プロフィール

profile
栄村復興への歩み
2011年3月に震度6強の地震で被災した長野県栄村で暮らす松尾真のレポートを更新しています。

カテゴリー

categories

サイト内検索

Search

カレンダー

calender
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
2627282930  
<< November 2017 >>

最近の記事

selected entries

最近のトラックバック

recent trackback

月別アーカイブ

archives

栄村関連リンク

links

携帯用QRコード

mobile
qrcode

ブックマーク & RSS

Bookmark&RSS

クマの所在の確認と対策の措置

 6月7日、村は下写真に見える緊急警告看板をスキー場内の村道の一角に設置しました。

 


 「このすぐ近くでクマの巣が発見されました。ここのスキーコースに立ち入っての山菜採りは危険。ただちにこの場を離れて下さい」というものです。
 これは、5月2日に地元住民がクマの穴と思われるものに遭遇した地点付近を6月6日に私を含む2名で再調査し、クマの巣の所在が確認されたため、役場に申し入れをして設置してもらったものです。
 今年は、昨年よりも1ヶ月以上早い時期からクマの目撃情報が相次いでいます。村は6月初旬の全世帯への配布文書でクマへの警戒、目撃情報の役場への集中を呼びかけました。
 クマ対策は待ったなしの緊急課題になっています。警戒と情報の集中を心がけてください。


「グワーン」というクマの警戒音で撤収

 

 

  1枚目の写真では残雪がきれいな苗場山の姿が正面に見えます。2枚目はスキー場のゲレンデの上方を望んだもの。
 好天ということもあって、いずれも素敵な景色です。さかえ倶楽部スキー場のDコースからの今日6月6日午後の撮影です。


 いまの季節は、山菜採りの人が数多く入ってきます。4日の日曜日もこのあたりでワラビを採る人をたくさん見かけたと地元の人から聞きました。山菜採りに入って来ている人たちは地元の人ではなく、村外から来た人たちです。
 この場所近辺でワラビやゼンマイのいいものが採れる場所を知っている地元の人は、最近、この場所には入りません。なぜなら、5月2日にゼンマイ採りに出かけた青倉集落の女性Bさんがクマの穴と思われるものに遭遇し、クマの唸り声らしきものを聞いて、逃げてきたという経験があるからです。

 

「対策を強化するには実地調査から」ということで現場へ
 今日6月6日午後、私は、有害獣対策に取り組んでいるA氏に同行していただいて、5月2日の事件があった場所付近に調査に出かけました。下の写真のようなところです。

 

 

 手前に池が見えます。その先は、もう木の葉が繁り、鬱蒼とした森になっています。
 この池の近くでBさんが遭遇した5月2日の事件はありました。

 A氏と私は慎重に森の中に進みました。
 足場も悪くて、いい写真が撮れませんでしたが、この森の中の木々の間から「トマトの国」の建物が真正面に見えました。下の写真は「トマトの国」の一部が見えているものです。

 


クマの生息が確認できるものが多数
 4月27日に「トマトの国」の対岸の崖に出た大きなクマが逃げて行った先にあたるところには、クマの通り道と思われるものがありました。下の写真です。

 

 

 この通り道には、クマが爪で引っ掻いた痕、足跡、さらに大きな糞が見られました。
 私はA氏に教えられて分かるというレベルで、しかも足場が悪いので、いい写真は撮れていませんが、爪の痕、糞は撮れています。

 

 

 うまくピントが合っていませんが、木の幹に白っぽく見えるのが爪の痕です。

 

 

 これはクマの糞です。少し崩れていますが、かなり大量のもの。大人のクマのものでしょう。
 このすぐ近くで小さな糞がいくつかあるのも見ました。子クマのものかもしれません。


 このすぐ下はいっきに崖になっています。「トマトの国」から見える崖です。

 

「グワーン」という音を耳にして撤収
 そして、A氏が「こういう緑色の濃い木の下なんかにもクマはいるんですよ」という話をしてくれて、私が次に示す写真を撮った直後だったでしょうか、「グワーン」という音を耳にして、ちょっと気になりました。すると、A氏も「いま、音がしましたよね」と言います。私の空耳ではなく、あきらかにクマが警戒音を発したのです。

