。
 さらに、秋山郷・切明温泉の雄川閣では、近くの集落のおとうさんにお願いしていい山菜をご提供いただき、山菜料理がお客さんの好評を得ています。
 私は、こういうことの積み重ねが観光であり、村の人たちの暮らしを潤していくのだと思います。
 行政が「着地型観光商品開発補助金」などとして補助金を出すことが必要な場合もありますが、率直に言えば、そういうものがあまり大きな効果をあげているという感じはありません。行政(商工観光課)は、ここまでに紹介した村の人たちの取り組み状況に学び、それを後押しすることにもっと努力を傾注(けいちゅう)すべきだと思います。たとえば、村のホームページで、私がここに書いているようなことを紹介するというような取り組みです。「村のホームページは公(おおやけ)のものだから、特定の店を紹介できない」なんてことばかり言っていると、栄村(の観光)の元気は湧いてこないと思います。
 みなさん、それぞれの創意工夫を発揮して、頑張っていきましょう!


秋の景色と、そこから思うこと

 秋本番を迎え、村内のいろんなところで写真を撮っています。何枚か、紹介します。

 

15日朝の野々海池(午前7時44分)

 快晴で無風(さざ波も立たない)という条件で、朝方の1時間ほどの間だけに見られる景色です。今年の野々海池の紅葉は20日〜23日頃がピークになるのではないでしょうか。
 この日は、「松本」ナンバーなど、3人の方が午前7時頃着で写真を撮りに来ておられました。もっともっと多くの人を誘客できるスポットです。同時に、野々海環境保全計画のようなことに村として取り組む必要があると思います。

 


雑魚川と満水川が出逢う「廻り逢いの滝」(10日昼撮影)

 ここは地籍としては山ノ内町に属しますが、栄村の「大滝」入口から雑魚川沿いの遊歩道(「奥志賀渓谷コース」と名づけられている)を進むと、この地点に出会います。この写真をめぐって、2つの話題を紹介したいなあと思います。

 

どういう観光情報が求められているか?
 1つは、撮影日の10日にこの遊歩道を歩かれた人たちとの会話です。
 ご夫婦3組、アマのカメラマン、松本ナンバーの人たちと出会いました。横浜から来られたご夫婦は9時頃に「清水小屋入口」から入られて、大滝まで行き、もう一度、清水小屋入口まで戻って来られた方でした。往復2時間半以上かけられたのだと思います。「素晴らしいところです」。「この先にも、いいところあったら、教えてください」。志賀高原方面から来られ、ここから先の秋山郷はご存じありませんでした。「今回は帰宅日程が決まっていますが、来年はご紹介いただいたこの先へ必ず行きます」。
 私自身も含めて、栄村の(観光)関係者は、「志賀高原が観光客の多くをおさえていて、志賀高原のホテルが客を秋山郷に連れてきて、秋山の観光資源を利用している」と思い込んでいる面があります。そういう面ももちろんありますが、首都圏方面の人たちが北信濃に来る場合、草津温泉や軽井沢→渋峠→志賀高原というルート、あるいは、新幹線(長野か飯山)→野沢温泉村というルートで来る人が多いのです。そこで、いちばん大事なことは、そのルートで来る人に栄村の秋山郷の見どころを案内・アピールする仕掛けがほとんど存在していない、そのことを打開しなければならないということです。たとえば、上で紹介した雑魚川沿いの「奥志賀渓谷コース」、栄村の観光案内ではまったく紹介されていません。志賀高原の人たちが遊歩道の整備をして下さっていて、その関係もあってか、名前が「奥志賀渓谷」となっていますが、まさに秋山郷の超魅力スポットです。
 また、屋敷〜奥志賀公園栄線間の秋山林道、ミズノサワも白沢も案内図にはちょろっと出てくるだけで、現地に行っても、目印も案内板も何もありません。さらに、志賀高原や野沢温泉村、カヤの平という観光地に栄村の宣伝パンフ等(それらの観光地から栄村への進み方の案内)を目立つように置くことが必要です。

 

嬉しかった出会いの人からのメール
 10月16日、パソコンで新着メール一覧を見ると、これまでメールをいただいたことがない人の名前が出てきました。しかし、特徴のあるお名前だったので、さっと記憶が蘇りました。9月27日に秋山で出会った人です。ちょっと紹介します。
   「あの後、ずっと遊歩道を歩いて滝を見て、そのまま川

    沿いに進んで森を満喫しました。あそこは大滝しか知

    らなかったので、本当にいい場所を教えていただけて

    ラッキーでした。……
    他にも私たちの知らない場所があるのだろうと思います。

    ……栄村の山々はどんな様子かと想像しながら、また訪

    ねる日を楽しみにしています。」
 「滝」というのは三段の滝のこと。「森を満喫した」という言葉には、逆に私が感心しました。そう、「森を満喫」というのが人を惹きつける魅力なのです。
 先に示した野々海池の写真では、東京の人から、「思わず深呼吸をしました。空気の澄み渡っているのまで写しとられている」とコメントいただきました。
 「森を満喫」、「空気が澄み渡っている」、栄村で暮らしていると、“当たり前”になってしまっていること。言われなければ、気がつかない面があります。
 出会った人たちとの会話(コミュニケーション)が村の魅力を引き出します。振興公社の宿泊施設のスタッフの一人がそういう思いをフェイスブックで書いておられます。大事なことです。
 もう1組の写真を紹介します。

 

 


 栄村の隣、藤沢あるいは桑名川から国道403号線を上がり、伏野峠(ぶせのとうげ)を越えたところで撮影したものです。山の名前は菱ケ岳。山のむこうに見えるのは安塚(上越市)。
 5人グループの人たちが16日、栄村に宿泊され、翌17日、信越トレイルに天水山松之山入口から入って伏野峠まで歩かれました。所要時間8時間強です。最高齢者75歳のグループでしたが、冬山装備を整えて入山され、疲れも見せず、元気に伏野峠に下りて来られました。その後は「トマトの国」の温泉に浸かり、18日朝は直売所かたくりで買い物をされてお帰りになりました。
 信越トレイルを歩く人は多いです。野々海でもよく出会います。しかし、栄村が信越トレイルに熱心に取り組んでいるという雰囲気は感じられません。ある人が、「森の駅前で靴を脱いで休んでいる人の姿をよく見かける」と話しておられましたが、「信越トレイルを歩かれる人へ」というような歓迎・挨拶の掲示物などは見られません。
 「栄村の人たちが大歓迎してくれたよ」という話がトレイル愛好者の間に口コミで広がれば素敵なんだがなあと思います。


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