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栄村復興への歩み
2011年3月に震度6強の地震で被災した長野県栄村で暮らす松尾真のレポートを更新しています。

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ヤマアジサイをめぐる異変

 

 日出山線の道路脇にヤマアジサイが咲き乱れる様子です。8日昼に撮影しました。知人もほぼ同じ場所で撮ったと思われる写真をFBに投稿されました。
 やはり綺麗なものは、誰が眺めても「いいなあ!」と感じるのですね。
 ここ1週間ほど、私はヤマアジサイが群生するところを求めて、村内のいろんな所に出かけています。

 

雑木や草に負けて、ヤマアジサイが咲きにくい、育たない
 7月初旬段階、標高が高い所ではまだ開花までにちょっと間があるようですが、もう群れるように開花しているはずの場所で開花を見るのに苦労したところがありました。
 その一例が、下の写真の場所です。スキー場内の村道沿いです。

 


 よく見ると、すでに開花しているのですが、これまではこんな量ではなく、この一帯がすべてヤマアジサイで埋め尽くされているような感じでした。ところが、写真に見えるように、様々な木々の枝が張り出し、ヤマアジサイに十分な光が当たらないようになってしまっているのです。やはり、木々の枝をはらうなどの環境保全の手入れが必要なのですね。もう1枚ご覧ください。

 


 軽トラで進んできた山道なのですが、道の両側から草木が覆い繁り、もうこれ以上進むのは危険という状況になっています。しかし、この場のすぐ近くで撮った写真の1枚が次のもの。

 

 

 場所は坪野集落の奥の橋をこえて、野沢温泉村にむかう林道の途中です。集落の衰退にともない、山に入る人がいなくなり、年々、この林道の状況は悪化の一途をたどっています。でも、豊かな自然の財産、生態系があり、なんとかしたいなあという思いが募ります。

 

「誘客のために国道沿いなどにアジサイを植えよう」という提案――ちょっと違うなあと思います。
 最近、上の中見出しに書いたような提案を耳にしました。
 「飯山には菜の花がある。津南町はヒマワリ。栄村もなにか欲しい」というのが、この提案の出発点にあるそうです。
 でも、私は「ちょっと違うなあ」と思います。栄村の場合、国道からちょっと外れて、集落や里山近くに向かうと、ヤマアジサイをはじめとして多種多様な花が咲き乱れている。その姿をこそ、栄村を通りかかる人たち、栄村にやって来てくれる人びとに紹介できるようにすべきだと思うのです。
 そういう次第で、このヤマアジサイの記事を書いた次第です。ひとまずは、人が近づきやすい場所からでいいですので、道沿いの草刈り、枝はらいを行なって、栄村の至る所でヤマアジサイがたくさん見られるようにしたいものです。

 

一口メモ
 ヤマアジサイとよく似ているものにガクアジサイがあります。花だけを見ていると区別がつきにくいです。見分けるポイントは葉です。ヤマアジサイは葉が細長くて薄く、光沢がありません。それに対して、ガクアジサイの場合は、大きくて厚みがあり、光沢もあります。日出山線で撮影の群生。葉はあきらかに「細長く、光沢がない」ものです。ヤマアジサイですね。


イワカガミの群生など

 〈山つながり〉ではありますが、“議論”はちょっとひと休み。きれいな花をご覧ください。まず、イワカガミが群れ咲いている姿です。

 

 

 

 

 イワカガミのクローズアップです。

 

 


 こちらはイワウチワです。

 

 いずれもスキー場頂上の林の中で、イワカガミは5月29日、イワウチワは5月14日の撮影。

 

 

 

 3枚目はシャクナゲ。
 秋山・小赤沢の福原秀樹さん宅の庭です。5月23日午後撮影。


栄村復興への歩みNo.307

 

 


 今号は2枚の風景写真から始めることにしました。
 1枚目はヒトリシズカという花です。「トマトの国」の前の丸山の辺りで16日午後の撮影です。2枚目は「鳥甲牧場」での幻想的な風景。11日夕に通りかかり、あまりの美しさに車を停めて撮影しました。雪融けの水蒸気で霧が立ち昇り、流れています。
栄村にはきれいな花、美しい風景がたくさんありますね。


「ママコノシリヌグイ」を探しています

 変なタイトルでごめんなさい。「ママコノシリヌグイ」とはじつは花の正式の名前です。

 