 

 

 「間違いないですね。クマがいますね。警戒音を出したのだから撤収しましょう」と話し、すぐに撤収しました。


 現場から下り、貝立橋の近くで車から降りてA氏と話している時に、5月2日の事件を私に教えてくれたBさんのご主人と出会いました。6月4日にもこの現場近くのゲレンデでワラビ採りをする人が多くいたという冒頭に書いた話を彼から聞きました。


現場地図と、ただちにとるべき緊急措置

 

 

 現場を示す地図です。
 水色はスキー場Dコース。赤丸が私が今日行き、クマの警戒音を聞いたところ。緑色は4月27日に大きなクマが崖を登って逃げたところです。
 水色で示したスキー場Dコースと村道が交差していますね。2ヶ所で交差していますが、より上の方、ここにはワラビ採りのためと思われますが、人が登った足跡がはっきり見られました。Dコースの中には今日はカヤがかなり伸びている箇所もありましたが、まだまだ採り頃のいいワラビも多数見られました。

 そこで、ただちにとるべき緊急措置は、この村道とDコースの交差する場所付近に、かなり大きな警告看板をただちに設置することです。
 この看板にはただ「クマ出没注意」と書くのではなく、
     「ここはスキー場のDコースで、いいワラビが出ていますが、

     このすぐ近くでクマの巣があることが確認されました。ここ

     からコース内に入ること、この近辺で山菜採りをすることは

     非常に危険です。この場付近で山菜を採ろうと思って来た人

     はただちにこの場を離れて下さい」
という具体的かつ緊迫したメッセージを書くことが必要です。
 私は村役場に緊急措置をとるように申し入れます。

 

今後、とるべき措置
 今回、クマの警戒音を聞いた場所は、昔は田んぼがあったところです。また、さらに昔は炭焼き窯もあったところのようです。その意味では「人間エリア」だと言えます。
 しかし、炭焼きが行われなくなり、田んぼもやられなくなって、いまは「クマのエリア」になっていると考えるべきゾーンです。
 この場所を「人間のエリア」に戻すのか、それとも「クマのエリア」として認知し、人は近づかないようにするのか、これから検討し、決定しなければなりません。
 「人間のエリア」に戻すという場合は、ただ観念的に「ここは人間のエリアだぞ」と思い、「クマを見つけたら撃って駆除する」というのではダメです。草刈り、森(林)の手入れ、そして人間が日常的に活動するエリアとすることが必要です。現在およびこれからの地元住民がそこまでやる気があって初めて、「人間のエリア」に戻すことができるでしょう。
 生半可なことでは出来ないことです。ただ、いい山菜は出るし、景色もいい(冬はスキー場のコース)。放っておき、「クマのエリア」とするのは残念だというのも事実です。

 当面は絶対に近づかない、上述のように緊急告知の看板を立てる。
 そのうえで、ひとまず、地元の古老たちから、昔、人びとがこのゾーンでどういう暮らしの営みをしていたのかを聞き取り、たとえば炭焼き窯の所在地(かなりの数があるはず)を地図上に落とし込んでいくというような作業をしたいと思います。
 そして、「人間のエリア」として回復する場合に必要な措置、エリアの活用方法などの検討に進んでいきたいと思います。
 冬の狩猟期間になれば、狩猟許可を所持している人にこの現場近くの様子を見ていただくこともありうるかと思います。


 ここに記したことは、この場所だけに限られた課題ではありません。この間、クマが出没している地点をめぐって、同様のことを追求していく必要があると考えます。

 

(了)


クマ対策はこんなふうに進めよう!

