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2011年3月に震度6強の地震で被災した長野県栄村で暮らす松尾真のレポートを更新しています。

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松尾まことの議員活動報告第19号

5つの重要なことが決められました
    〜9月定例議会の報告〜

 

 9月5日から13日まで、栄村議会の第3回定例会が開催されました。9月の定例会は「決算議会」とも呼ばれますが、今年の9月定例会では、決算のみならず、5つの重要案件の審議・決定が行われました。
 まず、その骨子を報告します。

 

1. 一般会計2,508万8千円、特別会計2,588万6千円の補正予算が成立
 この補正予算に盛り込まれた重要施策については8頁で紹介します。
2. 来年8月から、中学生以下、医療費窓口支払いなしに(福祉医療費給付金条例改正)
 現在は窓口で3割負担を支払ったうえで、後に村から同金額が支払われるという方式ですが、これが来年8月から窓口での支払いが不要となります。長野県下の全市町村で一斉に実施されます。ただし、県外の医療機関で受診の場合は窓口支払いが必要になります。
 また、レセプト料300円も無料になります。
3. 平成28年度決算を認定
 決算特別委員会を設置し、11日、12日の2日間、徹底審議を行いました。
 13日の本会議で村長提出の平成28年度決算(一般会計と特別会計)を認定しましたが、審議の中で多くの問題点があきらかになりました。費目によっては到底、「認定」し難いものもある中での、いわば「条件付き認定」とでも言うべきものです。詳しいことは2頁以降で報告します。
 また、決算審議の過程で、議案書の一部が頻繁に差し替えられるという事態がありました。厳格に言えば、「議案撤回→新議案提出」という手続きを必要とするほどのものでした。村議会議長から村側に厳重な注意が行われました。
4. 観光施設に関する特別委員会を議会に設置
 正式名称は、「栄村観光レクリェーション施設管理運営に関する調査研究特別委員会」です。
設置の趣旨は、振興公社指定管理施設等について、村の議案提出の際の審議だけでは充分な審議ができないため、特別委員会を設置し、議会閉会中も含めて充分な調査や議論を行える場を設けることにあります。
5. 温泉条例改正案を賛成少数で否決
 これは新聞報道等でご存知の方も多いと思います。
 村長提案の核心は、「振興公社指定管理施設の温泉は、栄村温泉条例第26条の対象からはずす」ことにありました。私を含め過半数の議員がまさにこの点に反対し、否決に至りました。
 共通入浴券料金の値上げに関しては住民合意がある程度出来ていると思いますが、今回の争点は料金値上げではなく、上記のように振興公社に温泉運営のフリーハンド(自由裁量権)を与えることの是非でした。5頁以降で詳しく報告します。

 

 

◎ 平成28年度決算について
●そもそも決算審議とは
 私が決算審議に臨むのは昨年9月に続き、2回目です。正直に言いますと、昨年は初めての経験のため、手探り状態での審議となってしまい、充分な職責を果たせなかったと反省しています。
 そこで、今年は、決算議会に臨む前に、『議員必携』の「決算」に関する章を読み直しました。そこで強く印象づけられた箇所を紹介します。
   「町村長は、決算を議会の認定に付するに当たっては、

    決算書のほかに、
     (1) 歳入歳出決算事項別明細書
     (2) 実質収支に関する調書
     (3) 財産に関する調書
     (4) 会計年度における主要施策の成果説明書
    の各書類の提出を義務づけられている。」

    (同書265頁、下線強調は松尾)
とあり、さらに、議員の決算審議における仕事として、
   「『成果』とは、予算執行の単なる実績、データではなくて、

    施策の実現を目指して措置された予算執行によって成し遂げ

    た効果であることに着目して、決算審査のしめくくりにこの

    説明書を大いに活用したいものである。」(同書270頁)

 

●担当部局によって姿勢の差がはっきり出た「成果の説明」
 村長から提出された書類の中に、「決算説明書」(一般会計、特別会計各1冊)というものがあり、その表紙に「地方自治法第233条第5項の規定により、平成28年度の一般会計に係る主要施策の成果、その他の予算執行の実績を次のとおり報告します」と書かれています。これが『議員必携』で「会計年度における主要施策の成果説明書」と記されているものに当たるというわけです。
 しかし、「主要施策の成果」が本当に記されているかどうか、担当部局によって随分と違いがありました。「成果」と言えるものが具体的かつ詳細に記されていたのは教育委員会事務局所管のものというのが私の印象です。農林関係や土木関係は成果を判断するのに資するデータがいちおう出されていたと言えると思います。
 最もひどかったのは商工観光課所管の観光費関係です。
 たとえば、振興公社への指定管理料と出捐金に関して、1,060万円と5,000万円を支出したことが記されているのみで、どのように使われたのか、成果は何かについてはまったく書かれていません。しかも、先に書いた議案書類の差し替えが最も目立ったのが商工観光課関係でした。率直に言って、議会審議において商工観光課から出される数字等について、俄(にわ)かには信用することができないという悲しむべき現実があります。

 

●商工観光課は「委託料や補助金が適正に使われているか」をきちんと検査していないのではないか?
  ――振興公社や観光協会への委託費、補助金の明細が示されていません
 村は予算執行において、様々な事業を役場以外の企業・団体等に委託したり、民間団体に補助金を支払ったりします。
 委託先ないし補助対象団体におカネを渡したら、「後はご自由に」というわけにはいきません。たとえば、集落で「ふるさと復興支援金事業」を活用した経験をお持ちの方がたくさんおられると思いますが、事業終了後、役場から細かな書類の提出を求められ、事業現場の検査を受けますね。そして、役場に提出した事業計画書と合致しない点等があることが判明した場合、支援金の一部をカットされるということもありえます。
 ところが、振興公社への委託料支払いや出捐金、観光協会への補助金に関してはチェック(検査)が行われた形跡がまったく見られないのです。
 たとえば、振興公社への指定管理料1,060万円(平成29年度は1,850万円に増額)。
 「決算説明書」には、「委託料調」という一覧表が48頁にわたってあり、それぞれの委託料について「完了年月日」と「検査年月日」が記されています。しかし、振興公社への指定管理料については、これが記載されていません。検査していないということです。
 その結果はどうでしょう。振興公社の平成28年度決算書を調べると、平成28年度段階では指定管理の対象になっていなかった施設にも指定管理料が分配されていたのです。これはあきらかに不適正会計処理であり、本来ならばこの一点で、村は委託料の返還を求めなければならない事柄です。
 また、観光協会に対する補助金910万4,800円についても決算説明書には支出したことしか書かれていません。観光協会への補助金は「掴(つか)み金」として予算承認されたものではなく、内訳を示して予算提案されたものです。したがって、予算での内訳と比較照合して、補助金がどのように使われ、どのような成果を上げたのかを説明する義務が商工観光課にはあるのです。本年6月議会で観光協会への補助金をめぐって補正予算案の減額修正という事態に至った背景には、商工観光課の仕事のこういう杜撰(ずさん)さがあるのです。

 

●振興公社への出捐金5千万円はどう使われたのか?
 振興公社への出捐金5千万円、これが大きな問題となったのは「つい昨日のこと」という感がしますが、本年1月と3月のことだったので平成28年度決算の対象となります。
 これについても、決算書説明書には計5千万円を支払ったことしか書かれていず、その後、どう扱われたのか(扱われているのか)について一切の記述・報告がありません。
 1月に公社に出した出捐金2,100万円は、「2月、3月の支払いが出来ない」ということでの緊急出資でしたから、当然、その結果を報告する義務が公社と商工観光課にあります。公社の決算を調べると、2〜3月の支払いに2,100万円全額を使う必要はなく、残余があったようです。
 「定期預金に入れて、それを担保として金融機関から資金を借りる」とされていた追加の出捐金2,900万円。こちらは、公社の決算書を見ると、定期預金に入れられたのは1千万円のみ。1,900万円は普通預金に入れられています。私は8月の全協と今回の決算議会とで、この点について質しました。
 商工観光課長の答弁は、8月全協では、「公社のことが新聞に書かれたので、金融機関からお金が借りられない」、そして、今決算議会では、「金融機関は担保がある2,900万円までしか貸せないと言っている」というもので、答弁内容が変わっています。また、普通預金は担保たりえないのが常識ですが、その点を質しても、答えは返ってきませんでした。

 

 以上、決算審議でとくに重要だった点の報告です。
 認定し難い点が多々あるわけですが、ひとまず、役場に猛反省を促すべき点は明確にしたということで、採決では「認定」に同意しました。来年の決算では徹底的な改善を求めるものです。

 

 

◎ 温泉条例改正案の否決について
 今回の定例議会提出の当初議案には入っていなかった温泉条例改正案、9月13日の最終日に追加提案されました(議案書の議員への配布は12日)。
 内容は8月21日の全協で村が示した案と同じ。共通入浴券が利用できる施設から振興公社管理の4つの温泉を外すというものです。また、条例案の中には書かれていませんが、口頭説明では振興公社は公社独自で発行する年間入浴券の価格を3万円とするということでした。

 

●「入浴に係る公社の収支は赤字」から「70万円の黒字」に説明が変わった
 村は、7月18日、8月9日、21日の3回にもわたる議会全員協議会では、「共通入浴券関係で振興公社は約500万円の赤字」と説明してきました。しかし、今回の審議では、この点が180度ひっくり返りました。8月21日の全協に提出した資料で、温泉入浴客から支払われた料金の収入をいっさい収支計算に入れていないことが指摘され、さらにその後、議員側が具体的に計算して「黒字である」ことをあきらかにしてきたからです。
 商工観光課長は「70万円の黒字です」と認めながら、なお、「振興公社の利益を増やすために、独自入浴券の発行、料金値上げが必要」と言うのです。
 こんな馬鹿げた話があるでしょうか。
 「取れる人から取って稼ごう」ということではないですか。私は、「本当の営業努力をしなければいけない。たとえばスキー大会の団体、これを1シーズン3つ増やせば、200万円の増収は可能だ」という趣旨の質問・提案をしました。これに対する課長の答弁は、「武蔵村山市の修学旅行を受け入れたいが、トマトの国の収容力を超える人数で受け入れられない」というもの。団体は武蔵村山市だけではないでしょう。60〜80人規模のスキー大会、営業努力をして探せば、2つや3つ、容易に見つけられるでしょう。

 

●「公社の自立のため」という詭弁
 村長が強調したのは、「公社を自立させる必要がある」ということでした。
 「取りやすい人から値上げでお金を取る」――これが「自立」でしょうか?! 否、です。
 いま、村(長)は、振興公社に出捐金を新たに出したり、指定管理料をさらに増額したりすることは困難であると判断しているようです。そこで、出捐金や指定管理料以外で、振興公社におカネを入れる方策として、公社指定管理の温泉を温泉条例で定める共通入浴券の対象から外し、それらの温泉への入浴料金の決定権を振興公社に渡そうという考えが浮かんできたものと思われます。
 審議で、村長は「公社には暴走させません。公社が料金を上げたいと言ってきたら、議会全協に報告します」と発言しました。ここがミソです。「全協に報告」とは、議会に審議権・採決権はないということです。ここがポイントなのです。

 

●温泉条例の基本は「住民福祉の増進」、そして村と公社の指定管理協定は「村の目的に沿った事業運営」が基本
 村長が言う「公社の自立(性)」、どうも「議会に縛られない」というところに本質があるようです。
 しかし、温泉条例は第1条で「住民の福祉増進」を目的だとしています。また、公社に指定管理委託している観光レクリェーション施設について、同設置条例は第2条で「村民の保健保養に供する」と規定しています。さらに、村と振興公社が指定管理について結んでいる協定では、第2条で「指定管理の意義」として「(公社は)地域の交流並びに文化、産業振興の推進による地域活性化を図ることを認識する」と定め、また第3条で「(公社は)施設の公共性を十分に理解し、その趣旨を尊重するものとする」と定められています。
 こういう条例の目的や指定管理の意義を担保するものが条例や指定管理協定の議会での審議・採決なのです。
 振興公社は、「議会の審議・採決に縛られているから、営業努力ができず、赤字になる」のではありません。私を含め、議員は振興公社の経営改善のためのアイディアを具体的に提案しています。公社施設の改善や誘客のための努力をしています。公社理事長にはもっとそういう提起を受けとめ、経営努力に努めていただきたいと思います。

 

●「共通入浴券利用者は村人口の7%にすぎない」――こんな村民分断を許してはなりません
 村長は審議の中で、「共通入浴券を利用している人は145人で、村民の7%にすぎない」と発言されました。私は審議の中でも言いましたが、こういう村長の発言はじつに悲しい。村民の中に分断を持ち込もうとするものと言わざるをえません。
 9月議会の会期中でしたが、共通入浴券の利用者ではない村民から私はこんな話をされました。
   「先日、むらの友だちとミオン(十日町市中里の温泉施設)

    に行ってきました。温泉に入って、お昼を食べて、半日ゆ

    っくりしたんです。でも、栄村に温泉があるのに、「日帰

    り入浴は午後2時から」というので、わざわざ中里まで行か

    なきゃならないというのは変じゃないですか?」
 まったくそのとおりです。
 温泉条例問題は単に共通入浴券だけの問題ではないのです。村民全体の福祉、保健保養に関わる重要問題なのです。

 

●問われる公社理事長の判断・対応
 今回の温泉条例改正案審議をめぐって、多くの村民から尋ねられたことに、
   「どうして商工観光課長が説明・答弁するの? 公社の理事長が

    どうして議会に出てこないの?」
ということがあります。
 「振興公社管理施設を温泉条例に基づく共通入浴券の対象から外す、公社独自の3万円の入浴券を発行したいというのならば、公社理事長から説明があって当然」と思うのはもっともなことです。議会に参考人という形で出席して発言することが可能です。
 高橋規夫理事長は昨年5月の理事長就任直後に公社の新聞『なじょだね』で村民への挨拶をされました。それから1年数ヶ月、次々と村民の利益に関わることで重要決定をされていながら、村民への直接説明はありません。矢面にたたされる公社職員が気の毒です。
 公社理事長ご自身が自らの口で村民と対話されること、ここに温泉問題、公社問題の根本的打開の鍵があると思います。

 

 

◎ 補正予算の内容について
 もう紙幅に余裕がなくなりました。村民生活に直結する事項のみ、ひとまずの報告をします。
 第1に、「山村活性化支援交付金事業」として「特産品開発事業」134万1千円。長野県伝統野菜に認定された「ししこしょう」などの加工品開発などが行われます。
 第2に、屋敷地区の林道川西線などの維持改修費708万9千円。「みずとや食堂」の近くの大雨時、道路が浸水する箇所の改修などです。
 第3に、「観光のあり方研究委員会の開催」費48万6千円。委員20名で年度内3回開催とのことです。
 第4に、観光協会への補助金追加710万2千円。人件費の補正がようやく実現されました。
 第5に、「中山間地域介護サービス事業提供体制モデル事業補助金」90万2千円。これは移動距離が長い中山間地の状況を考慮した介護サービスのモデル(介護者が移動に要する経費や手当の支給)を栄村で実現しようという県の事業に対応したもので、半額が県から出費されます。


<おわりに>
 書かなければならないことはまだまだあるのですが、もう8頁を使い果たしました。
 5月議会で産業社会常任委員長に就任したことから、これまでは知らなかった会合に出席する機会が増えています。そこで初めて知りえたことなども報告したいと思っています。10月号には是非、書きたいと思います。

 

 9月議会が終わって間もないですが、19日に村長提出の全協があります。協議事項は秋山の路線バスの問題。南越後交通が10月1日からのダイヤ改正で「朝の第1便と夕の最終便を見玉止まりにする」と、突然、通告してきたのです。来春には見玉〜和山間の全面廃止も考えているようです。秋山住民の足の確保のため、議員・議会は村と協力し、全力で対処していきます。

 

 


松尾まことの議員活動報告第18号

「共通入浴券」問題の基本論点と私の考え

 

 信毎8月10日付での報道もあり、「共通入浴券」問題に対する村民の関心はますます高まっています。
 8月21日には三度(みたび)、議会全員協議会(村長の要望によるもの)が開催されます。
 村内外から「栄村村政は大丈夫なのか?」という声も聞こえてきます。
 こういう時は、問題の原点にたちかえって、熟考を重ねることが大事だと思います。


◎ 温泉は村の条例でどのように位置づけられているか
 今回の「共通入浴券」問題の始まりは、村が昨年3月に「共通入浴券料金を平成29年4月から改定する」と告知したことです。
 つまり、村の温泉政策が検討対象なのです。
 村には、現在、村が所有する温泉源泉が7つ(切明、湯ノ沢、中条、北野、小赤沢、百合居、長瀬)、温泉利用施設が8つ(雄川閣、のよさの里、上の原浴場、トマトの国、北野天満温泉、百合居温泉、長瀬老人福祉センター、楽養館)あります。
 これらの温泉の管理・利用法については栄村温泉条例(昭和52年制定、最終改定平成20年)が定めています。また、振興公社に管理を委託している温泉宿泊施設などは村の「公の施設」(=「住民の福祉を増進する目的をもつてその利用に供するための施設」)として位置づけられ、その管理・利用法について栄村観光レクリェーション施設の設置及び管理に関する条例(昭和60年制定、最終改定平成29年)(以下、「観光施設条例」と略記)が定められています。