 上の写真に見られる小さな花、9月から10月にかけて、畦の近くや山の道端でよく見かけるでしょう。写真に見えるのはミゾソバという名前の花ですが、花を見ただけだと、これとソックリなものに「アキノウナギツカミ」と「ママコノシリヌグイ」というのが

変なタイトルでごめんなさい。「ママコノシリヌグイ」とはじつは花の正式の名前です。
左の写真に見られる小さな花、9月から10月にかけて、畦の近くや山の道端でよく見かけるでしょう。写真に見えるのはミゾソバという名前の花ですが、花を見ただけだと、これとソックリなものに「アキノウナギツカミ」と「ママコノシリヌグイ」というのがあるのです。見分けるポイントは葉です。ミゾソバの葉は牛の顔に形が似ている(下写真)ので、「ウシノヒタイ」という別名があります。
 

 

 アキノウナギツカミは偶然にスキー場の駐車場の手前、スキー場内・今泉への道に入るところで見つけました。葉が披針(ひしん)形で、基部は茎をやじり形で抱くことに特徴があります。下写真です。

 

 

 同じような花を見かけるたびに車を停めて葉の形を見ていますが、ミゾソバばかりです。「ママコノシリヌグイ」の葉は三角形だといいます。
 見かけられたら、是非、教えてください。
 こういう花、平素は気にもかけず、名前も知らないというのが普通だと思いますが、こういう花がないと、私たちが日頃見る景色はじつに殺風景なものになると思います。
 調査に是非、お力をお貸しください。
 


絶滅危惧B類 アイナエ

 

 栄村青倉今泉地区の田んぼの法面に群生している様子。2016年9月12日13時57分撮影。
 広瀬明彦氏のFB投稿に刺激を受け、場所を教えていただいて、確認・撮影を行った。

 

 

 

 


茎および葉を見やすいものを撮影。

 


生育地の全体状況。

 現場は、冬は最大時3mほどの積雪に覆われる。写真右上方に見える照明塔はスキー場のもの。
 

現場の法面・畦は今季に少なくとも1回は草刈りが行われた形跡があった。草刈りが行われても、アイナエの成長・開花は可能なのだと思われる。

 

石沢進氏による自生確認
 新潟大学名誉教授・石沢進氏が、2005年10月3日に、同所において初めて自生を確認している(「長野県環境保全研究所研究報告」2009))。
 長野県内では、他に、2007年10月4日、南木曾町で大塚孝一・尾関雅章氏によって自生が確認されている(同上)。

 

大阪教育大学・岡崎純子氏の調査研究報告
 岡崎氏は大阪市立大学理学部附属植物園で、アイナエの生活史と個体数変動の経過観察を行われた。その結果、以下のことが明らかになったと報告されている。
(http://www.osaka-kyoiku.ac.jp/~kenkyo/kenkyuseika/pdf/H25_2/08))
   1. アイナエは6月中旬に実生が出現し、8月中旬から開花、結実を

    開始した。袋掛け実験から自家和合性であり、もっぱら自殖をお

    こなっていることが示された。
   2. 出現頻度と土壌水分含量に関連性は認められなかったが、光条件

    とは相関が見られ、この種の生育には十分な光条件が必要である

    ことが判明した。
   3. アイナエの生育場所では開花前の7月上旬と8月上旬に機械による

    芝刈りが毎年実施されているが、アイナエの個体数の変動にはこの

    影響はほとんどなかった。

 

 この3.の点は、前述した今泉で現認状況とも一致する。

 広瀬明彦氏は、石沢進氏との間で、「どこにでもありそうですね」、「あるなら教えてください」という会話があったと紹介されている。意識しないと見つからない、目立たない小さな花であるが、今後、他の場所でも意識して探すように努めたいと思っている。


注:絶滅危惧B類とは、近い将来における絶滅の危険性が高い種


春の花の移り変わり

 今春はカタクリが例年よりも2週間ほど早く開花。北野天満温泉やカタクリ街道のカタクリ満開を伝えたのは3月末でした。
それから4週間近くが経ち、秋山郷でもサクラの満開が見られるなど、各所で見られる花の様子はめまぐるしく変わっています。
この数日、花の変化を意識してみた。



 25日午後、カタクリ街道です。
 “スプリング・エフェメラル”(春の妖精)のカタクリの花はもはやどこにも見えない。フキの葉がいたるところに見える中で、少し注意すると、カタクリの葉っぱが見える。