 次頁に1枚の地図を掲載しました。
 4月27日〜5月16日の間にクマが目撃された地点を地図に落とし込んだものです。

 

 

 A点は、4月27日夕、トマトの国の対岸に大きなクマが現れた(本紙No.305で既報)地点です。B点は、5月初め、青倉の人がクマの巣と思われるものを見、その直後に「ウー」というクマが発したと思われるうなり声を聞いたところです。
 C点は、5月3日と5日に木に登っているクマなど複数のクマが目撃された地点(本紙No.306既報)。そして、D点は5月16日午後10時頃にクマが目撃された地点(横倉教員住宅前)です。
 A点とB点は、A点で目撃されたクマが崖を登っていきましたが、その崖の上がB点という関係にあります。
 他方、C点とD点とは離れているように見えますが、同じ山の標高が高い所と麓(ふもと)という関係にあり、直線距離では約2kmしか離れていません。しかも、C点とD点の間のゾーンでは昨秋、クマ1頭が罠にかかり(放獣)、また例年、クマがクリの木に登った形跡が確認されている場所もあります。C点のクマとD点のクマが共通している可能性を排除できません。

 

目撃地点を地図に落とすことの大事さ
 このように目撃地点を地図上に落とし込む作業が、クマ対策の基礎的作業として重要です。この作業を重ねていくことによって、クマの生態と動態がよくわかるようになり、罠の設置や電気柵の設置設計がより有効なものとなります。
 「自分の家の周りの柿の木には毎年、クマが出る。いちいち役場に通報しない」という人もおられることと思います。そういう場合、目撃情報の告知放送は必要がないこともありえますが、栄村域内のクマの生態・動態の解明・分析、そして対策にとって、その情報は重要な意味を持ちますので、是非、役場に通報していただきたいと思います。

 

クマ問題を〈役場が即座に最大級の対応をとるべき危機管理課題〉として明確にすることが必要
 ところで、5月16日夜の横倉教員住宅前でのクマ出没については、出没地点が栄小のすぐそば、子どもたちの通学路に面しているにもかかわらず、役場から小学校への連絡が翌17日の午後3時半頃、子どもたちの下校が終わってからだったという問題が生じています。
 詳しい経緯は略しますが(ブログ「栄村復興への歩み」5月21日記事で詳述)、クマの目撃通報についての扱いが緊張感の薄いものになっていることが問題であると私は考えます。
 クマの目撃通報があった場合、それをクマ目撃地点一覧地図に即座に落とし込み、過去の履歴を重ね合わせて検討する、近くに小学校及び通学路など保護すべき対象があれば即座に最大限の対応措置をとることが必要です。
 現在の村(役場)の対応措置はあきらかに不十分であり、緊張に欠けていると言わざるを得ません。
 中見出しに表記したとおり、〈役場が即座に最大級の対応をとるべき危機管理課題〉として明確にし、態勢を抜本的に求めます。

 


<追記>
 飯山市照岡での山腹崩壊、大変な事態です。21日、現場を見てきました。ブログ「栄村復興への歩み」のレポートを是非、ご覧ください。


クマの目撃地点の相互関係について

 

 地図に4つの赤丸を書き込みました。
 A点は、4月27日夕刻に「トマトの国」対岸の崖面にクマが現れた場所です。
 C点は、5月3日と5日の夕にブナの木に登っているクマなどが目撃された地点です。
 D点は、5月16日夜10時頃、クマが出没した地点(横倉の教員住宅前)です。このクマは子クマと聞いています。
 B点は、青倉の島田助一(じょいち)さんの奥さん・みなみさんがゼンマイ採りに行って、ススキの枯れ枝の先に何かの穴を見た直後、クマのうなり声を耳にしという地点です。5月初めのことです。
 このB点、じつは、A点から崖を登りつめた地点に他ならないのです。
 あの日、クマはまさにこの崖を登って、猟友会の人の捕獲銃から逃げ切りました。
 みなみさんがスキー場のある地点でクマの巣に出くわしたという話は、4月27日のクマ騒ぎのしばらく後に複数の人から聞いていました。しかし、私は地図でB点として示した地点とは異なるところだと理解していました。
 ところが、今日20日午後、助一さんと出会い、詳しい話をお聞きして、B点だとわかったのです。
 B点は、スキー場内のブナ林を抜けて、大きなカーブ(写真イ)を曲がって30mほど進んだところ(写真ロ、ハ)から右斜め上に上がって行った先にあります。何枚かの写真を示します。

 


写真イ

 

写真ロ

 


写真ハ

 

