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栄村復興への歩み
2011年3月に震度6強の地震で被災した長野県栄村で暮らす松尾真のレポートを更新しています。

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国道周辺に出没するイノシシが仕留められた

 昨18日、知人から村内のA集落にイノシシが出没していて、17日にはスノーダンプで雪をかまっていた女性にむかって突進してきたと聞いた。
 FBでのやりとりで、「見かけたら跳ねてください」と言われ、経験したことはないが、やるざるをえないかと思っていた。
 今日19日の午後3時頃、そのA集落での配達にむかって国道を走っていたら、手前のB集落で国道から集落内道路に入ったところでイノシシが暴れているのを目撃。通行量がある国道なので停車できず、通り過ぎ、路側に停車できるところで停まって、知人に電話。二度通じなかったが、間もなく、先方から電話。目撃地点を伝えると、「追っている最中。すぐにその現場に行く」という返答。私も引き返して、目撃地点へ。
 間もなく目撃地点という所で、知人から再び電話。「仕留めました」と。
 仕留めた現場を聞き、すぐに駆けつけた。
 「60圓らいかな」とのこと。
 現場に入っていく地点のおかあさんに知人が話に行き、そのおかあさんの家から血の跡が見えるので、雪を削って血痕の消すことになった。こんな除雪作業は初体験。

 その後、知人宅での解体の様子も見た。
 内臓を取り出したうえで、明朝まで逆さまに吊るし、血抜きをする。
 吊るす作業をやっている最中に知人のお子さんが学校から帰ってきたが、その作業を見ても平気。小さな時からお父さんが作業を見ているので、大丈夫だそうだ。

 仕留められた姿を見て気持ちよいものではないが、住宅前で除雪している人が襲われそうになっているのだから、しかたないと思う。
 豪雪地の栄村にイノシシが生息していること自体が異常なのだが、そのイノシシが山の中などにとどまっているのならともかく、住宅のあるところに頻繁に出没する事態は危機的。
 有害獣の駆除は村にとって緊急かつ超重要課題です。
 以下、写真をご覧になりたくない方はここで終わりにしてください。少しスペースを空けたうえで、写真3枚を掲載します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

軽トラで運ぶために国道まで曳いていくところ。使用銃は散弾銃で、一発で仕留められました。

 

青色でマークしたところが弾の貫通点。アバラが折れている。

 

以上

 


県道脇にイノシシ!!

 10日午後3時20分頃、東部地区の県道を北野方向に進み、間もなく笹原集落という所で、進行方向左手の雪上に異様な物体が目に飛び込んできた。
 一瞬、「?」となったが、車のスピードを落としてみると、なんとイノシシ!
 こんな所で遭遇するなんて想像もしなかった。

 


 最初に目撃した時はカメラを構える余裕などなかった。
 通り過ぎ、配達予定の1軒に行ったうえで、車をターンさせて現場に戻ると、位置を少し変えて、まだいた。
 上の写真はその時に撮影したもので、運転台横の窓ガラス越しに撮っているので、あまり鮮明ではない。また、あまり顔をはっきり見ることはできないが、最初に見た時、意外としっかり顔を見た。「猪豚」の顔で、生粋のイノシシの顔ではないと思った。

 最初に目撃した地点、足跡からすると、北野川から上がってきた可能性がある。
 私が車をターンさせて戻った時、長岡ナンバーの軽トラが長瀬方面からやって来て、やはり「イノシシ」に気づき、停車。様子を見ているようで、イノシシが県道を横断し始めると、車で跳ね飛ばそうとしたが、イノシシはスルッと車をかわし、反対側の田んぼの雪上に逃げ、その後、山の方にゆっくりと移動していった。

 

 

 

ここが最初に目撃した地点。

 

イノシシの足跡。


 昨秋は青倉集落の山の田んぼでイノシシのひどい被害があった。森の開田でもあったようだ。また、飯山市の栄村に隣接する地区では、近年、イノシシ被害がひどいと聞いた。
 私が栄村に移ってきた頃、「雪国にはイノシシは生息しない」と聞いたものであったが、近年、イノシシが増えている。どうも始まりは、外部の者がイノブタをこの地域に放ったのではないかという話も聞く。
 いずれにしろ、クマ対策とともに、有害獣対策の抜本的な強化が必要である。
 なお、すぐ近くのお宅の人と役場にはイノシシを目撃した旨、お伝えしておいた。

 

 

 昨10日のイノシシ出没地点を今日11日、撮影した(午前10時58分、雪は止んでいる)。

 

 

 「北野川から上がってきた可能性がある」と書いたが、その後、見たイノシシの様子を思い返すと、いくら雪上を歩いてきたとはいえ、体毛がずぶ濡れという感じだった。やはり川を渡ってきたのではないだろうか。そこで、断崖絶壁の下を流れるこの地点の北野川の様子を1枚、撮ってみた。

