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栄村復興への歩み
2011年3月に震度6強の地震で被災した長野県栄村で暮らす松尾真のレポートを更新しています。

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青倉公民館竣工祝賀式開催される


竣工を祝して乾杯!

 4月30日、青倉公民館で竣工祝賀式が約80名の人たちが参加して盛大に開催されました。
 特筆すべきは、村外から33名もの方がご参加くださったことです。
 主な方をご紹介しますと、京都(再建基金呼びかけ人)、神奈川県湯河原町、県辰野町(食器を寄贈して下さった方)、愛知県(青倉米購入者)、神奈川県海老名市(青倉出身者)、県飯綱町(同地公民館代表)などです。
 区長挨拶で島田与八さんが言われたとおり、「『壊れたので建てた』というのではない。全国の多くの方々のご支援で再建できた。これが復興ということだと思います」ということです。
 青倉公民館は全壊で栄村大震災の被災の象徴となり全国にその倒壊した姿が報道されましたが、これからは栄村復興の象徴となるでしょう。

 祝賀会には青倉のほぼ全戸から世帯代表1名ずつが参加されました。世帯代表ですので、ご高齢の方が多かったのですが、じつは会の席に着いていない人たちに一つの特徴が見られました。会の準備・運営を担当された人たちです。青倉のわけしょたちです。進行役、受付等はすべて彼らによって担われました。震災から約1年。これからの青倉を担う力が湧き出てきている感じがします。
 また、山菜天ぷら、塩むすび、味噌汁などをご用意くださったかあちゃんたちの活躍も特筆すべきものです。

 
村外からの方の姿が目立つ宴の様子

 青倉公民館は1階に畳敷き40畳の多目的広間、2階にフローリングで1階広間と同じ面積の多目的室、16.7畳の会議研修室があります。総工費は約4千万円。    
 非常時の避難施設として設計されています。
 また、都市の人たちとの交流を活発に進めていく拠点ともなります。
 まさに「栄村復興の象徴」となるものです。
 村内のみなさんも、是非、一度、ご見学ください。

青倉公民館が完成しました


 待望の青倉公民館が完成し、4月1日、区総会が新公民館で開催されました。
 青倉区では、4月30日に完成祝賀式典を開催し、公民館再建のためにご寄付くださった村外の方々をご招待する予定です。詳しいことは次号でお知らせします。

 完成した青倉公民館の全貌です。建物周りの敷地は雪消えを待って整備される予定です。

 1階大広間です。足の不自由な高齢者の方に便利なように大広間が1階に設定されました。
 避難所として使用する場合のことも考慮して設計されています。


青倉公民館が姿を見せました

 大雪の中でも着々と建設工事が進められている青倉公民館ですが、先週末、建物を取り囲んでいた工事用のシートが外され、建物の全容が見えるようになりました。写真をご覧ください(11日撮影)。




青倉公民館の建設工事は大雪の中でも進んでいます

 年が変わってから初めて、久しぶりに青倉公民館の建設現場を見てきました。
 激しく雪が降る中でしたが、建設中の建物を囲うシートの内側からは作業員の人たちの声が聞こえ、ご了解を得て、作業現場の中にいれていただき、撮影してきました。

 
2階の建設現場                2階で屋根裏を見る

 現場監督の方と少しお話をしました。「こんな雪の中で、こういう建設作業をやることは平素あるのですか?」とお尋ねしたところ、首を振っておられました。本当に大変な作業だと思います。頭が下がる思いです。

 3月完成が目標です。作業員のみなさんの安全とご検討を祈念します。

栄村復興への歩みNo.95 (通算第129号) 11月4日 

青倉公民館、地鎮祭が行なわれました


 3日午前9時から、青倉公民館建設予定地で地鎮祭が執り行われました。
 地鎮祭には、村から村長、青倉集落からは区長、副区長、評議員会議長、公民館主事、そして施工者のサン・タキザワの社長などが出席、厳粛な雰囲気の中、滞りなく20分程で終わりました。

 工事担当者にお聞きしたところ、地盤の工事が来週から始まります。本体工事は、県産材を使用しますが、材を集めるのに時間を要することから12月頭からになるそうです。なんとか根雪になる前に外屋を建て、冬の間に内装工事を行ない、来年3月までに完成するように運べることを切望しています。

 みなさまにご協力いただいている青倉公民館再建基金ですが、主に集落各世帯負担金のカバーに使わせていただきます。近く、最終的な基金使用計算書を作成し、ご報告する予定です。

 
* 森の公民館再建も決まる
青倉とともに公民館が全壊となった森集落ですが、青倉と同様の補助金を使えることが決まり、近く、再建の設計等が始まるとのことです。

青倉公民館、再建の基本設計が固まる

 26日(月)の夜、青倉集落の「公民館再建説明会」が仮設公民館で開催されました。
 建築設計事務所の手による基本設計案ができたのをうけての会合で、広瀬明彦公民館長、島田益夫公民館主事が進行役を務め、松村建築設計事務所(野沢温泉村、箕作公民館の設計担当事務所)から建設位置、間取り、立面図などについて詳細な説明が行われました。
 説明会には26名の区民が参加され、午後7時半から10時過ぎまで熱心な意見交換が行われました。その結果、建築設計事務所から提案された基本設計案がほぼ原案通りに承認され、いよいよ詳細設計に進むこととなりました。