 

● 温泉条例第1条と「共通入浴券」
 温泉条例は第1条で〈目的〉として、次のように定めています。
   「この条例は、村が所有する温泉について、その保護及び住民に

    対して利用並びに管理、運営について必要なことを定め、住民

    の福祉の増進に寄与することを目的とする。」
 読んでの通り、「住民の福祉の増進に寄与する」ことが、村が温泉を所有・管理・運営する目的なのです。

 

● 観光施設条例のめざすものは何か
 つぎに、観光施設条例も見ておきます。
 この条例では、〈目的〉が第2条で明記されています。
   「村民及び観光客の保健保養に供することを目的として、栄村観

    光レクリェーション施設を別表1のとおり設置する。」
 「観光レクリェーション施設」という呼び方から、「観光のための施設」と思われるかもしれませんが、観光客と共に、なによりも「村民の保健保養に供する」ことが目的とされているのです。これは忘れがちなこと、あるいは誤解されていることかもしれません。正確な把握・理解が求められるところです。

 

● 「共通入浴券」は、2つの条例の〈目的〉を実現するために設けられた制度
 「共通入浴券」については、温泉条例の第25条で、
   「栄村が所有する温泉について、管理者を問わず使用できる共通

    入浴券を発行できる」
と定め、さらに第26条で「共通入浴券」を使用できる施設を具体的に列挙し、また、第29条で「共通入浴券の1年間の料金は、別表2のとおりとする」と定めています。
 現在の「年間大人1名12,000円」等の料金は、別表2に定められているものです。

 

◎ 〈村の財産としての温泉をどう有効活用するか〉が、まず最優先・最重要の論点

 さて、栄村に村が所有する温泉が7つあることについて、これを適切なことと見るか、多すぎる(あるいは、少ない)と見るか、色んな捉え方がありうると思います。

 

● 温泉は〈栄村の財産〉だと思います
 私はこれだけの温泉が村にあることは栄村にとって重要な意義がある財産だと思います。
 温泉は、調査・掘削するのにかなりの経費を要します。が、栄村は好意ある方のご支援などによって、比較的安価に調査・掘削できたと聞いています。
 温泉を掘ると、今度はその維持・管理・運営に経費を要します。
 そこで、先に見た温泉条例第1条が規定する〈目的〉=「住民の福祉の増進への寄与」の達成度と、それに要する費用、この両者のバランスに目を配ることが村の政治・行政における重要課題の1つとなります。この点について、村の予算・決算等において必要かつ十分な検討が重ねられてきたとは言えない面があり、これは非常に残念かつ由々しき問題であると思います。
 そのうえで、私は、以下に詳しく述べる理由で、村が所有する温泉を〈栄村の財産〉だと考えます。

 

● 「温泉で村民が元気に」――栄村を全国に知らしめる
 栄村及び近隣町村は温泉が豊かで、村民が日常的に温泉に親しむ機会に恵まれていることが当たり前のように思われています。しかし、全国的な標準レベルから見れば、日常的に温泉に親しむ機会に恵まれているという環境は珍しいものであり、特記されるべきことです。
 テレビ番組などを見ていますと、住民が温泉に日常的に入る地域が、珍しい、素晴らしい、そして特別な地域として紹介されています。
 一日の農作業などを終えた後、温泉に身を浸し、疲れを癒すことができる。これは素晴らしいことですし、都市部のサラリーマンなどからすれば垂涎(すいぜん)の的(=何としても手に入れたいと思うほど貴重なもの)となるものです。
 また、80歳代、90歳代のお年寄りが温泉に集い、体を癒し、色んな人びとと交わり、会話を楽しみ、元気に暮らす。これは超高齢社会になっている日本において、健康寿命*を長くするモデルとなるものだと言えます。
   *「健康寿命」とは、「平均寿命」とは別のもので、「健康上の問題

    で日常生活が制限されることなく生活できる期間」と定義されてい

    ます。
 農作業の様子と温泉に身を浸す姿をワンセットで伝える映像、お年寄りが温泉に集い、元気に暮らす姿の映像。いずれも、栄村ブランドとして全国発信し、栄村を「元気に暮らせる村」として全国的に知らしめることができるものだと思います。


● 「子どもたちが温泉に通い、村の人たちみんなの手で育てられている」――人口対策・定住対策の柱の1つになるもの
 一昨年のことです。学生時代に栄村を何度も訪れたことがある若いご夫婦が2泊3日の栄村旅行に来られました。2歳未満のお子さんを連れての初旅でした。
 奥さんはお子さん連れで「トマトの国」の温泉に入られました。すると、村のかあちゃんたちがそのお子さんを可愛がり、お母さんがゆっくりお湯に浸かれるように、お子さんを預かってくださったそうです。
   「私、子どもが生まれて以降、こんなにゆっくりお風呂に入れたのは初

    めて。やっぱり栄村はいいわ。」
 これが、彼女の口から出た言葉です
 こういう事例は、旅行者のケースだけではありません。温泉にやって来る村の子どもたちをみんなで面倒見していますね。
私も日常的に「トマトの国」のお世話になっていますが、廊下で、そして風呂場で子どもたちに出会うことはとても楽しみです。高齢者のご夫婦だけで暮らしておられる人たち、あるいは高齢者の一人暮らしの人たち、村の子どもたちがお湯に入ってくれば、わが孫を見るような気持ちになれるのではないでしょうか。これはきっと「高齢者が元気で楽しい暮らしをできる」ことにつながると思います。

 子どもたち自身にとってはどうでしょうか。
 最近はもう当たり前の話になってしまい、テレビなどでもあまり騒がれなくなりましたが、小学生や中学生が修学旅行先で同級生と一緒の入浴ができないという問題があります。水泳パンツが必需品だといわれます。
 村の子どもたちが温泉に日々通い、大人も子どもも一緒にお風呂に入る。
 理想的な子育て環境だといえます。
 そして、先に紹介した子ども連れの旅行者のお母さんのお話。
 「栄村は子育てにとって最適な環境」ということを全国に発信できる格好の話題です。

 栄村の人口減少、人口対策・定住対策が大きな課題になっています。
 「空き家対策」の検討も始まっていますが、人口対策・定住対策はハードの面だけでは成り立ちません。子育て環境、住宅、仕事の確保の3点セットが必要です。
 この3点のうち、「子育て環境」のアピールの重要なカードとして温泉活用を位置づける。そんな発想法が大事だと思います。

 

◎ 振興公社経営の基本は何か
 ところで、いま問題になっている「共通入浴券」問題。背景に振興公社の経営問題、出捐金や指定管理料とは別の形での振興公社への資金投入の問題があるという認識が村民の間でも広がっています。
 その認識は正しいと言えるでしょう。
 そこで、振興公社をめぐる問題についても考えてみたいと思います。

 

● 指定管理での管理委託の目的は何か?
 村が8月9日の議会全員協議会で示した提案では、振興公社が村から指定管理を委託されて管理する温泉施設を「共通入浴券」での利用可能施設から外すとされています。
 4つの温泉宿泊施設の振興公社への指定管理制度での管理委託は、法律(地方自治法244条)と村の条例=「栄村公の施設に係る指定管理者の指定管理手続等に関する条例」を根拠とするものです。
 上記条例の第4条は、指定管理者を選定する基準として、次の5つの項目を挙げています。
   (1) 施設の利用者の平等な利用が確保されること。
   (2) (指定管理応募者が提出した)事業計画書の内容が、

     施設の効用を最大限に発揮するものであること。
   (3) 事業計画書に沿った管理を安定して行う人員、資産そ

     の他の経営の規模及び能力を有しており、又は確保でき

     る見込みがあること。
   (4) (指定管理応募者が提出した)収支計画書の内容が、

     施設の安定した管理及び運営が図られるものであること。
   (5) その他村長等が施設の性質又は目的に応じて別に定める

     基準。
 下線部に注目して下さい。
 「村が所有する施設をただ委ねる」というのではないのです。施設の「性質・目的」をふまえ、「施設の効用を最大限に発揮する」ようにすることが、指定管理の狙いだといえます。
 そこで、先に見た温泉条例と、観光施設条例で定められている〈目的〉が関係してきます。
 つまり、〈住民の福祉の増進、保健保養に供する〉ことを確保できるように管理してもらうということです。

 

● 〈民間的手法での公社経営〉とは、どういうものか
 ところで、振興公社をめぐっては、〈民間的手法での公社経営〉への転換ということが課題となっています。
 当初の振興公社設立から長年、公社理事長には村長が就任、また、平成25年に一般財団法人に改組されて以降も、昨年5月までは副村長が公社理事長に就いていました。昨年5月、初めて民間人が理事長に就任し、それは〈民間的手法での公社経営〉への画期だといわれてきました。
 ところで、〈民間的手法での公社経営〉とは、そもそも、どういう意味なのでしょうか。
 わかりやすく言えば、俗に言う「親方日の丸」*ではなく、きちんと利益を生み出し、自力で運営・経営ができるということでしょう。
   *「親方」は日の丸、すなわち国の意。官庁や公営企業は、

    経営に破綻をきたしても、倒産する心配がないので、厳し

    さに欠け、経営が安易になりやすい点を皮肉っていう語。

   (デジタル大辞林)
 ただし、株式会社と同じものではありません。株式会社は利益を生み出し、その利益の相当分を出資者に配当として分配するものです。それに対して、振興公社のように一般財団法人は生み出された利益を出資者に分配することはありません(できません)。
 なお、〈自力で運営・経営できる〉ということと、管理を委託する村が一定額の指定管理料を公社に支払うこととは矛盾するものではありません。まさに〈公の施設〉としての維持・運営のために必要不可欠と認められる指定管理料の支払いは認められるものであり、本年度でいえば、1,850万円の指定管理料の支払いを議会も3月予算議会で承認したところです。

 

● 平成28年度振興公社決算
 毎年、6月定例議会には、〈栄村が出資している法人に関する平成28年度の経営状況について〉という報告書が提出されます。
 具体的には、有限会社栄村物産センター(「道の駅」の物産館の経営組織)、一般財団法人栄村振興公社、苗場山観光株式会社(苗場山頂ヒュッテと楽養館を経営)の3法人の決算書が提出されます。ただし、報告書が議員に配られるだけで、口頭での説明や審議の機会はありません。
 振興公社について、決算書から私が読み取ったことを以下に記します。
   ・ H28年度の経常収支 2,941万5,011円の赤字
   ・ H28年度末の資産状況
      現金・預金 4,752万9,384円
      負債 884万0642円(未払金、税未払額など)
   ・ 事業所別の経常収支(△印は赤字を意味する)
      雄川閣 △435万6,382円

      のよさの里 △521万3,343円
      トマトの国 △31万6,210円

      北野天満温泉 38万8,232円(黒字)
      管理部門 △1,893万7,035円

 

● 決算の数字から見えるもの
 第1は、経常収支の赤字額が、本年1月に出捐金5千万円の提案が出された際の資料での年度末赤字予想額3,377万578円よりも約435万円少なかったことです。
 赤字縮小のための経営努力もなされたことと思いますが、なによりも1月時点で出された資料での赤字予想額が過大であったのではないかと思われます。その象徴が「トマトの国」の赤字予想額で、昨年12月段階の資料では248万円強の黒字予想が、1月資料では約697万円の赤字予想に変えられていました。実際の決算額は約37万円の赤字です。出捐金を最大限引き出すために赤字予想額を過大に見せたと言われてもやむをえないのではないでしょうか。
 第2は、3月末時点での資産状況についてです。
3月末には、1月24日議会承認の出捐金2,100万円(当座の資金繰りのためのもの)、3月議会承認の出捐金2,900万円(「定期性預金に入れ、金融機関からの借金のための担保にする」と言われたもの)がすでに入っています。
 3月末の預金・預金から「借金の担保とするため定期性預金にまわす」とされた2,900万円を除いても、約1,853万円の現金・預金があります。そこから負債総額約884万円を差し引くと約1千万円弱の現金・預金が残ります。1月議会や3月議会での説明が醸し出した雰囲気(「明日にも倒産の恐れ」)とはかなり違うなあという感じがします。
 第3に、何が大きな赤字要因なのかということです。
 まず目立つのは、「のよさの里」が一般財団法人化のH25年度以降4年間連続で500〜900万円の赤字を続けていることです。他の3施設では見られない事態です。振興公社の経営再建のためには、「のよさの里」の抜本的対策を講じることが不可欠だということです。現理事会の下での再建策の検討が始まって1年余が経ちますが、この種の議論は基本的に聞こえてきません。
 もうひとつは、管理部門(一般の企業でいえば、営業する現場ではなく、本社的機能)に1,900万円もの経費がかかっていることです。経営の常識からいえば、この経費を賄うに十分な利益を営業部門で稼ぎ出すか、管理部門の縮小(たとえば管理部門人員の削減)か、いずれかの選択が迫られます。しかし、現実には役員報酬がH27年度比10倍化(約26万円が約230万円になった。H29年度はさらにその2倍化という話も聞こえてきています)するなど、この点の検討が十分になされているという材料は見えません。
   *なお、9日の全協で、「4月から理事(長)が固定報酬制になったと

    いう話を聴いたが、本当か」という阿部議員の質問に対して、森川

    村長は「初耳だ」と答えました。
    ちなみに、振興公社の定款は24条で、「理事及び監事の報酬、賞与

    その他の職務執行の対価として当法人から受ける財産上の利益は、

    評議員会の決議によって定める」と規定されています。森川氏は振

    興公社の評議員です。
    いったい、どうなっているのでしょうか。
 以上の2つは、振興公社の赤字の構造的要因だといえるでしょう。
 振興公社に対する指定管理料は今年度、1,060万円から1,850万円に引き上げられました。公社が管理する温泉の運営経費が主な算出根拠だとされています。ところが、8月9日の議会全員協議会で商工観光課長は「じつは温泉運営になお500万円の不足がある」と言い出しました。その時々でクルクル変わるマジックのような数字はもう御免です。
 赤字の構造的要因の打開策の検討なしには公社におカネを入れることはダメです。逆に、赤字の構造的要因の打開のための投資(したがって、将来、その資金の回収と利益の創出ができる)であることが明確であるならば、村の将来のためにも村が公社におカネを入れることは許されるでしょう。

 

 もう紙面がなくなりました。以上の報告を参考にしていただいて、村民のみなさんからご意見を出していただき、議論を深めていきたいと考えています。

 


松尾まことの議員活動報告第17号

6月定例会での一般質問の詳細紹介
  森川村政の基本をめぐって質疑しました

 

 6月定例会から少し時間が経ちましたが、また、村の「広報」に収録されている「議会報」で一端が紹介されていますが、私の一般質問とそれに対する森川村長の答弁を最大限に詳細かつ正確に紹介します。
 文字数が多くて恐縮ですが、よろしくお願いいたします。
   * 私の質問は、/浩鄲疾1年の基本的評価、観光協会と村の関係、

    観光協会に対する補助金、B爾大量の資金を投入した振興公社の

    現在の経営状況に対する評価、の3点ですが、△亡悗錣襪海箸亘

    「議員活動報告」第16号と重なるところが多いので割愛、また、

    のうち、「トマトの国」の長期滞在型施設の性格及び管理(+そ

    れに関連する中条川土石流対策の現状をめぐる質疑)については別

    の機会に紹介することにして割愛しています。
   * 私が質問した部分については、「〜でございます」という表現を

    「〜です」と改めるなど、表記を簡略化した部分があります。また、

    太字や下線付による強調は松尾によるものです。

 

◎ 森川村政1年で村民の信頼は高まったか?
松尾  一つ目は、森川村長の就任からほぼ1年を経過したので、それに関連して質問します。
 第1に、私は公約というのは4年間の任期をかけて実現していけばいいものだと思うので、今、公約のどの事項がどのように進んでいるのかと聞くつもりはない。村長はよく「日本一安心できる村」と言うが、「安心できる」と言う場合の一つの核心は、村のトップに立っているリーダーに対する信頼度にあると私は思う。栄村のような小規模な村で世論調査という訳にもいかないので、村長ご自身が1年間村政を司ってきて村民からの信頼、支持をどの程度勝ち得ていると認識しているのか。率直な認識を伺いたい。
 第2に、特命対策課についてです。
 村長は、特命対策課設置の提案時、それぞれの応募者は「自分が是非こういうことをやりたい」ということを作文し、それを村長自身が読んで人選するという旨を述べた。それから任用期間については、契約は1年間であるけれども、2回更新で最大3年間までは可能だと述べた。但し、その一方で、半年とか1年という単位で評価をして、成果が無いようであれば、そういう人には直ぐに辞めていただくという趣旨も述べた。
 ところで、3名の方が特命対策課の嘱託職員として採用されているが、私たち議員も、村民の皆さんも、その人たちがどういう作文内容を提出して、村長はそれをどのように評価したのかということを、実は聞いたことがない。嘱託職員それぞれについて、「どういうことをやりたい」ということで採用されたのか、その選考から1年近く経過した現在の時点で、その仕事内容について採用の理由との関係でどのように評価しているのか、ということを是非お答えいただきたい。
 第3に、職員の人事異動についてです。昨年の就任日に、村長は記者会見で「人事についてはじっくり状況を把握する。直ぐには触らない」という趣旨のことを述べた。
 しかし、実際は就任から約1ヵ月半の7月1日付でかなり大幅な人事異動が行なわれた。さらに本年4月1日付でもかなり大幅な異動が行なわれている。ある分野ではこの4月の人事異動まで含めると、その分野で職員が総入れ替えに近い状況になっているというようなケースもあるようです。その結果、職員において担当事項についての十分な知識等が無いために、村民が大変不自由するという事態も生じていると、村民の方々から聞くことがある。
 そこで職員の人事異動がやや頻繁過ぎるのではないかという気もするのですが、その点についての村長の考えを示していただきたい。

