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栄村復興への歩み
2011年3月に震度6強の地震で被災した長野県栄村で暮らす松尾真のレポートを更新しています。

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貝廻坂の小さな“水害”とその後の復旧措置について

 本紙「復興への歩み」で紹介するのは初めてですが(ブログでは8月27日に発信)、じつは8月22日の台風9号(千葉県に上陸)時の雨の影響で、貝廻坂の水路で小さな“水害”がありました。
 どんな災害だったのか、その後の措置、そして9月20日の台風16号の雨の時の様子をレポートします。

 


 上写真は、8月23日午前10時40分頃、通報を受けた長野県道路パトロールカー(下写真の黄色ボディーの車)の職員が現場を調査している様子です。水路がずれ、写真右手の土がえぐられていることがわかります。
 住民が北信建設事務所飯山事務所に連絡し、道路パトが駆けつけたのです。この後、建設事務所からも職員が駆けつけ、周囲の草を刈ったうえでブルーシートを張る応急措置が施されました。

 


 9月6日夕刻に現場を通った時、驚きました。この箇所の復旧工事が行われていたのです。工事は複数日にわたって実施されたようですが(施工者は広瀬建設)、私は議会期間中で撮影に行けなかったので、15日に撮影してきました。

 


 新たにコルゲート管が入れられ、それを抑えるコンクリート構築物も2ヶ所つくられ、土がえぐられたところは土嚢で措置されています。
 20日は台風16号の影響でかなりの雨が降りましたが、20日午後の現場の様子も見てきました。次の写真ですが、復旧工事のおかげで今度は水がうまく流れていることがわかります。

 


 ただし、今回の復旧工事の対象にならなかった水路の下の部分では、曲がりくねったコルゲートフリューム(上部が開いている構造のもの)を勢いのある水が真っすぐに下ろうとするため、もう少し水量が多くなれば、水が水路から溢れ、水路脇の土をえぐる危険があります(下の写真参照)。水路の下の部分でも改良工事が必要でしょう。

 


 この箇所はもともと、2013年夏に水害で沢の水が溢れ、土砂崩れが発生して、貝廻坂が一時通行止めになったところです。2015年に実施された貝廻坂の改良拡幅工事の際、コルゲートフリュームが設置されました。

 今回の小さな“水害”は、私たちにいろんな教訓を与えてくれています。
 1つは、住民の人がすぐに建設事務所に通報したことです。これによって道路パトがすぐに駆けつけ、応急措置→復旧措置と進んだのです。“住民の目”が大事なのです。
 2つは、自然災害に対しては万能の対策はありえず、私たちが災害危険箇所に常に注意を向け、行政(この場合は県建設事務所)と連携して、早め早めの対応措置を可能にしていくことが大切だということです。私は9月20日の様子を建設事務所に示し、この箇所の一層の改良を求めていきたいと考えています。

 


奥志賀公園栄線落石災害箇所に関する申し入れ文書の紹介

 7月28日に発生した奥志賀公園栄線での落石・土砂災害については、災害状況、そして、応急復旧工事の完了による8月10日午後4時の通行止め解除を本ブログでお知らせしましたが、9月10日、三たび現場を訪れ、現在の状況を確認してきました。
 この件は、9月8日の栄村議会での一般質問でも取り上げましたが、10日の現場状況確認をふまえ、今日14日朝、森川浩市村長に「今後の対策について」という申し入れ・提言を提出しました。
 その申し入れ文書と、それに添付した9月10日撮影の現場写真を、以下に掲載します。

 

栄村長 森川 浩市 様

 

  奥志賀公園栄線の落石・土砂災害発生箇所の今後の対策について

                                                             2016年9月14日
                                                           栄村議会議員 松尾 眞

 

 本件については、9月8日の議会一般質問において質問並びに提言を行なったところですが、9月10日に3度目の現場視察を行ない、また、9月10日及び8月11日に現場で撮影した写真を分析した結果をふまえ、以下のように、提言し、村における至急の対策措置を求めます。