 そんな中、すでに道が完全に開いているスキー場内をどんどん上がり、頂上まで行くと、カタクリ群生地で開花が始まっている。



 上写真は24日午前の様子。今日26日あたりはもうこの残雪もほとんど消えているかもしれない。





 スキー場頂上のカタクリはGW前半くらいまで楽しめるのではないでしょうか。

 このカタクリ群生地の山側左手、林の中に入っていく「道」が見える。



 この先の林の中がじつはイワウチワの群生地。
 林へ一歩足を進めるや、足元はイワウチワの葉で埋め尽くされている。



 でも、いま、開花が見られるのはもっと奥。開花場所へは、下写真のような根曲りの低木の「ジャングル」のようなところを進まなければならない。軍手を付けているほうがいいですね。





 このようにかたまって咲いているところがあちこちにある。
 でも、花に夢中になっていると、西入沢川へ真っ逆さまに転落する崖に面しているので要注意。
 では、イワウチワの可憐な姿を2点。






 ところで、カタクリ街道。カタクリの花が終わってしまい、見られるのはカタクリの葉だけかと思いきや、それが違う。
ヒトリシズカが清楚な感じの花を咲かせているのです。



 ポツンと1本だけで咲いているものもあれば、5〜6本がかたまって咲いているところもある。
 ヒトリシズカは山道の脇にひっそりと咲く姿がより美しく、志久見街道に入ると、小峠から小滝に下る途中あたりで出会えるが、今年はまだ見に行っていない。


 昨年も今年もカタクリを真っ先に見ることができた清水河原のスノーシェッド手前の崖面では、今年もカタクリの次の花、イカリソウが姿を見せている。



 ここは人の背より高いところの崖面で、しかも手前にフェンスがあるので写真が撮りづらいのだが…。これは22日の撮影。


 この他、スキー場の山に行くと、今年は早くもヤブデマリが見られる。去年は5〜6月だったように記憶している。



これは青倉・西山田の棚田のさらに上、城ヶ館(じょうごだて)の農道斜面崩壊地点のそばで24日撮影。自然環境の厳しいところに綺麗なものが咲く。



 こちらは貝立水路の水が今泉地区にむかって落ちる滝の水をバックに咲く姿。


 今日はここまで。

ズッキーニの花

 ズッキーニが栽培されている畑では、この季節の朝、ズッキーニのきれいな花が開いているのを見ることができます。でも、その花にぐっと顔を近づけて見るという機会はあまりないのではないでしょうか。雌花(めばな)と雄花(おばな)それぞれのクローズアップをご覧ください。


雌花


雄花

<お断り>
 6月19日〜23日頃、少し体調を崩して、配達を休む日が出ました。そのため、No.256(6月11日付)、No.257(6月16日付)の配達が大幅に遅れました。申し訳ありません。体調管理をしっかりやって、夏場をのりきっていきたいと思います。
 7月は通常通り3回発行、8月はお盆休みをはさんで2回発行の予定です。

ヤマニンジンでした

 前号で写真を紹介し、名前をみなさんにお尋ねした花、ヤマニンジンだとわかりました。
 横倉の上倉直人さん宅に配達した日の夕方、温泉で出会った直人さんから「ヤマニンジンに似ていると思う」とのお話を伺いました。さらに、7日に月岡に配達した直後、秋山小に勤務されている斉藤充子先生から、「あれはヤマニンジンと呼ばれています。秋山では花が咲く前の新芽のときに天ぷらにして食べます。今年、たくさんいただきました。美味しいですよ」というお電話をいただきました。


たしかに葉っぱがニンジンと似ていますね

学名はシャク
 セリ科シャク属の多年草で、学名はシャク(Anthriscus sylvestris)というそうです。
 充子先生が教えて下さったとおり、新芽を山菜として天ぷらにして食べる他に、お浸しにするレシピ(葉・茎とも)もWebで見ました。
 薬草としても使われ、「山菜薬草図鑑」では効能として「解熱、鎮痛、鎮咳、去痰など」が挙げられています。秋山では根は採らないと秋山住人のお一人から聞きましたが、Webで調べると、根も使われるようです。

毒ゼリとの間違いに要注意
 ひとつ困ったことは毒ゼリと似ていること。毒ゼリは名のとおり有毒で、とくにワサビの根に似た根茎は猛毒だそうです。
 秋山の人たちは区別できるようですが、素人は勝手な判断をしない方がよさそうです。秋山の人たちは、どのあたりに出るのがヤマニンジンで、どこに生えるものは毒ゼリということを経験的にご存じだとのこと。まず、秋山の人たちに教わることですね。
 来年は是非、秋山でヤマニンジンを味わう機会を得たいなあと思っています。

 

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