 

森川村長  私ももっともっと事業をやりたかったのですが、昨年については、前任の村長、または各担当の方で事業を組まれております。それは議会で承認されたものですから、それをまず優先的にやらなければならない。そしてそこに私の考えを入れなければならない。しかし私のを入れるとなると何処かから予算をもってこなければできないということで、予算を確保できて自分のやつを入れてきたという流れでおりました。
 29年度はほぼ私の流れ。28年度まで流れてきたものについては止めることができない、やはり完成まではもっていかなければならない。そしてまた新たな私の考えを29年度入れていかなければならない。しかし簡単に入れるということはできない。やはりすべて予算が絡む
 ラインがほぼ引けました。私の考えについて、予算についてもなからの方向性が国、県通じて、これは確保できるだろうということで受けております。ですから新たな事業についてもどんどん進めていこうという考えでおります。
本日、森重副村長が私に代わって東京へ要望に行っております。道路除雪関係については交付税の対応ができます。ただ基幹道路から各家庭に入る道、今、村では「道踏み支援」という事業で行っております。その道踏み支援についても是非交付税を付けていただきたい。これは本当の雪国でしか分からない。ですから私は訴えたい。去年も訴えました。今年も私はそれを訴えるということで私の提案事項を持って今日は森重副村長が各方面を廻っていただいております。それが付きさえすれば雪の対策はまた少し楽になるかという考えでおります。
 そして「日本一安心できる村」と私が提案しているのは、やはり村民と行政が一つにならなければならない。困ったことがあれば役場職員、今も役場職員に電話がくると思います。ですから役場職員が全てある程度のことは知っていていただきたいと。その分野について専門でなくてもいいということで取り組みしていただきたいということは申し上げております。

 

<特命課に関する答弁>
 そして2番目、別に私は大げさに騒いでこの特命対策課を訴えてきて、今、何もしていないわけではありません。
 私が昭和53年4月1日に役場に採用された時に「企画課」というのがありました。そういう企画をする部署がなければ、この村は困る。担当係がただ一つの事業をこなす、それはあくまでも「企画の中心の事業が各事業課へ行けばいい」という考えで、私は役場へ入った時点からこれはなくしてはならないということで、「特命対策課」は事業はもたない、あくまでも企画立案をするということで取り組んでいただいております。
 私は採用する場合に、「私の提案する事項について作文をつくれ」と。そしてその作文を私が読んで「この事業はこの人だったらできるだろう」ということで採用してきております。
 中には失礼なことを言う人もいまして、「村長は女性が好きだから今回は女性だけにした」と。そんなことはありません。作文を読んで「この人だったら任せられる」と。
 通常の臨時職員と賃金が違いますあくまでもその臨時職員が責任を持つ臨時だ。企画をする。上司または同僚の命を受けて、「これをホチキス止めしなさい」「これを印刷しなさい」、その指示を受けてするのが通常の臨時です。そこを私は分けてあります。できるだけ今は私の公約に沿った事業をプラスアルファで入れて完了させろということで、その臨時職員3名、また正規職員は課長含めて2人、そして特命対策課が成功すれば、これは栄村でこのような過疎の村で成功した事例を他にも広げたいということで今年県から1名正規職員を派遣していただいております。ですからこのまま軌道に乗れば栄村がモデルになるだろうと私は考えております。

 

<人事に関する森川村長の基本認識>
 私、耳を疑っておりますが、村民が不自由なことが生まれていると。それを是非お聞きしたいと思います。
 私は昨年7月1日に人事異動を行いました。私は前は役場職員で住民福祉課長をしておりました。ですから職員一人一人の想い、または考えがある程度掴んでおりました。そして私の想う村、「日本一安心できる村」をつくるために私は7月1日から職員の異動を行っております。
 そして、「通常4月1日が人事異動ではありません」と職員の皆さんに訴えております。毎月あるかもしれません。やはり職員の仕事のためにやっているのではなく、村民のために仕事をやっているということの考えを持って人事異動をまだまだこれから行います。ただその人事異動を行った関係で村民に不利益が被ると、これは絶対あってはなりません。ただそこで私が知りたいのは、どんな事件があったかを大至急教えていただきたい。
 4月1日に人事異動が行なわれようが、5月1日に行われようが、職員は異動と同時にそこの道の専門の仕事をやっていただかなければなりません。それが滞ったということは、職員が仕事ができていなかったということになります。その人で任ができないようであれば、また代えなければなりません。是非その点について教えていただきたいと思います。
 こんなことを言っては何なのですが、人事、給与、採用、そして予算の執行については、村長にしか認められておりません。以上です。

 

● 特命課に関する再質問

松尾  「1年間についての村長に対する村民の信頼度が高まっているかどうか」という点は、ズバリの回答はいただけませんでしたが、村長の考えは一応読み取れました。
 特命対策課についてですが、村長の答弁されたことは昨年の6月来伺っているところです。私は、AさんだったらAさんは、どういう点で村長が求めた作文としてフィットしたものを出されて、どういう点で「その人だったらやれる」というふうに思われたのか。そこを具体的にお聞かせいただきたいとお尋ねしたわけです。そこに踏み込んだご答弁をいただきたい
 それから三つ目の職員の人事異動に関しては、言わば逆質問があったわけですが、こういう場ですので具体的事例は場を改めてお話しさせていただきたい。
 人事異動の際の事務の引き継ぎというのが非常に短期間で、異動になる直前までそれまでの部署の仕事をこなすのに精いっぱいだ、人事異動の日がやってきたら直ぐに入れ替わらなければいけない。様々な国、県の制度も含めて非常に多種多様な制度があって、村民が国や県の諸制度を使って何らかの申請をしようという時に、新しくその任に就いた職員がなかなかそういう制度について呑み込めなくて、充分に村民の疑問に答えられないということは現に生じています。
 1点目の「村長1年間の結果をどう受け止められているか」ということについて改めてお答えになる意思があれば答えてください。
特命対策課については、そういう採用された嘱託職員の具体的な作文で出された「こういうことをやりたい」、そして「この人ならこれができるだろう」というところをどういうふうに判断されたかの具体的に出していただけるかどうか。

 

森川村長  特命対策課の具体的事項の関係ですが、まず具体的事項については事業にのってきていれば広報で周知をしております。顔写真入りで載せております。
 そして今取り組んでいる関係については、事業を成功した関係についてだけ申し上げたい。事業については、国、県、また要望関係で最終的には私がお願いに上がっているわけですが、そちらの方の返事をいただけない限りは、事細かなことが流れても困る。特に村は補助事業で20%の財源を確保されております。ですからこの補助金が苦しくなると何事もできなくなってしまう村になります。ですから具体的な事項については私が指示を出していく。時間があれば、特命対策課に寄っていただいて逐次どんなことをしているか見ていただいてもいいかと思います。
 あともう一点、村民の願いは、私はできるだけ要望を受けたものについては早期実施ができるように取り組んでおります。そして昨年から「村長目安箱」を秋山支所と役場に配置しております。色んな方から役場職員の仕事の動き、または「行政としてこういう取り組みをしていただきたい」、そしてもっと先進的な考えの提案をかなり受けております。その受けた方については全て返事を出させていただいております。今の取り組んでいる事項に該当すれば、「今、このようなことをあなたの考えていることについて特命対策課ではここまで進んできております。もう暫く待っていただきたい」、「それについては1年、または2年位の範囲で何とか事業が成功できるだろう」というところまでは返しております。できるだけ村民とはそうやって近い関係をもっていくということで動いております。
 そして、社会福祉協議会の方も「村長と語らないか」ということで、「地区でお茶会を開こうではないか」ということで取り組んでいただいております。ただ私もできる限り出たいのですが、村長となったら本当に(村外に)出ることが多いのです。それも殆んど要望に出ることが多い。栄村の場合は、やはり補助金、または交付税に頼っております。どうしてもそういうところと縁が切れてしまうと今後、一度切れてしまったものをもう一度復活するとなると大変なので、栄村がその関係が長く続いておりました。そのようなことで今、最終的にもう一度栄村に目を向けていただきたいということで頼む陳情がほとんどです。その点をご理解いただきたい
 人事異動の関係についてですが、なるべく今年の4月1日に向けては3週間前には内示を出させていただきました。できるだけ早くにその職の関係を担当のところに行って情報を聞いて、ある程度の流れをつくっていただきたいと。今まではだいたい1週間位前に出されたのですが、それでは準備ができないということで、できる限り早く出すということで出させていただいております。
 今後、年の途中でも多分出すだろうと私は考えております。その関係についても直ぐではなくて、できる限り時間を充分取れる、そして引き継ぎも充分できるというところまで進めてからの人事異動に取り組みたいということで考えております。以上です。

 

◎ 振興公社の経営状況に対する評価は?

松尾  3番目の質問、栄村振興公社への出損金及び指定管理に関する問題です。
 まず一つは、出損金5千万円、それから増額した指定管理料などを28年度及び29年度当初予算で投入したわけでありますが、振興公社の平成28年度の決算について、村長がどのように分析、評価しているか。また29年度、既に2ヵ月余を過ぎておりますが、29年度の4月、5月の収支状況をどのように把握しているか
 1日目にお聞きした森川村長の行政報告では、振興公社理事会との協議というものは無かったように思いますが、振興公社と村の間で指定管理に関する契約書にうたわれております協議というのは行われているのか、いないのか。その点についてお尋ねします。

 

森川村長  最初の「振興公社への出損金、指定管理をめぐって」について、多分皆さんの方には報告第7にて提出しておりますので、ご覧いただいたと思います。
 収入については殆んど伸びていない。しかし、公社の方で必要経費をかなり切り詰めている。
 必要経費と言いますと、実際に人件費も入っております。しかし27年度から28年度に向けて引き継いだ時には、かなり不要な人材が多かったのではないかと私は考えております。27年の9月末までは皆さんの知っている3億円事件と呼ばれていますが、そのお金の関係が動いていた。ですから人も多かった。それを整理せずにそのまま正規職員に臨時から格上げしてしまったのです。その関係でかなりの支出が増えた。しかし、また職員と理事の方で話し合いをし、そして今後の振興公社を本当にどうするか、職員と話し合って向き合った時点で辞めていった方、清算できた方、そして経費をかなり支配人の方で食材の方の切り詰めも行ったということで27年度費に比べて28年度は2,080万円の赤字を削減できております。ですから「やればできる」と。
 しかし、あとは収入を如何に伸ばすかで公社の営業は変わるだろう。ですから今の関係を支配人自らが施設の経営者として理事に任せるのではなく、数字をにらんだ営業方針を逐次、その時の状況によって営業していけば必ず公社の方は立ち直っていくと私は信じております。それが一点。

 

松尾  報告第7号で出ている公社の決算報告書は拝見しました。本日の一般質問は村長に対する質問ですので、振興公社の経営そのものについて議論にあまり深入りはしようと思いませんが、只今の村長の答弁では、収入は伸びていない、必要経費を切り詰めて赤字は2千万円台の削減だ、と。数字はそういうことであることは私も認識しております。ただこれは村長もそういう考えではないかと思うのですが、縮小再生産では困るわけです。不要な人材が多かったのではないかと、3億円事業の関係で。確かにそういう部署もあったかと私も思います。ただ今日はそのことを議論するわけではないので、また何らかの機会にその点は検討したいと思います。
 もう一方で、現在4つの施設がございますが、かなり多くのお客さんが入った場合に、現状の従業員数では充分な対応ができないというケースがあるようです。その場合にアルバイトやパートに入っていただくこともあるようですが、実際に私自身が体験したこととして、アルバイト等々で急場をしのぐという場合に、接客の訓練が基本的にない人が接客に当たるという事例もあります。これは経営の問題として非常に難しい所ですが、答弁求めるというのではなくて、認識を伝えておきたいのですが、現在の振興公社の職員数で果たして施設が充分な運営ができるかどうか。これはよく考えなければならないことではないか従業員の労働時間の問題についても、これは公社自身がキチンと管理すべきことですが、村がこれだけのお金を出しているということでもあるので、村としても職員の労働時間の実態についてはキチンと把握しておくことが必要ではないかと思います。

 

 

 以上、6月定例会での私の一般質問と森川村長の答弁を可能なかぎり詳細に紹介しました。
 これに対する評価は、お読みになった村民のみなさまのご判断に委ねたいと思います。
 そのうえで、この7〜8月、議会全員協議会(村長提出)で議論されている「共通入浴券」に関する問題を考えるうえで、上掲の6月定例会での質疑内容は、一つの重要な参考資料となるのではないかと思います。


松尾まことの議員活動報告第16号

   補正予算の減額修正について

 

 村議会の6月定例会が6月16日(金)〜21日(水)に開催されました。「信毎」等の新聞報道ですでにご存じの人も多いかと思いますが、今次定例会の最重要議案である一般会計補正予算案をめぐって、減額修正の動議を可決しました。観光協会への補助金増額補正445万円のうち295万円を削減するというものです。
 今号はこのことに絞って、みなさんにご説明・報告をします。

 

◎ 予算の減額修正とは、どういうことか?
 まず、予算減額修正の意味を説明します。

 

■ 予算の編成権と決定権は別
 年度当初予算であれ、年度途中での補正予算であれ、村の予算の編成権は村長のみにあります。議会には予算を編成したり、予算案を発議したりする権限はありません。
 しかし、このことは「予算は村長が決める」ということを意味するわけではありません。
村長が編成した予算案を審議し、決定するのは議会です。
 議会は、村長が編成・提案した予算案を審議して、適切なものだと判断すれば、それを可決し、予算が決まります。
 しかし、村長が提案した予算案に不明な点や不適切と考えられる内容があれば、議員はそのことを審議の中で指摘し、村長の考えを質します。
     *議員の質問に対して担当課長が答弁することもあります

      が、担当課長が答弁する内容も含めて村長の考え・判断

      をあきらかにするものです。
 そして、村長(+課長)の答弁に納得がいかない場合は、議員はそのことをはっきり意思表示します。議員の多数が村長答弁に納得がしないという事態になれば、村長は自らが提案した予算案をどう扱うか、判断することを迫られます。


■ あくまでも原案に固執か、原案撤回・新議案の提出か
 村長が迫られる判断は二者択一の選択です。
 1つの選択肢は、予算案が否決されることを覚悟で、あくまでも原案に固執することです。もう1つの選択肢は、予算案(原案)を撤回し、議員の納得が得られるように内容を改めた新しい予算案を提出することです。
 村長には、原案を議会に提出したままの状態で、その予算案の一部を修正する権限は法律上認められていません。

 

■ 議会もまた選択を迫られる
 議会は、村長が原案撤回−新予算案提出という選択をする場合は、その「新予算案」の提出をうけて改めて審議します。
 しかし、村長があくまでも原案に固執するという選択をする場合は、議会も二者択一の選択を迫られます。1つの選択肢は予算案を否決することです。しかし、「原案否決」となれば、必要だと考えられる予算も含めてすべての予算が成立しないことになります。
 そこで、もう1つの選択肢が浮かび上がってきます。
 それが減額修正動議の提出です。すなわち、村長提出の予算案のうち不適切だと判断される部分のみ減額する(削る)という動議を提出するのです。
 今次6月定例会で私を含む多数の議員が選んだ選択肢はこれだったのです。

 

■ 予算案の表決よりも先に修正動議が表決される
 さて、修正動議が提出された場合、議会会議規則により、村長提案の予算案の表決に先立ったって、まず修正動議の表決が行われます。
 そして、修正動議が可決された場合は、村長提案の原案の表決は行われず、議会が修正した予算案が予算として成立します。他方、修正動議が否決された場合は、村長提出の原案の表決が行われます。
 今回は、修正動議が可決されましたので、議員の提案で修正された予算が成立しました。

 