               記

   1. 7月28日の災害発生以降、8月10日午後4時の通行止め解除に至る

    間に実施された応急復旧工事は、災害への迅速な対応措置として評

    価されます。しかし、あくまでも応急措置であり、今後の冬期積雪

    等を勘案すれば、より本格的な対策工事が必要であり、それが11月

    には予想される降雪・積雪前に実施されなければ、来春の道路開通時

    期が大幅に遅れる事態になりかねません。
   2. 応急復旧工事で設置された落石防止ネットはきわめて簡易なもので

    す。冬期の雪の重みに耐えられるとは思われません。応急設置されて

    いる落石防止ネットについては別添の写真をご覧ください。
   3. 現場は、応急復旧工事を担当した建設業者の話によれば、土壌はほと

    んどなく、岩肌で構成されているそうです。そのことは別添の現場写

    真からある程度確認できます。
     そういう現場において、今次災害で立木がほとんどすべて奪われた

    ことから、今後、冬期においては、従来はなかった雪崩が生じやすい

    環境に変わっているものと思料されます。したがって、現場の近くに

    見られる、恒常的に設置されている落石防止装置ではなく、雪崩防止

    柵の新規設置が必要だと思われます。
   4. ここに、かなりの積雪の重み、雪崩に耐えうる恒久的な雪崩防止柵を

    設置するには、岩盤の掘削等を伴う工事が必要になると思われ、紅葉

    期の観光客の通行を確保したうえで、紅葉終了後〜本格積雪期の到来

    の間の限られた期間に本格的工事の実施・完了はかなり難しいかと思

    われます。
   5. そこで、来春、道路除雪をスムーズに実施し、早期開通を可能にする

    ため、積雪前に実施すべき措置として、つぎのことを県に要望し、実

    現することが不可欠だと考えます。
     イ) 落石によって立木がすべてなくなり、岩・石の急斜面になって

      いる災害現場にいま、かなりの量で存在している倒木類を積雪前

      にすべて撤去すること。これは絶対的な事項だと考えます。
     ロ) 雪の動きで道路面に出てくると考えられる斜面上の中小の石を

      やはり積雪前に撤去すること。ただし、この点については、撤去

      することの是非について、専門家の判断が必要ではないかと考え

      ます。
     ハ) 冬期間における新たな大きな落石の発生を防止するため、応急

      復旧時に取り除かれた3つの巨大な石(岩)の上に存在する、い

      ま1つの巨大な石(現場全体状況を示す写真の頂上部に現認でき

      る)を冬期前に除去する必要がないかどうか、専門的な検討が必

      要ではないかと思われます。

 

 以上、提言しますので、村長の責任と指揮の下、必要な措置を早急にとられるよう、要望いたします。

 

                                                               以上

 

 

奥志賀公園栄線の落石・土砂災害現場の現況について

9月10日の状況

 

写真910の1 全体状況

 


写真910の2 応急落石防止ネットの上段の様子

 


写真910の3 応急落石防止ネットの上段の様子

 

写真910の4 応急落石防止ネットの下段の様子

 

写真910の5 落石防止ネット下段、むかって左の端の様子

 

写真910の6 落石防止ネット下段、むかって右の端の様子

 


写真910の7 道路脇に設置の大型土嚢

 


貝廻坂での小さな水害について

 8月22日に関東に上陸した台風9号(その後、北海道に再上陸)、栄村では強雨というほどの雨は降りませんでした。
 しかし、翌23日午前10時40分頃、貝廻坂を上がっていくと、県の道路パトロールカーが停まっていて、2名の職員が道路脇法面の水路沿いを上っていこうとしているところに遭遇しました(下写真)。住民から、「水路が傷み、水が溢れている」という趣旨の通報があったそうです。

 