写真ニ


 写真ハの右側に見える道はスキー場内の村道、左側に見えるのは今は使われていない軽トラが通れる程度の作業道。この作業道を上がると、写真ニの地点。これはスキー場のゲレンデです。
 そして、ゲレンデを横切った先に写真ホで示す場所があります。これは問題のB地点があるゾーンです。

 

写真ホ

 

●島田助一さんの話をお聞きして
 今日、助一さんからお聞きしたところでは、みなみさんがB点でクマの巣に出くわした直後に、助一さんは猟友会の人に連絡をされたそうですが、すでに有害捕獲の期間(4月30日まで)を過ぎていたため、出動してもらうことはできませんでした。そこで、つぎに、役場に行き、話をされたそうです。その結果、役場は青倉に「注意 クマ出没」という看板を設置しました。が、助一さん曰く、「あんな小さな看板だけだぜ」と。
 私もその看板を見ましたが、助一さんと同様に思います。
 私は、助一さんから「危ないから行かない方がいい」と言われながらも、写真イ〜ホを撮るところまでしました。大きな音を出しながら、遠くが見通せる範囲内での行動です。
 これは、抜本的な対策をとる必要があると判断して行った、ひとまずの最小限の行動です。

 

●5月16日夜の横倉でのクマ出没について
 ところで、5月16日夜の横倉でのクマの出没について私が知ったのは17日夜のことです。知人からのメールで知りました。
 クマが出た横倉教員住宅前というのは栄小学校のすぐ近くで、月岡の子どもたちの通学路と接するところです。ところが、小学校に連絡があったのは17日午後の下校の後で、父母に一斉連絡があったのも下校後であったことから、父母の間で「教育委員会の対応が遅すぎる」と問題視されている――これが私が知人からもらったメールに記されていたことでした。
 私は、「教育委員会の問題というよりも、役場の有害獣担当の問題なのではないか。役場の関係部署に尋ねてみる」と返事しました。
 18日、まず、教育委員会の学校教育係を訪れ、事の次第について尋ねました。学校教育係の回答は、「担当部署から連絡を受けて、小学校にすぐに連絡をした。ちょうど職員会議の最中で、学校はすぐに父母に一斉連絡した」というものでした。
 そこで、続いて、有害獣対策担当部署である産業建設課を訪ねました。そこで判明したことは次のとおりです。
   イ) 16日夜10時頃、役場に目撃通報があった。
   ロ) 当直は2名。仮にA職員とB職員とする。電話にはB職員が

    出た。時間が夜遅くだったので、告知放送はしないことにし

    た。当宿直簿に「横倉でクマ目撃」という記録をした。
   ハ) 役場の有害獣対策の直接の担当者であるC職員は、17日出

    勤後、この記録を確認した。ただし、「横倉で目撃」という

    だけの記録であったので、小学校との関係性には思いが及ば

    なかった。
   ニ) B職員は、18日、午後3時頃まで役場を離れる仕事をしてい

    た。C職員は、B職員が役場に戻ってから目撃場所が横倉教員

    住宅前であることがわかり、小学校の通学路と密接な関係が

    あるとして、教育委員会事務局に連絡した。

 

 私が、ここに経緯を詳しく書いたのは、関係職員の責任を追及しようという意図からではありません。
 いちばんの核心問題は、クマをはじめとする有害獣の問題が村役場にとって危機管理上、即座の最大級の対応をすべき問題となっていない、ということです。
 即座の最大級の対応をすべき問題として位置づけされているならば、当宿直簿に「横倉」としか書かれなかったということにはなっていないでしょう。
 あるいは、B職員が役場外での仕事だったから、C職員が17日午後3時すぎまで具体的な現場を知らなかったということも起こりえないでしょう。携帯電話がほとんどのところに通じる時代ですから、B職員に連絡はとれるはずです。しかし、そういう連絡はとられなかった。これはC職員個人の問題ということではないと、私は判断しています。
 この関係でさらに踏み込んでいえば、昨秋、泉平でのクマによる人への襲撃事故があった際、現場にいた役場の担当職員2名は、いずれも有害獣対策担当1年目だったと聞いています。
 そういう重大事故を経験して、有害獣対策の重大性を身に染みて感じとっているはずの職員2名は今春の人事異動でいずれも他部署に異動し、C職員1名が担当となったのですが、彼は有害獣対策はまったくの未経験の若い職員です。
 私はこの人事に強い違和感を覚えます。人事権者は有害獣対策の経験と知識・知恵の蓄積ということの重要性をまったく理解していないのではないかと思うのです。