 


 綺麗な雪景色だ。
 対岸は栄村地籍であるが、山を越えた向こう側は津南町の前子集落。「集落」とはいっても、一昨年に訪ねた時は住人は1名のみ。冬の間は津南の町中の町営住宅で暮らすのだと聞いた。

 


クマ被害による柿の木の姿の変化〜クマ等の有害獣対策を考える事例集 

 10年来にわたって耕作されていない田んぼの柿の木がクマの餌食になっているケースです。

 

写真 10月29日午前10時すぎ撮影

 

写真◆11月4日午後3時すぎ撮影

 

 観察・調査の対象とした柿の木の全体像。
 10月29日には見える柿の実の多くが、11月4日にはなくなっている。人が収穫する等の行為はいっさい行われていない。つまり、クマが食べたということである。とくに、木の高い部分で柿の実がなくなっていることが目立つ。
 そして、11月4日の写真で、木の右側の中段あたりをクローズアップすると、いわゆる「タナ」が作られていることがわかる(次の写真)。

 

写真、11月4日撮影。

 

 また、10月29日撮影で柿の下の状況を撮影してある。枝が丸ごと落とされていることがわかる。クマの力はすごいものだということがわかる。

 

写真ぁ10月29日撮影。

 

 この柿の木は集落間を結ぶ主要道のすぐ脇に位置している。夜、暗くなってからも通行はある。このすぐ近くで、今秋、クマの目撃情報が役場に通報されている。
 クマは道路向かい側の小高い林から出てくるようである。
 根本的には、その林の手入れも必要になるだろうが、まずは、この管理されていない柿の木という誘引物を除去すれば、道路を渡ってクマが出没する事態は避けられるであろう。
 筆者は11月4日、このあたりのことに詳しい知人と連絡をとり、柿の木の所有者を尋ねた。知人は5日、現場を訪れ、所有者を特定。5日午前、電話で「所有者と話し合う」旨の連絡をいただいた。

 


栄村復興への歩みNo.297

 クマの出没の実態を観察し、対策を考える

 

 

(写真提供:月岡健治さん)


 いずれの写真も10月27日の夜間にセンサーカメラで撮影されたもので、画像の鮮明度が低いですが、左写真は後ろに見える柿の木にクマがやって来た様子がはっきり確認できます。また、右写真は柿の木の前にどかっと座り込み、柿の実を食べる様子が見られます。
 上の写真でクマが現れた柿の木は、下の写真(29日午前撮影)の中央に見えるものです。写真手前に道路が見えますが、この道路は小中学生の通学路になっているものです。クマの出没地点と通学路の間の距離はわずか10mほどです。

 


 通常、クマは暗くなった夜に出没しますが、28日にはまだ明るい午後3時頃にすでに木に登っているのが現認されています。
柿の木の周りを見ると、クマに落とされた柿の実が散乱し、食い散らかしたものも見られます。

 

 


 1枚目の写真からは、クマが枝ごと落としていることがわかります。2枚目写真はクマが途中まで食べて遺棄したもの。
 この柿の木からはクマが作った「けもの道」が通じています(下写真1枚目)。このけもの道は千曲川沿いへ下り、クマは千曲川沿いの近くのねぐらに戻るようです。「道」のそばには「糞」があり、その中には柿の種がはっきりと確認できました(下写真2枚目)。

 

 

 

地主不在で、クマを誘引する柿の木が放置状態
 この柿の木は1頁右下の写真に見える空き地にかつてあった住家のものでした。
 住家はもう10年以上も前に焼失し、地権者は現在、栄村には住んでおられません。したがって、柿の木も管理されておらず、実が成る毎秋、クマの格好の餌になっているというのが現状です。
 ここでは過去何年かの間に3回、罠をかけ、いずれもクマを捕殺しています。が、誘引物となる柿の木があるかぎり、クマは別の個体が繰り返しやって来ます。今年も狩猟解禁後に捕殺の計画があるようですが、捕殺だけでは問題の解決にはなりません。

 

「クマの生態と被害対策」の講習会、開催される(10月27日)
 10月27日、県北信地方事務所林務課の鳥獣対策専門員・松尾一穂氏を招いて、「ツキノワグマの生態と被害対策」の講習会が役場2階大会議室で開催されました。
 松尾氏の講演で、とくに重要だと思った内容は以下の2点でした。
   「クマ大量出没の要因」
    (1) 里山の放置による環境変化
    (2) 長期(夏〜秋)の深刻な餌不足
   「被害対策」
     直接措置――捕獲
     捕獲に頼らない被害対策――緩衝帯整備、