 1時間くらい後に再び現場を通ると、県北信建設事務所飯山事務所の人も来ていて、「水路が少しずれたようです。地面に雨水が入らないよう、ブルーシートを張る予定です」という話でした。翌24日昼、現場を通ると下写真のとおり、水路右岸周辺の草が刈りはらわれ、ブルーシートが張られていました。道路パトロールカー、建設事務所の迅速な対応に感謝したいと思います。

 

 

現場は2013年夏の水害箇所
 この場所は2013年夏、水路が未整備で沢の状態だったのですが、その沢が大水で抜け、土砂が道路に流れ出て通行止めになったところです。
 震災復興事業の貝廻坂改良工事の中で、昨2015年、コルゲートフリュームを入れた水路設置工事が行われました。かなりしっかりした工事が行われたものとして、私はほっとしていましたが、地形的に完璧な対策は難しいことを今回突きつけられたという感を深くしています。
 現場を子細に見ると、コルゲートフリュームの横手の斜面がえぐられている他、水路から数メートル離れたところで地面から水がしみ出ているという状況もあります。不断の点検が必要です。建設事務所に通報された住民の対応はじつに適切だったと思います。おそらく、この箇所が県管理であることを熟知されているのでしょう。
 他方、23、24日の段階では県建設事務所から村役場への連絡は入らなかったようです。
 災害は、当該箇所が県所管か村所管なのかということとは関係なく発生します。災害の把握・対応・対策について県と村の連携をめぐっては双方に改善すべき点が多々あるように思います。

 参考までに、2013年大水・土砂流出災害時の写真を紹介しておきます。

 

2013年11月撮影。
大水が出て、土砂が流出した箇所。ここに改良工事でコルゲートフリュームが設置された。

 

流れ出た土砂が貝廻坂道路を越え、さらに道路下の崖の土砂崩れを引き起こした跡。2013年11月撮影。大型土嚢で応急復旧が行われ、2015年の改良工事で本格復旧工事が行われた。

 

大雨警報――頻繁な発令と実際の現実
 栄村では8月26日夜も長野地方気象台から大雨警報が発令されました。
 7月末から8月上旬はほぼ連日のように大雨警報が発令されることもありました。8月下旬も警報発令が増えています。
 大雨警報の発令が村内のCATV放送網を流される際には、「土砂災害などに注意。避難情報に注意」等の言葉も続きます。土石流被害の経験(3年前)があり、その後も避難を繰り返してきた中条川流域に住む私は、この放送が流れると、「ギクッ」とします。しかし、空を見上げると、青空が見えることも少なくありません。たしかに南の方向の空を見ると、空が真っ暗になっていることがしばしばです。
 私は最近、警報が出ると同時に、気象庁の高解像度降雨ナウキャストというものをネットで見ることを覚えました。1時間前の降雨状況から1時間後の予想まで動画で見ることができます。今夏の警報発令の多くは、栄村の南部の奥、切明温泉から魚野川上流(群馬県野反湖)あたりに強雨が予想される場合です。村の北部、千曲川左岸あるいは流域で強雨という事例は8月9日朝と27日未明の2回くらいでした。
 7月28日には奥志賀公園栄線で、車が巻き込まれていたら人的被害も出たであろう大規模な土砂災害が起きていますから、大雨警報等を軽視することはできません。
 しかし、警報は行政区単位で発令されます。栄村の南の標高の高い山のあたりのみで強雨が降るような場合、里で暮らす村民の多くは「警報が出ても、実際は大したことはない」という「学習」を重ね、警報が出ても反応しなくなる、いわゆる「狼少年」の状態になる危険性が大となります。
 なんらかの対策が求められます。

 