設計士の説明を聞く青倉の人たち


●冬前に建物の基本をつくり、来年3月完成をめざす
 説明会に出席した役場の担当者の話では、「積雪前に建物の骨格、外壁、屋根等を完成させ、冬期間中に内部の工事を進め、来年3月中の完成をめざす」とのことです。
 村議会で青倉公民館再建費用3,000万円が決まってから、随分と時間が経過しましたが、9月初めに役場の新たな担当体制が決まり、9月上旬から青倉の公民館再建委員会と設計担当者との間で数次にわたって打ち合わせが行われ、26日の説明会に至ったものです。
 冬の到来まで時間が残されていませんので、ここから急ピッチで詳細設計−地盤改
良−本屋建築へ進んでいくことになります。
       

公民館の立面図          


●公民館再建基金にご寄付いただいたみなさまへ

 私自身が呼びかけ人となっています「青倉公民館再建基金」の使途について、上記の公民館再建への進展との関係で、ここで中間報告をさせていただきます。
 公民館再建基金は9月26日現在で寄金総額が9,213,691円となっています。それに対して仮設公民館の設置費用並びに月々のレンタル費用が8月分までで1,630,897円。今後、来春までの経費が約1,700,000円程度と見積もられます。したがって、約580万円強が公民館の本再建に充てることができる額となります。
 ところで、「再建基金」を呼びかけさせていただいた最大の眼目は「個々の世帯の負担を発生させない」ことにありますので、仮設公民館の確保に要する経費以外は、世帯負担金をゼロ化することを主眼に使途を決めたいと考えています。

 しかし、一方で、公民館の再建に要する経費総額がいくらになるのかがまだ確定していません。26日に固まった基本設計案に基づいて詳細設計が行われ、建設費の見積りも出てきます。難点は国の補助金は建物建設費のみの3千万円と固定されていることです。たとえば建物の耐震強度確保に不可欠な地盤改良費は補助金に含まれていません。
 建設に要する費用総額が固まった段階で、青倉区が区としてどれだけの金額を支出できるか等も勘案したうえで、「公民館再建基金」が何の費目にいくらのお金を拠出するのかを決めていきたいと考えています。
 おおよそ10月いっぱいにはこれらのことを決めることができるだろうと予測しています。
 その段階で報告書を作成し、ご寄金いただいたみなさまへの御礼と報告をきちんとお出ししたいと考えています。
 以上、現状についての中間報告です。ご了承いただきますよう、お願い申し上げます。
 

青倉新公民館の敷地が決まりました


青倉の公民館再建の敷地について、青倉公民館再建委員会等で検討されてきましたが、前公民館の斜め前の土地(現在は3枚の田んぼ)に決まりました(上写真の場所)。
 この土地は大田屋(おたや)さんの土地で、大田屋さんの後継者は現在、首都圏にお住まいですが、8月下旬、青倉新公民館の敷地として使用させていただくことについて、ご了解を得られたとのことです。

 これによって、公民館再建は本格的な軌道にのることになりました。
 すでに地盤の第1次的な調査が8月5日に実施済みですが(下写真参照)、地盤補強のための方法を検討し、同時に建物の設計を進めることになります。


スウェーデン式サウンディング試験という地盤調査

 現時点では国の補助金で確保されている予算が3千万円。設計費用は村の予算で別に確保されています。3千万円の枠内で建物設計を考えることになりますが、1つ、解決すべき問題があります。地盤の補強のための経費をどうするか、です。
 今次震災の被害状況を見れば、被害の多くが地盤をめぐって発生しています。
地盤の補強は不可欠です。ところが、現在のところ、村が決めた予算には地盤補強費が含まれていません。いろんな方のお話を聞くと、地盤の補強には200万円から5百万円の間の費用がかかるのではないかと思われます。これを建物建設予算3千万円の中から出すとなると、建物の建設に無理が生じます。別予算が必要です。

 そこで考えたのですが、村は公民館再建・新築にあたって、集落負担金を求めています。しかし、国の補助金は3千万円ありますから、この集落負担金は村への寄付ということになります。村はこのお金を一般財源化するのではなく、地盤補強費に充当すればいいのではないでしょうか。そうすれば新たな財源を探さなくても地盤補強がきちんとできると思われます。