◎ 修正に至る経緯
 6月定例会には一般会計の補正予算案(第1号)と5つの特別会計の補正予算案が提出されました。


■ 6月補正予算案の基本性格
 6月定例会には毎年、補正予算案が提出されます。役場職員の4月人事異動との関係で予算補正が必要になるからです。
 みなさんは、「広報さかえ」に掲載される村予算のお知らせをご覧になったことがあると思います。そこには、「総務費」とか「民生費」、「農林水産業費」という費目はあっても「人件費」という費目はありませんね。役場職員の人件費は、たとえば役場総務課に配置されている人の給料については「総務費」の中に、産業建設課で農業部門の仕事を担当している人の給料は「農林水産業費」の中に入れられています。
 そのため、勤続年数が長く、給料が比較的高い人が3月までは総務課のある係に在職したが、4月1日付でこの人が他の課に異動し、その替わりに勤続年数が短く給料が低い人が入ったとなれば、総務課の予算を減らし、給料が比較的高い人が異動した先の部署の予算を増やすことが必要になります。

 他方、政策的な経費については、1年間の予算を3月に決めてから日が浅いですから、6月定例会に提出される補正予算に新規事業が計上されることは例外的な事態だといえます。

 

■ 今回、異常に大きかった商工費の補正額
 6月定例会に提出された一般会計の補正予算案は歳入・歳出ともに6,850万5千円増額するというものでした。(補正後の一般会計予算総額は36億2,850万5千円)
 そのうち、商工費の補正額は4,519万3千円。異常に大きいです。商工費の補正額の中にも人事異動にともなう補正が入っていますが、「商工費」の中の「観光費」で人事異動関係以外の補正が多くあったためです。主なものを書き出してみます。
    秋山地区二次交通事業          155万6千円

                       (当初予算は0円)
       *7〜10月の間、誘客のため、森宮野原駅〜切明間に

        周遊バスを走らせるというもの)
    苗場山自然体験交流センター改修工事   930万8千円

                       (当初予算1,061万8千円)
    切明温泉給湯ポンプ設置工事       668万9千円

                       (当初予算0円)
    栄村秋山郷観光協会補助金        445万円

                       (当初予算804万3千円)
 これはちょっと大きすぎます。当初予算編成時にわかっていたはずのものが当初予算に盛り込まれていなくて、6月補正で継ぎはぎをしたという感が否めません。こういう予算編成は基本的にやってはならないとされています。その点は後ほど改めて説明します。

 

■ 観光協会への補助金に不透明な点が多数出てきた
 6月定例会提出の議案を議員は6月9日に受け取りました。16日に定例会が始まるまでに議案を十二分に検討し、的確な質疑を行なえるように開会の1週間ほど前に受け取るのです。
 私はすべての議案(補正予算案以外に条例改正案などもありました)をしっかり読み込み、質疑の準備をしました。
 とくに注目したのは観光協会への補助金です。観光協会への補助金をめぐって、2つの不可解なことがあることに気づきました。
      村の当初予算にある観光協会への補助金約804万円

      について、その使途が村の予算書に書かれているもの

      と、観光協会の予算書に書かれているものの間に食い

      違いがあること。
        村予算では、「人件費補助(2名)554万3千円、雪ん子

        まつり開催補助100万円、観光誘客活動補助150万円」。
        観光協会予算では、「人件費補助691万円、イベント等

        活動補助金113万円」。
        なお、4月25日の観光協会総会では「雪ん子まつり補助

        金が得られていない」との説明がありました。
      観光協会では4月に職員が1名増えて人件費予算の増額が

      必要になっているのに、6月補正案の観光協会への補助金

      について補正予算説明書には「活動補助金(イベント・広

      告宣伝等経費分)」と書かれていて、人件費補助の補正は

      ないと思われること。
        観光協会の職員が1名増えたのは観光協会が勝手に決め

        たことではなく、役場商工観光課に勤務していた臨時職

        員の人について、村長自らが「4月1日以降は観光協会に

        移す」と決めたことによるものです。今議会で村長がそ

        のように説明しました。

 

 私は6月16日の補正予算案審議で、このことを質しました。他の議員も質問しました。
 質問への答弁の中で商工観光課長からとんでもない発言が飛び出しました。課長は補正予算額445万円の内訳についての説明の中で「雪ん子まつり開催補助100万円」と言ったのです。「雪ん子まつり開催補助100万円」は上に書いたように3月定例会で成立した当初予算にすでに計上済みなのです。つまり、二重計上(重複計上)ということです。あってはならないことです。
 議員はすぐさま、そのことを指摘しました。
 村当局は説明できなくなりました。そこで、村長が「後刻、観光協会の要望、村の予算査定を時系列で説明するものを提出します」と発言し、観光協会への補助金関係の審議は6月定例会の会期内の後日に持ち越されることになりました。

 

■ 二転三転する説明
 次頁に1つの表を示します。村の当初予算で決まった観光協会への補助金の内訳、観光協会が4月25日の総会で決めた観光協会予算のうち、村からの補助金に係るもの、6月19日に議会運営委員会に商工観光課長が示した観光協会への補助金の補正予算の内訳、さらに20日の議会全員協議会に示した内訳の4つを表にまとめたものです。
 前項で「二重計上(重複計上)」を指摘した「雪ん子祭り補助」は、16日議会での100万円という説明に対し、19日には81万2千円、20日には20万円と説明がクルクル変わっています。
 また、車両費、燃料費、修繕料、車検委託料、保険料は19日までの説明にはなかったのに、20日になって突然出てきています。しかも、それらは観光協会が村当初予算での補助金を財源として4月25日に総会で決定した予算ですでに計上しているもので、今さら補助を村に求めるようなものではありません。要は、16日には100万円、19日には81万2千円とした「雪ん子祭り補助」を20万円に減らすために「辻褄合わせ」をしているのです。
 こんな二転三転する、デタラメな説明に納得するとしたら、議員失格、議会失格だと言わなければなりません。
 だから、もう間近に迫っている「夏祭り」と「無茶フェス」への補助金150万円を除く245万円について、今回の6月補正予算から削り、もう一度きちんとした検討をして、次の議会に補正予算を出し直してくださいという「修正動議」が提出され、私たちはそれを可決したのです。

 

 

◎ そもそも補正予算とは
 予算の減額修正というのは、そんなに頻繁にあることではありません。栄村では少なくともここ10年の間には一度もなかったことだと思います。(ただし、長野県内の他市町村議会ではちょこちょこ事例があるようです。)

 そういう稀なケースなので、ここまで詳しく経緯等を報告・説明しました。
 そのうえで、ここでは、そもそも補正予算とは、どういう場合に編成するものなのかについて説明します。

 

■ 災害時、国の補助金の確定など限られた場合のみ補正
 栄村では昨年度、一般会計予算の補正がなんと13回にもわたって行われました。これはあまり正常なこととは言えません。
 私がよく引用・紹介する『議員必携』という本では、
    「当初予算は、年間の一切の経費を計上し、計画的に支出する

     建前になっているのであるから、物件費や人件費等の経常経

     費の補正は、特別の事情がある場合を除いて、みだりに行う

     べきではない。」
と記されています(同書239頁)。「特別の事情」とは、天災・災害の発生や、当初予算決定後に国の交付金・補助金等の額が確定した場合などです。
 栄村で昨年度、補正の回数が多かった原因としては、当初予算を島田茂樹村長(当時)が編成した後に、森川新村長が誕生したため、予算を補正する必要がしばしば生じたということがある、と私は解していました。
 しかし、本年度は森川村長が自ら当初予算を編成したのですから、「もともとわかっていたはずの経費を当初予算に計上していなかった」ことが根本原因と思われる今回の観光協会への補助金をめぐる補正予算のようなことはあってはならないのです。
 しかも、補正予算の算出根拠についての説明が二転三転したという事実は、予算編成作業、村長による予算査定がきちんとなされていないことを示しています。これは村の行政の土台を揺るがしかねない大問題だと言わねばなりません。

 

■ 議員も問われる
 上に引用した『議員必携』には、こんなことも書かれています。
     「補正予算は、必要とする費目の追加や削減の経費のみが提案

      されることから、予算を審議する側の議員にとっては、予算

      を総体的にとらえることが困難になりがちである。」

     (同書同頁)
 議員は、補正予算案を各人が持っている当初予算書と突き合わせ、補正予算案がどういう意味をもっているのか、適切な補正なのか、しっかり見極めることが求められます。さもないと、今回の補正予算案のように二重計上(重複計上)を見逃してしまいます。さらに、補正予算の審議が甘いと、当初予算の際に時間をかけて慎重に審議したことが無意味になりかねません。
財政赤字−財政再建が大きな課題になっている国政の場合、当初予算では財政赤字が増大しないように努めていながら、補正予算で公共事業等への大盤振舞(おおばんぶるまい)が行われ、財政赤字が膨(ふく)らんでいくということが問題になっています。
 栄村も財政事情が明るいわけではありません。
 議員はそれぞれの議会で提出される議案だけを見ているのではなく、当初予算、さらには前年度予算や決算も見ながら、しっかり補正予算をチェックしていく責任を負っているのです。

 

◎ 観光協会を真に主体的な団体として育てよう
 栄村の観光協会は、かつては各集落も参加する組織でしたが、現在は観光業関係者を主たる会員とするものになっています。ただし、個人加盟も可能で、私も今春、入会させていただきました。
 私は、栄村の観光を活発なものとするために、観光協会をもっともっと村民が主体的に参加し活動する団体として育てていく必要があると考えています。
 観光協会そのものは基本的に営利活動をするわけではありませんので、お金がほとんどありません。村の観光を発展させるために村が補助金を出すことは当然に必要だと考えます。しかし、村が補助金を出すということは、村(長)が観光協会に「口も出していい」ということを意味するわけではありません。「お金は出すが、口は出さない」が正しいあり方なのです。
 そして、いま、協会の事務局で頑張っている若い職員を大事にし、村民の思いが反映される観光協会の主体的な活動を促進していくことが、いま、とても大事になっているのだと考えます。
 今回の減額修正をマイナス・イメージで捉えるのではなく、観光協会の主体的な発展を実現していく第一歩にしたいと思います。

 

(6月定例会の他の審議内容については改めてご報告する予定です。)

 


松尾まことの議員活動報告(5月29日付)

   初議会はどのように行われたか

 

 4月23日の選挙で選ばれた第17期の議員が初めて出席する臨時議会が5月22日(月)に開催されました。
   注:4月23日の選挙で当選した議員の任期は本年5月21日からの

     4年間です。これまでの4年間の議員は第16期(栄村村議会

     が設置されて以降の通常選挙で選ばれた16回目の4年間とい

     うことです)。
 選挙後初めての議会というのは特別なものです。
 というのは、議長も決まっていなければ、各議員がどの席に座るかも決まっていない状態で初議会を迎えるからです。まず、議長や議席を決めないことには何の審議もできません。これらのことを決めることを「議会構成を決める」と言います。

 

■ まず議員懇談会
 22日はまず午前9時に議員が議場に集まり、議員懇談会を開催することから始まりました。
 集まった議員は、議席がきまっていないため、16期から引き続き議員を務める人が元の議席に仮に座る以外は各人、とりあえず空いている席につきました。
 懇談会の座長は慣例により、最年長議員が務めます。最年長年齢者が複数いる場合は、誕生日の早い人がそれに該当します。今回の場合は島田伯昭(のりあき)氏が該当者でした。
 懇談会では、議会事務局が作成したレジュメを基に、初議会本会議の進行についての確認が行われました。その中で、くじ引きで仮議席も決めました(くじを引く順番を決めるくじ→仮議席を決めるくじの2回のくじ引き)。30分強の懇談会でした。

 

■ 本会議冒頭の手続き――仮議席の指定と議長選挙
 午前10時から初の本会議。
 議長が決まるまでは仮議長が議事進行を司(つかさど)ります。仮議長はやはり最年長者ということで島田伯昭氏(これは会議規則によるもの)。
 最初の議事は「仮議席の指定」。議員は先ほどの懇談会でのくじの結果にしたがって着席していて、それを「仮議席とする」と宣します。
 続いて、村長挨拶があった後、「議長選出」。
 これは自由立候補制で、無記名投票(「無記名」とは、誰を選ぶかは当然書くわけですが、投票者の氏名を書かないという意味)で決めます。
 ところが、この議長選挙のプロセスが変わっているというか、面白いのです。
 本会議をいったん休憩し、議会全員協議会に切り替え、そこで立候補者が立候補の意思を挙手で示し、立候補者は「所信表明」の演説をするのです。いわば立合い演説会のようなものですね。
 今回の場合、福原和人氏1名の立候補で、福原氏が所信表明をされました。
 ここで、本会議が再開されます。
 そして無記名投票が実施されます。仮議長から議員3名が立会人に指名され、投票箱の点検及び開票作業の立会いを行ないます(斉藤康夫、松尾、桑原武幸の3議員でした)。
 開票の結果、福原和人氏が10票(満票)を得て、議長に選出されました。
 福原氏が議長受託の挨拶を行なった後、議長席につき、ようやく議会が本格始動しはじめました。

 

■ 議席の指定、副議長選出、各委員会委員長の決定等
 福原議長による議事進行は、まず「議席の指定」。本会議冒頭に仮議席としたものを正式の議席とするのです。
 次に、副議長の選出。
 これは基本的に議長選出と同じ段取りで進められます。
 実際はどのように展開したか。
 私自身はいささか驚いたのですが、島田伯昭氏が立候補し、ちょっと遅れ気味で立候補意思表示の挙手をした阿部伸治氏との一騎打ち選挙となりました。
 投票結果は、阿部伸治氏6票、島田伯昭氏4票で、阿部伸治氏が副議長に当選しました。
 この後、「議席の変更」手続きが行われます。というのは、議長は10番、副議長は9番議席とすることが慣例となっているからです。先の議席決定で9番と10番になっていた上倉敏夫氏と保坂良徳(よしのり)氏がくじ引きをして、4番と7番に移り、これで議席が最終確定しました。
 この後、議会運営委員会委員長の選出。自薦・他薦が求められ、自薦で名乗りを上げた相沢博文氏が議運委員長に決まりました。
 続いて、2つの常任委員会の正副委員長を決めます。
 本会議を休憩にして、議場内で2つの委員会に分かれて協議。
 総務文教委員会は保坂良徳氏が委員長、月岡利郎氏が副委員長。産業社会委員会は松尾が委員長、斉藤康夫氏が副委員長と決まりました。
 この結果、総務文教委員長の保坂氏、産業社会委員長の松尾、副委員長の斉藤氏が議事運営委員会の委員となりました。(総務文教副委員長の月岡氏が議運に入らないのは、すでに議運委員長に決まっている相沢氏が総務文教委員会所属であるためです)。
 この他、村等から委嘱される各種委員会・審議会等の委員の選任、北信広域連合議会議員等の選挙(議長の推薦指名への全議員の同意による)が行われました。

 

■ これらの議会構成の手続きをどう見るか
 これでようやく、議会構成がすべて決まったわけです。ここまでで午前11時半頃になりました。
 なんだか「手続き」が煩雑に感じられるかもしれませんが、議会が村民の負託に応え得る公明正大な運営をできるかどうかを大きく左右するものですから、きちんと規則等に則って、このように行うことが必要かつ重要であると思います。

 5月22日の臨時議会は、この議会構成の他に、村長提出の議案もありましたので、議会構成が終わった段階で昼休憩とし、午後1時半から村長提出議案の審議を行いました。本会議終了後、村長提出の議会全員協議会もありましたので、会議全体が終了したのは午後3時少し前でした。

 

   「初議会はどのように行われたか」――少し長くなりました

   が、かなり詳しく書きました。上に記したように、今後の議

   会運営のあり方を左右する重要な手続きであり、村民のみな

   さんによく理解しておいていただくことが大事だと思うから

   です。

 

 

☆ 福祉医療費給付金条例の一部改正について

 午後の本会議で村長提出の議案4件がありましたが、その中の1件、「栄村福祉医療費給付金条例の一部を改正する条例の制定」について、日々の暮らしにも直結しますので、説明します。
 お子さんをお持ちの方には馴染みが多い条例です。
 改正されたのは給付対象者を決めるうえで重要な定義に関わる条項です。
 1点目は、「乳幼児」の定義です。これまで「出生の日から満6歳に達する日以降の最初の4月1日までの間にある者をいう」とされていましたが、下線部が「3月31日」に改められました。この給付金は県の制度と密接に関連していますので、長野県の定義に合わせるようにしたものです。
 2点目は、「児童生徒」の定義です。
 まず、「小学校入学時から満18歳に達する日以降の最初の4月1日までの間にある者」の「4月1日」が「3月31日」に改められました。
 もう1点。「18歳以上20歳未満で高等学校その他村長が認める施設に在学若しくは在校中の者(高等学校を卒業した者を除く。)」が、「児童生徒」の定義に加えられました。
 これは病気等で高校進学が遅れた人が高校在学中に満18歳に達したために福祉医療給付金を受けられなくなることがないようにするためです。
 該当する人の数は多くないかもしれませんが、当事者にとっては重要な問題です。
 なお、「18歳を超えて高校等に在学」となる理由の解釈には幅があると思いましたので、その点、質問して、担当課長の答弁をいただきました。議事録に残りますので、今後、この条例の解釈をめぐって議論が生じた場合の判断基準となると思います。

 