 

●クマ目撃地点を地図上に落とし、分析・考察することが本格的抜本的対策の第一歩なのではないか
 このレポートの冒頭に私は地図を掲載し、4つのクマ目撃地点を地図上に落としました。
 これによって、何かが見えてきますね。
 A点とB点の関係性は助一さんのお話もあり、明白です。
 私はC点とD点の関係性にも注目しています。この2地点、地図を見れば明らかなように1つの山(尾根)とその麓という関係性です。直線距離では約2km足らずです。1頭のクマの行動範囲内です。しかも、C点とD点の間に、昨秋、クマが罠にかかった地点、毎年クリの木にクマが登る地点があります。
 C点で5月3日と5日に私を含む数名が目撃したクマと、D点で16日夜に目撃されたクマが共通する可能性は十分にありうるのです。

 こういう検討作業をしていくことによって、危険ゾーンや要対策地点があきらかになっていくはずです。

 

●「近所の人も知っているから役場に通報しない」というのは正しくない
 ところで、クマのことが話題になると、「おれの家の柿の木にクマが来るんだ」という類の話がよく出てきます。その場合、「毎年のことだし、近所の人も知っているから、いちいち役場には通報しない」という話もくっついてきます。
 こういう話に覚えがあるという人は多いのではないでしょうか。
 しかし、この対応は正しくないと思います。
 べつに、役場に通報し、告知放送をしてもらって騒ぎにしろ、と言いたいわけではありません。
 「おれの家の柿の木にクマが来るのは毎年のこと」と言って済ますのではなく、一度、みんながクマ情報を役場に集約し、村のクマ被害の全体像をあきらかにする必要があるということを言いたいのです。

 

●いまが対策の最後のチャンスかもしれない
 先日、「報道ステーション」でクマ問題のミニ特集が放映されましたが、その中でクマの生態の研究者が、「これまでクマの一定頭数の維持(=クマの保護)が課題とされてきたが、近年、クマの頭数が維持すべき頭数の9倍近くになっている。いま、対策をしなければ、イノシシやシカのように増殖を抑えられない状況になってしまう」という警告をしていました。
 栄村でも、かなりの人が危機感を抱いておられるように、クマの頭数が保護が必要な水準をはるかに超えて増大していると思われます。
 いま、対策をしなければ、もはや制御不能な状態となり、人間が安全に暮らせるゾーンがなくなるという危険が迫っているのではないかと、私は危機感を抱いています。

 みなさんがお持ちのクマの動態に関する情報をすべて出していただいて、情報を整理し、分析・考察しなければならないと思います。
 私は議員としての使命も自覚し、議会で議論するとともに、役場と頻繁に話し合っていきたいと思います。
 ひとまず、みなさんの知っておられることを私に教えてください。一人でできることには限りがありますが、最大限の努力をしたいと思っています。
 どうかよろしくお願いします。


栄村復興への歩みNo.306

クマに厳重注意を!

 

 前号でもクマの出没への注意を呼びかけましたが、さらに一層の危機感をもって厳重警戒を訴えます。

 


 上の写真には2頭のクマの姿が見えます。1頭はブナの木に登って、新芽・新葉を食べています。他の写真ではさらにもう1頭いることが確認できました。3日午後6時半頃のことです。
 場所は横倉沢川沿いの山。5日夕にもほぼ同じ場所で1頭が現認されましたが、その場所が下写真の赤マークの地点。青色で囲ったのは横倉の山にある携帯電話のアンテナ塔です。

 


 5月3日の時点でクマがこういうゾーンをウロウロしているということは、間もなく里にも姿を現すだろうということを意味します。

 