村役場の対応の改善が急務
 1つのヒントがあります。
 昨年のことでしたが、やはり大雨警報が発令され、さらに土砂災害警戒情報も出された時のことでした。
 警報発令のアラート放送が流れて間もなく、役場から生の音声で、「現在、群馬県との県境付近で強い雨が降っています。この後、中津川の水位が上昇する危険がありますので、中津川流域では警戒をしてください」という趣旨のお知らせが流されました。
当時の総務課情報防災係の機転で、ネットで見られる降雨状況のメッシュ情報を活用して、情報発信したものでした。
 しかし、残念ながら、このような対応がそれ以降、継承されていません。
 情報防災係は震災後に新設された係ですが(初代の係長は就任前、県に出向し、研修を受けてきた人だったと思います)、今年2015年4月の人事異動で係長が他の部署に転出した後、行政係長との兼任となり(7月1日付け異動でも同じ)、専任の係長が不在になっています。最近では、役場の防災部門の強化が全国どこの自治体でも当然のこととなっていますが、栄村役場の今春以降の措置はそうした動きに逆行するものと言わざるをえません。防災情報係長の専任化、防災担当責任者としての知見と経験の蓄積が求められます。

 また、先般の台風9号をめぐる村役場の対応にも疑問があります。
 8月22日、役場では午前と午後の2回、村長を本部長とする対策会議が開催されたそうです。私がこの事実を知ったのは、午後2時から開催された農産物販売所出荷運営組合定期総会に来賓として出席した森川村長が、挨拶の後、「台風9号の対策会議がある」とのことで退席した経緯があったからです。
 しかし、役場がこのような対策会議を開催していたことは村民には告知されていません。私は少なくとも、「台風9号の接近に伴い、役場は対策会議を開催しました。検討の結果、現在のところ、栄村では格段の危険性はありません」というようなお知らせをすべきだと思います。そうすれば、「狼少年」となる心配も生じませんし、役場の防災態勢への信頼度も高まると思われます。
 「大きな震災を経験した栄村で、じつは防災態勢が充分ではない」というようなことにならないよう、村(村長)はしっかりと防災態勢の強化に取り組んでもらいたいと思います。


屋敷での地すべり

 

 

 林道の矢櫃トンネル〜屋敷間を走っている時、目に飛び込んできたものです。
 中津川の右岸が大きく崩れています。4月に山田由信さんの畑を訪ねた時に地すべりのことを教えていただきました。湯沢砂防事務所が対策工事をしていますが、なかなか止まらないようです。
 写真右上に山田由信さんの畑と作業小屋が見えます。
 


的確な災害情報に感謝!

 台風18号に伴う大雨は、鬼怒川の堤防が決壊した茨城県常総市などで大変な災害を引き起こしています。被災された方々には心からお見舞い申し上げます。一刻も早い救助と復旧を願うばかりです。

 栄村では幸いにも台風18号による被害はありませんでしたが、9日午後、告知放送から「J(ジェイ)アラート」の大音声が流れました。「栄村に土砂災害警戒情報が発令されました」というアナウンスです。
 栄村ではそんなに大量の雨は降らなかったので、「えっ?!」と思われた方が多かったのではないかと思います。土石流の心配がある中条川周辺の住民は不安になりますし、危険な崖面などが家の近くにある人も心配されたでしょう。
 しかし、Jアラートの警告放送が流れて間もなく、役場総務課が告知放送を流しました。
   「群馬県で大雨が降り、群馬・長野県境から川に大量の水が
    出る可能性があるので、秋山地区では川に近寄らないでく
    ださい」
という趣旨の内容でした。
 私たちはこの放送で事態が理解できて、Jアラートの警告でむやみに心配する必要がなくなりました。

 役場に問い合わせたところ、「台風18号に伴う大雨の情報を朝から監視し続け(インターネットで見るもの)、群馬・長野県境、野(の)反湖(ぞりこ)あたりで1時間35ミリレベルの降雨が確認できたので、Jアラートの警告の意味を村民が理解できるように放送した」とのことでした。
 また、午後6時すぎに、「先ほどの土砂災害警戒情報は解除されました」という村内告知放送も流されました。Jアラートは警戒解除のお知らせはしないので、役場の情報災害係が警戒情報解除を確認して、放送されたものでした。
 震災以来、村の災害警戒態勢について私は幾度となく問題提起をしてきましたが、今回の対応・措置は素晴らしいものだったと思います。関係された職員のみなさんに感謝と拍手を送りたいと思います。