☆ 浄化槽と農集の「経営戦略」について
 このテーマは、22日午後の本会議終了後、「議会全員協議会(村長提出)」で説明・協議が行われたものです。
 正式には、「栄村特定地域生活排水処理事業経営戦略」並びに「栄村農業集落排水事業経営戦略」といい、いずれも平成29年度〜38年度の10ヶ年計画です。
 これは議会の議決を要する「計画」の類ではありません。したがって、あくまでも「こういう経営戦略を策定しました」という理事者側(役場側)の報告にとどまります。ただし、議員はいろいろ質問・協議することができます。

 

■ 平成33年度(4年後)に3%の使用料値上げを予定
 それぞれA4判で18頁もある文書ですが、村民に関わる最重要事項は、浄化槽使用料、農集使用料ともに、平成33年度に3%の値上げが予定されていることです。
 提出された資料によれば、浄化槽使用料については、「平成29年度から平成32年度にむけて収支全体が悪化」という理由、農集については「平成33年度に施設改築や電気機械類の更新を計画」、「次の更新が見込まれる30年間でご利用者の皆様に均等に負担していただく」という理由が挙げられています。
 農集の平成33年度における施設改修等は処理場(宮野原橋近くにある)の改修で、それ自体は避けられない改修のようです。ただし、施設改修計画の中身、経費等についての精査が必要であり、平成33年度からの使用料3%値上げ計画が妥当なのかどうか、平成32年度を待たずに真剣に議論しなければならないと思います。
 他方、浄化槽使用料については、私が資料を読んだかぎりでは、「平成29年度から平成32年度にむけて収支全体が悪化」という理由付けに説得力はないように思います。これもよく検討・議論しなければなりません。

 

■ 水道や下水道の純「企業経営」化を求める国の圧力の強まり
 村の財政は、震災復旧・復興関係の交付金・補助金の基本的終了によって、財政規模が震災前に戻りつつあり、そこに村の人口減少等の要因も加わって、徐々に厳しいものになりつつあります。
 そのことをおさえたうえで、しかし、今回の浄化槽・農集使用料値上げの件は、村の財政事情に因(よ)るというよりは、国の圧力が大きな要因だと見なければなりません。

 

● 「経営戦略」策定は総務省の通知によるもの
 今回の「経営戦略」という文書、総務省の通知にしたがって策定されたのですが、コンピューターでのシミュレーションを必要とするなど、非常に専門的な文書です。栄村役場単独で策定できるものではありません。
 私が質問したところ、専門業者に委託したそうです。そして、その委託料には国の補助金が出るとのことです(私が議員になる前に審議された平成28年度当初予算に盛り込まれています)。
 国が補助金まで出して、この「経営戦略」の策定を求めるのには2つの理由があると見られます。
 第1の、そして最も大きな理由は、下水道事業(栄村では浄化槽と農集)について、税金を投入する運営から、基本的に下水道事業からの収益だけで運営する「企業経営」に変えていくことを国が追求していることです。(もう1つの理由は、こういう計画策定事業が国との関係が深いコンサル企業の儲けにつながるということです。)
 先般、国の経済財政諮問会議で安倍首相は、「地方財政の改革」を唱え、その重要な一環として「水道事業等の経営の見直し」を指示しました。水道事業等を純「企業経営」化し、税金の投入を減らし、それによって国から地方自治体への地方交付税交付金の交付額を減らそうという狙いです。
 栄村では、浄化槽・農集の会計に一般会計からの繰り入れを行なっており、また、浄化槽設備や農集設備の関係で地方債(借金)を発行しています。そして、村の一般会計の最重要の財源は地方交付税交付金であり、地方債の償還(借金返済)にも地方交付税交付金が大きな役割を有しています。
 水道や下水の事業で、国が求める「企業経営」化への努力が不十分とみなされれば、地方交付税交付金の算定で不利な状況に追い込まれる可能性があります。
 国は、森友問題や加計問題に見られるように不正かつ不適切な財政資金の投入を行なう一方で、福祉費の削減やこの水道・下水問題に見られるように、国民生活を苦しくする政策を強めています。
 ひょっとすると年内にも衆議院解散・総選挙があるかもしれませんが、私たちは水道・下水事業のような暮らしに密接な問題からも国政に対する関心を高め、的確な投票行動ができるようにしていかなければならないと思います。

 

● 村議会でもしっかり審議することが必要
 「国の圧力があるならば仕方ない」ということではありません。
 村の議会でしっかり審議し、村民の暮らしが守られるようにしなければなりません。
 これまで、こういう料金値上げは、値上げ直前に新年度予算案の中で出され、わずか2日間くらいの予算審議の中で決まってしまうというのが基本だったと思います。
 しかし、議会には常任委員会というものがあり、村長が招集する議会(本会議)が開かれていない期間でも委員会を開いて、調査や議論を行なうことができます。この委員会の活用がこれまでの議会ではほとんど見られませんでした。
今 回スタートした17期議会では委員会活動を飛躍的に強化したいと思います。福原議長もそういう考えを持っておられますし、私は産業社会常任委員会の委員長として委員会の開催を積極的に進めていく考えです。総務文教常任委員会委員長に就任された保坂良徳氏も同様のお考えです。
 浄化槽・農集について委員会での検討を行っていきたいと思います。

 


☆ 今後の議会予定
 村議会の開催には定例会と臨時会があります。定例会は、3月、6月、9月、12月の4回です。
したがって、間もなく6月定例会が開催されます。村長による招集の正式の告示はまだ出ていませんが、6月16日(金)〜6月22日(木)の予定になっています。ただし、17日(土)と18日(日)は休み、22日は予備日ですので、実際に議会が開かれるのは16日、19〜21日の4日間です。19日と20日の2日間が一般質問日になります。
 6月定例会に通常提出される主な議案は、4月の人事異動に伴う人件費の補正を主たる内容とする補正予算案です。今回の6月定例会で私が注目しているのは、4月1日に間に合わなかった温泉の共通入浴券の料金改定に必要な栄村温泉条例の改正案が提出されるかどうかです。現在の共通入浴券は9月末までの暫定的なものですので、10月1日からの共通入浴券を遅くとも9月中旬に発行するには、今度の6月定例会に温泉条例改正案を提出するのが当然であると考えるからです。
 なお、6月定例会の議事日程等を決める議事運営委員会は9日午前の開催です。ここで6月定例会に提出される議案もあきらかになり、各議員に配布されます。
 6月定例会の傍聴を検討されていて、議事日程を詳しく知りたいという方は10日以降、私にお問合せください。

 

 

☆ 各種委員会等の委員となる議員について
 議会には、村が設置する審議会や委員会等の委員を出すよう村から委嘱(いしょく)がされます。17期議会のスタートに伴い、その委員が決まりましたので、主な一覧を紹介します。
  * 総合振興計画審議会委員 ………… 保坂良徳、松尾眞
  * 農政審議会委員 ………… 松尾眞
  * 福祉審議会委員 ………… 松尾眞
  * 自然環境保護審議会委員 ………… 保坂良徳、松尾眞
  * 地域包括支援センター運営協議会委員 ………… 斉藤康夫
  * 社会福祉協議会理事 ………… 福原和人、斉藤康夫
  * 振興公社評議員 ………… 福原和人
  * 老人保健福祉計画・介護保険
   事業計画策定懇話会委員 ………… 斉藤康夫
  * 空き家対策協議会委員 ………… 保坂良徳

 

 

☆ 初当選議員研修会で安曇野に行ってきました
 5月19日、長野県町村議会議長会事務局主催で「町村議会初当選議員研修会」というものが安曇野市堀金(ほりがね)公民館で行われ、私が参加してきました。
 ここで言う「初当選議員」というのは、この1年間に初当選し、かつ研修会当日の5月19日に議員である者を指すそうです。したがって、昨年4月の補欠選挙で当選した私は該当しますが、先般の村議選で初当選した4人が議員となるのは5月21日からで、研修会の対象者外。
 研修の内容は、議員活動をすでに1年間やっていれば周知のことがほとんど。内容的に得るものはあまりありませんでした。
 参加議員は60名ほどでしたが、見たところ40〜50歳代が多いように感じました。

 

 

<「議員活動報告」の発行時期について>
 昨年5月に始めた「松尾まことの議員活動報告」ですが、当初は毎月1日を発行日としていました。しかし、昨年末あたりから議会開催日程との関係で不規則化しています。
 議会開催の後はできるだけ早く報告をお届けしたと思いますので、今後は、発行日を不定期とし、議会終了から1週間を目安に発行するようにしていきたいと考えています。定例会も臨時会もない月は月半ばを目安に発行します。
 よろしくお願いいたします。


松尾まことの議員活動報告第13号

栄村の将来を占ううえで非常に重要な議会でした
    〜3月議会の結果をご報告します〜

 

 3月6日(月)から13日(月)まで実質6日間、平成29年第1回定例会が開催されました。
 3月定例会は新年度予算を審議・決定する議会で、年間の議会の中でもとりわけ重要な議会です。私自身は、新年度予算の審議は初めての経験。審議すべき内容は質・量ともに多く、かつ重大で、とても緊張し、正直なところ精力を使い果たしたという感じです。すべてをご報告するのは難しいですが、ポイントを絞って、村民のみなさんの暮らしを左右する問題について可能なかぎり詳しく、わかりやすくお伝えしたいと思います。

 

☆ 栄村の道路や橋、学校などはこれからも維持できるのか?
   ――「栄村公共施設等総合管理計画」について

 

 今議会で、私がある意味で最も衝撃をうけたものがこれでした。
 「公共施設等」とは、役場や学校、温泉宿泊施設などの公共施設の他、道路、橋、上下水道などの村が保有する施設のことです。簡単にいえば、私たちの日々の暮らしを支える“インフラ”と呼ばれるものです。
 建物も道路も建設が完了し、利用が始まると同時に劣化(れっか)が始まります。傷みが生じ、修繕、ひいては建て替え(作り替え)が必要な時がやってきます。

 

■ インフラ更新に総額500億円、年平均約13億円が必要!
 結論から紹介しましょう。
 「計画」は平成29年度から平成58年度までの30年間。平成29〜67年度の間にインフラ更新に約500億円(正確には497億1千万円)が必要だというのです。建物の寿命との関係で更新費用が最も多くなるのは平成54年度で、なんと30億円が必要になります。今議会で審議された新年度予算の総額は約35億円ですので、村の予算の1年分をまるまるインフラ更新に投入せねばならなくなるということですね。
 更新費用が少なくて済む年もありますので、平均すると1年あたりの更新整備費は12億7千万円になります。12億7千万円というのも大変な額です。栄村の年間予算額は数年の内に震災前の23〜25億円くらいに縮小すると言われています。ですから、年間予算の半分をインフラ更新費が占めることになります。そうすると、医療や介護の社会保障費、農業などの産業の維持・育成の経費はどうやって確保できるのかという問題が出てきます。

 

■ 国が「インフラ長寿命化基本計画」を推進
 いわば「インフラ更新長期計画」と呼ぶのがふさわしいこの計画、じつは国が4年前に「インフラ長寿命化基本計画」を作り、全国すべての地方自治体に同様の計画を作るように求めたことをうけて、村が検討した結果です。
 前の東京オリンピック(1964年)の時につくられた首都高速道路の傷みが激しいことはよく知られています。日本は高度経済成長時代にたくさんの道路や橋、建物をつくりましたが、それらがすべて寿命を迎えるわけです。

 

■ 私たちは何に注意すればよいか
 村が今回つくった30年間にもわたる「管理計画」は、あくまでも更新費用の試算であり、ただちに実施に移されるというものではありません。
 やはり今議会で決定された「第6次栄村総合振興計画」、そして3年毎に策定される「実施計画」で、更新時期を迎えた施設をどうするかが具体的に検討・決定されるという段取りになります。
 ですから、慌てる必要はありません。
 でも、「計画」の中にこんな文言があることに注意をはらうことも必要です。
    「人口減少時代を迎える中で、人口規模にあった公共施設等

     の統廃合や廃止による健全財政の推進を図る必要性が高ま

     ってくることが想定されます。」
 自分が暮らす集落に必要な村道が傷んだとき、これまでならば、「あそこの道路を直してください」と言えば、即時ではないにしても、数年内には直してもらえたのが、「人口が減ったから、その道路はもう維持できない、不要だ」という話になりかねないのです。
 大事なことは、みなさんの集落、地区で暮らしに欠かすことができない施設や道路がいまどんな状況なのかに関心を抱き、不安なことなどがあれば声をあげ、将来見通しについて尋ねることです。
 集落の人が少なくて、様子を見て廻ることや、将来見通しを考えることが難しいという場合もあるでしょう。そういう場合は、私のような議員に気軽に声をおかけください。震災の時、議員がそういう役割を果たしえたかと問われれば、たしかに疑問符がつくかと思いますが、私は頑張ります。集落のお話をお聞きし、現場を自らの目で見て、役場とのつなぎをきっちりやっていきます。是非、声をおかけください。

 


☆ 新年度予算から見える栄村の進路

 

■ 新年度予算に賛成した意味
 13日(月)の3月定例会最終日、新年度予算の採決が行われました。挙手採決ではなく起立採決ですが、私は起立して「賛成」の意思を表明しました。全会一致での可決です。
 私は新年度予算にまったく問題点がないとは考えていません。今回の本紙「議員活動報告」でもいくつかの問題点を指摘します。そのうえで、4月1日からの村民の暮らしに直結する行政の執行を円滑に進めるには、ひとまず新年度予算を成立させ、そのうえで必要な施策の修正・追加を求めていくのが適切ではないかと考え、「賛成」を選択しました。村(村長)にフリーハンドを与えたという意味ではありません。新年度予算の執行状況の厳しいチェック、不明な問題点のいっそうの解明などに努めていきます。

 

■ 暮らしに直結する新施策の紹介
 新年度予算に盛られた新しい施策のうち、みなさんの暮らしに直結するものを紹介します(なお、紹介すべきものは多々ありますが、この1年間、議会などの場で重要テーマとなっていたものを中心に紹介します)。

 

● 森集落の上水道
 「森地区水源転換工事」に5,530万円が計上されました。1号崩壊地横の震災前水源地に取水堰堤をつくり、導水管1,750mを敷設します。雪消え直後から工事を開始し、秋口までに完成することをめざします。
 また、「管路清掃委託料」4千万円が計上されました。マンガンで汚染されている管路を清掃するための経費です。(以上の森の上水道関係は「簡易水道特別会計」での事業です)
 なお、基本予算が28年度に確保されている開田用水の頭首工工事等も雪消えを待って実施されます。

 

● 青倉集落の中条川からの用水の沈砂池の建設
 青倉集落の用水に中条川から土砂が入って堆積する問題の対策。「青倉用水沈砂池造成工事」が「村単水路改修工事」として400万円計上されました(一般会計農林水産費、受益者負担金15%)。

 

● 高校生等通学費補助金
 高校生が通学のための定期券を購入した経費等を2分の1まで補助するもので、予算総額は262万円です(一般会計民生費の中の児童福祉費)。
 たとえば森駅から飯山高校に通う場合、年間4万2千円の補助になり、意義は大きいと思います。ただ、購入後の事後補助ですので、家計負担の軽減には十分でありません。今後、購入前の補助に変えるよう、要望していくことが必要です。

 

● 農業・水路に関わるもの
 農業は担い手の高齢化によって農地の不耕作化が生じる、水路維持作業が困難化するなど、深刻な問題に直面しています。この事態に対応する格別な新規事業は基本的にみられませんが、28年度創設制度の新規集落への適用などがありますので、いくつか紹介します。
志久見と野田沢の水路関係の補助

  「集落農業維持活性化支援事業」200万円。
  集落が水路管理道路の改修等を行うのに対して、重機借上料や燃料費を補

  助します。
農作業機械施設導入支援補助金の拡充

  「集落営農組織育成事業補助金」1千万円。
  集落営農に取り組む組織が作業施設や農業機械を導入するのを補助するも

  ので、28年度は600万円でした。なお、この事業はふるさと納税を活用す

  る農業振興基金を原資としています。
東部水路の詳細設計
  「県営中山間地域総合整備事業 栄地区」事業費が5,250万円が計上され、

  その大半は青倉集落の圃場整備に充てられますが、事業内容の中に「水路

  詳細設計3水路」が書き込まれています。坪野水路(上・下の2本)と野々

  海水路です。ただし、確実に東部水路(坪野水路)にいくらを入れるとは

  書かれていませんので、予算執行プロセスを注視していかないと、実施に

  至らない危険もあると思われます。
トマト苑1階の改修、加工品の増産
  トマト苑の1階は現在「遊休施設」化していますが、加工品の増産ができ

  るように改修を行う経費424万円が計上されました。

 

● 村史編纂(へんさん)事業を開始
 栄村の歴史が誰にもわかる「栄村史」をつくることが長年求められてきましたが、新年度、ようやく着手することになりました。新年度の予算額は896万8千円(一般会計教育費社会教育費)。
 新年度は村史編纂室を立ち上げ、編纂の方針及び計画の策定、編纂チームの編成などを進めます。村史の編纂には何年もかかりますが、ついにスタートすることになったことが重要です。今後、教育委員会から各種のお知らせがされると思いますが、みなさんの知恵、意見をどしどし出してください。