●人を攻撃する習性をもつクマに警戒! とくに泉平周辺ゾーンは危険!
 栄村域に生息するツキノワクマは、本来、自ら積極的に人を攻撃する習性は有さないとされてきました。
 しかし、10日夜のTVニュースでも紹介されていましたが、人の姿を見ても逃げず、クマ鈴の音はいうもまでもなく爆竹の音にも驚かない“新世代クマ”と呼ばれるものが東北地方などに出現しています。
 とくに危険なのは、人を襲った経験があるクマ、そのDNAを引き継ぐ子や孫にあたる新クマです。こういうクマは人を見たら、逃げるどころか、攻撃してくる危険が大です。
 栄村では昨秋、泉平で錯誤捕獲されたクマを放獣しようとした際に人が襲われるという重大事故が発生しました。このクマは逃げ、現在も泉平近辺のゾーンで生息し続けている可能性が大です。
 泉平地区などの人たちは警戒されていることと思いますが、深刻なことは、山菜シーズン、泉平近辺のスーパー林道に多数の長岡ナンバー車が見られることです。4日も、地元民などが「クマの通り道」として警戒している場所から、見知らぬ女性が山菜を手にして出てくるのを目撃しました。少し離れた所に長岡ナンバーの車が停められていました。

 

●対策方法は?
 第1は、クマの出没が予想されるゾーンには1人で出かけないこと。
 第2は、クマのえさとなるものを家周辺や畑などに放置しないこと(野菜くずなど)。
 第3は、畑や田んぼの周りに電気柵の設置と、さらにその周りに緩衝帯(かんしょうたい)を作ること。緩衝帯とは、電気柵の周りに幅3mくらい、草をきちんと刈ったゾーンを確保することです。
 この第3の点は個人の力だけでは対応できないという人も多いと思われます。村の中で力を合わせて対策できる態勢をつくっていきたいと考えています。困っている方は是非、私にご連絡・ご相談ください(電話080−2029−0236)
 みんなで力を合わせて対策していきましょう!


今夕もクマが木に登っていた

 

 5日夕5時50分頃、スキー場から下って3日夕のクマ目撃地点に近づくと、軽トラ1台が停車中で、カメラを手にした知人がいた。「いるの?」、「います、います」。
 まず、クマがいる場所を示そう。
 城ヶ館の農道崩落地点(復旧済)からの撮影で、横倉沢川を挟んで、対岸左上方に横倉の山の携帯電波塔が見える(青色でマーク)。赤色で囲ったのが5日夕にクマが登っていた木で、黄色マークがクマ。
 ブナなどがどんどん芽吹き、木々の様子が日々刻々と変化するので分かりにくいが、3日夕に登っていた木とは異なる木で、3日よりも向かってやや左手の木のように思われる。
 さらにいえば、5日の木は、木の幹に大きな穴が開けられ、クマの巣になっている木ではないかと思われる。4日夕に撮影して、そういう木を発見したが、その木と形状、周辺の様子が似ている(撮影角度が異なるので明確な断定はできないが)。
 次頁以降で、クマが木に登っている様子、木から降りてくる様子などを示す。
 なお、クマが木を揺すり、木全体が揺れる瞬間も目撃したが、その様子はうまく撮れていない。

 

 

 

 午後5時55分撮影。拡大したものを下に掲載したが、木の幹・枝にまたがっている様子がはっきり見える。

 

 

 午後6時3分。クマが木から降り始めた。その様子を連続写真で。

 

 

 

 

 

 

 

 

6時5分

 

 木の幹に姿が隠れたが、顔は見えている。

 最後の写真でクマの顔が見えているのがわかったのは、写真データを整理してからのこと。「もう見えない」ということで、この日の撮影はここまでで終えた。

 


クマがブナの木に登り、新芽・新葉を食べる

 