千曲川は9〜10日、大きく増水(9日夕撮影)
 

25日午後〜26日の突風・強風――台風15号の影響か

 25日夕、知り合いから「今日、鳥甲牧場が大変だった。突風が吹き、畑に被害が出た」という話を聞き、今日26日午前、鳥甲牧場−五宝木の様子を見に行ってきた。
 

 
 上は今日午前8時40分撮影。昨日の午後の突風で畑から剥がれたマルチが強風で巻き上がっている。
 鳥甲牧場では今朝も凄い強風。立っているのが辛いほどの強い風だった。
 
 連写したもので示すと、下のような状況。




 
 大根が栽培されている畑だが、この後、五宝木集落に向かい、やはり鳥甲牧場で五宝木大根を栽培されている福原利雄さん・章子さんご夫妻を訪ねてお話を聞いた。
  「すごい風だった。怖かった。隣の留守家の杉の木の上の方が
  飛んでしまった。」
  「おとうさんは、今日は朝から大根畑に飛んできたマルチの片付
  け。」
  「雨がなかったのが救い。大根は根が浮き上がりそうになったけ
  れど、なんとかたすかった。今日は収穫作業はできない。」

 さらに、花豆の支柱が倒されてしまったというお宅を訪ねた。



 上写真に見られるように、支柱のパイプがグニャグニャに曲がってしまっている。
 
 五宝木から村道鳥甲線を極野に向かうと、五宝木から標高の最も高い地点に向かう区間では、かなり大きな木の枝が道路に横たわっていた。
 5〜6本は自分で道路脇へ移動させたが、実際に動かそうとすると、結構大きな枝で大変だった。下の写真のものは一人では動かせず、写真右手の道路脇を通った。



 標高の最も高い地点を通り過ぎた後は、道路に木の枝などは見当たらず。
 その後、極野、中野、北野、天代、野口、天地、菅沢などを廻ったが、中野、天代で花や草が倒れているのを少し目撃した。
 
 昨夜は私が住む森集落でもかなりの強風が吹いた。青倉集落もそうだったと聞いた。他方、ある人の話では、平滝集落の山道には木の枝等の散乱は見られなかったとのこと。
 どうも“風の通り道”というものがあるように思われる。
 鳥甲牧場、五宝木の様子を話すと、村のみなさん、口を揃えて、「あそこは凄い風が吹くんだよ」と言われる。
 
 私は京都時代、とくに子どもの頃、第二室戸台風など、大きな被害をもたらした台風の直撃を体験していて、「台風の吹き返し」というものもそれなりに知っている。今回の突風・強風、台風15号が日本海に抜けた後の吹き返しと思われるが、こんなおっかない“吹き返し”は初体験といってもいい。



青倉と小赤沢の工事の進捗状況

 青倉集落の中条川下流では、護岸復旧工事などが行われていますが、千本塚(せっぽうづか)から水路の水が落ちてくる箇所の護岸工事がかなり進みました。



 「災害防止にこれで充分」と断言できるかどうか、素人の私は判断しかねますが、崖面が大きく崩れる危険はひとまず回避されたと言えます。

 他方、秋山の国道405号線では小赤沢〜屋敷間の拡幅工事が行われていますが、工事がかなり進みました。とくに「白樺食堂」付近の第1工区では拡幅の基本は出来上がり、旧ガードレールの撤去・全面舗装を待つのみとなっています(下写真)。ガソリンスタンド先の第3工区も含めて冬までに完工できるようです。




<後記> 2週間ぶりの「復興への歩み」の発行で、書き切れないことがたくさん残りました。もっと色んなことが紹介できるよう、さらに精進していきたいと思っています。
 だいぶ秋めいてきましたが、だからこそ夏バテが出る時期でもあります。私も体調維持に苦労していますが、みなさん、ご自愛ください。
 