 

■ 問題点がある予算
 3頁でも書きましたが、新年度予算にはいろいろな問題点があります。
 振興公社に関わる予算、栄村高齢者福祉総合センターの社協(栄村社会福祉協議会)への指定管理とデイサービス事業の移行に伴う予算については別のところで取り上げますので、ここでは2つのことに限って指摘します。

 

● 切明の水道水源地を約100万円で買収とは?
 商工観光費予算の中にわずか1行、「公有財産購入費 103万1千円」というのが計上されています。「説明」欄にも「用地取得費」と書かれているだけで、どこの土地なのかも分かりません。
 議員からの質問への答弁ではじめて、「切明の水道の水源地。所有者は『雪あかり』さん」と明かされました。
 村の水道の水源地を村が用地取得する事例は過去に1例しかなく、ほとんどすべての水道水源地は寄贈または借地です。
 なぜ、購入する必要があるのか? 誰もが不思議に思います。森川村長は「中国人が日本の水源地を買いあさっている。第三者に渡ると厄介なことになるので、村で買い取りたい」と述べました。
 議論は平行線になり、私を含むかなりの議員は納得できませんでした。私は最後に、「所有者は村の人。そんな心配をしなければならないのは悲しいことです」と発言しました。「雪あかり」さんといえば振興公社の理事長を務める人。村長が信頼をおく人が水道の水源を村外の人に売り渡すなんて心配をすること自体が失礼な話だと思うのですが、どうなのでしょう? 理解不能な予算計上です。

 

● 28年度に実績がない「経営指導委託料」にまたも300万円
 一般会計とは別に「スキー場特別会計」(総額1億539万2千円)というものがありますが、その中に、「経営指導委託料 300万円」が計上されています。
 ここ数年、毎年計上されています。しかし、数年前に「非圧雪を売り出すと良い」というアドバイスがあった以外には、格別の「経営指導」の実績はありません。
 阿部伸治議員が質問したところ、「先方からは『もう引き受けたくない』と言われたが、昨年度も計上しているので、新年度も計上した」という答弁。
 典型的なムダ遣い予算です。これは議会で監視し、無駄な執行がされないようにしなければなりません。

 

■ 栄村の財政の中長期的な見通しは?
 予算の中には、「歳入」(収入のこと)の中に「村債」という費目があります。わかりやすく言えば、29年度、村が借金をいくらするかということです。新年度予算では3億9,070万円が予定されています。29年度の「歳入」に占める割合は11%(1割強)にのぼります。
 他方、「歳出」(支出のこと)には「公債費」という費目があります。これまでの借金の返済のために支払わなければならない金額です。29年度は2億9,679万1千円が計上されています。歳出の8.3%です。村債発行予定額は28年度よりも減っていますが、借金返済額(公債費)は28年度よりも増えています。
 借金に村の財政がどれくらい依存しているのかは、村の中長期の将来を見通すうえで、最も重要な指標の1つです。
 栄村の村債依存度(借金依存度)、歳出に占める公債費(借金返済費)の占める割合は、現在のところ、危険水域に入っていません。しかし、平成29年度予算を見るだけでは、今後5年、10年の見通しは見えません。私は、予算審議の中で、「借金の返済が今後どうなっていくのか。村は中長期的な見通しをきちんと算出しているのか」と問いました。村長の答弁は、「していない」でした。それでは困ります。私は「中長期の見通しをきちんと算出すべきだ」と言い、村長は「4月1日から県職員(係長級)が派遣されてくるので、その人のノウハウを活用してやる」と答えました。
 これまでの村議会での予算審議ではこういうことは質疑されてこなかったようですが、それでは予算審議を充分に尽くしたとはいえません。
 私は、「中長期見通し」を算出する作業の進展具合をきっちりとチェックしていきたいと思います。

 新年度予算に関して、みなさんにご報告すべきことはまだまだあると思いますが、ページ数の関係もあり、ひとまず以上とします。

 


☆ 振興公社をめぐる問題はどうなったか

 

 ここ数ヶ月、栄村の村政で最もホットなテーマとなってきたのは栄村振興公社をめぐる問題です。村民のみなさんは、「3月の議会ではどうなったのか?」、いちばん知りたいと思っておられることだと思います。

 

■ 指定管理料で1,850万円を投入
 新年度予算の商工観光費の中で、「振興公社観光施設管理委託(料)」として1,850万円が計上されました。
 7日午後に開催された議員全員協議会(村長提出)で、この指定管理料額の算出方法が示されました。施設の光熱水費の50%などを村が負担するというものです。しかし、実際のところは、公社の赤字を埋めることが狙いです。
 新年度は、指定管理の契約を更新する村の施設が数多くあり(物産館、絵手紙収蔵館、苗場山頂ヒュッテ等)、関係議案が数多く提出されましたが、既存の指定管理で村が指定管理料を支出しているのは振興公社だけです。なぜ、公社だけ赤字になるのか、検討が必要なところです。

 

■ 出捐金を2,900万円投入
 さらに、新年度予算とは別に、議会最終日に追加議案として「平成28年度補正予算(第12号)」が提出されました。振興公社への出捐金(しゅつえんきん)を2,900万円投入するというものです。「運転資金を金融機関から借り入れるための担保金とする」としています。
 しかし、議会に出された説明書では、「4月に指定管理料1,850万円が入金されれば9月末まで必要な支払ができる」とされていますので、この時期に村が2,900万円もの資金を投入する必要性はないと私は考えます。
 この補正予算に私は反対しましたが、採決結果は賛成10:反対1でした。
 これでは、「1月12日の議会は何だったのか?」と問われても答えようがありません。公社をめぐる問題は、別の機会に改めて詳しく書き、村民のみなさんのご意見をお聞きしたいと考えています。

 


☆ 高齢者総合福祉センターの社協への指定管理委託とデイサービス事業の社協への委託について

 

 最近、村内放送で「社協の事務所が森の高齢者総合福祉センターに引越しました」、「役場健康支援課の健康増進係が役場地階に移転しました」と告知されました。
 「引越した」ということは理解できますが、「なぜ?」は放送だけではわかりません。
 高齢者総合福祉センターと小赤沢の高齢者生きがいセンターの建物がすべて社協に指定管理委託され、森の高齢者総合福祉センターから役場の事務室はすべて撤退したのです。そして、デイサービスの事業も村直営から社協への委託に変わりました。
 平成30年度には「総合事業実施」ということで介護サービス関係のほとんどを社協に委託する方向のようですが、その制度設計はこれからということで、全容が見えません。
 介護サービスがますます重要になる中、社協の手でどのような事業運営(経営)が可能なのか、明確な像は見えません。今後、この問題も詳しく報告していきたいと思っています。

 


松尾まことの議員活動報告第12号

議員活動10ヶ月、いま、思うこと

 

 昨年4月の補選で村議会議員になって、早や10ヶ月となりました。その時々の状況については、『松尾まことの議員活動報告』でご報告してきましたが、このあたりで一度、10ヶ月間の議員活動全体の総括をしなければいけないと考えます。

 

〇 良かったと思うこと
 いちばんは、『松尾まことの議員活動報告』をお配りすることを通じて、議会とはどんなところか、何をしているのかについて、多くの村民の方々に広く知っていただけるようになったことです。
 率直に言いますと、配り始めた時、「こんな文字ばかりのもの、読んでいただけるかなあ?」という不安がありました。しかし、それは杞憂でした。みなさんから、「読んでいますよ。楽しみにしています」と言っていただいています。
   *「杞憂」とは、「心配する必要のないことをあれこれ心配するこ

    と」、「取り越し苦労」という意味です。
 ある人から、「父が松尾さんの『議会報』を読んで、『新しい議員が出てきた。栄村の議会は変わるかもしれない』と言っていましたよ」と話された時の感激は忘れられません。

 

 にばんめは、村のさまざまな施策との関係で、みなさんの要望や困り事をより具体的にお聞かせいただくことができるようになったことです。
 2つの具体例を挙げます。
 1つは、温泉共通入浴券をめぐってです。「入浴券はどうなるのあ?」という不安を持つ村民のみなさんが集まって下さり、様々な意見や要望を出して下さいました。
 2つは、子育て・教育支援の問題です。
 4月から村は高校生の通学定期券代の半額補助を始めますが、このことを口頭でお知らせした時、保護者の方から、「有り難いですね。でも、定期券を購入した後に補助というのではちょっと困ります。いちばん割引率がいい6ヶ月券は4万円以上かかります。そのお金を用意できないので1ヶ月券を買っています。事前に補助してもらえると6ヶ月券を購入できるんですが」というお話をいただきました。2月9日の議会全員協議会で早速、この声を行政側に伝え、検討してもらうようにしました。
 これまでも、『復興への歩み』を配りながら、いろんなお話を聞かせていただいてきましたが、議員となり、『議員活動報告』をお配りするようになって、村の施策に反映させるべき、より具体的な要望などをお聞きすることができるようになったのです。村政をみなさんにとって身近なものにし、みなさんの声を村政に反映させる一歩を踏み出せているのかなあと思います。

 

 さんばんめは、多くの人に議会傍聴していただけるようになったことです。
 1月12日の臨時議会では、「傍聴の呼びかけ」をしてきた私自身もびっくりしました。議会開会前に傍聴席が溢(あふ)れ、イスが足らなくなったのです。1月24日、2月9日の臨時議会も傍聴席は満杯でした。
 たくさんの人が傍聴することで、議会は変わります。傍聴席が一杯だと、議員は、「自分の言動は村民にどう思われるか」がとても気になり、発言内容をよく考えるようになります。
 これは、村民が議会の主人公になってきているということを意味しています。「議員は選挙の時だけ村民にいい顔を見せる」では済まなくなり、村民の声を常に意識し、村政に反映させなければならなくなるのです。

 

〇 困ったこと
 議員を務めることになって良かったことばかりではありません。いろいろと困っていることがあります。
 1つは、勉強が大変だということです。
 議会には村のありとあらゆることが議案として出てきます。農業のこと、観光のこと、介護や福祉に関すること、道路や橋のこと、村の暮らしに関わることのほとんどすべてが出てきます。
 議案を出してくる行政側には各分野ごとに職員がいて、その分野の経験と知識を持っているわけですが、議員はたった一人でその議案について考えなければなりません。国会議員であれば、秘書がいたり、政党のスタッフがいたりしますが、村議には秘書もいなければ、スタッフもいません。時に、同僚議員に質問や相談をもちかけたりもしますが、基本的に一人で勉強し、審議できるようにしなければなりません。

 

 2つは、議会予算が少なく、十分な審議ができる環境が整っていないことです。
 議会というものは議論の積み重ねが大事だ、と私は考えています。「この問題は、前の議会でどういう議論をしたか」、「村長はどう答弁したか」を議事録で確認して、議論を積み重ねられるようにしなければならないのですが、いまの栄村議会では議事録が出来上がるまでに1ヶ月以上かかることがあります。たとえば12月定例会の議事録が出来上がったのは1月末でした。
 担当の職員はとても頑張って下さっているのですが、たった一人で多種多様な仕事をされています。長野県の市町村議会の多くは、議事録作成のためのテープ起こしを専門業者に発注しています。栄村でも震災復興計画策定委員会は専門業者発注で、素早い議事録作成を実現していたのですが。
 議事録が遅いだけではありません。予算や決算の特別委員会の審議や全員協議会での協議については議事録がありません。
こんな状況がこれまで放置されてきたのが私は不思議でたまりません。本気で議会審議をするには、この現状は絶対に変える必要があります。

 

 3つは、議員であるがゆえの制約がいろいろあることです。
 私が一村民として『栄村復興への歩み』を発行しているかぎりでは、権力をもつ人からとやかく言われることはなかったのですが、議員になると、『議員活動報告』も『復興への歩み』も、「議員としてこういうことは書くべきではない」といったことを言われることがあります。公職にある人から「注意」として言われます。従わなければ「懲罰」に処せられる可能性もあります。
 「圧力に負けたらダメだぞ」と叱咤激励してくださる村民が多くおられますので、私は頑張っていきますが、大変であることは事実です。

 

〇 情報公開をさらに徹底させ、村民が主人公の議会を実現していきたい
 村会議員は言うまでもなく選挙で選ばれます。そして、選挙の時、候補者はたとえば「福祉を充実させます」というような“公約”を掲げます。
 しかし、私は昨年4月の補欠選挙の時、ポスターに「みなさんのために、私をとことん使ってください」と記しました。
 なぜでしょうか。
 議員にも議案提出権はありますが、予算編成権は村長にのみあり、議員にはありあせん。ですから、「〇〇政策を実現します」と“公約”しても、その実現は容易ではないのです。
 むしろ、村民のみなさんの声に耳を傾け、村民目線で行政を徹底的にチェックすることこそ、議員のいちばん大事な仕事だと、私は考えています。村長(行政)がどんな施策を準備しているかを不断にチェックし、それを村民のみなさんの気持ちや要望と突き合わせ、村民のみなさんの願いが少しでも村政に反映されるようにすることです。
 私はこの10ヶ月、『松尾まことの議員活動報告』でいろんな情報を村民のみなさんにお知らせしてきましたが、まだまだ不充分だと思っています。
 一人でできることには限りがあると思いますが、経験を積み重ねることで、これまで以上にもっと多くの情報を、そして可能なかぎり速くお伝えできるように頑張ります。
 そして、そういう情報公開の活動と合わせて、もっともっと多くの村民のみなさんに議会傍聴に来ていただけるようにしたいと思っています。そのためには、傍聴に来て下さったみなさんに、議案についての資料が配られるようにすることが必要です。予算審議などでは、質疑の中で色んな数字が飛び交いますが、傍聴者の手許(てもと)にはなんの資料もなく、何を議論しているのか、よくわからないですね。私も一住民として議会傍聴した時に散々(さんざん)苦(にが)い思いをしました。
 議員としての努力でこういう状況を変えていきたいと思います。目標は、〈村民が主人公の議会〉の実現です。
 今度の3月定例議会(予算議会です)でも、そういう思いで頑張っていきます。傍聴とご支援をよろしくお願いいたします。

 


☆ 新しい「栄村総合振興計画」について
 村はいま、第6次栄村総合振興計画というものを策定しています。
 役場の「庁内策定委員会」が村民の意見等を聴取したうえで「計画(案)」を策定し、2月9日の議会全員協議会に「案」を提示、さらに2月15日開催の総合振興計画審議会への諮問を経て、3月議会で議会の議決を求めるという段取りです。

 

■ 大きな問題があった「将来像(村の目標)」の記述
 「計画の草案」のようなものの段階から私は気になっていたのですが、2月9日の全協に出された「計画(案)」でも、「計画」の肝(キモ)とでも言うべき冒頭の「将来像(村の目標)」につぎのような記述がありました。
   「知恵と和で築く日本一安心できる村」
     「知恵」とは役場職員の存在を表しました。
 なんと不遜(ふそん)な物言いでしょう!
 これでは、「村民には知恵はなく、知恵があるのは役場職員だけ」と言っているに等しいではありませんか。

 

■ 2月全協での村長とのやりとり
 私は2月9日の全協で、この点を森川村長に質(ただ)しました。森川氏の答弁は、
   「役場は村のシンクタンクのようなものだということ」
      *「シンクタンク」というのは英語由来の言葉です

       が、日本語訳すると「頭脳集団」となります。一

       般に「政策立案のための研究機関」の意味で用い

       られている用語です。
というもので、私が求めた文言の変更には応じませんでした。
 私は、「村長の性格はよく知っているので、この場でこれ以上は言いませんが、よく考えてください」と釘をさしました。

 

■ 3月議会提出の「計画(案)」で修正
 2月24日、3月議会の議案が議員に配られました。早速、この問題箇所を見ると、つぎのように修正されていました。
   「『知恵』とは住民と役場職員が共に考える“力”を表しています」
 これならば、いいと思います。
 2月15日の総合振興計画審議会でも、この箇所が問題とされ、修正が求められたそうです。
 2月9日の全協に続いて審議会でも問題とされ、村長も「これは修正しなければ認められないなあ」と考えるに至ったのでしょう。
 この経過には、森川氏の性格がよく表れていると思いますが、チェックと物言いが大事だということを示しています。計画文書をはじめとする膨大な議案を読むことはけっして楽なことではありませんが、しっかり読み込み、チェックしなければなりません。

 


☆ 2月9日臨時議会での空き家改修補正予算の否決について
 2月9日、本年3回目の臨時議会が開催され、1,340万3千円の補正予算案が審議・採決されました。大久保集落にある空き家(村に寄付され、村所有になっているもの)を改修する費用が当初予算では足りず、増額が必要になったというものです。
 すでにご存じの方も多いことと思いますが、これは賛成3:反対7という大差で否決されました。
 この結果、その空き家はおそらく、もう改修・活用されることはないでしょう。
 私は、本件で「賛成」に手を挙げました。たった3票の賛成票の一人です。
 「1軒の空き家の改修に計約3,500万円。高すぎる。どうして、そんなものに賛成したの?」と思われることでしょう。
苦渋(くじゅう)の判断でした。少し説明させていただきます。