                  誘引物除去、

                  電気柵設置
 注目すべきは、大量出没の原因として、マスコミなどで言われる「餌不足」よりも先に「里山放置→環境変化」を挙げていることです。また、被害対策として捕獲を挙げるとともに、それだけでは事態の改善は望めないとして、誘引物の除去、さらに緩衝帯の整備を挙げています。
 誘引物としては、柿の木とともに、畑の野菜や果物の残さ(傷んだものなどで収穫されずに畑に残されたもの)があります。また、緩衝帯とは、人里や田畑と山・森の間の藪を刈り払い、クマなどが姿を隠しながら畑や里に近づくことを難しくするものです。電柵の設置も重要ですが、緩衝帯の整備と一体で進めないと効果を発揮できません。

 

 クマ問題では、「人間とクマの共生(共存)」ということから捕獲に対する否定的な主張がしばしば見られますが、参加者との質疑応答の中で、松尾氏は人や農作物に被害を与えるクマの捕獲に対してはきわめて柔軟な見解を示されました。ですから、「誘引物の除去」等の必要性の強調は、クマの脅威を感じている村民が要望する捕獲を否定するためのものではなく、根本対策を進めるためのものと受け止めることが必要だと思います。
 以上ですべてを論じたわけではありませんが、役場と住民が一体となって本格対策に踏み出さなければなりません。この課題を重荷と感じるのではなく、「人が安心して暮らせる集落」を創り出し、全国に誇れる栄村を創造する積極的な村づくりプロジェクトとして取り組みたいものです。


虫生地区の野生鳥獣対策の事例を学ぶ

 10月5日、泉平で錯誤捕獲のクマを放獣しようとしていた上倉誠一さんがクマに襲われ、重傷を負われるという悲しい事故が起こりました。
 上倉さんは現在も入院中で、首の後ろを50数針縫われたとのこと。また、クマに噛まれ、骨折された腕は、現在、感染症対策中で、手術は10月末以降になるとお聞きしています。
 心からのお見舞いを申し上げます。
 村のクマ対策を抜本的に強化しなければならないと考えています。しかし、私はまだ勉強を始めたばかりで、中途半端なことは書けません。ただ、栄村のすぐ近く、野沢温泉村の虫生(むしう)地区で「野生鳥獣に負けない集落づくり」が取り組まれていることを知り、16日午後、現地を訪ねてきました。

 


 虫生地区。写真右手に見えるのは国道117号線。

 集落よりも奥に10町歩の田んぼがある。

 

 10町歩の田んぼすべてが電柵で囲われている。

 


 田んぼゾーンに入る農道には電柵ゲートが設置されている。

 ゲートを開けているのは斉藤義孝さん。

 

 毎朝・夕、電柵の見回りをする。

 検知器で電流が正常に流れているかをチェックする。


 虫生地区では平成元年(1989年)に圃場整備。平成20年頃、イノシシが出没し、田んぼの被害が出た。そこで、平成22年、北信農業改良普及センターの支援を得て、集落ぐるみで電柵の設置に取り組んだ。3段張りで、延長3kmに及ぶ。事業費は250万円で、地元負担は1割(9割は県費)、25万円の地元負担のうち5万円は区が拠出。
 現在は、10町歩の99%を斉藤義孝さん父子が耕作しているが、電柵管理は地主も加入する圃場整備組合で取り組み、今年の場合、6月26日から12月10日までの間、3人一組の班が週交替で見回りを行なっている。電柵は車で廻れるように農道沿いに設置し、見回りの負担を軽減している。また、電柵の通っている箇所を幅2〜3mで除草し、漏電しないようにしている。電柵の電源は2基のソーラーパネル。流れている電流は6千V。年間経費は約12万5千円で、耕作者と地主が折半負担。田1反あたり4千円。
 イノシシは電柵に触れた結果、「恐ろしい」と学習し、現在では電柵の線を見ただけで恐怖し、逃げ去る。ただし、クマは毛皮が厚いので6千Vでは効かない。カモシカは電柵を5段張りにしないと越えられる。
 クマは時折、集落の生活ゾーンに姿を現す。誘因は柿の木で、柿の木の管理が重要だと話しておられた。
 組合員全員出動の作業は春の設置と秋の撤収の2回。
 頁数の関係で箇条書き的に書いていますが、感心しました。
 16日当日、アポ(事前約束)なしに訪れた私を斉藤義孝さんご夫婦が家に招き入れ、丁寧にご説明下さいました。そして、義孝さんが現場をぐるっと一周、軽トラで案内して下さいました。「栄村の人が見たければ、いつでも来てください」とも言って下さいました。
 斉藤義孝さんご夫妻に心より感謝申し上げます。


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