いりんな工事

 村内のさまざまな箇所で工事が行われています。今回は3つ、紹介します。
 1つめ。北野から天代・坪野に通じる道路、その北野天満温泉入り口手前にある土合橋を新しい橋に架け替える工事が始まっています。くねくねと曲がっている道が一部、直線的になるようです。



 2つめ。白鳥沢の砂防工事は以前に紹介しましたが、白鳥沢よりも一つ平滝寄りの「上ノ山」というところでも砂防えん堤工事が行われています。飯山線よりも山手に石垣の棚田があるところです。小さな沢ですが、工事がかなり大規模です。



 3つめ。青倉の千本塚から中条川に水路が滝になって落ちるところ。崩壊の心配を指摘した箇所ですが、栄大橋下の護岸復旧工事の関連で少し手が入るようです。川と接している部分の護岸をし、上部の方も一定の吹き付け工を検討しているそうです。



充分なものかどうか、注視したいと思っています。
 

栄村復興への歩みNo.255

「防災マップ」を受け取って…
 村民のみなさんは、5月23日(土)前後に、『栄村防災マップ』という冊子を全戸配布で受け取られたことと思います。
 冊子の表紙を開いて、自分が暮らす集落の防災用の地図をご覧になりましたか? 下写真のような地図が出てきます。



あなたの家の周辺はレッドゾーンやイエローゾーンに指定されていませんか?
 上の写真は『マップ』14頁の一部を拡大したもので、森、青倉のレッドゾーン(土砂災害特別警戒区域、地図の赤色区域)などが記されています。
 自分が暮らす家がある地域の地図をまだご覧になっていない方がおられたら、『マップ』を取り出して、すぐに一度、ご覧になってください。
 まず、自分が暮らす地域に土砂災害や洪水などの危険があるかないかを確認すること、つぎに、災害発生の恐れがある時、どのように避難すればよいのか、をご確認ください。

中条地区のレッドゾーンの現場を見てきました
 私は今年度、隣組長をやらせていただいていますので、この『防災マップ』を中条地区のみなさんにお配りしましたが、配った時から、釈然としないことがありました。
 上の地図に緑色(〇)でマークしたところ、レッドゾーンがあります。斉藤松太郎さん(斉藤電気工事)の事務所、ご自宅は赤色で塗られています。その危険性(直接には巨石の落下)の実状について、昨年、斉藤さんからお話を聞いたことがあります。お宅の敷地内に大きな石が落下してきたことが何度もあるということで、とても心配されていました。
 その後、昨年夏から秋にかけて、国の「社会資本整備総合交付金(復興)」という資金を使って、この箇所の防災工事が実施されました(下写真)。崖面にワイヤーネットを張り巡らし、石の落下を防止するものです。


崖面の防災工事の様子(昨年9月2日撮影)

 私はこの工事で一安心かと思っていたのですが、今朝(1日朝)、斉藤さんに「昨年の工事で一安心ですか?」とお尋ねしたところ、「いや、全然安心できない。あそこに大きな石が見えるでしょう。あれが落ちたらネットでは支えきれませんよ。なんとかしてほしい」と言われました。そこで、この崖面の中を通っていて、牛ヶ窪の田んぼに通じる道路を上がり、現場を見に行きました。
 現場に行ってみて愕然としました。
 まず目に入ったのが、下の写真の様子。落石防止ネットが壊れ、支柱ごとひっくり返っています。



 斉藤さんが指摘されていた巨石を間近に見たいということもあり、この崖面の上(先の道路が通じている)から崖面に下りることにしました。とても急な斜面で、足元は落ち葉で滑ります。ヘルメットを被り、手袋をして、低木の枝につかまりながら、現場を見て廻り、写真撮影しました。写真をご覧ください。


