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栄村復興への歩み
2011年3月に震度6強の地震で被災した長野県栄村で暮らす松尾真のレポートを更新しています。

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「夢を語れる学校づくり」――下高井農林高校の存続へのモデルを学ぼう!

● 「高校再編(一次分)」での決定をひとまず食い止めました
 前号でお伝えした下高井農林高校の存続をめぐる問題、3月24日の県教育委員会の定例会で何が打ち出されるかが注目されました。
 私は県庁8階の「教育委員会室」で開催された定例会を傍聴してきました。結論から先に言うと、「下高井農林の地域キャンパス化(分校化)」が「高校再編(一次分)」に盛り込まれることにギリギリのところでストップをかけることができました。

 

 

 これが県教委の「再編・整備計画(一次分)」の旧第1通学区(岳北地域)に関する記述内容です。「地域キャンパス化(分校化)」は「今後の高校配置」(=再編・統合)から外され、「今後の検討」に先送りされました。
 この「今後の検討」というのは、私たちが油断をしないかぎり、来年3月の県全体の高校再編計画決定時まで「猶予期間」が確保できたということです。

 

● 下高井農林高校をどんな学校にしていくのか
 そこで、これから私たちに問われるのは、《下高井農林高校をどんな学校にしていくのか》ということです。
 私たちは、いま現在の下高井農林高校で実現されていることの素晴らしさを学ぶことが必要だと思います。下写真は3月28日の信毎北信地域版の記事。「木鋪さん考案パン」は農林の素晴らしさの1つの事例であって、これがすべてではありません。国際部(部活の1つ)の生徒が英語会話力を駆使して、インバウンド観光客にインタビューし、北信地域の魅力を探るというような活動もあります。

 

 

●『奇跡の学校』を紹介します
 私は『奇跡の学校』(光村図書発行、現在品切れ、ネットで中古本入手可能)という本をネットで購入し、3月29日夜、2時間ほどでいっきに読みきりました。2006(H19)年から3年間、村立おといねっぷ美術工芸高校の校長を務められた石塚耕一さんが書かれたものです。生徒たちがどのような状況で高校に入学し、3年間の学びを通じてどのように成長していったか、じつにいきいきと描かれています。

 


 石塚さんが赴任時に示された「学校経営方針」のタイトルは「夢を語れる学校づくり」。そして、「すべての教職員が一人ひとりの生徒を大切にする」、「一人ひとりの生徒の可能性を見つけ、伸ばし、自信を与える」などの項目が掲げられています。本に書かれた事例を読むと、たとえば小学校・中学校で不登校だった生徒が高校の学びの中で自らの可能性を見つけ、自信をもって巣立っていく様子などが手にとるようにわかります。世界的レベルの家具デザイナーをめざす卒業生も誕生しています。
 私たちがめざすべき下高井農林高校像を探っていくうえで大いに参考になると思いました。
今後は、下高井農林の生徒さん、卒業生にみなさんにお会いして、農林の無限の可能性を探っていきたいと思います。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
栄村復興への歩みNo.379
2020年3月30日発行 編集・発行人 松尾真
連絡先:電話080−2029−0236、 mail;aokura@sakaemura.net
ゆうちょ銀行 11100−01361481 栄村復興への歩み協賛寄金 ながの農協栄出張所 普通0009390 栄村復興への歩み発行協賛金松尾眞


栄村復興への歩みNo.378(3月20日付)

 

 

地域の力で下高井農林の存続を!
 写真は下高井農林高校の生徒さんが考案された「野沢菜おやきパン」です。とても美味しい! 3月2日に野沢温泉村道の駅で購入し、写真を撮りました(パンについて詳しくは3頁)。
 栄村議会は3月定例会で、「下高井農林高校の地域キャンパス(分校)化ではなく現在のまま存続を求める意見書」を可決しました。木島平村議会では13日、野沢温泉村議会では19日に同様の意見書が可決されました。他方、飯山市議会では残念ながら意見の一致をみることができませんでしたが、5名の市議が下高井農林高存続の立場を明確にされました。

 