 

■ 国の補助金事業を使うと予算額が上がる
 この事業は、新設された国の「空き家再生等推進事業補助金」を使えるということで村が推進したものです。国からの補助金は総額1,955万2千円です。
 かなりの金額です。しかし、国の補助金を使う場合、いろんな条件がつき、〈村(民)の知恵と技を活(い)かして、手作りで改修する〉ということが著しく難しくなります。その結果、予算額がどんどん増えてしまうことになります。
 たとえば、「公正さ」を担保するためでしょうが、設計の仕事をする人(会社)と、建物修復の仕事をする人(会社)は、別の人(会社)でなければならないという条件です。村の経験ある大工さんたちが集まって、いろいろと意見を交わしながら、工夫を重ね、改修を進めていくということができません。

 

■ 「高すぎる! でも、当初予算で事業を認めた以上、金額にふさわしい活用法を実現しよう」――これが私の判断です
 私は悩みました。
 12月と1月の全協での協議で、予算が異常に膨らんだこと、批判する議員が多いことを認識していましたので、大久保集落側から「辞退」を申し出ていただくことも考えました。しかし、物件はすでに村の所有物になっていて、村の事業になっていますので、集落側にどうこう言うのも変です。
 その一方で、こういう問題があります。菅沢農場の担い手の高齢化です。大久保集落は菅沢農場に近い。だったら、「30年、40年にわたって菅沢で農業をやってくれる人に入居してもらえれば、この高い改修費も生きてくるのではないだろうか」と考えました。
 施策というものは、1つの施策をそれ1つだけを孤立させた形で考えるのではなく、他の施策と結びつけて、総合的に進め、施策効果を高めることが必要です。空き家改修、移住促進、農業の高齢者化の打破と活性化、一石三鳥(いっせきさんちょう)の考えです。
 2月9日の審議では、そういう総合的な施策推進の第一歩として、改修工事の中で予定されている「曳(ひ)き家(や)」作業の様子を公開し、いろんな人たちに参加してもらうという具体的な提案をしました。

 

■ 今回のことを教訓に、村のいろんな人と知恵・技を集めた空き家再生に取り組みたいと思います
 今回のことは、補助金頼り(依存)ではなく、村のいろんな人と知恵・技を集めて、栄村らしい空き家再生の方法を編み出していく必要性を突き出していると思います。
 私の『議員活動報告』第8号をご覧ください(発行が大幅に遅れ、本号と一緒にお届けします)。群馬県南牧村(なんもくむら)の経験から学びたいと思います。大工さん、水回りの工事屋さん、左官さん、いろんな人が空き家を点検してまわり、「最低、こことここを直せばいいんじゃないか」という診断をします。そして、その改修・再生案をもって、移住を希望する人たちに物件を紹介していく。そんな方法です。
 空き家の利活用には、持ち主さんのご理解・ご了承が必要ですが、ご理解を得ながら、〈国の統一基準によるお金がかかる再生〉ではない、栄村独自仕様を創造していきたいと思います。
 みなさんのご意見、お知恵を是非、お聞かせください。

 

(この「議員活動報告」第12号は、2月27日付で発行し、栄村村内で配布してきたものです。)


松尾まことの議員活動報告第8号(2月27日付)

 この第8号は、当初昨年12月1日発行のために途中まで編集を終えていたものですが、第9〜11号で記した振興公社をめぐる問題等に関する報告を優先させたために未発行になっていたものです。

 このたび、追加原稿を書き、2月27日付で発行しました。取り扱っているテーマ自体はけっして時期遅れのものではなく、この後に掲載する第12号で報告する「空き家改修」問題とも密接に絡むホットなテーマです。

 是非、お読みいただけますよう、お願い申し上げます。

 

 

驚き! 3食付き1ヶ月5万8千円のケアハウス
 〜群馬県南牧村で視察・研修してきました〜

 

 11月14〜15日、「議員視察研修」というものに初めて行ってきました。視察先は、群馬県南牧村(なんもくむら)(14日)と、みなかみ町の「たくみの里」(15日)の2ヶ所。頁数に限りがありますので、今回は南牧村の視察結果を報告します。
   *長野県にも「南牧村」がありますが、長野県の方は「みなみまきむら」です。

 

■「働き場をつくる」、「国民年金で入れる施設をつくる」、「負担の少ない村づくり」
  ――長谷川最定村長が進める村づくりの3つの基本
 訪れた南牧村役場では長谷川最定(さいじょう)村長が自ら、南牧村の現状と村づくり方針・施策の具体的内容を説明して下さいました。2014年(平成26年)5月に就任された1期目の村長です。2007(平成19)年に栄村に研修に来られたことがあり、また、観光では秋山郷などに3回ほど来られているそうです。

 

私たちの質問に熱心に答えて下さる長谷川村長


 見出しに掲げた3つが、長谷川村長が推進している施策の基本です。簡単に説明します。
 「働き場をつくる」――とくに子育て世代の若いご夫婦が南牧村内で働く場をつくるということです。大企業誘致ではなく、村になくてはならない仕事で、若者世帯が暮らせる所得を保障することに 主眼があります。
「国民年金で入れる施設をつくる」――栄村でもそうですが、国民年金加入者の人の多くは1ヶ月あたりの受給額が約6万円ですね。その額で衣食住を満たせる高齢者住居を保障しようという話です。(詳しいことは次項にて)
「負担の少ない村づくり」――国民健康保険料は一昨年から2割引き下げられました。介護保険料は月額5千円を守り、値上げをしていません(群馬県平均は5,780円)。ケーブルTVがありますが、利用料は月額千円。公的料金はいっさい上げない方針だといいます。

 

 今年度の当初予算規模は特別会計を含めても約30億7千万円。人口は2,045人(2016年10月末現在)、「高齢化率日本一」で、話題になった「自治体消滅論」では「最も早く消える村」とされている村です。
 その南牧村でこれだけのことがやられている、出来ているのです。これは驚きであり、私たちはそこから多くを学ぶ必要があります。

 

■ケアハウス「いこい」を見学しました
 「国民年金で入れる施設」ということで昨年度に建設されたのは「いこい」という名のケアハウス(20室)。介護認定されていない人、要介護度2以下の人が対象の施設です。

 

「ケアハウスいこい」の外観

 

 「料金表」を見ると、年間収入が150万円以下の人の基本利用料は月53,700円。他に管理費、水道料、電気量がありますが、1人当たり月額4,810円。まさに国民年金で賄える額です。
 なぜ、こんなことが可能なのか?
 長谷川村長から説明していただきましたが、私たちも質問し、さらに突っ込んだ説明をいただきました。
 まず、30床未満の小規模施設には建設費及び運営に国から補助金が入ります。要介護の人に関わる経費は介護保険から支払われます。それによって運営経費として(入所者支払いの利用料以外に)月額約380万円が確保できます。
 2つ目に、職員ですが、NPO法人が運営にあたっていて、正職員4名をはじめ、准正規、パート(1日4時間)計15〜6名が働いています。驚きは、正職員の給与は公務員並みが保障されていることです。この点がじつは南牧村の村づくりの肝です。
 「高齢者に必要なサービスを保障する。そのための仕事を若者に担ってもらい、子育てできる所得を得られるようにする」ということです。
 先に、「南牧村は高齢化率日本一」と紹介しましたが、長谷川村長によれば「高齢者人口の実数はピークを過ぎた。若者家族の移住(Iターン、Uターン)を確保し、人口の世代間バランスをよくする」ことが当面の課題で、高齢者福祉(介護)の仕事の創造で人口バランスの好転を実現していくのです。じつによく考え抜かれた素晴らしいアイディア・施策です。
 今年度は「要介護度中クラス」用の施設を建設し、その後さらに「重度用」もつくる計画です。
 施設内をご案内いただき、私はお許しを得て、食堂の様子も撮影させていただきました。下がその写真です。大きな窓があって陽が燦々(さんさん)とふりそそぐ明るい場所。ちょうど昼食に集まってこられていたところで、私がカメラを構えると、「どこから来たの?」と大きな声がかかりました。みなさん、とてもお元気で、明るい雰囲気でした。

 

部屋はすべて個室(一人用と夫婦用がある)

 


 南牧村の視察報告、ひとまずここで閉じますが、もっと詳しく知りたいですね。
 南牧村を取り巻く状況はある意味で栄村よりも厳しいのだと思うのですが(村内の道路は狭く、マイクロバスが通行するのが大変でした)、その村でこんな素晴らしいことが実現している。さらに研究し、みなさんに報告したいと考えています。

 

 

 

「上毛新聞」の連載特集から学んだこと

 

 3頁までは11月末に書いていたのですが、その後、12月議会の報告や1月臨時議会の速報などの必要が生じて、続きを書くことが出来ていませんでした。以下は、今回の発行にあたって新たに書き加えたものです。

 

 

 視察にあたって、南牧村から「上毛(じょうもう)新聞」という地元紙の連載特集「えにし再生 第1部限界と呼ばれて」(2013年3月に連載)のコピー(全13頁)を資料としてご提供いただきました。
 視察前に読んだ時は、村の様子を知らないので理解しにくい部分もあったのですが、視察から帰った後に読み直すと、長谷川村長からお聞きしたことや南牧村で見たことがよりよく理解できました。
 1〜3頁で紹介した長谷川村長の施策は長谷川さんお一人のアイディアや力で実現したものではないようです。少なくとも8年間にわたる南牧村の人たち、とくに30歳代くらいの青年層がいろんな努力、工夫をしてきた結果なのです。
 「空き家」の問題と、「若い世代の移住が村で暮らせる仕事づくり」を中心に、年表式で紹介したいと思います。

 

2009年の暮れ
  ・舞台  村役場近くの居酒屋「かじか小屋」
  ・人物  居酒屋店主・米田優さん(当時62歳)

      役場職員・茂木毅恒さん(47歳)
      村商工会青年部の面々
  ・会話のやりとり
    「言いたいことがあるなら、村づくりの組織でもつくら

     ないか」
    「ああ、つくる。つくるから茂木さんが事務局やってよ」
    「みんなが本気ならやる」


数日後
  青年部理事・石井裕幸さん(36歳)、30〜40代14名の名が書き込まれた

  名簿を茂木さんに届ける。


2010年2月18日
  村づくり団体「明日の南牧を創る会」が正式発足
  ↓
  「創る会」メンバーの関心は空き家対策に向く
  ↓
2010年12月
  「創る会」母体に「南牧山村ぐらし支援協議会」設立
  ↓
2011年2月 空き家調査開始
  ・参加者  ガス販売業、大工、設計士、板金業など、30〜40代の協議会

       会員20人
  ・調査方法  休日に5人ほどの班をつくって集落ごとに調査
        「トイレは水洗かくみ取り式か」
        「手を入れれば住めるか住めないか」
        「ケーブルテレビは」
        「駐車場は」
     ――各人の職能を生かし、外観や立地状況から得られる情報を記録
  ・調査結果まとめ――半年後
     「手を付けるのが遅すぎたか」
     「構造材の太い築100年以上の古民家が多い」 → 「田舎暮らしを求

      める都市住民には魅力的なはず」
2011年8月 「空き家バンク」開設
         移住希望者に空き家を紹介するホームページ

 

2012年  「なんもく暮らし体験民家」を整備 → 10月から貸し出し開始

 

2013年1月  東京での山村移住相談会(群馬県主催)
  石井裕幸会長が、南牧の自然や子育てのしやすさをアピール

 

2011年8月から1年半の実績 ―― 問い合わせ300件超え、9世帯16人が移住


 ここまでで、空き家対策のいくつかのポイントが見えてきたのではないかと思います。
 1つは、行政主導ではなく、村民、とくに若者世代が空き家対策を考え、実行に移す中心になっていることです。
 2つは、役場(行政)がそういう動きをこころよくサポートしていることです。
 3つは、経費がたくさん必要になる方法ではなく、「暮らせる家にするには最小限何が必要か」を検討することを軸にやっていることです。


若者世帯が暮らせる仕事の確保
 ここからは、若者が暮らせる仕事づくりの話です。

 

● 2012年に移住した阿部哲也さん(名古屋市出身、記事連載時24歳)の話
  「困った時に助けてくれる人、頼れる人がたくさんいる。自分にとっては

   都会より住みやすい。」
  「働く場所がなければ、南牧に残りたくても名古屋に帰っていた

   と思う。」
 ――阿部さんは村社会福祉協議会で働いている。

 

● 2011年12月、補助金配分の県審査会で役場総務課長・長谷川最定さん(当時58歳、現在の村長さん)が熱弁
  「南牧で最後を全うしたいという高齢者が利用し、南牧で子育てしたい

   という世代が働ける。南牧に最も必要なのはそういう場所です。」
   ⇑
  村の総人口が減る中でも、増加の一途だった65歳以上の高齢人口が

  2006年に減少に転じた。今後は高齢化率の上昇に歯止めがかかる。
  ↓
  医療や介護サービスの必要量と財政支出が減る。
  長期的なサービスの供給計画が立てやすくなる。
  ↓
  減った支出を子育て世代の誘致策、たとえば村営住宅の建設や働く

  場所づくりに向ければ、移住者や村に残って仕事する若者を少しず

  つでも増やせるのではないか。
  ↓
  「高齢者向け住宅を運営するNPO法人をつくりたい。」

 

● 1か月後の2012年1月、県が提案採択

● 「NPOとは」から勉強会を進め、2013年度中にNPO法人設立へ
 長谷川最定さんは2012年末に役場を早期退職、住民の一人としてNPO設立に加わる。
 長谷川さんのイメージ ―― 「介護サービスを基幹産業とする人口800人の村」

 


 なんとか2頁半ほどにまとめてみました。これだけではわからないことも多々ありますが、南牧村の取り組みの肝(きも)はわかってきたのではないかと思います。
 私自身の思いとしては、「もう一度、南牧村を訪ねて、南牧で暮らすようになった若い人や、空き家対策を進めた人たちのお話を直接お聞きしたいなあ」というのがあります。いろんな用事があってなかなか実現できていないのですが、車で行けば栄村から片道2〜3時間で行けます。なんとか実現したいと思います。そして、その時は、私ひとりではなく、空き家対策などに関心がある人たちとご一緒できればと考えています。

 以上です。

 


松尾まことの議員活動報告第11号(1月25日付)

たくさんの傍聴、ありがとうございました。

 

振興公社の2〜3月破綻回避のための2100万円の投入は承認しました。

 

再建計画の具体的検討と、議会の改革が急務です

 

 1月24日、前回議会での補正予算案否決をうけて、本年第2回の臨時議会が開催され、村側から振興公社に1,200万円を投入する補正予算案が提出されました。議会でとりわけ反対が強かった「公社積立金用2,900万円」を削った案です。
 議会では、2,100万円の根拠、今後の公社再建策などについて、村長及び公社理事長(参考人として議会に召致)に質(ただ)しました。
 村長及び公社理事長の今回の答弁は再建の展望をあきらかにするうえでまだ圧倒的に不明確・不十分ですが、公社の今回の危機に至る経緯を一定程度あきらかにしえたことをふまえ、職員への給料支払いストップという事態を回避するために、私は補正予算案に賛成の挙手をし、全会一致での承認となりました。

 

 今回の議会の特徴の1つは、12日の臨時議会に続いて、傍聴席が足らないほどの村民が傍聴に訪れて下さったことです。12日の1回だけならともかく、2回続けて、しかも大雪の中での多数の村民の傍聴。大変大きな出来事です。私は、ある意味では、この多数村民の議会傍聴ということこそ、1月の2度にわたる議会の最大の成果だと受け止めています。
 傍聴下さったみなさまは、自分の目・耳でご確認いただいたとおり、議会(議員)の質疑はまだまだ不十分であり、その背景には勉強不足という問題もあると思われます。
 いま、問われているのは、公社再建策の問題であると同時に、議会改革でもあります。
 この「議員活動報告」第11号は“速報”で、詳しくは書けませんが、今後、議会改革についても私の考えをみなさまにお知らせしていきたいと考えています。


村長は危機を早くから把握しながら、対応判断を誤ったのではないか
 村と公社は、村の財産である施設の管理を公社に委託するという関係で、公社の業務計画を前提に、基本協定を締結しています。そして、今回の破綻危機のように業務計画が当初予定通りに進まない場合は、両者で協議することを協定で明記しています。
 そこで、私は、この協議が行われたはずだが、村、公社のいずれが協議を申し入れたのか、どんな協議を行ってきたのかを問いました。
 これに対して、森川村長は、村長就任直後に公社の決算書を検討し、「このままでは少なくとも4千万円の赤字が出る」として、村長側から協議を呼びかけたことを明らかにしました。これは、24日の質疑の中でも指摘しましたが、昨年6月以降、村長が議会で行ってきた答弁とは大きく食い違うものです。
 村長自身の一貫性ある、そして責任ある対公社政策が求められるところです。

 