公民館についての続報――新築はまず青倉で

7月4日の記事「補正予算(公民館)について」で公民館新築の予算3千万円が6月補正予算で決まったことをお伝えしましたが、その3千万円で青倉集落の公民館が建設されることがあきらかになりました。
 5日、役場で森、青倉の関係者に対する説明があり、そこであきらかになったものです。
 3千万円は1棟分ですので、森、青倉のいずれに先に建てるのかが大きな問題でしたが、「青倉は高いお金を支払って仮設を確保しているのに対して、森は役場が近く、集落の集まりに役場施設を使うことができる」ということから、青倉公民館建設を先行させるとの役場方針が説明され、森集落の代表も了解されました。この結果、青倉での建設先行が決まったものです。今秋にも着工される予定です。
 青倉の関係者の話によれば、3千万円という予算の上限制約はありますが、施設の中身をどのようなものにするのかについてはかなりの自由度があるとのことです。
 青倉では7日に公民館再建委員会が開催され、今後の建設方針が協議されます。
 建設場所の確定、建物内部の施設構造、建物の外観等を議論し、決めていくことになるようです。そこでは先に公民館を新築した箕作の経験が大きな参考になると思われます。
 公民館の建設は、これからの青倉集落復興の方向を大きく左右していくものになるでしょう。

<青倉公民館再建基金の扱いについて>
 全国の皆さまから寄金が寄せられている青倉公民館再建基金ですが、7月5日現在、885万5,862円になっています。ご協力いただいた皆さまに改めて御礼申し上げます。
 この基金を活用させていただいて、4月29日に仮設公民館がオープンしましたが、これはレンタル方式です。設置と6月までの経費で100万8,834円がすでに支出されていますが、来年4月までの1年間で計約300万円を要します。
 現在までの寄金総額から300万円を差し引いた585万円余が新築資金に使えます。これはまず、基金の趣意通り、青倉集落のみなさんの負担金をなくすために活用させていただきます。つぎに、一定の余剰が生まれると予想されますが、集落拠点施設として充分なものとするうえで、村予算の3千万円では不足する経費を賄うために活用させていただきたいと考えています。
 ここ1ヶ月ほどの間に、建設に必要な総額等があきらかになってきますので、それをふまえ、改めて基金の使途についてご報告させていただく予定です。


補正予算(公民館)について

 6月21日〜24日、村議会の6月定例会が開かれ、約26億7千万円の補正予算が成立しました。これについては7月1日付けの「広報さかえ」でも紹介されていますが、率直にいって補正予算で決まった事業の内容が分かりにくいので、公民館関係の予算について説明したいと思います。

<公民館について>
 「広報」で次のように書かれています。
○高齢者等支え合い拠点施設整備事業
* 事業内容 集落自治機能を回復させるため、コミュニティ施設の整備を行う。
* 事業費 3315万円

 これが公民館の新築に係る予算だということは分かる人は限られていると思います。厚労省の福祉関係の補助事業を活用して公民館の新築を行うため、このように表記されているわけです。
 事業費3,315万円の内訳は、公民館施設建設費3,000万円、設計費315万円です。

 なお、公民館の新築は森、青倉の2地区が対象だと明言されていますが(6月21日の村議会全員協議会での村の説明)、上記の3,315万円が森、青倉のいずれに投じられるのか、よくわかりません。7月5日に集落の役員に対する役場の説明が予定されていますので、それで明確なことが判明するでしょう。

 今後も、震災復旧予算が色々と出てくると思われますが、今回の「広報」のような表記方法だと、村民には非常に分かりづらいと思います。まず、「公民館新築事業の予算」だということを明確にお知らせし、そのうえで、その予算の資金源がどこから得られるのか、そして、どういう名目の事業として行われるのかを説明する、というように改善することが望ましいと思います。

村営住宅や公民館の建設をどう進めるか


候補地の1つとして浮上している住宅跡地

 集落への村営住宅の建設や公民館の新築について、村の方針がある程度現実化してきました。それをうけて、これから大事になってくるのは、敷地の決定や、どういう住宅・公民館を建てるのかについての構想の練り上げです。

 これを役場まかせにするのではなく、集落の復興委員会等で積極的に議論し、住民自身の具体的な構想を提案していくことが、集落の復興の行く末を左右することになるでしょう。

 青倉集落の場合をみると、敷地については候補地がかなり具体的に議論されているようです。敷地をどこにするかは、多くの家屋が解体されている中で、青倉のこれからの集落の様子を大きく左右することになると思われます。

 また、建物は村営住宅、公民館のいずれも木造建築が望まれています。
 さらに、公民館の場合、使用される国の補助金の性格との関係で、どういう施設を内部につくれるのか、また、消防車の車庫を併設できるのか等について、役場から提示してもらいたいという声が上がっています。その点を役場から提示してもらったうえで、集落としての構想を具体化していくことになるでしょう。


公民館跡地に消防車の姿が見える。やはり旧公民館付近が望ましいという声があがっている

 一方、村営住宅については予算規模がまだほとんどあきらかになっていません。山古志村の復興住宅が1つの参考になりますが、東北地方では仮設住宅をめぐって、プレハブだけでなく、木造の仮設住宅の建設も進んでいて、そこでは恒久的な復興住宅にも使える工法(板倉(いたくら)工法)が採用されていて、それを参考にすれば1世帯あたり1,500万円程度で建設可能なようです。山古志村の復興住宅の見学、東北地方で採用された工法をHP等で調べる、専門家を招いて勉強会を行なうなどして、住民の村営住宅構想をどんどん具体化していくことが大事だと思います。

 村営住宅、公民館の具体化へ、どんどん動いていきましょう。