栄村復興への歩みNo.337(5月29日発行)
- 被害記録/村内写真
- 2018.05.31 Thursday
〜5月25日発生震度5強地震に関する特別号〜
怖かったですね。25日夜の震度5強の後、現在のところ、同クラスないしより強い地震は発生していなくて、少しホッとしていますが…。このまま収束することを祈っています。
25日夜9時13分頃の発生時、私はTVをつけて、畳の上で横になっていましたが、一瞬、何が起こったのか、わかりませんでした。しかし、すぐに激しい横揺れで、建物がガタガタ、ギシギシと音をたてて激しく揺れ、食器が戸棚から落ちる音が聞こえました。でも、床に這いつくばっているのが精一杯で、周りを見る余裕もありません。「ああ、またあの時に戻るんだ」と7年前の状況が頭の中に浮かびました。
幸いにして、間もなく揺れが収まり、私はヘルメットを片手に役場に出向きました。
この「復興への歩み」では、TVや信毎などであまり報道されていないことを中心として、今回の地震について村民の間での情報共有に役立つと考えることを記すようにしたいと思います。
🔶長瀬近辺が震源か。長瀬近辺〜津南町百ノ木等に被害が集中
すでに報道されている被害状況、役場が集約している被害報告、私自身が実際に歩いて見て回った被害状況等から、今回の地震は震源が長瀬付近にあること、さらに、じつは百ノ木など津南町において激しい被害があることがわかります。
図1 推計震度分布図
上図は、気象庁が25日夜11時15分からの記者会見で配布した資料の1つです。震度が色で描かれていますが、長瀬付近に最も濃い色があり、震度が大きかったゾーンが県境を挟んで栄村東部地区と津南町百ノ木・加用・中子地区に存在することがわかります。
さらに、次の「震央分布図」というものもご覧ください。
「震央」とは「震源の真上の地表の点」のことです。
「震央分布図」を見ると、県境よりも津南町寄りに位置している震央が多いです。
(「震央」がたくさん記載されているのは、25日午後9時〜10時20分の間に、私たちが感じた以外にも震度1以下の地震が多数回起こっていると機械計測されているからです。)
🔶 被害状況の写真
TVや新聞で報道されている以外の被害状況を数枚、紹介します。
写真1
写真1は津南町百ノ木のお墓が倒壊している状況です。「倒れた」というよりも、「ぶっ飛んだ」と表現するほうが状況を的確に表すと思います。揺れの激しさを示しています。
なお、加用集落の人からは、「作業小屋の中がぐちゃぐちゃで、田植えをしようにも、丸一日かけて作業小屋の中
を片付けないと、田植えどころではない」という話をお聞きしています。
写真2
写真3
写真2は、長瀬集落の中心部から北野川を挟んで、東岸の崖上にある長瀬・中尾地区の田んぼゾーンに向かう村道上にクラックが発生している状況です。
写真3は、その中尾の田んぼゾーンの中で、北野川に面した急崖の上に位置する農道の舗装部分と崖側の地面の間に亀裂が生じ、川側の地面が下がっている状況です。
写真4
写真4は、すでに報道されている長瀬・中田の斎藤進さんの田んぼに生じたクラックの広さ・深さを撮影したものです。
このように被害状況を見ると、「7年前のような大被害にならなくてよかった」と思う反面、被害はけっして軽いものではなく、本格的な復旧対策を要する被害が各地で生じていることがわかります。
🔶 村の対応について
私が役場に到着したのは9時20分よりも少し早かったと思いますが、間もなく役場職員が緊急登庁し始めました。森川村長は9時30分頃に到着。役場の公式記録によれば、「9時35分 本部会議(1回目)村長室」となっています。
私は議員であって行政職員ではありませんので、村の地震災害警戒本部設置以降は役場2階の議会事務局で待機しました。
役場は午後10時30分に「全集落の安否確認完了→異常なし」を確認、さらに夜を徹して被害状況確認作業を進め、翌26日午前8時から全職員を動員して、村内のパトロールを実施し、被害状況の把握に努めました。なお、26日午前5時25分からは村長らが搭乗する国土交通省のヘリが村上空を飛び、上空からの被害状況調査を行いました。
地震発生は夜でしたが、まだ多くの人が眠ってはいない時間帯であったことも幸いし、村の初動対応は素早く、基本的に評価されるものだったと思います。7年前の辛い経験が生かされたと思います。もちろん、細部にわたっては種々の角度から総括し、改善すべき点を抽出して、今後の防災対策・緊急時対策に生かしていくことが必要だと思います。
議会は、「各議員は自らの地域で対応」とし、各議員に連絡しました。
なお、28日(月)午前9時から村長提出と議長提出の議会全員協議会を開催し、村からの被害状況報告の聴取と質疑等を行いました。
🔶 被害状況の役場への集中の大事さ
今回の地震活動が早く収束することを祈るばかりですが、最後に一点、みなさまへのお願いがあります。
みなさんのお家や田んぼ等での被害について、どんな小さなことでも役場に知らせていただきたいということです。被害が「食器が数点、棚から落ちて壊れた」というだけでも知らせることが大事です。それが今回の地震について解明を進め、今後の防災対策をよりよいものにしていく上での貴重な情報となります。
是非、ご協力をお願いします。
(「栄村復興への歩み」は本年2月から有料配達になりましたが、今号は全世帯無料配布としました。)