● 状況は緊迫しています
 県教育委員会は3月24日に定例会議を予定していて、そこで「第2期高校再編第一次分」を具体的な高校名を入れて決定しようとしているようです。栄村議会の意見書はまさにその「第一次分」に下高井農林高校を含めないよう求めるものです。
 下高井農林高校の存続の可否は栄村を含む岳北地域の存亡にかかわる大問題です。高校・教育の問題であると同時に、地域の問題そのものだとうけとめて、考え・行動する必要があります。

 

● 「中学生人口が減れば高校をなくす」――そんなことでは少子高齢化対策はできない
 県教委が進める「高校第2期再編」は、
   ・ 岳北地域の中学校卒業生は、平成30年の265名に対し、

    15年後には167名(H30年の約63%)に減る。飯山、農

    林2高校のクラス数は7から4に減る
ことを前提として、
   ・ 生徒数が120人以下、もしくは160人以下で中学卒業生

    の半数以上が当該高校に入学してくる中学校がない状態が

    2年連続した場合は、飯山・農林の統合か、地域キャンパ

    ス化(分校化)する
としています。
 じつに馬鹿げた、過疎地域を蔑(ないがし)ろにした考えです。
 高校を減らしたら、地域が守られるどころか、中学生がいる家庭はこの地域から脱出しようとするでしょう。高校再編は究極の岳北地区潰し策だと言わざるをえません。

 

●人口800人の村が村立高校を43年間運営し、全国から注目されています(北海道)
 長野県の高校再編策、岳北地区の首長さんたちが認める下高井農林分校化路線とまったく逆をいく地方自治体があります。
 北海道でいちばん小さな村、音威子府村です。「おといねっぷむら」と読みます。人口わずか800名。北海道北部に位置する村です。

 


 ここに道立ではなく村立の高校があります。音威子府美術工芸高校です。生徒たちが造る(創る)作品は優れていて、全国から注目されています。私はNHKの番組「ぐっさんの国道トラック旅 札幌〜稚内」で山口智充さんと女優の田中美佐子さんが同校を大型トラックで訪れる様子を見て、この高校の存在を知りました。
 「廃校」がささやかれた昭和53年に赴任した狩野剛校長は音威子府村を隅から隅まで視察し、村の宝物である「豊富な木材」と「村人の心の熱さ」に着目、《全国どこにもない高校づくり》に人生をかけることにしました。それから43年、音威子府美術工芸高校は全国から注目が集まる高校になっています。生徒は道内各地はもとより、全国から集まり、約120名です。生徒たちはチセネシリ寮という全生徒が入寮できる寮で暮らしています。
 音威子府村は、村民の2割近くが高校生という、とても夢ある村になっています。

 

● 生徒たちが次々と実績をあげている下高井農林高を地域の希望の星に!
 下高井農林高校の生徒たちは、地域に密着したユニークな活動に色々と取り組んでいます。信毎で紹介された飯山の伝統工芸「小沼箒」の技の継承はその一つですね。栄村の森集落が4年前から取り組んでいるソバ栽培の収穫祭でソバ打ちの先生役を務めているのは栄村在住の農林校生です。
 そんな生徒たちの取り組みの中で誕生したのが1頁に写真紹介した「野沢菜おやきパン」です。
これは、毎年、静岡県の伊豆の国市で開催される「全国高校生パンコンテスト」の第14回大会(本年1月18、19日)で同高の木鋪杏莉さんが「特別賞」(日清製粉賞)を獲得したものです。全国から435名がエントリー、第1次書類審査を突破した24名が伊豆の国市に集い、パンづくりの技を競いました。
 「野沢菜おやきパン」はまずパン生地がとても美味しい。一流のパンです。そこに適量の野沢菜がサンドされています。野沢菜が目立ちすぎることもなく、パン生地と絶妙のバランスです。是非、一度お試しください。きっと大きな満足をしていただけることと確信します。(お問い合わせは下の電話番号へ)

 


 農林高校生は地域の希望です。下高井農林高校を岳北地域の宝としていくことこそ、栄村をはじめとしてこの地域が持続可能な山村として活性化していくキーポイントとなると思います。みんなの力で下高井農林高を守り、育てましょう。

 

 


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