公社理事会の再建策は、現段階では従来の理事会の対応の域を超えていない
 公社理事長は、再建策を検討中とし、再建策の第1に「支配人教育」を挙げました。これは、公社の経営が問題になるたびに「支配人が・・・」と従業員に責任転嫁してきた従来の理事会の対応の域を超えないものです。
 肝心なのは事業収入の増大を生み出す営業努力=誘客策です。これは、村、公社、観光協会、村民のオール栄村の力によってのみ実現できるものです。公社理事会や村長にはそこに踏み込むことが求められています。

 

充分な審議ができるよう、議会の改革が必要
 傍聴された方から、「議員の質問に村長や公社理事長が答弁していない事項が多い」という指摘が多く聞かれます。私も、自身の質問事項で答弁を得られなかったことが多々あります。しかし、最近、「質疑での質問は各議員3回まで」という規制が強められています。私が4回目となる質問をしようとしたところで、議長から注文をつけられた事態は傍聴者のみなさんが確認されたところです。
 徹底審議ができなければ、公社再建をはじめ、村政の直面する重要課題を前進させることができません。私は議会のあり方の改革にも全力で取り組んでいきたいと考えています。

 

(公社と栄村観光の再建に関わる積極的提案は、私が発行する「復興への歩み」で書かせていただく予定です)

 


松尾まことの議員活動報告第10号

12日臨時会での補正予算否決と、今後の展望
そして、私の対応について

 

 新聞報道もあり、すでにご存じの方も多いことと思いますが、1月12日に開催された本年第1回臨時会は、村長提案の補正予算案を否決しました。
 詳細は後に記しますが、本補正案の最大のポイントは振興公社に5千万円の資金を村が投入することにありました。森川村長は、補正予算否決を受けて、午後の議会全員協議会の冒頭、「公社の職員の給料、共済費の2月支給ができなくなる。1月24日に改めて臨時会を招集する」旨、表明しました。
 たしかに振興公社の資金は底をつき始めており、このまま進めば、「破綻」(=倒産)という事態になる可能性が大だと見られます。
 私は、後述するとおり、振興公社の今後について抜本的な対応策が必要だと考えます。しかし、抜本的な対応策は簡単には出てこないと思われます。そんな中、2月に〈16名の職員(正社員、契約社員)の給料支払い不能→破綻〉という事態になることを放置することはできません。
 私は24日の臨時会に真摯な姿勢で臨み、職員の雇用を守ることなどに全力で取り組みたいと考えています。
 12日の臨時会での村長、担当課長の説明では、「1〜3月期ののりきりに必要な資金は2,100万円」とのことですが、議会に提出された資料を臨時会終了後に改めて精査したところ、2,100万円の算出根拠はずいぶんと粗(あら)っぽく、村長、さらに振興公社経営陣からの丁寧で、確たる根拠のある数字の提出、説明が求められます。
 以下、12日の臨時会の審議の概要と、職員給料等支払い等に必要な緊急措置として何が必要か、そして根本的再建策についての私の考えを、村民のみなさまに報告させていただきます。
(なお、否決に至った採決ですが、賛成5:反対6でした。私は反対しました。他の議員がどう対応されたかは、各議員各自の態度公表に委ねたいと思います。)

 

 

村長提案の5千万円の資金投入について

 補正予算案は1月6日に各議員に届けられました。そこには、
   「栄村振興公社への出捐(しゅつえん)金(きん) 5千万円」
     (*「出捐金」の意味は、この「議員活動報告」の第9号

       を参照ください)
という記載がありました。この時点では、それ以上の説明文書はありませんでした。
 私たち議員は、12月8日の議会全員協議会(村長提出)で、「1,670万円の振興公社への資金投入(指定管理委託料の増額として)」という村長の意向を聞いていましたが、わずか1ヶ月足らずのうちに、1,670万円から5千万円への3倍近くの増額。「12月全協での説明は何だったの?」という思いを抱きながら、12日の臨時会に臨みました。

 

■「出捐金5千万円」の内訳(12日臨時会での村側の説明)
 12日の臨時会では、「出捐金5千万円」について、つぎのような内訳が示されました。
   イ) H28年度末営業利益見込み   △3,300万円(△は赤字の意味)
     棚卸残高見込み 1,200万円
     以上から、当座の運転資金として必要な額は、
     3,300万円−1,200万円=2,100万円
   ロ) 積立金(資金担保)
     5,0000万円−2,100万円=2,900万円

 

議員に配布された資料、質疑での村長及び課長の答弁を基に、少し説明を加えます。
・ 「H28年度末営業利益見込み」の3,300万円の赤字というのは、振興公社が作成したと思われる「H28年度月別収支実績・予定表」(写真4頁)に示された数字に基づいています。(11月までは実績、12月〜3月は「予定」=見通しです)
・ 「棚卸残高見込み」とは、公社が保有する販売可能な商品等の残高で、決算上は「資産」となります。したがって、決算帳簿上では、棚卸残高の分だけ赤字は減ることになります。
・ 「積立金(資金担保)」とは、振興公社は新年度4月以降も赤字経営が続くため、経営を続けるには資金融資を受ける必要がある、その際、担保がないと金融機関から支援を受けられないので、その担保となるものとして、村が2,900万円を公社に入れ、それを「積立金」化させるというもの。

 

否決に至る審議のポイント
 私を含め、5千万円投入案に疑問を呈した議員の質問のポイントは、
     根本的な再建策がたてられないまま、村からの資金投入

     を続ければ際限がないのではないか。
     1〜3月の当面の危機をのりきるための2,100万円と、4月

     以降に資金繰りのために金融支援を得るための積立金

     2,900万円とは性格が異なる。両者を切り離し、今回は

     「2,100万円」に限り、「2,900万円」については専門家の

     投入等ともセットにして、もう少し時間をかけて検討しては

     どうか。
という2点に集約できると思います。
 これに対する村長、担当課長の答弁のポイントは、
     「出捐金」の投入はこれが最後。「私の任期中にはもうビタ

     一銭出さない」(森川村長)。
     4月を迎える準備(たとえば、各施設のパンフレットの用意

     等)のため、4月以降のための積立金も今の段階で必要。
     職員の“おもてなし”研修などを強化し、再建を進める。
     (上2つの答弁は村長、3つ目の答弁は担当課長)
に集約できると思います。
 この3点について、私の考えは、
     根本的再建策なしに、「4月を迎える準備」等を云々して資金

     を入れるようにすれば、ズルズルいってしまう。「出捐金」と

     いう名目は「これが最後」としても、様々な異なる名目での追

     加資金投入の恐れがある。
     “おもてなし”研修などは、3億円事業の中で何千万円もかけて、

     何度もやってきたことである。そんなことが「再建策」とは考え

     られない。
ということです。
 私は、村長に「2.100万円と2,900万円の切り離し」を求めました。1つの議会の中で村長が提出した議案を自ら修正することは法制度上できませんが、「5千万円」の提案を撤回し、改めて新議案を提出する形ならば、1〜3月期のりきりのための「2,100万円」だけに絞ることができます。そのために、時間をおかずに再度の臨時議会を村長が招集するならば、そういう措置がとれます。
 しかし、村長は、「4月以降のためのおカネも今日決める必要がある」という対応をかたくなにとりましたので、私は12日の臨時会では補正予算原案を認めるわけにはいかないと最終判断するに至りました。

 

1〜3月破綻危機のりきりのために資金はいくら必要なのか、それを判断するには収支予想の精査が必要
 24日に再度、臨時会が開催されます。
 この報告の冒頭に書いたとおり、森川村長は、「職員の給料、共済費等の支払いが必要」と強調していましたので、12日の補正予算案に即していえば「2,100万円」に絞って、再提案してくるのではないかと思われますが、仮にそうだとして、私はなお、十分な精査が必要だと考えます。

 

■審議直前に収支データなどを手交されても審議はできません
 ここでちょっと、議会審議の実相についてお話させていただきます。
 先に紹介した「出捐金5千万円の内訳」は、12日、私たち議員が議席に着席した時に、机の上に置かれたぺ―パーに記されていました。また、「H28年度末営業利益見込み」は、下のような、数字がいっぱい書き込まれたペーパーが着席時に机上に置かれていま

した。このペーパーについての村長・課長からの詳細説明はありませんでした。さらに、「再建」をめぐる「5ヶ年収支計画」というもの(下のもの)も同様に着席時に机上に置かれていたもので、これも詳細説明はありませんでした。

 

 「H28年度末営業利益見込み」のベースとなる「平成28年度月別収支・実績表」は、12月の議会全員協議会にも提出されていました。しかし、12月に提出されたものは、総額2,556万4,060円の赤字予想だったのに対して、1月12日提出のものでは、総額3,377万0,578円に膨らんでいます。わずか1ヶ月のうちに約800万円の赤字増加です。
 間接的に聞いたところでは、「支払い必要額に見落としがあった」というような説明があるそうですが、たとえそういうことがあったとしても、わずか1ヶ月で赤字予想額が約800万円も増えるという事態は見過ごすことができるものではありません。
 こういうデータ、審議の直前に渡されても困ります。すぐに質疑を始めなければならず、質疑が途切れると、「質疑終了、採決」となってしまいますので、数字をじっくり見ている余裕などありません。
 議会前に事前に配布するか、議会当日の配布であれば、資料検討時間を少なくとも1時間程度は確保するなどの措置がなければ、責任ある充分な審議はできません。

 

■精査が必要な事柄の具体例
 「職員に2〜3月の給料を支払えなくてもよい」という選択肢はありえません。経営者の経営責任とは区別して、被雇用者を守るために必要な資金は投入しなければなりません。しかし、そのお金の元は村民と国民の税金ですから、必要額をきちんと精査して、必要な金額だけを投入するようにしなければなりません。
 そこで、精査すべき具体的な項目をいくつか挙げてみたいと思います。

 

 まず第1に、最も緊急を要するものは職員の給料等です。
 それは、12日に提示された2,100万円なのでしょうか。
 H27年度の決算書から、H27年度の2〜3月の給料等(給料、賃金、退職共済掛金、福利厚生費)を総計してみました。その金額は公社全体で1,227万8,255円でした。現在の職員数は16名(正社員10名、契約社員6名)ですが、H27年度はもっと多かったはずです。ですから、これから2〜3月の給料等を支払うのに必要な緊急資金は最大限多く見積もっても1,200万円を超えることはないと思われます。24日の第2回臨時会への提案においては、給料等の明細を提示し、緊急資金必要額の根拠を明確にしてもらわなければなりません。
 第2は、H28年度末の収支は本当に3,370万円強の赤字になるのか、という点です。
 12月の全協に出された数字よりも800万円膨らんでいることは先に指摘しました。
 ここでは、収支計算の元になる各施設の12〜3月期の収支予想について見てみたいと思います。
1月12日提出及び12月全協提出の「収支予定表」を、Aという施設の事業収入について見ると、次のようになっています。なお、右欄にH27年度の同月の実績を記します。


       1月12日の表   12月全協の表   H27年度実績
  12月    2,000,000    2,800,000    2,341,089
  1月    2,500,000    4,000,000    3,738,014
  2月    2,000,000    3,500,000    3,020,280
  3月    2,500,000    4,000,000    3,979,019

 

 まず、12月全協提出の表と比較して、1月12日提出の表では「事業収入予定額」が大きく下げられています。
 つぎに、その1月12日提出の表の「事業収入予定額」を、前年度同月の実績(事業収入額)と比較すると、前年度実績を大きく下回る「予定額」になっています。1月の場合、約35%の減少です。
 しかし、施設Aの様子を私はよく見ていますが、1月に入って宿泊等の客数が前年度から大幅に落ち込んでいるという状況は見られません。
 施設A以外についても、H28年度の事業収入額は前年度をかなり下回るものと予想されています。
 「事業収入額」が減れば、それに応じて赤字額が増大するわけですが、12月から1月の間に「収入予定」の見通しを大幅に下げなければならなかった理由が、この表からは読み取れません。
 以上、具体例を2つだけ挙げましたが、とにかくいま必要なのは、生(なま)のデータを出し、真に必要な金額をあきらかにすることです。

 

再建策をどのように検討し、決定し、実行に移していくか
 12日の臨時議会に「5ヶ年収支計画」なる表が出されましたが(写真4頁左下)、「再建計画」とは到底言えない、きわめて杜撰なものです。
 概要を紹介すると、H29年度の4つの宿泊温泉の事業収入予定をことごとくH27年度実績よりも少なく設定し、それを出発点に各施設とも毎年70〜130万円ずつ増大していき(唯一の例外は雄川閣でH30年度→31年度に160万円増加)、H33年度に公社全体で約3万円の黒字に転換する、というものです。収入増大をどう実現していくかの方策はまったく書かれていません。
 「再建策」は検討の緒(ちょ)にもついていないと言わざるをえません。

 

■経営責任者の明確化が第一歩、かつ、最重要事項
 多くの村民のみなさんが思っておられることをズバリ言えば、「振興公社の経営責任者、すなわち社長は誰なのか?」ということです。
 これを明確にしなければ、再建は始まりません。
 森川村長は、「理事は同業者(旅館業を営む人)が公社の応援をかって出てくださった。報酬が欲しくてやっておられるのではない」と繰り返し言います。経営責任者は大変な仕事ですから、仕事をしてくださった人が無報酬である必要はありません。大事なことは経営の責任を誰がとるのか、です。
 これまで公社が赤字を出す中で、理事長を務めた人が「私には経営責任はない」と主張したという話が村民の中にかなり広く伝わっていて、村民はそこを問題にしています。あるいは、公社の赤字が問題になると、決まったように、「各施設の努力が足らない」という声が理事会などから聞こえてきた歴史的経緯があります。各施設の支配人は理事でも評議員でもなくて、いわゆる従業員の立場にある人たちです。自営の旅館等の主人のような裁量権を有してはいません。12日の臨時議会で商工観光課長が「再建策」に関して「おもてなし研修」を云々したのは、まさに経営責任を理事者等から従業員に転嫁しよとする議論の典型なのではないでしょうか。
 まず、社長は誰か、をはっきりさせることです。もし、一般財団法人という組織の理事会や評議員会は企業の取締役会などと同等の経営責任を負う存在ではないのだというのなら、一般財団法人という組織形態の妥当性そのものを問い直すことから考えなければなりません。
    なお、この点に関連して、私は12日の議会で、森川村長に「経営責任

   を明確化するために株式会社化を検討する選択肢はないか」と尋ねたと

   ころ、「村民利用施設の管理に株式会社はふさわしくない」と断言的に

   答えました。他方、商工観光課長(前公社事務局長)はH25年度からの

   法人形態変更を検討した際、「私は株式会社がよいと考えた」と答弁し

   ています。
    私は、村内の事例も含め、さまざまな事例を見て、「株式会社では村

   民利用施設は運営できない」とはけっして言えないと考えます。
 くりかえし言います。社長は誰かをはっきりさせる、これが再建への第一歩です。

 

■各施設の性格分け、セールスポイントの明確化
現理事会は「全施設一律営業・一律料金は見直し」と言っています。それは正しい考えです。が、そこにとどまっていては前に進めないと思います。
 雄川閣、のよさの里は秋山郷にあり、「村民利用施設」というよりも純然たる観光施設だと言ってもよいでしょう。観光客がどういうサービス・施設を求めているかを明確に把握し、それに応えるサービス・商品を提供することが再建への道です。
 ただ誤解がないように付言しますが、雄川閣を個室露天風呂付の特別ルームがあるようなものに建て替えること(そういう検討案が役場には眠っているようですが)が観光客のニーズではありません。秋山郷にやって来る観光客の動きを観察すれば、気軽に立ち寄れて、昼食・軽食・温泉入浴のサービスが得られる場所が求められていることは明白です。
 のよさの里のロケーション(立地条件)は、高級リゾート経営可能レベルの最高級のものです。アルプス級の絶壁の眺めをあんなに間近に見られる宿泊可能リゾート地は日本全国探しても、そんなにありません。
 トマトの国は、施設建設の経緯からしても、若い人の団体研修・合宿等の受入れに最適の施設です。実際、そういうお客さまを受け入れ、成功している事例がたくさんあります。北野天満温泉は、4施設の中で客室毎にトイレがある唯一の旅館施設です。中高年者が多い温泉ツアー客や紅葉ツアー客が求める第一の条件が「お部屋にトイレがある」だということは旅行業界では常識です。「宿の満足度」を求めるお客さんを誘致できる旅館施設として徹底的に磨きをかけていくべきでしょう。

 

■再建策をどうやって詰めていくか
 経営責任者(社長)は誰かを明確にすることと並んで、もう1つ、非常に重要なことがあります。再建策の検討プロセスを徹底的にオープンにすることです。
 2〜3月の破綻危機のりきりの緊急支援策をはじめとして再建に必要な資金の出資者はじつは村民です。早ければ2月から半年間くらい、村民が自由に参加し、再建策をめぐって自由闊達(かったつ)に議論できる場を設けることが再建の力を生み出す最大の源になると思います。
 これまでに開催された「ワークショップ」のようなものではありません。出た意見等の再建策への取り込みあるいは不採用について、再建案の最終策定者には明確な説明責任が伴うものです。
 みなさん。振興公社再建問題に村民全員参加で取り組んでいきましょう。