 上の写真は、クマがブナの木に登り、新芽・新葉を食べているところ。撮影時刻は3日午後6時19分。場所は横倉沢川沿いの横倉の山。撮影地点は横倉沢川を挟んで反対側の青倉集落・城ヶ館(じょうごだて)上の農道上。撮影地点とクマが登っている木の間の距離は100〜200m。撮影した写真を拡大して提示しています。
 夕刻6時9分、「そろそろ温泉に行こう」と思っていた時に知人から電話。「クマが木に登っている。すぐに来ないか」という知らせ。軽トラを飛ばして、8分ほどでクマが見える地点に到着。1枚目の写真を6時18分に撮っています。
 当初は1頭のみを視認しましたが、その後、後から駆け付けた人も含め、「3頭いるぞ」という認識。少なくとも2頭は同時に撮影できました。
 次頁でその2頭同時撮影の写真をご覧ください。

 

 2頭の姿をはっきり確認できます。1頭はブナの木の上。もう1頭は地上を歩いています。午後6時34分の撮影です。
もう1枚あります。

 


 ブナの木に登っているクマの姿が見えると同時に、ブナの木の左部分の葉の陰にもう1頭のクマの黒い姿が見えます。この写真は6時26分の撮影ですが、この写真の直前に撮ったもの(下の写真)を見ると、葉の陰に隠れる前のクマの姿をはっきり確認できます。

 

 

 

 クマがいた場所の全体像を示します。

 

 

 手前に斜面が崩壊している様子が写っていますが、一昨年の融雪期、青倉・城ヶ館上の農道が崩落した場所です。
 クマが登っていたブナの木は、山の上方のものではなく、この写真の真ん中よりやや右に1本だけ芽吹いているものです。

 ブナの木にクマが登っているのを見たのは初めて。また、複数のクマを同時に見たのも初めて。
 「こんな場所に人はいかないから大丈夫」と思う人もおられるかもしれませんが、山菜採りの名人はこういう山の斜面などに行かれるものです。また、こういう場所で採れる山菜はいいものが多いのです。
 山菜シーズンを迎えたいま、非常に危機感を抱かずにはいられません。クマの有害捕獲の許可期間は4月30日で終了しているようですが、先日の「トマトの国」対岸のクマ(「栄村復興への歩み」No.305掲載)といい、今夕のクマといい、私たちの暮らしにとっての切迫した危険を感じます。特例措置での駆除許可を望みたいです。


クマの出没期になりました。ご注意ください。

 

 上写真は、4月27日夕刻6時すぎ、「トマトの国」の中条川対岸の崖面を移動するクマです。かなり大きなものです。
温泉に入りに行き、鳥甲山があまりに美しいのでカメラを構えていると、すぐ近くで「ズドーン」という大きな音。振り返ると、人だかりが…。
 クマの目撃情報があり、猟友会の人が二人出動して、対岸から何発か、撃ちました。しかし、クマは崖をどんどん登り、鉄砲は届きませんでした。
 役場の担当者も来ていましたが、すでに目撃情報が数件入っているとのこと。雪が消え、クマがあちこちに出没する季節になったのですね。

 

赤線で囲ったところが上の写真の箇所。その後矢印方向に逃げた


 山菜とりで山に入る機会も多くなると思います。
 音を出すなど、充分な対策をとるようにしてください。また、目撃した場合はすぐに役場に知らせるようにしてください。
役場の担当部署は産業建設課です。
 さらに、畑の周りでの電気柵の設置、電気柵周囲の草刈りなどの対策措置を積極的に進めていきたいものです。


国道周辺に出没するイノシシが仕留められた

 昨18日、知人から村内のA集落にイノシシが出没していて、17日にはスノーダンプで雪をかまっていた女性にむかって突進してきたと聞いた。
 FBでのやりとりで、「見かけたら跳ねてください」と言われ、経験したことはないが、やるざるをえないかと思っていた。
 今日19日の午後3時頃、そのA集落での配達にむかって国道を走っていたら、手前のB集落で国道から集落内道路に入ったところでイノシシが暴れているのを目撃。通行量がある国道なので停車できず、通り過ぎ、路側に停車できるところで停まって、知人に電話。二度通じなかったが、間もなく、先方から電話。目撃地点を伝えると、「追っている最中。すぐにその現場に行く」という返答。私も引き返して、目撃地点へ。
 間もなく目撃地点という所で、知人から再び電話。「仕留めました」と。
 仕留めた現場を聞き、すぐに駆けつけた。
 「60圓らいかな」とのこと。
 現場に入っていく地点のおかあさんに知人が話に行き、そのおかあさんの家から血の跡が見えるので、雪を削って血痕の消すことになった。こんな除雪作業は初体験。

