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栄村復興への歩み
2011年3月に震度6強の地震で被災した長野県栄村で暮らす松尾真のレポートを更新しています。

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身近に迫る放射能汚染の恐ろしさ

 長野市、さらに近くでは野沢温泉村のコシアブラから基準値以上のセシウムが検出され、販売自粛になったことは、みなさんご存じのことと思います。
 この放射能汚染、やはり福島第一原発の事故以外の原因は考えられません。福島県などでは放射能除染の努力が懸命に続けられていますが、山林の放射能汚染がいちばん厄介なようです。
 「今頃になって」という思いを抱かれる人も多いかと思いますが、放射能汚染というのはそれほどに長期にわたって影響を及ぼすものなのです。国の放射能汚染に関する情報はこういう危険を過小評価している、あるいは隠しているとしか思えません。

 そういう中で私たちが注目すべきなのが柏崎・刈羽原発の再稼働問題です。栄村の中心部は柏崎・刈羽原発から50km圏内に入ります。他人事(ひとごと)ではないのです。
 5月21日に福井地方裁判所で出された「大飯原発の再稼働を認めない」とする判決では、原発から250km圏内の人たちに「具体的な危険があり」、「運転差し止めを請求する権利がある」としています。
 村内でも柏崎・刈羽原発の再稼働反対の署名運動に取り組まれている人たちがおられ、私も署名させていただきましたが、いまこそ、柏崎・刈羽原発問題に真剣に取り組まなければならないと思います。
 

栄村と原発

 今回の大震災の最も深刻な問題は言うまでもなくフクシマ原発震災です。
 私はこれまで、栄村の震災そのものをめぐる対応で手一杯だったことが最大の理由で、フクシマ原発震災についていっさい発言してきませんでした。
 しかし、それなりの時間的余裕ができてきたこと、また、原発震災問題は他人事ではないことから、このレポートでも少しばかり触れていきたいと思います。

<柏崎刈羽原発から50膳内>
 「原発震災問題は他人事ではない」というのは、栄村からわずか50疎らずのところに東京電力の柏崎刈羽原発があるからです。
村の人はすでにご存じだと思いますが、先般、新潟県が柏崎刈羽原発の事故を想定した地域防災計画の見直し検討を始めました。その中で、新潟県は原発事故の影響範囲(EPZ)を従来の半径10礎楼茲ら半径50膳に変更・拡大しています。 
    

東京電力HPより        
http://www.tepco.co.jp/nu/kk-np/index-j.html

 栄村は、役場などがある区域がこの50膳に入ります。
 原発が事故を起こした場合の放射能の拡散状況は風向きが決定的な役割を果たします。栄村は30膳内には入っていないものの、風向き次第では大きな影響を受けます。その意味で、新潟県の見直し検討は適切なものであり、栄村にも対応が求められると考えます。
 
<EPZとは>
 EPZはEmergency Planning Zoneの頭文字をとったもので、日本語にすると「緊急時計画区域」となります。
 原子力安全委員会の「防災指針」では、
「原子力施設からの放射性物質又は放射線の異常な放出を想定し、周辺環境への影響、周辺住民などの被ばくを低減するための防護措置を短期間に効率良く行うため、あらかじめ異常事態の発生を仮定し、施設の特性などを踏まえて、その影響の及ぶ可能性のある範囲を技術的見地から十分な余裕を持たせて定めた範囲をいう」

と定義されています。

 原子力安全委員会は、今回のフクシマ原発震災でその信頼性に大いなる疑問符が付けられている存在ですが、それはひとまず措くとして、問題はこれませ「EPZのめやすの距離(半径)」が「約8〜10km」とされていることです。


  津南新聞7月1日号より     

 「8〜10km」ではまったく不十分なことは、フクシマで30膳内が避難区域とされていることからもあきらかです。全国各地の自治体からEPZの距離の拡大を求める声が上がっています。さらに、30膳外でも、いわゆるホットスポット(局地的に放射線量が高い地点)があることからすると、新潟県の方針、50膳への拡大は正しいと思います。

<もう1つの「原発神話」からの脱却が必要ではないか>
 私たちは今回のフクシマ原発震災で「原子力は安全」という「神話」の崩壊を目の当たりにしました。いま、「原発は安全なんですよ」と正面きって言う人はほとんどいないでしょう。
 しかし、私たちは「いま1つの原発神話」の呪縛にはまだまだ囚われているようです。
 「いま1つの原発神話」とは、「原発が動かないと電力不足になる」という「神話」です。
 最近、いろんな人と話していると、この「神話」をじつは疑っている人が数多くおられることがわかります。でも、マスコミが「電力不足」「節電」とあまりに騒ぐので、正面きって「電力不足なんてウソだよ」と言ったりすると、それこそ「非国民」扱いされかねない雰囲気です。いや、「非国民」扱いだけであればまだ我慢のしようもありますが、東京では地下鉄構内の冷房を切る、あるいは設定温度を上げる措置がとられ、駅構内に入るとむっとするそうです。こうなると、「電力不足」「節電」に唱和しないと暑さで殺されてしまいかねないという感じです。

 そこで、ここでは、1つのデータを示してみたいと思います。これは広瀬隆さんというジャーナリストの著書『福島原発メルトダウン』(朝日新書、pp.220-1)からの引用です。
 

※図をクリックで拡大

 作成者の藤田祐幸氏は元慶応大学助教授で、物理学者、フクシマ原発震災をめぐって種々の発言をされていて、「反原発派」だということでTV出演依頼を取り消されたこともあるようです。
 このデータは公式統計を基にするものでデータ自体は信頼性の高いものだといえます。データは、必要とされる「最大電力」を火力と水力だけで賄えることを示しています。このデータから何を読み取り、どう考えるかは、お一人お一人の判断に委ねたいと思います。
 
 今回はここまでにします。

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