写真イ


写真ロ


写真ハ


写真ニ

 落石防止ネットが倒れたり、緩んでしまったりしている箇所の上方、ネットを引っ張るワイヤーのアンカーが埋められているところに辿り着くと、写真イの場面が目に飛び込んできました。アンカーが根こそぎ、飛び出してしまっているのです。また、よく見ると、ワイヤーが切れています(写真ロ)。
 さらに、斉藤さんが心配されていた巨石にはワイヤーがかけられていますが(写真ハ)、やはりワイヤーがアンカーのすぐ近くで切れている箇所が見られました(写真ニ)。    すべて、今冬の雪の圧力でやられたのだと思われます。
 思い出しました。役場の担当者の人が、
   「社会資本整備交付金の法面工事は工法が全国一律で決められ
    ていて、豪雪地仕様にはなっていません。」
と言っておられたことを。
 残念ながら、斉藤松太郎さんが言われたとおり、落石防止ネット設置工事はほとんどなんの意味もなしていないのです。

自主防災の強化しか対応策はないと思います
 どうしたらいいのでしょうか。
 この現場は、森集落の江戸時代からの水路が流れるところでもあります(善光寺地震の際の被害絵図にこの場所の水路が描かれています)。森集落−中条地区にとって、「危険を除去できないから、もうこのゾーンは放棄するしかない」などと言うことはできません。
 役場の情報防災係の人とも話しました。
 率直に言って、役場でも対応しきれないのではないかと思います。
 ここは、自分たちでズクと力を発揮して、自主防災力を強化する以外にないと思います。

大学関係者、県の専門家は知恵をお貸しください
 「自主防災力を強化する」とは、災害発生の予知や避難について学び、訓練するということですが、そのためにも是非、実現したいことがあります。
 この箇所の地盤、土壌等について、専門的な知識をお持ちの方々のご協力を得て、まず、この箇所の現状、危険性、対策方法などについて学びたいということです。
 この「復興への歩み」をお読みくださっている大学関係者、県庁関係者のみなさま。そういう専門家の方をご紹介ください。「私は専門家ですよ」という方は是非、私にご連絡ください。当方に調査経費の負担力はほとんどなく、ひとまずはボランティアでのご協力、ご支援をお願いしたく思います。
 どうかよろしくお願いいたします。
 村のみなさん。みなさんの地区について、中条のこの箇所と同じように、防災マップと照らし合わせながら、災害危険箇所を点検してください。そして、気になることがあれば、是非、ご一報ください。現場をお訪ねします。
 

国道405号線の雪崩、その後

 3月9日午前に発生した国道405号線屋敷〜上野原間での雪崩について10日の様子を先に報告しましたが、12日と17日に現場の様子を見てきましたので、続報をお伝えします。

倒壊した落石防止柵などを撤去





 現場の写真です。1枚目は12日午後4時すぎに撮影。倒壊した落石防止柵のフェンスがガスバーナーで焼き切られ、すべて撤去されていました。2枚目の写真は焼き切られたフェンスの残骸です。
 つづいて、17日に現場に行った時はすでにきれいに片づけられ、雪崩を知らない人には雪崩現場とはわからないくらいになっていました。17日午前10時撮影の写真をご覧ください。



 現場の上野原寄りのところに黒の土嚢が積まれています。山側のコンクリート製擁壁が手前と向こう側で段差がありますが、低い方は上部が壊れ、撤去されたためです。
 
雪崩の実相について
 17日は切明まで行っての帰路、正午過ぎ、現場で県の林務課関係者が無人機を使って現場調査しているのに出会いました。「雪崩」の起点となった山の上部の様子を確認するための調査です。



 中条川土石流の関係で旧知の担当者に話を聞きましたが、「全層雪崩が発生したのではなく、雪庇などが幾日にもわたって落下し、フェンスの内側に溜まり、圧力が高まって支えきれなくなったのではないか。落石防止柵なので瞬間的な圧力には耐えられるが、長時間にわたって続く圧力には耐えられず、最後の雪の塊の落下を契機に崩壊したのではないか。雪崩だと木がなぎ倒されるが、その形跡が見られない」とのことでした。
 たしかに現場の斜面を見ると、木が倒れた形跡はなく、雪の塊が積雪の表面に転がっている状態です(下写真)。また、この現場はこれまで雪崩が発生したことがないところです。