 その後、知人宅での解体の様子も見た。
 内臓を取り出したうえで、明朝まで逆さまに吊るし、血抜きをする。
 吊るす作業をやっている最中に知人のお子さんが学校から帰ってきたが、その作業を見ても平気。小さな時からお父さんが作業を見ているので、大丈夫だそうだ。

 仕留められた姿を見て気持ちよいものではないが、住宅前で除雪している人が襲われそうになっているのだから、しかたないと思う。
 豪雪地の栄村にイノシシが生息していること自体が異常なのだが、そのイノシシが山の中などにとどまっているのならともかく、住宅のあるところに頻繁に出没する事態は危機的。
 有害獣の駆除は村にとって緊急かつ超重要課題です。
 以下、写真をご覧になりたくない方はここで終わりにしてください。少しスペースを空けたうえで、写真3枚を掲載します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

軽トラで運ぶために国道まで曳いていくところ。使用銃は散弾銃で、一発で仕留められました。

 

青色でマークしたところが弾の貫通点。アバラが折れている。

 

以上

 


県道脇にイノシシ!!

 10日午後3時20分頃、東部地区の県道を北野方向に進み、間もなく笹原集落という所で、進行方向左手の雪上に異様な物体が目に飛び込んできた。
 一瞬、「?」となったが、車のスピードを落としてみると、なんとイノシシ!
 こんな所で遭遇するなんて想像もしなかった。

 


 最初に目撃した時はカメラを構える余裕などなかった。
 通り過ぎ、配達予定の1軒に行ったうえで、車をターンさせて現場に戻ると、位置を少し変えて、まだいた。
 上の写真はその時に撮影したもので、運転台横の窓ガラス越しに撮っているので、あまり鮮明ではない。また、あまり顔をはっきり見ることはできないが、最初に見た時、意外としっかり顔を見た。「猪豚」の顔で、生粋のイノシシの顔ではないと思った。

 最初に目撃した地点、足跡からすると、北野川から上がってきた可能性がある。
 私が車をターンさせて戻った時、長岡ナンバーの軽トラが長瀬方面からやって来て、やはり「イノシシ」に気づき、停車。様子を見ているようで、イノシシが県道を横断し始めると、車で跳ね飛ばそうとしたが、イノシシはスルッと車をかわし、反対側の田んぼの雪上に逃げ、その後、山の方にゆっくりと移動していった。

 

 

 

ここが最初に目撃した地点。

 

イノシシの足跡。


 昨秋は青倉集落の山の田んぼでイノシシのひどい被害があった。森の開田でもあったようだ。また、飯山市の栄村に隣接する地区では、近年、イノシシ被害がひどいと聞いた。
 私が栄村に移ってきた頃、「雪国にはイノシシは生息しない」と聞いたものであったが、近年、イノシシが増えている。どうも始まりは、外部の者がイノブタをこの地域に放ったのではないかという話も聞く。
 いずれにしろ、クマ対策とともに、有害獣対策の抜本的な強化が必要である。
 なお、すぐ近くのお宅の人と役場にはイノシシを目撃した旨、お伝えしておいた。

 

 

 昨10日のイノシシ出没地点を今日11日、撮影した(午前10時58分、雪は止んでいる)。

 

 

 「北野川から上がってきた可能性がある」と書いたが、その後、見たイノシシの様子を思い返すと、いくら雪上を歩いてきたとはいえ、体毛がずぶ濡れという感じだった。やはり川を渡ってきたのではないだろうか。そこで、断崖絶壁の下を流れるこの地点の北野川の様子を1枚、撮ってみた。

 


 綺麗な雪景色だ。
 対岸は栄村地籍であるが、山を越えた向こう側は津南町の前子集落。「集落」とはいっても、一昨年に訪ねた時は住人は1名のみ。冬の間は津南の町中の町営住宅で暮らすのだと聞いた。